https://note.com/3bongawa_books/n/n369e74f8dfd9?sub_rt=share_sb
王冠をかぶったドリトル先生が、大きいお尻をつきだしつつ、チョウにむかって虫取り網を構えている姿です。
自分らしくない身分を与えられた中で、それでも自分らしくあろうともがいている姿が愛らしい。
あとこれはあまり気にしてはいけないのかもしれないですが、ドリトル先生って肉を食べるんですね。
先生の好物にブタ肉が挙げられていました。逃げてガブガブ……!
王冠をかぶったドリトル先生が、大きいお尻をつきだしつつ、チョウにむかって虫取り網を構えている姿です。
自分らしくない身分を与えられた中で、それでも自分らしくあろうともがいている姿が愛らしい。
あとこれはあまり気にしてはいけないのかもしれないですが、ドリトル先生って肉を食べるんですね。
先生の好物にブタ肉が挙げられていました。逃げてガブガブ……!
本作を読んで、なお一層ドリトル先生のことが好きになりました。
「この条約は、ふつうの平和条約とちがって、いまでもかたく守られています」という、現実社会への厳しい皮肉がありました。
一度目の世界大戦の後に刊行された本作には、反戦の思いがこめられているのをひしひしと感じます。
クモサル島が統一され、近代化が進んでいくくだりは、明治時代の日本の縮図を見ているようで興味深いものでした。
私はこの島の未来が非常に気になっています。
本作を読んで、なお一層ドリトル先生のことが好きになりました。
「この条約は、ふつうの平和条約とちがって、いまでもかたく守られています」という、現実社会への厳しい皮肉がありました。
一度目の世界大戦の後に刊行された本作には、反戦の思いがこめられているのをひしひしと感じます。
クモサル島が統一され、近代化が進んでいくくだりは、明治時代の日本の縮図を見ているようで興味深いものでした。
私はこの島の未来が非常に気になっています。
それから犬のジップがブタのガブガブにはなった「きさまの脳みそは、そのくらいのもんだ、トンカツの生きたの!」というセリフは、私の読んだ岩波少年文庫の暴言ランキング暫定1位にさせていただきます。
それから犬のジップがブタのガブガブにはなった「きさまの脳みそは、そのくらいのもんだ、トンカツの生きたの!」というセリフは、私の読んだ岩波少年文庫の暴言ランキング暫定1位にさせていただきます。
犬の嗅覚、フクロの聴覚、ネズミの予知能力など、それぞれの動物が個性を活かして困難に向き合います。
動物たちの習性や強みがありありと描かれているのが、楽しさを生み出しています。
ドリトル先生という人物も魅力的です。大人としては珍しくお金に執着しない上、動物たちに強い愛情をそそいでいます。
動物と話す特殊能力はわずか数日間で身につけたものであり、実は修得が難しいものではないとも考えられます。でもそれを学ぶ機会が得られたのは、彼の人徳ゆえです。
犬の嗅覚、フクロの聴覚、ネズミの予知能力など、それぞれの動物が個性を活かして困難に向き合います。
動物たちの習性や強みがありありと描かれているのが、楽しさを生み出しています。
ドリトル先生という人物も魅力的です。大人としては珍しくお金に執着しない上、動物たちに強い愛情をそそいでいます。
動物と話す特殊能力はわずか数日間で身につけたものであり、実は修得が難しいものではないとも考えられます。でもそれを学ぶ機会が得られたのは、彼の人徳ゆえです。
あの時に出会うべきだったのは『ジム・ボタン』だったんだ!
あの時に出会うべきだったのは『ジム・ボタン』だったんだ!
シリーズ物ならではのキャラクターの再登場って嬉しいですよね(『ナルニア』のアスランとか、『ゲド戦記』のテナーとか)。
一番素晴らしいと感じたのは、子供たちからのファンレターが作中に登場し、主人公へ渡されたことです。
現実の世界と物語の世界を地続きにして、読者と登場人物を対等にしています。
ファンレターのお礼をあとがきに書いている例は見かけますが、こんなのは初めて見ました。お見事すぎます。
シリーズ物ならではのキャラクターの再登場って嬉しいですよね(『ナルニア』のアスランとか、『ゲド戦記』のテナーとか)。
一番素晴らしいと感じたのは、子供たちからのファンレターが作中に登場し、主人公へ渡されたことです。
現実の世界と物語の世界を地続きにして、読者と登場人物を対等にしています。
ファンレターのお礼をあとがきに書いている例は見かけますが、こんなのは初めて見ました。お見事すぎます。
なぜか生き物として描かれ続け、突飛な偉業をなした機関車エマも好きです。
大きな謎の解明が持ち越され、期待感が高められつつ次作に続きます。
2作目『ジム・ボタンと13人の海賊』が楽しみです!
