三本川📚読書家
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三本川📚読書家
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Xで1万人に見守られながら児童文学を読んでいる珍しい人。フォローするとタイムラインがほのぼのします。 #岩波少年文庫100冊マラソン の発起人。毎朝5:45から #朝読書1000日マラソン の配信をしています。
https://note.com/3bongawa_books/n/n369e74f8dfd9?sub_rt=share_sb
終盤にとても好きな挿絵がありました。
王冠をかぶったドリトル先生が、大きいお尻をつきだしつつ、チョウにむかって虫取り網を構えている姿です。
自分らしくない身分を与えられた中で、それでも自分らしくあろうともがいている姿が愛らしい。

あとこれはあまり気にしてはいけないのかもしれないですが、ドリトル先生って肉を食べるんですね。
先生の好物にブタ肉が挙げられていました。逃げてガブガブ……!
November 28, 2025 at 2:13 AM
子供につきとばされても優しさを失わない姿、無実の男を救うために力を尽くす姿、嵐で船が壊れても平静なまま髭をそる姿……。
本作を読んで、なお一層ドリトル先生のことが好きになりました。

「この条約は、ふつうの平和条約とちがって、いまでもかたく守られています」という、現実社会への厳しい皮肉がありました。
一度目の世界大戦の後に刊行された本作には、反戦の思いがこめられているのをひしひしと感じます。

クモサル島が統一され、近代化が進んでいくくだりは、明治時代の日本の縮図を見ているようで興味深いものでした。
私はこの島の未来が非常に気になっています。
November 28, 2025 at 2:13 AM
第1作からアフリカへの長い旅をしていますが、どうやらいずれ月にまで行くらしいので、今後も楽しみに見守ってまいります。

それから犬のジップがブタのガブガブにはなった「きさまの脳みそは、そのくらいのもんだ、トンカツの生きたの!」というセリフは、私の読んだ岩波少年文庫の暴言ランキング暫定1位にさせていただきます。
November 24, 2025 at 7:12 AM
「鳥や獣や魚という友だちのあるかぎり、海賊のかしらごときは恐るるにたらんのだ」

犬の嗅覚、フクロの聴覚、ネズミの予知能力など、それぞれの動物が個性を活かして困難に向き合います。
動物たちの習性や強みがありありと描かれているのが、楽しさを生み出しています。

ドリトル先生という人物も魅力的です。大人としては珍しくお金に執着しない上、動物たちに強い愛情をそそいでいます。
動物と話す特殊能力はわずか数日間で身につけたものであり、実は修得が難しいものではないとも考えられます。でもそれを学ぶ機会が得られたのは、彼の人徳ゆえです。
November 24, 2025 at 7:12 AM
私は子供の頃に『モモ』と『はてしない物語』を読んでエンデが大好きになり、その次に『鏡の中の鏡』を読んでしまってトラウマを負いました。
あの時に出会うべきだったのは『ジム・ボタン』だったんだ!
November 20, 2025 at 9:58 AM
『機関車大旅行』で登場した個性的なキャラクターが、同じ個性を別の方面に活かして、新たな活躍をしたりします。
シリーズ物ならではのキャラクターの再登場って嬉しいですよね(『ナルニア』のアスランとか、『ゲド戦記』のテナーとか)。

一番素晴らしいと感じたのは、子供たちからのファンレターが作中に登場し、主人公へ渡されたことです。
現実の世界と物語の世界を地続きにして、読者と登場人物を対等にしています。
ファンレターのお礼をあとがきに書いている例は見かけますが、こんなのは初めて見ました。お見事すぎます。
November 20, 2025 at 9:58 AM
「乳のみ子」を自認しているピン・ポン、遠近法がひっくり返っているトゥー・トゥーなど、存在が面白いキャラクターたちが脇をかためています。
なぜか生き物として描かれ続け、突飛な偉業をなした機関車エマも好きです。

大きな謎の解明が持ち越され、期待感が高められつつ次作に続きます。
2作目『ジム・ボタンと13人の海賊』が楽しみです!
November 16, 2025 at 11:22 AM
訳者あとがきで、本作がどのように書かれたのか説明されています。
作中で機関車が動かせなくなるトラブルが起こった時、エンデも困り果てて1ヶ月間執筆が止まったというのは、注目したいエピソードです。
書き直せばいいじゃないかと思ってしまうのですが、それをせず物語に身を任せていたエンデは、創作において特別な姿勢を持っていたようです。
(ル=グウィンがアースシーを「探索」したと述べている『ドラゴンフライ』のまえがきを連想しました)
November 16, 2025 at 11:22 AM
(別に脱スマホがテーマとかでは全然ないのですが、勝手にそのように読み取って危機感が…スマホって感受性を損なっていると思われて…)
November 11, 2025 at 12:27 PM
作中で大人たちの過去と現在が結びつけられます。
ル=グウィンはエッセイ「アメリカ人はなぜ竜がこわいか」(『火明かり』収録)で「子どもが死んで大人になるのではなく、子どもが生きのびて大人になるのです」と書いています。
私たちの中に生き続けている子供時代を抑えつけてはいけない。

冒頭で引用したセリフの後、「ただただ、深く感じとるために生きている」と語られます。
日光を浴びた桜の樹皮のぬくもり。手の平の上で脱皮したセミのかすかな震え。自然とのかかわりの中で生まれる豊かな質感が提示されています。
自分はどうだろう。スマホを握りしめる日々に危機感を覚えました。
November 11, 2025 at 12:22 PM
主人公が極めて健全で大人びており、好感の持てる少年です。
知的で器用で自信を持っているし、見知らぬ人に堂々と話しかけることもできます。
世界とうまく繋がっているなと思います。
(ちなみにいくつかの手がかりから、作者ご自身の身内という設定ではないかと推測しています)

タイムトラベル物ではありますが、タイムマシン的な仕掛けを用いないまま、継ぎ目なく過去に足を運び入れています。
『時の旅人』を読んだ時も思ったのですが、ギミックではなく主人公の内面に焦点が当たって、SFっぽい匂いがしないです。

あのガンバの冒険シリーズの斎藤先生の作品ですので、引き続き期待をしながら読み進めてまいります。
November 8, 2025 at 10:29 AM