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@karada.bsky.social
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・読み仮名: からだ
・20世紀生まれ
・（恋愛に限らない）関係性のオタク
・体調が悪い
・加害と暴力、差別の社会的構造について勉強中

・MBCCに住んで回復共同体としたい
・まほやく世界だったら西生まれて東に隠居したい
・中王区の人たちとインターセクショナリティについての読書会をしたい
・ちいさな薛洋が指を失わない世界、飴をたべられる世界
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krd @karada.bsky.social · Aug 27
000ちゃんのアクスタが視界にある生活、たのしい。ずっとすこしバグった世界、ずっとかわいい。
閉じたMacBookや充電中のApple Watch、スマートフォンやケーブルなどが乱雑に散らかったテーブルの上に、無期迷途のキャラクター000のアクスタが置いてある写真。MacBookには中王区言の葉党のシールや、家父長制の墓のシールなどが貼られていてとてもキュート。カラフルな000ちゃんの姿ともよく合っている。
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教団時代のリケにもどってしまうのは見たい見たくない〜
November 22, 2025 at 9:28 AM
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全身からあふれ出る疲労感により、明日はお休みにしてもらった。のんびりしよう。
November 21, 2025 at 2:31 PM
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まほやく６周年イベストおもしろすぎる…
おもしろいテキストよめてうれしい…
November 21, 2025 at 1:52 PM
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「手の届かない範囲の好きな人たちが死んだり消えたりするたびに起こるスパダリになりたい気持ちから生まれた話。」という1話の作者コメントにめっちゃ頷くし、とても好きだしおすすめだけど、メンタルの調子の悪い時はあんまりおすすめしない漫画かもしれない。

GLの世界線とても読みたかった……

www.pixiv.net/user/6783645...
「売れっ子漫画家×うつ病漫画家」/「溺　英恵」のシリーズ [pixiv]
売れっ子漫画家がうつ病漫画家にスパダリしながら療養させて二年以上かけて幸せにする話
www.pixiv.net
November 20, 2025 at 1:33 PM
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そういえば売れうつ最新話、フィクトセクシュアルの話がかなりでてきておもしろかった。

って書いたつもりでファクトセクシュアルって書いてあってなんだそれは…？となりました。iPhoneが知らない単語、勝手に修正されがち。
November 20, 2025 at 1:28 PM
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「宝石商リチャード氏の謎鑑定」最終巻の書き下ろし部分を読んで、男性の性被害とトラウマのことをかなりていねいに書いていて誠実な書きぶりって思った。正直、自分の親を見てるだけで十分トラウマだろうなっていう育ちの主人公だとは思うけど、BLとして始まったわけではない男性主人公ふたりがパートナーとなり、結婚できない現実についても言及され、性的同意や性的な関係についての語りのプロセスも含めて誠実な書きぶり〜って思う。
November 20, 2025 at 12:00 PM
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いろんなことに悲しみを感じすぎたので数週間ぶりにビールを飲んだ！
November 20, 2025 at 11:52 AM
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車乗る生活の歩数の減り方がすごい。これから歩けない季節だからなおのこと。
November 19, 2025 at 2:53 AM
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売れっ子漫画家×うつ病漫画家が更新されてる………！
November 17, 2025 at 3:12 PM
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まほやく周年スト、なんかとても唐突でよくわからないなぁ、なんでだろう？と思ってたら、なぜか5話から読みはじめていた。1話から読んだら話の意味がわかってうれしい。それはそう。
November 17, 2025 at 5:51 AM
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【クィア理論入門公開連続講座 】

「クィア・フェミニズムの空間：生を切りひらく視覚表象」（全6回）
講師：張洋宇 （東京大学大学院総合文化研究科博士課程）

初回は190名弱のご参加をいただき、無事に終了いたしました。ありがとうございます！

次回は11月28日（金）「女性が遊歩者になりうるのか」です。
お申し込みは→ wix.to/c4827nW
akishmz.bsky.social SHIMIZU, Akiko @akishmz.bsky.social · Oct 22
【クィア理論入門公開連続講座】
「クィア・フェミニズムの空間：生を切りひらく視覚表象」（全6回）
講師：張洋宇 （東京大学大学院総合文化研究科博士課程）