なぜか生き物として描かれ続け、突飛な偉業をなした機関車エマも好きです。
大きな謎の解明が持ち越され、期待感が高められつつ次作に続きます。
2作目『ジム・ボタンと13人の海賊』が楽しみです!
作中で機関車が動かせなくなるトラブルが起こった時、エンデも困り果てて1ヶ月間執筆が止まったというのは、注目したいエピソードです。
書き直せばいいじゃないかと思ってしまうのですが、それをせず物語に身を任せていたエンデは、創作において特別な姿勢を持っていたようです。
(ル=グウィンがアースシーを「探索」したと述べている『ドラゴンフライ』のまえがきを連想しました)
作中で機関車が動かせなくなるトラブルが起こった時、エンデも困り果てて1ヶ月間執筆が止まったというのは、注目したいエピソードです。
書き直せばいいじゃないかと思ってしまうのですが、それをせず物語に身を任せていたエンデは、創作において特別な姿勢を持っていたようです。
(ル=グウィンがアースシーを「探索」したと述べている『ドラゴンフライ』のまえがきを連想しました)
ル=グウィンはエッセイ「アメリカ人はなぜ竜がこわいか」(『火明かり』収録)で「子どもが死んで大人になるのではなく、子どもが生きのびて大人になるのです」と書いています。
私たちの中に生き続けている子供時代を抑えつけてはいけない。
冒頭で引用したセリフの後、「ただただ、深く感じとるために生きている」と語られます。
日光を浴びた桜の樹皮のぬくもり。手の平の上で脱皮したセミのかすかな震え。自然とのかかわりの中で生まれる豊かな質感が提示されています。
自分はどうだろう。スマホを握りしめる日々に危機感を覚えました。
ル=グウィンはエッセイ「アメリカ人はなぜ竜がこわいか」(『火明かり』収録)で「子どもが死んで大人になるのではなく、子どもが生きのびて大人になるのです」と書いています。
私たちの中に生き続けている子供時代を抑えつけてはいけない。
冒頭で引用したセリフの後、「ただただ、深く感じとるために生きている」と語られます。
日光を浴びた桜の樹皮のぬくもり。手の平の上で脱皮したセミのかすかな震え。自然とのかかわりの中で生まれる豊かな質感が提示されています。
自分はどうだろう。スマホを握りしめる日々に危機感を覚えました。
知的で器用で自信を持っているし、見知らぬ人に堂々と話しかけることもできます。
世界とうまく繋がっているなと思います。
(ちなみにいくつかの手がかりから、作者ご自身の身内という設定ではないかと推測しています)
タイムトラベル物ではありますが、タイムマシン的な仕掛けを用いないまま、継ぎ目なく過去に足を運び入れています。
『時の旅人』を読んだ時も思ったのですが、ギミックではなく主人公の内面に焦点が当たって、SFっぽい匂いがしないです。
あのガンバの冒険シリーズの斎藤先生の作品ですので、引き続き期待をしながら読み進めてまいります。
知的で器用で自信を持っているし、見知らぬ人に堂々と話しかけることもできます。
世界とうまく繋がっているなと思います。
(ちなみにいくつかの手がかりから、作者ご自身の身内という設定ではないかと推測しています)
タイムトラベル物ではありますが、タイムマシン的な仕掛けを用いないまま、継ぎ目なく過去に足を運び入れています。
『時の旅人』を読んだ時も思ったのですが、ギミックではなく主人公の内面に焦点が当たって、SFっぽい匂いがしないです。
あのガンバの冒険シリーズの斎藤先生の作品ですので、引き続き期待をしながら読み進めてまいります。