昔の物から最近の物まで、幅広く読んでいます
杉本苑子『胸に棲む鬼』
太田忠司『奇談蒐集家』
恩田陸『いのちのパレード』
伴名練『なめらかな世界と、その敵』
ジェラルド・カーシュ『壜の中の手記』
ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト『ボーダー 二つの世界』
ミック・ジャクソン『10の奇妙な話』
ステファン・グラビンスキ『動きの悪魔』
ジュディ・バドニッツ『空中スキップ』
ヘレン・マクロイ『歌うダイアモンド』
(敬称略です)
#読了
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#本好き
#読書垢
『午後』
フェルディナント・フォン・シーラッハ
酒寄進一 訳
『犯罪』の著者が純粋で奇妙な人間を描いた全26話の短編小説集!
(四六判上製)
www.tsogen.co.jp/sp/isbn/9784...
#東京創元社
この作品がコバルト文庫だった事をすっかり忘れていた。1988年発行。
舞台は江戸中期。神田極楽横丁のおけら長屋に浪人の父と暮らすお美津と長屋の衆は、花見をしているところに空から落ちて来た絶世の美青年を助ける事になる。自分の名前も、どうしてここにいるのかも分からない青年には超能力まで備わっている。
お美津と、「天平」の名をもらった青年がドタバタ劇の中で事件を解決していくのだが、ナンセンスギャグもありつつで、読み返すと些か恥ずかしい。
水上有理さんのイラストが80年代の少女漫画らしくて、とても良く合っている。
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子供時代に『不思議の国のアリス』を読んだが、ディズニーの印象が強かった為か続編を手に取ったのは随分後だった気がする。
暖炉の前で過ごすアリスは、いたずらする子猫達に話しかけているうち、暖炉の上の鏡を通り抜けて向こう側の世界へ行ってしまう。そこは赤と白のチェスの国。アリスは前作同様冒険に次ぐ冒険をする。
今回もアリスというキャラクターが持つ、年頃の少女の空想力が「別世界」で遺憾無く発揮され、少し大人びた雰囲気になっているのも面白い。
手元にあるのは和田誠さんのイラストが可愛い1冊で、定価220円!本が安かった時代に想いを馳せる。
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パトリシア・A・マキリップの幻想ファンタジー。この世で最も古く美しい都オンブリア。大公の死で愛妾リディアは宮殿を追われ、次期大公である少年カイエルと引き離される。大叔母ドミナは都を手に入れるため、裏側のオンブリアに住む魔女の手を借りていた。
表裏一体の都、白髪の青年デュコン、蝋人形マグなど、ファンタジーをふんだんに盛り込んだ作品。派手な戦いなどはなく幻想的な空気感をまとったまま、登場人物達はカイエルと都を救う為に2つの世界を行き来する。これはどこの物語で誰の物語なのか、終章に至って不思議さが増したが、世界の広がりを感じさせた。
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映画の原作本。物語も人物造形も違う事は知った上で読んだ。ジャンルは武侠小説だそうだが、友情・恋・戦いといった、80年代に流行ったバトル漫画物(車田正美など)という印象。
洛軍、信一、十二少の絆と義侠心。龍兄貴の存在の大きさ。王九の異常な強さなどが香港という舞台にはまっている。
時代感は懐かしさもあり、単純で爽快な内容で面白く読めたが、翻訳文体は直訳なのだろうか。感嘆符と擬音があまりにも多く、漫画化前提のプロットか脚本のト書きのようで、個人的にはもう少し文体を整えていただきたかった。
続編の発売も迫っているので楽しみに待つ。
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『カササギ殺人事件』の著者アンソニー・ホロヴィッツの児童向け短編集。
ホラーと銘打っているだけあって、しっかりと恐怖感を残したバッドエンドの物語ばかりで、怪談を読んでいる雰囲気。
中古のバスタブが少女の身に起こす怪異と破滅「恐怖のバスタブ」は、いかにもイギリスらしいゴシックホラー。田舎を嫌う少年が自然から報復される「田舎のゲイリー」は、子供時代に読んでいれば行いを省みるきっかけになったかもしれない。
「ハリエットの恐ろしい夢」など、恐怖体験の中に“日本人”(?)が出て来るのは何故なのか、解説が欲しかったところではある。
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先日、デル・トロ監督の『フランケンシュタイン』を鑑賞した。Netflix限定かと思っていただけに、映画館上映は大変嬉しかった。
デル・トロ監督のダークファンタジーに満ちた作品はどれも大好きなのだが、中でも内戦下の少女が異形の者達と出会う『パンズ・ラビリンス』は、物語、造形美術、役者陣、全てがピタリとはまっていて、1冊の本を映像で朗読された感じがする。
この本では数々のデッサン、絵コンテ、インスパイアの源が紹介されていて見飽きることが無い。買って良かったと思えた。
#読了
#読書好き
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#読書垢
御冥福をお祈りいたします。
御冥福をお祈りいたします。
翻訳家の公手成幸氏が2025年10月12日に逝去されました。享年76。
早川書房では、『脱出山脈』などのトマス・W・ヤング作品、『銀の髪のローワン』などのアン・マキャフリイ作品など、数々の作品を翻訳いただきました。
心よりご冥福をお祈りいたします。
www.hayakawa-online.co.jp/news/detail/98
翻訳家の公手成幸氏が2025年10月12日に逝去されました。享年76。
早川書房では、『脱出山脈』などのトマス・W・ヤング作品、『銀の髪のローワン』などのアン・マキャフリイ作品など、数々の作品を翻訳いただきました。
心よりご冥福をお祈りいたします。
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警察が民営化された設定の本作はブラックコメディでもあり、80年代色がバリバリに盛り込まれた、今読み返すと少し苦笑いしてしまう内容だ。
主人公はヤクザの親分の娘、女子高生の大田黒沙織。実家のせいで恋愛もままならない境遇の中、借金を残して父が蒸発。返済の為に緋牡丹一家は民営警察『ポリスカンパニー2-O』となるのだが、元がヤクザ達だけに事件解決も乱暴。指名手配犯をテレビで明るく紹介するシーンなどは後の『カウボーイビバップ』を彷彿とさせて面白い。
挿し絵イラストは去年他界された、いのまたむつみ先生。今となっては豪華。
#読了
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#本好き
#読書垢
[完全版]と現行版の違いについてご案内します。 #薔薇の名前 #東京創元社
ウンベルト・エーコ『薔薇の名前[完全版]』、単行本で2025年12月25日頃刊行!!!【[完全版]の内容についてのご案内】
note.com/tokyosogensh...
[完全版]と現行版の違いについてご案内します。 #薔薇の名前 #東京創元社
ウンベルト・エーコ『薔薇の名前[完全版]』、単行本で2025年12月25日頃刊行!!!【[完全版]の内容についてのご案内】
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VRを駆使して好みの世界に入り込める事が当たり前になった時代。次世代型コンピュータを開発する従兄弟に頼まれ、オリジナリティとは何かを探す主人公詳子。アリスという少女との出会いが現実世界にまで干渉を始める。
長編近未来小説と銘打たれているところがミソ。連載が2002年である事を考えるとAIやVRを扱う作品が多くなってきた頃だ。今読んでも色褪せていないのは、作品内で示唆された世界にまだ到達していないからでもある。
この作品より前、1999年に放送されたアニメ『コレクター・ユイ』もVR世界を描いていたが秀逸な内容だった。
#読了
#読書好き
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