今年も秋のクィア講座の時期です！全回オンライン開催になります。

視覚文化の中で生存の「空間」がいかに表象され、作られ、切り拓かれてきたのか、が今年のテーマです。

どうぞご参加ください。

第1回「導入――クィア・フェミニズム×視覚文化」
11月14日（金）
申込🔗： wix.to/9TksNIa

情報保障その他のサポートが必要な方は、11/5（水）18:00までにウェブサイト記載のメールアドレスへご相談ください。
［クィア理論入門公開連続講座のポスター］ クィア理論入門公開連続講座（全6回・Zoom開催） 「クィア・フェミニズムの空間：生を切りひらく視覚表象」 講師：張洋宇 （東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程） 講座スケジュール： 11/14、11/28、12/12、12/26、1/9、1/23 隔週金曜 19:30-21:00 第1回：11/14（金） 導入――クィア・フェミニズム×視覚文化 第2回：11/23（金） 女性が遊歩者になりうるのか？ 第3回：12/12（金） 〈自然〉というやっかいな空間 第4回：12/26（金） アートアクティビズムによる都市空間の占拠と想像 第5回：1/9（金） メトロノーマティヴィティを越えて 第6回：1/23（金） 〈侠女〉の世界――移動・越境・逸脱 言語：日本語 対象：10代後半以上 参加無料・要事前申し込み 主催：東京大学駒場キャンパスSaferSpace（KOSS）
November 16, 2025 at 12:49 PM
karada.bsky.social
書かない可能性もだいぶある〜
November 16, 2025 at 10:14 AM
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まほやく世界で、グランヴェル王朝成立後のくらいの時代にできた、魔女たちや集団から見捨てられたもの、迫害されたものたちが逃げこんだ集落の話を書きたいねって気がしてる。
November 16, 2025 at 10:13 AM
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こころが毎日いそがしくて
November 16, 2025 at 10:09 AM
karada.bsky.social
めずらしく二次創作したさが湧きすぎているんだけど、まったく元気がたりない
November 16, 2025 at 10:09 AM
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今日は仕事で感情が揺さぶられて2時間くらい泣いていたので、休憩して、まほステで上書きした。でかい感情はべつのでかい感情で上書きするのがいちばん。
November 15, 2025 at 9:53 AM
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ヒースはちょいちょいヒス晶の波動を出してきておもしろい。
November 15, 2025 at 9:43 AM
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昨日から二次創作のことを考えているのだけれど、私は「読みたいものを書く」機能があんまりないなぁと思う。
好きな作品を読む私、好きな作品の二次創作を読む私と、創作する私のあいだには距離がかなりある。
創作の理由は「創作という体験を楽しむ」が95%くらいで、できたものには愛着はあれど「読みたいもの」ではない。書きたいものですらない。書かれたもの。
読みたいものを生成する力はほしいけれど、多分全然別の技能で、それは私にはない気がする。
November 12, 2025 at 5:28 AM
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まほやく二次創作小説……と見せかけて、フィガロ・ガルシアに代弁してもらった深夜のなにか。そのうち消すかもしれません。

