「それでこの筒モン……スライムのテオがリチャードを救ってくれたと」
衛兵舎で取り調べを受けているバジルとセオ。テオはスライム状態でじっとしている。グリムネはバジルの頭に乗っている。
「リチャード自身の証言とも合っている。しかしまだ信じられん……ケネスが吸血鬼とかいう伝説の化物とはな」
取り調べをしている衛兵はペンを置いて腕を組んだ。
「ケネスは真面目を絵に描いたような好青年で衛兵の仕事を休んだ事もない。両親に仕送り、妻と子供には優しく休日には家族で買い物に出かけている姿を何度も見た。
「それでこの筒モン……スライムのテオがリチャードを救ってくれたと」
衛兵舎で取り調べを受けているバジルとセオ。テオはスライム状態でじっとしている。グリムネはバジルの頭に乗っている。
「リチャード自身の証言とも合っている。しかしまだ信じられん……ケネスが吸血鬼とかいう伝説の化物とはな」
取り調べをしている衛兵はペンを置いて腕を組んだ。
「ケネスは真面目を絵に描いたような好青年で衛兵の仕事を休んだ事もない。両親に仕送り、妻と子供には優しく休日には家族で買い物に出かけている姿を何度も見た。
「年を取るとどうも説教臭くなっちまってかなわねぇ……まずは西都を出て北東のエドワード・ヴェルナンデス伯爵の領地に行くか」
ドムが西都地方北東の領地に向かったのはシーモンドについて調べる為であった。西都の北門から出て東の山脈がみえる街道を進む。切り立った鋭い岩山が完全に王都地方とを断絶している。陸路は南西の平野と南東の渓谷が王都に繋がる道であった。
後ろから来た乗合馬車に出会い途中乗車した。馬車は漁村で止まった。
「シーモンドは……あっちか」
「年を取るとどうも説教臭くなっちまってかなわねぇ……まずは西都を出て北東のエドワード・ヴェルナンデス伯爵の領地に行くか」
ドムが西都地方北東の領地に向かったのはシーモンドについて調べる為であった。西都の北門から出て東の山脈がみえる街道を進む。切り立った鋭い岩山が完全に王都地方とを断絶している。陸路は南西の平野と南東の渓谷が王都に繋がる道であった。
後ろから来た乗合馬車に出会い途中乗車した。馬車は漁村で止まった。
「シーモンドは……あっちか」
「で、どうなんだ? ワシに協力してくれるのか?」
「待って欲しい、俺たちはまず西都の冒険者ギルドを調べなければならない」
「お前たちが戻って来るのを待てというのか? 生きて戻るかも解らんのに」
「貴方だってその目では吸血鬼を探すことはできないだろう?信じて待ってもらうしかない」
「ならばワシを西都に連れていけ。心配するなこの鞭が届く範囲の事なら音と振動と空気の流れで解る」
「良いだろう」
「よっしゃー! 爺さん俺がおぶって行ってやるぜええええっ!」
ブレンがシーモンドを背負って出発する。
「爺さん……あんた物凄く鍛えこんでるな! 解るぜ背中から感じるぞ!」
「で、どうなんだ? ワシに協力してくれるのか?」
「待って欲しい、俺たちはまず西都の冒険者ギルドを調べなければならない」
「お前たちが戻って来るのを待てというのか? 生きて戻るかも解らんのに」
「貴方だってその目では吸血鬼を探すことはできないだろう?信じて待ってもらうしかない」
「ならばワシを西都に連れていけ。心配するなこの鞭が届く範囲の事なら音と振動と空気の流れで解る」
「良いだろう」
「よっしゃー! 爺さん俺がおぶって行ってやるぜええええっ!」
ブレンがシーモンドを背負って出発する。
「爺さん……あんた物凄く鍛えこんでるな! 解るぜ背中から感じるぞ!」
王都の武器屋に寄りセオは風のエンチャント連射ボウガン(どんなに風が吹いていても真っすぐに飛ぶ)を購入、バジルは儀式用の銀の短剣に短槍の柄を付けたものを購入した。
「この前の怪人を倒した報酬が半分になっちまったな」
「必要経費だよ」
「でも西都調査の依頼、先に行ったあのS級シーフらが終わらせちまったら報酬ねえぞ?」
「ドムさんが何とかしてくれるんじゃないの?」
「……あのおっさんなら何とかしてくれそうではあるな。俺たちはB級だし仕事に困る事は無いとは思うが」
