ノンマルトの末裔@読書
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ノンマルトの末裔@読書
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読んだ本の印象に残った一節でも記してみようかと。
感想を書くのがとても下手なのです。
「生きるには、金がいる。保険金ってのは要するに、何かを失った人間が、悲しみや痛みを穴埋めするためのものだ。生命保険も損害保険も、喪失の大きさや重さを金に換えてる。大なり小なり損をした人間が、生活をリスタートさせるための金だ 」

「さよならの保険金」額賀澪

#読了
January 27, 2026 at 12:11 PM
私はうなずく。その通り、ヒトは他の動物とは違い、優しい。
「一方で」破魔矢が続ける。
「一方で?」
「一方で、びっくりするくらい残忍でもある」破魔矢は、忘れてはいけない、と言わんばかりに続けた。
びっくりするくらい残忍、という言葉が私の頭に突き刺さる。

「さよならジャバウォック」伊坂幸太郎

#読了
January 26, 2026 at 12:23 PM
「みんなもきっと飼いたくなるわ」
どんな強敵からも守ってくれる私だけの騎士。
いかついだけでなく、とても優しい本物の紳士。
「ずっとそばにいてね」
身体を起こして首を撫でる。手のひらに伝わる温かさが照子の心を和ませる。

「リクと暮らせば レンタル番犬物語」大崎梢

#読了
January 25, 2026 at 12:02 PM
「……どんな患者さんにも、自信を持って声をかけたいと思っているだけだよ。『大丈夫だ、心配するな』とね。相手がこれから治療する患者であっても、これから看取る患者であっても、それは同じだ。同じでありたいというのが私の考え方だ」

「エピクロスの処方箋」夏川草介

#読了
January 24, 2026 at 12:30 PM
現代人のほとんどは正しく自然を見る目を失ってしまったが、鳥たちは他の種類の動物の言葉まできちんと理解し、生きている。
僕は信じている。鳥たちの言葉の世界を知ることで、僕たちの毎日はもっと豊かで色鮮やかなものになるはずだ。

「僕には鳥の言葉がわかる」鈴木俊貴

#読了
January 23, 2026 at 12:13 PM
「まあね。過去が繋がってるっていうことは、未来もずっと繋がってるってことだと思う。一度出会えば、これから先も永遠に一緒にいるし、繋がってるんだよ。幼馴染に限らず、だれでもそうだろうけど」
「……そうか」
きみは感心しながら深くうなずいた。

「きみが忘れた世界のおわり」実石沙枝子

#読了
January 22, 2026 at 12:28 PM
愛を語れる場所で愛を語ってそれがなんだというのか。そんなふうに愛を語りながら、その心地良い場所を人に譲ろうとはしないじゃないか。お前たちのやってることはそれこそただのオナニーだ。幸せを分け与えたいという思いの傲慢さに気付け。

「死んだら無になる」西村亨

#読了
January 21, 2026 at 1:02 PM
「わしは、間違っていたのか」
ただ、大切なものを守りたかっただけだ。なのに、逆に大切なものを傷つけようとした。
「まだ遅くはありませぬ」
与左の声はとても優しい。
気づけば雨は止んでいた。与左が窓を開けると、雲の隙間から陽光が差し込んでいる。

「豊臣家の包丁人」木下昌輝

#読了
January 20, 2026 at 12:35 PM
「かなめちゃん、シェフのお料理の美味しさの秘密はね、その先に『大切な人』が見えているからなの。相手を思って丁寧に作られたお料理は、絶対に美味しくなる。私も、そんなふうに丁寧に仕事に取り組みたいって、ここに来て教えられたんだ」

「キッチン常夜灯 ほろ酔いのタルトタタン」長月天音

#読了
January 19, 2026 at 12:05 PM
彼女の瞳を見ながら、俺はあれから起こった出来事や、出会ったすべての人たちのことを思い返していた。何もかもを通して、その背後に流れていた本当の言葉は、
「生きろ」だった気がする。シンプルな言葉だ。疑いようもなく、いつもそこにある真実だ。
生きろ、生きること、生き続けること。

「龍の守る町」砥上裕將

#読了
January 18, 2026 at 12:22 PM
シェフは下を向いて何かを仕上げている。
手を休めることなく、静かな口調で続ける。
「でも、私たちは食べることによって生きる力を得ていますから、その力がより発揮できる料理を作ることができれば、といつも考えています」

「キッチン常夜灯 真夜中のクロックムッシュ」長月天音

#読了
January 17, 2026 at 12:08 PM
「心ひとつって何それ。三十五人いれば、三十五通りの心があるんだから」
愛は言い放った。
教室は水を打ったように静まりかえった。みんな瞬きを忘れたように、愛を見つめた。
――三十五通りの心
愛の言葉は、優希の心に、静かに奥深く刺さった。

「透明なルール」佐藤いつ子

#読了
January 15, 2026 at 12:46 PM
「あたしだってそうだよ。自分がどれだけ情けなくて嫌な奴でも、自己電悪で真っ黒になっても、友達がいれば正しい方が分かる。自分がだめなところを直せる。自分がいい奴になれてる気がする。それって確かに、光だよ」