ALTはどのページのものも同じ（全文）です。
タイトル「踊りたかった」眞鍋せいら あなたが好きだ、と伝えてしまいたい。そんな夜がたびたび、フィガロには訪れる。若葉が朝露をその身に受けて耐えきれなくなるように、口の端から、あなたが好きだ、と。 　だが誰に、ということになると、フィガロはまったく困ってしまうのだった。もちろん、愛おしい、幸せでいてほしい、俺のことを思い出してほしい、そう思う相手はないではなかったし、むしろ複数思い至った。ファウスト、ルチル、ミチル、レノックス、さらにはオズや師と仰ぐ双子ーーそれだけで、もう充分なのだろう、と思うように努めてきたし、実際そう思っていた。彼らが、彼らのやり方でフィガロを呼ぶ時のそのやわらかな声色ーーそれにフィガロは満足していたし、それこそ、気の遠くなるような生のあいだ、なによりも得難い宝であるはずではなかったのか。 　だがフィガロは、いまだ、あなたが好きだ、そのたったひと言すら唇にのぼらせることができず、暗闇に迷っている。それは彼をひどく腹立たしく、切なく、にじられるような気持ちにさせた。皆がなんの疑問もなく手にした招待状を、自分だけが持っていないというような感情。美しく着飾った万人が、甘くひそやかな会話をささめきあいながら踊るダンスホール、しかし自分だけがその壁の花であり、簡単なステップも踏めずにシャンパンを嗜んでいる。 　本来なら主役であるはずのこの俺が。そのような矜持がなんの意味も持たないのはわかりすぎるほどわかっていたし、いや、実際はごく単純なのだ。ただ自分もその踊りの輪に加わりたい。誰かの腕に抱かれ、または誰かを抱いて、咲き始めた花と蜜蜂のようにくるくると笑い合い、戯れたい。そしてその相手と、よもや情を交わせたら、その一晩だけを胸に抱いて残りの日々を過ごしたっていい。 　ほんとうにその相手だとわかれば、約束だって、この身の果ての石だってあげるのに。フィガロはそう考えたりもし、いやこれは馬鹿な、夢みがちな少女のおとぎ話だと卑しんでみせたりもした。だがやはり、あなたが好きだ、そう告白したくて堪らない夜は無情にも、彼の部屋の扉を叩くのである。 　卑近な人間と約束をし、あまつさえその子供を身籠ったチレッタに罵倒されたとき、フィガロは心底彼女を理解しなかったし、それはいまだ同じだ。ただ血の滲むほど張られた頬に治癒魔法もかけず、ああ、これが、と思ったのだった。これが恋か。これが愛か。愚かな民草がそう呼ぶものか。賢者なる魔法使いたちが尊んできたものか。であれば。俺には一生わからない、と。 　それは、諦念と名づけてしまうにはあまりに羨望を含んでいた。たかが十数年を共に暮らした犬のクーリール、それを心から愛したと今も言って憚らないレノックス。共にいられないのであればと相手の命を奪おうとし、薄暗い軛に互いを繋いでいるふたりの師。フィガロには解らなかった。だがそうしたかった。できることならば、舞台の真ん中で踊りたかった。ひとを愛し、そのひとに愛され、互いに望むように肌を重ねてみたかった。それを至上の幸せだと思いたかった。 　だがそれはおそらく手に入らないーー二千年以上生きて、智も美しさも力も手に入れたひとりの存在が、ちかぢか冷たい石に還るまでーー手に入らない。さびしかった。この先もさびしいのだろうと思った。だがそれに耐えられてしまうことを、フィガロは長い生の間に知っていた。 　今夜も月は明るい。カーテンのない窓からは、箒に乗った人物が飛んでいくのがよく見える。ムルは今夜も恋する相手に睦言を捧げているのだろう。まったくフェアじゃない、とフィガロは思った。公正さなど求める方が愚かと知っていて。 　月の光は、テーブルの上の花瓶をまぶしく照らす。ルチルとミチルが置いていった花が活けてあるのだ。君たちを大切に思っている、ほんとうだよ、と、必要もない言い訳をするように考えた。幸せでいてほしいよ。 　わかっていますよ、フィガロ先生。私たちも、心から願っています。あなたの幸せを。もしそう伝えたなら、南の兄弟は笑ってそう言うだろう。レノックスも微笑むだろう。そんなこともあなたはわからないのか、とファウストには呆れられるかもしれない。けれど。 　ごめんね、とまたフィガロは懺悔する。愚かだってわかってる。でもたった一度でいい。