王都の武器屋に寄りセオは風のエンチャント連射ボウガン(どんなに風が吹いていても真っすぐに飛ぶ)を購入、バジルは儀式用の銀の短剣に短槍の柄を付けたものを購入した。
「この前の怪人を倒した報酬が半分になっちまったな」
「必要経費だよ」
「でも西都調査の依頼、先に行ったあのS級シーフらが終わらせちまったら報酬ねえぞ?」
「ドムさんが何とかしてくれるんじゃないの?」
「……あのおっさんなら何とかしてくれそうではあるな。俺たちはB級だし仕事に困る事は無いとは思うが」
王都の武器屋に寄りセオは風のエンチャント連射ボウガン(どんなに風が吹いていても真っすぐに飛ぶ)を購入、バジルは儀式用の銀の短剣に短槍の柄を付けたものを購入した。
「この前の怪人を倒した報酬が半分になっちまったな」
「必要経費だよ」
「でも西都調査の依頼、先に行ったあのS級シーフらが終わらせちまったら報酬ねえぞ?」
「ドムさんが何とかしてくれるんじゃないの?」
「……あのおっさんなら何とかしてくれそうではあるな。俺たちはB級だし仕事に困る事は無いとは思うが」
王都の武器屋に寄りセオは風のエンチャント連射ボウガン(どんなに風が吹いていても真っすぐに飛ぶ)を購入、バジルは儀式用の銀の短剣に短槍の柄を付けたものを購入した。
「この前の怪人を倒した報酬が半分になっちまったな」
「必要経費だよ」
「でも西都調査の依頼、先に行ったあのS級シーフらが終わらせちまったら報酬ねえぞ?」
「ドムさんが何とかしてくれるんじゃないの?」
「……あのおっさんなら何とかしてくれそうではあるな。俺たちはB級だし仕事に困る事は無いとは思うが」
西都ヴァルデフリーゴス
人間国の西側の最大の都市。東に険しい山脈、北と西は海となっている。金属鉱石が非常に多くとれるために西都は王都よりも金属に溢れておりエンチャントされてない武器防具に関しては西都製が一番だとされている。王都にはない蒸気で走る鉄馬車や作業用のアイアンゴーレムが見られる。領主はセルギウス・サングィフェルム侯爵。鉄操作魔法を得意とし趣味は金属細工。
西都のギルドマスターのビクターは今日もギルドには顔を見せずに日中は屋敷に籠り夜になると街にくりだしていた。
西都ヴァルデフリーゴス
人間国の西側の最大の都市。東に険しい山脈、北と西は海となっている。金属鉱石が非常に多くとれるために西都は王都よりも金属に溢れておりエンチャントされてない武器防具に関しては西都製が一番だとされている。王都にはない蒸気で走る鉄馬車や作業用のアイアンゴーレムが見られる。領主はセルギウス・サングィフェルム侯爵。鉄操作魔法を得意とし趣味は金属細工。
西都のギルドマスターのビクターは今日もギルドには顔を見せずに日中は屋敷に籠り夜になると街にくりだしていた。
いつも通り調査の仕事を終えたドムはお気に入りの席に腰を下ろし日替わりプレートとエールを注文して伸びをした。しばらくするとウェイトレスが注文の品を運んできた。
「おまちどうさま」
「おう、ありがと」
エールを一気に半分喉に流し込み深呼吸、それから煮込んだ肉に手をつけた。
「ドムさん」
声をかけてきたのはドムと付き合いの長い受付嬢。元A級冒険者の彼女は今でも鍛錬は欠かさず剣を肌身放さず持ち歩いている。
「その顔は……何かあるな? いい知らせかそれとも悪い知らせか?」
「悪い知らせかな……」
受付嬢は本日の勤務時間は終了し夜勤の者と交代している。
いつも通り調査の仕事を終えたドムはお気に入りの席に腰を下ろし日替わりプレートとエールを注文して伸びをした。しばらくするとウェイトレスが注文の品を運んできた。
「おまちどうさま」
「おう、ありがと」
エールを一気に半分喉に流し込み深呼吸、それから煮込んだ肉に手をつけた。
「ドムさん」
声をかけてきたのはドムと付き合いの長い受付嬢。元A級冒険者の彼女は今でも鍛錬は欠かさず剣を肌身放さず持ち歩いている。
「その顔は……何かあるな? いい知らせかそれとも悪い知らせか?」
「悪い知らせかな……」
受付嬢は本日の勤務時間は終了し夜勤の者と交代している。