天の華奢な背中に投げかける。振り返ることなく天は続きを促した。
「待ち合わせ、する必要あったんですか」
「ないけど」
「は……?」
「キミはなにかと理由を付けないと済まないタイプ?」
天は足を止めて、今度こそ振り返る。野暮ったい眼鏡の奥の眼光は、人を惹きつけ魅了するアイドルの瞳――ではなく、一織のみに向けられる、何かを咎めるような瞳だった。天のいうことは最もで、否定を出来ずに黙りこくると、呆れたように肩を竦む天が再び歩きだす。
「キミ、ロケ中もそんな感じだったら腹パンだよ」
「……仕事はちゃんとこなします。プロですから」
「そう」
っていうお話。
天の華奢な背中に投げかける。振り返ることなく天は続きを促した。
「待ち合わせ、する必要あったんですか」
「ないけど」
「は……?」
「キミはなにかと理由を付けないと済まないタイプ?」
天は足を止めて、今度こそ振り返る。野暮ったい眼鏡の奥の眼光は、人を惹きつけ魅了するアイドルの瞳――ではなく、一織のみに向けられる、何かを咎めるような瞳だった。天のいうことは最もで、否定を出来ずに黙りこくると、呆れたように肩を竦む天が再び歩きだす。
「キミ、ロケ中もそんな感じだったら腹パンだよ」
「……仕事はちゃんとこなします。プロですから」
「そう」
っていうお話。