ありふれたその奇跡を、儚い手のひらの中のきらめきを、手にして踊ってみたかったんだ。 タイトル「踊りたかった」眞鍋せいら あなたが好きだ、と伝えてしまいたい。そんな夜がたびたび、フィガロには訪れる。若葉が朝露をその身に受けて耐えきれなくなるように、口の端から、あなたが好きだ、と。 　だが誰に、ということになると、フィガロはまったく困ってしまうのだった。もちろん、愛おしい、幸せでいてほしい、俺のことを思い出してほしい、そう思う相手はないではなかったし、むしろ複数思い至った。ファウスト、ルチル、ミチル、レノックス、さらにはオズや師と仰ぐ双子ーーそれだけで、もう充分なのだろう、と思うように努めてきたし、実際そう思っていた。彼らが、彼らのやり方でフィガロを呼ぶ時のそのやわらかな声色ーーそれにフィガロは満足していたし、それこそ、気の遠くなるような生のあいだ、なによりも得難い宝であるはずではなかったのか。 　だがフィガロは、いまだ、あなたが好きだ、そのたったひと言すら唇にのぼらせることができず、暗闇に迷っている。それは彼をひどく腹立たしく、切なく、にじられるような気持ちにさせた。皆がなんの疑問もなく手にした招待状を、自分だけが持っていないというような感情。美しく着飾った万人が、甘くひそやかな会話をささめきあいながら踊るダンスホール、しかし自分だけがその壁の花であり、簡単なステップも踏めずにシャンパンを嗜んでいる。 　本来なら主役であるはずのこの俺が。そのような矜持がなんの意味も持たないのはわかりすぎるほどわかっていたし、いや、実際はごく単純なのだ。ただ自分もその踊りの輪に加わりたい。誰かの腕に抱かれ、または誰かを抱いて、咲き始めた花と蜜蜂のようにくるくると笑い合い、戯れたい。そしてその相手と、よもや情を交わせたら、その一晩だけを胸に抱いて残りの日々を過ごしたっていい。 　ほんとうにその相手だとわかれば、約束だって、この身の果ての石だってあげるのに。フィガロはそう考えたりもし、いやこれは馬鹿な、夢みがちな少女のおとぎ話だと卑しんでみせたりもした。だがやはり、あなたが好きだ、そう告白したくて堪らない夜は無情にも、彼の部屋の扉を叩くのである。 　卑近な人間と約束をし、あまつさえその子供を身籠ったチレッタに罵倒されたとき、フィガロは心底彼女を理解しなかったし、それはいまだ同じだ。ただ血の滲むほど張られた頬に治癒魔法もかけず、ああ、これが、と思ったのだった。これが恋か。これが愛か。愚かな民草がそう呼ぶものか。賢者なる魔法使いたちが尊んできたものか。であれば。俺には一生わからない、と。 　それは、諦念と名づけてしまうにはあまりに羨望を含んでいた。たかが十数年を共に暮らした犬のクーリール、それを心から愛したと今も言って憚らないレノックス。共にいられないのであればと相手の命を奪おうとし、薄暗い軛に互いを繋いでいるふたりの師。フィガロには解らなかった。だがそうしたかった。できることならば、舞台の真ん中で踊りたかった。ひとを愛し、そのひとに愛され、互いに望むように肌を重ねてみたかった。それを至上の幸せだと思いたかった。 　だがそれはおそらく手に入らないーー二千年以上生きて、智も美しさも力も手に入れたひとりの存在が、ちかぢか冷たい石に還るまでーー手に入らない。さびしかった。この先もさびしいのだろうと思った。だがそれに耐えられてしまうことを、フィガロは長い生の間に知っていた。 　今夜も月は明るい。カーテンのない窓からは、箒に乗った人物が飛んでいくのがよく見える。ムルは今夜も恋する相手に睦言を捧げているのだろう。まったくフェアじゃない、とフィガロは思った。公正さなど求める方が愚かと知っていて。 　月の光は、テーブルの上の花瓶をまぶしく照らす。ルチルとミチルが置いていった花が活けてあるのだ。君たちを大切に思っている、ほんとうだよ、と、必要もない言い訳をするように考えた。幸せでいてほしいよ。 　わかっていますよ、フィガロ先生。私たちも、心から願っています。あなたの幸せを。もしそう伝えたなら、南の兄弟は笑ってそう言うだろう。レノックスも微笑むだろう。そんなこともあなたはわからないのか、とファウストには呆れられるかもしれない。けれど。 　ごめんね、とまたフィガロは懺悔する。愚かだってわかってる。