もう一度ちゃんと「家」と向き合わなければ、止まってしまったままの時が動かないような気がする。そしてその「家」には常に台湾語があった。
だから本当は、母の母語である台湾語をこそ習得すべきだったのだろう。
あと自分がどれだけ生きられるのか、どれだけの可処分時間があるのか分からない。
巻きで。巻きで生きねば。
もう一度ちゃんと「家」と向き合わなければ、止まってしまったままの時が動かないような気がする。そしてその「家」には常に台湾語があった。
だから本当は、母の母語である台湾語をこそ習得すべきだったのだろう。
あと自分がどれだけ生きられるのか、どれだけの可処分時間があるのか分からない。
巻きで。巻きで生きねば。
そうした歪な家庭環境で育ったものだから、色々な知識が歯抜けていた。「田舎」はなかったし、祖父母とは会話ができないまま死に別れた。
母や父の生まれ育った環境がどのようなものか知りたくて、大学院を休学して一年間の語学留学をした。台湾という国について様々に体感したし、また少しだけ台湾華語も話せるようになった。
それでも母親の出自の多くは闇に閉ざされていた。様々な物語を聞かされたのは、彼女が他界するほんの数日前だった。
そうした歪な家庭環境で育ったものだから、色々な知識が歯抜けていた。「田舎」はなかったし、祖父母とは会話ができないまま死に別れた。
母や父の生まれ育った環境がどのようなものか知りたくて、大学院を休学して一年間の語学留学をした。台湾という国について様々に体感したし、また少しだけ台湾華語も話せるようになった。
それでも母親の出自の多くは闇に閉ざされていた。様々な物語を聞かされたのは、彼女が他界するほんの数日前だった。