「彼女たちは楽園で遊ぶ」町田そのこ

#読了
January 14, 2026 at 12:25 PM
ようこそ、天空遊園地まほろばへ。
こんな真夜中にお越しいただき、誠にありがとうございます。
わたくし当園の案内人、シチカと申します。
ここは死者に会える遊園地――。
もう二度と会えない、あなたの大切な方と再会できる場所です。

「天空遊園地まほろば」浜口倫太郎

#読了
January 13, 2026 at 12:13 PM
ふっ、と音が消えた。
自分が速いのか遅いのか、わからなくなった。永遠なのか一瞬なのか、時間の感覚すらもわからない。
今どこを走っているのか。
もう半分過ぎたのか。
何も考えない。
自分が走っているということしかわからない。
真っ白だった。
ただ走っている。

「そして少女は加速する」宮田珠己

#読了
January 12, 2026 at 12:06 PM
「俺たちにも才能、あるんじゃね?」
早紀は弾かれたように、岳を見上げた。
俺たち? 才能?
「めげない才能がさ」
「めげない、才能?」
瞬きを忘れたように、岳の目をじっと見つめた。
「自分よりすごいやつがそばにいても、差を見せつけられても、それでも絶対めげない才能」

「ソノリティ はじまりのうた」佐藤いつ子

#読了
January 11, 2026 at 12:15 PM
「そうだ。女だとて、闘えばいい。泥にまみれて闘い、その先にある幸いを掴みなさい。それを一瞬でも放棄すれば、奈落はすぐそこだ。あの黒塚伯爵夫人の例を見るまでもない。私はそう思っている」

「華に影 令嬢は帝都に謎を追う」永井紗耶子

#読了
January 10, 2026 at 11:58 AM
――総合内科には、思い込みが強い患者さんがよく来るんです。そういう人たちが、倫太郎先生と話しているうちに、ある瞬間、我に返るんですよ。説得されるんじゃなくて、自分で気づくってかんじ。倫太郎先生には、人の心の動きが透けて見えるのかもですね。

「処方箋のないクリニック」仙川環

#読了
January 9, 2026 at 12:12 PM
排外主義者たちの夢は叶った。
特別永住者の制度は廃止された。外国人への生活保護が明確に違法となった。公的文書での通名使用は禁止となった。ヘイトスピーチ解消法もまた廃され、高等学校の教科書からも「従軍慰安婦」や「強制連行」や「関東大震災朝鮮人虐殺事件」などの記述が消えた。

「あなたが私を竹槍で突き殺す前に」李龍徳

#読了
January 8, 2026 at 12:07 PM
「あいつら、いつだってこうやって胸を叩いて『ああ、私たちはもう二度とこの歴史を繰り返しません』と泣きわめいて大騒ぎして、でもやがて飽きてきたらまた同じ歴史を繰り返す。また泣きわめき、また繰り返す。まさに散文的。洗練からは程遠い……」

「あなたが私を竹槍で突き殺す前に」李龍徳

#読了
January 8, 2026 at 12:06 PM
まあいい。
おれたちは、いずれも巡るものだ。
この地上に、ほんの一時生を受け、ほんの一時存在して消えてゆくものだ。
例外はない。
どのような幸せも永久には続かないかわりに、どのような不幸も、永久には続かない。
それをもって、よしとすべしであろう。

「陰態の家」夢枕獏

#読了
January 7, 2026 at 12:59 PM
自分の心を見つめる。フミちゃんの言葉をのどの奥でくり返すと、彼女はゆっくりうなずいた。
「だれにもふれてほしくないからこそ、自分で言葉にしておかないと、大事な気持ちを見失なっちゃうかもしれないよ?」

「読書感想文が終わらない!」額賀澪

#読了
January 6, 2026 at 12:18 PM
「おれ」は手に持ったチェーンソーでパレットのそばに生えていた杉の木に高速で回る刃を入れた。いや、そうしたのは「おれ」でなくおれだった。親方はこれは細すぎるから土台の支えに使えないと言っていた。おれは手に持ったチェーンソーでバレットのそばに生えていた杉の木に……

「海猫ツリーハウス」木村友祐

#読了
January 5, 2026 at 12:28 PM
ただ金銀が町人の氏系図になるぞかし――家柄や素性が、商いを支える訳では決してない。時に金となり、時に銀となる者たちが居てこそ、心を尽くしてこそ、商いの系譜は守られるのだ。

「幾世の鈴 あきない世傳 金と銀 特別巻 下」髙田郁

#読了
January 4, 2026 at 12:16 PM
それでも、と賢輔は思う。
諦めない、決して。
あのひととの人生を。
ともに手を携え、商いの橋を築き上げる人生を。
どれほどの嵐に見舞われようと、流されることも壊されることもない頑健な商いの橋を、あのひととともに築く。

「契り橋 あきない世傳 金と銀 特別巻 上」髙田郁

#読了
January 3, 2026 at 12:13 PM