でもたった一度でいい。ありふれたその奇跡を、儚い手のひらの中のきらめきを、手にして踊ってみたかったんだ。 タイトル「踊りたかった」眞鍋せいら あなたが好きだ、と伝えてしまいたい。そんな夜がたびたび、フィガロには訪れる。若葉が朝露をその身に受けて耐えきれなくなるように、口の端から、あなたが好きだ、と。 　だが誰に、ということになると、フィガロはまったく困ってしまうのだった。もちろん、愛おしい、幸せでいてほしい、俺のことを思い出してほしい、そう思う相手はないではなかったし、むしろ複数思い至った。ファウスト、ルチル、ミチル、レノックス、さらにはオズや師と仰ぐ双子ーーそれだけで、もう充分なのだろう、と思うように努めてきたし、実際そう思っていた。彼らが、彼らのやり方でフィガロを呼ぶ時のそのやわらかな声色ーーそれにフィガロは満足していたし、それこそ、気の遠くなるような生のあいだ、なによりも得難い宝であるはずではなかったのか。 　だがフィガロは、いまだ、あなたが好きだ、そのたったひと言すら唇にのぼらせることができず、暗闇に迷っている。それは彼をひどく腹立たしく、切なく、にじられるような気持ちにさせた。皆がなんの疑問もなく手にした招待状を、自分だけが持っていないというような感情。美しく着飾った万人が、甘くひそやかな会話をささめきあいながら踊るダンスホール、しかし自分だけがその壁の花であり、簡単なステップも踏めずにシャンパンを嗜んでいる。 　本来なら主役であるはずのこの俺が。そのような矜持がなんの意味も持たないのはわかりすぎるほどわかっていたし、いや、実際はごく単純なのだ。ただ自分もその踊りの輪に加わりたい。誰かの腕に抱かれ、または誰かを抱いて、咲き始めた花と蜜蜂のようにくるくると笑い合い、戯れたい。そしてその相手と、よもや情を交わせたら、その一晩だけを胸に抱いて残りの日々を過ごしたっていい。 　ほんとうにその相手だとわかれば、約束だって、この身の果ての石だってあげるのに。フィガロはそう考えたりもし、いやこれは馬鹿な、夢みがちな少女のおとぎ話だと卑しんでみせたりもした。だがやはり、あなたが好きだ、そう告白したくて堪らない夜は無情にも、彼の部屋の扉を叩くのである。 　卑近な人間と約束をし、あまつさえその子供を身籠ったチレッタに罵倒されたとき、フィガロは心底彼女を理解しなかったし、それはいまだ同じだ。ただ血の滲むほど張られた頬に治癒魔法もかけず、ああ、これが、と思ったのだった。これが恋か。これが愛か。愚かな民草がそう呼ぶものか。賢者なる魔法使いたちが尊んできたものか。であれば。俺には一生わからない、と。 　それは、諦念と名づけてしまうにはあまりに羨望を含んでいた。たかが十数年を共に暮らした犬のクーリール、それを心から愛したと今も言って憚らないレノックス。共にいられないのであればと相手の命を奪おうとし、薄暗い軛に互いを繋いでいるふたりの師。フィガロには解らなかった。だがそうしたかった。できることならば、舞台の真ん中で踊りたかった。ひとを愛し、そのひとに愛され、互いに望むように肌を重ねてみたかった。それを至上の幸せだと思いたかった。 　だがそれはおそらく手に入らないーー二千年以上生きて、智も美しさも力も手に入れたひとりの存在が、ちかぢか冷たい石に還るまでーー手に入らない。さびしかった。この先もさびしいのだろうと思った。だがそれに耐えられてしまうことを、フィガロは長い生の間に知っていた。 　今夜も月は明るい。カーテンのない窓からは、箒に乗った人物が飛んでいくのがよく見える。ムルは今夜も恋する相手に睦言を捧げているのだろう。まったくフェアじゃない、とフィガロは思った。公正さなど求める方が愚かと知っていて。 　月の光は、テーブルの上の花瓶をまぶしく照らす。ルチルとミチルが置いていった花が活けてあるのだ。君たちを大切に思っている、ほんとうだよ、と、必要もない言い訳をするように考えた。幸せでいてほしいよ。 　わかっていますよ、フィガロ先生。私たちも、心から願っています。あなたの幸せを。もしそう伝えたなら、南の兄弟は笑ってそう言うだろう。レノックスも微笑むだろう。そんなこともあなたはわからないのか、とファウストには呆れられるかもしれない。けれど。 　ごめんね、とまたフィガロは懺悔する。