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つまみは酒粕クリームチーズです🧀
つまみは酒粕クリームチーズです🧀
社会を取り扱っている、作品の舞台で生きている人がいる作品にこの言葉を使うとき、いつも迷うのですが「小説」に向けて言うと面白かった。沖縄という社会が抱える問題、その中で生まれ育った青年がどこにも行けない陰鬱と暴力の中で生きていく姿を隠すことなく描いている。
米軍による暴力に怒りを溜め込む青年を描きながら、「米軍に生活させてもらってるから」と暴力を飲み込み、そして他人にも飲み込ませようとする人々の姿も描いているのが個人的にとても悍ましくて上手いと感じました。心のどこかで自覚はしているのだろうけれど、無自覚に誰かを黙らせようとする人々…
社会を取り扱っている、作品の舞台で生きている人がいる作品にこの言葉を使うとき、いつも迷うのですが「小説」に向けて言うと面白かった。沖縄という社会が抱える問題、その中で生まれ育った青年がどこにも行けない陰鬱と暴力の中で生きていく姿を隠すことなく描いている。
米軍による暴力に怒りを溜め込む青年を描きながら、「米軍に生活させてもらってるから」と暴力を飲み込み、そして他人にも飲み込ませようとする人々の姿も描いているのが個人的にとても悍ましくて上手いと感じました。心のどこかで自覚はしているのだろうけれど、無自覚に誰かを黙らせようとする人々…
視点が様々に変わり、それぞれ登場人物たちの心情が伝わってくる中で芸術監督がなにを考えているのか、美しい画家が何を考えているのか、周囲がエピソードの中から勝手に見つけるだけで、なにもわからないというのが良かった。
一方通行で捧げる感情、それを納得させるためだけに自分の中で理由をつけていく描写を丁寧に描きながら、それはあくまで自分の想像であって、本体を掴んでいるわけではないと突きつけるのが良い。最後の評論で解釈を飲み込んで進んでいく人がいたのも良かった。
ただカリスマ芸術監督が人格否定、暴力、なんでもありのパワハラ監督なのでそういう描写が苦手な人はダメかも。
視点が様々に変わり、それぞれ登場人物たちの心情が伝わってくる中で芸術監督がなにを考えているのか、美しい画家が何を考えているのか、周囲がエピソードの中から勝手に見つけるだけで、なにもわからないというのが良かった。
一方通行で捧げる感情、それを納得させるためだけに自分の中で理由をつけていく描写を丁寧に描きながら、それはあくまで自分の想像であって、本体を掴んでいるわけではないと突きつけるのが良い。最後の評論で解釈を飲み込んで進んでいく人がいたのも良かった。
ただカリスマ芸術監督が人格否定、暴力、なんでもありのパワハラ監督なのでそういう描写が苦手な人はダメかも。
どうして彼らは人を殺したのか、彼らはただの加害者なのか、そのとき何があったのかをルポライターという外側から紐解いていく話。何冊か読んでいますが、人間の精神の構築と破壊に至るまでが好きだなといつも思います。そこに絡むシリアルキラーとの友情も良い。
際どいラインを描いていると思うときもあるけれど、逃げられなくなる精神的支配、家父長制が根強い社会で生きる女性たちの諦めや怒り、SNSでの扇動など、そのときの社会を描いてくれているのが良い。ルポライターとシリアルキラーの触れ合っていないのに、触れ合っている、心の繋がりも良かった。
どうして彼らは人を殺したのか、彼らはただの加害者なのか、そのとき何があったのかをルポライターという外側から紐解いていく話。何冊か読んでいますが、人間の精神の構築と破壊に至るまでが好きだなといつも思います。そこに絡むシリアルキラーとの友情も良い。
際どいラインを描いていると思うときもあるけれど、逃げられなくなる精神的支配、家父長制が根強い社会で生きる女性たちの諦めや怒り、SNSでの扇動など、そのときの社会を描いてくれているのが良い。ルポライターとシリアルキラーの触れ合っていないのに、触れ合っている、心の繋がりも良かった。
文体が良い。起こっていることは最初から最後まで不穏さやひっかかりを感じされるものなのだけれど、柔らかでリズミカルな文章が、暴力の輪郭すらも曖昧にしている。どれが真実でどれが嘘か、すべてを曖昧にして端っこすら掴ませないような文章が良かった。
文体が良い。起こっていることは最初から最後まで不穏さやひっかかりを感じされるものなのだけれど、柔らかでリズミカルな文章が、暴力の輪郭すらも曖昧にしている。どれが真実でどれが嘘か、すべてを曖昧にして端っこすら掴ませないような文章が良かった。
表紙に惚れて購入。大正・昭和・令和の三世代・三部作にわけ、貴神様と呼ばれる神様の謎を追っていく物語。ジャンルは伝奇・ホラー・ミステリーと様々入り乱れている中、それぞれの時代で自由と権利を得るために立ち向かっていく女性の姿が描かれていてとても良かった。
一族の繁栄のために女性が神に嫁がされるというのはホラーでよくあるけれど、設定として流すのではなく、明確に「家や社会(=男性)が権力を得るために献上される女性」として描いている。家と社会に縛られ、搾取されながら諦めず、怒り、次世代に継がないために戦う女性たち、良すぎる。
表紙に惚れて購入。大正・昭和・令和の三世代・三部作にわけ、貴神様と呼ばれる神様の謎を追っていく物語。ジャンルは伝奇・ホラー・ミステリーと様々入り乱れている中、それぞれの時代で自由と権利を得るために立ち向かっていく女性の姿が描かれていてとても良かった。
一族の繁栄のために女性が神に嫁がされるというのはホラーでよくあるけれど、設定として流すのではなく、明確に「家や社会(=男性)が権力を得るために献上される女性」として描いている。家と社会に縛られ、搾取されながら諦めず、怒り、次世代に継がないために戦う女性たち、良すぎる。