愚かだってわかってる。でもたった一度でいい。ありふれたその奇跡を、儚い手のひらの中のきらめきを、手にして踊ってみたかったんだ。 タイトル「踊りたかった」眞鍋せいら あなたが好きだ、と伝えてしまいたい。そんな夜がたびたび、フィガロには訪れる。若葉が朝露をその身に受けて耐えきれなくなるように、口の端から、あなたが好きだ、と。 　だが誰に、ということになると、フィガロはまったく困ってしまうのだった。もちろん、愛おしい、幸せでいてほしい、俺のことを思い出してほしい、そう思う相手はないではなかったし、むしろ複数思い至った。ファウスト、ルチル、ミチル、レノックス、さらにはオズや師と仰ぐ双子ーーそれだけで、もう充分なのだろう、と思うように努めてきたし、実際そう思っていた。彼らが、彼らのやり方でフィガロを呼ぶ時のそのやわらかな声色ーーそれにフィガロは満足していたし、それこそ、気の遠くなるような生のあいだ、なによりも得難い宝であるはずではなかったのか。 　だがフィガロは、いまだ、あなたが好きだ、そのたったひと言すら唇にのぼらせることができず、暗闇に迷っている。それは彼をひどく腹立たしく、切なく、にじられるような気持ちにさせた。皆がなんの疑問もなく手にした招待状を、自分だけが持っていないというような感情。美しく着飾った万人が、甘くひそやかな会話をささめきあいながら踊るダンスホール、しかし自分だけがその壁の花であり、簡単なステップも踏めずにシャンパンを嗜んでいる。 　本来なら主役であるはずのこの俺が。そのような矜持がなんの意味も持たないのはわかりすぎるほどわかっていたし、いや、実際はごく単純なのだ。ただ自分もその踊りの輪に加わりたい。誰かの腕に抱かれ、または誰かを抱いて、咲き始めた花と蜜蜂のようにくるくると笑い合い、戯れたい。そしてその相手と、よもや情を交わせたら、その一晩だけを胸に抱いて残りの日々を過ごしたっていい。 　ほんとうにその相手だとわかれば、約束だって、この身の果ての石だってあげるのに。フィガロはそう考えたりもし、いやこれは馬鹿な、夢みがちな少女のおとぎ話だと卑しんでみせたりもした。だがやはり、あなたが好きだ、そう告白したくて堪らない夜は無情にも、彼の部屋の扉を叩くのである。 　卑近な人間と約束をし、あまつさえその子供を身籠ったチレッタに罵倒されたとき、フィガロは心底彼女を理解しなかったし、それはいまだ同じだ。ただ血の滲むほど張られた頬に治癒魔法もかけず、ああ、これが、と思ったのだった。これが恋か。これが愛か。愚かな民草がそう呼ぶものか。賢者なる魔法使いたちが尊んできたものか。であれば。俺には一生わからない、と。 　それは、諦念と名づけてしまうにはあまりに羨望を含んでいた。たかが十数年を共に暮らした犬のクーリール、それを心から愛したと今も言って憚らないレノックス。共にいられないのであればと相手の命を奪おうとし、薄暗い軛に互いを繋いでいるふたりの師。フィガロには解らなかった。だがそうしたかった。できることならば、舞台の真ん中で踊りたかった。ひとを愛し、そのひとに愛され、互いに望むように肌を重ねてみたかった。それを至上の幸せだと思いたかった。 　だがそれはおそらく手に入らないーー二千年以上生きて、智も美しさも力も手に入れたひとりの存在が、ちかぢか冷たい石に還るまでーー手に入らない。さびしかった。この先もさびしいのだろうと思った。だがそれに耐えられてしまうことを、フィガロは長い生の間に知っていた。 　今夜も月は明るい。カーテンのない窓からは、箒に乗った人物が飛んでいくのがよく見える。ムルは今夜も恋する相手に睦言を捧げているのだろう。まったくフェアじゃない、とフィガロは思った。公正さなど求める方が愚かと知っていて。 　月の光は、テーブルの上の花瓶をまぶしく照らす。ルチルとミチルが置いていった花が活けてあるのだ。君たちを大切に思っている、ほんとうだよ、と、必要もない言い訳をするように考えた。幸せでいてほしいよ。 　わかっていますよ、フィガロ先生。私たちも、心から願っています。あなたの幸せを。もしそう伝えたなら、南の兄弟は笑ってそう言うだろう。レノックスも微笑むだろう。そんなこともあなたはわからないのか、とファウストには呆れられるかもしれない。けれど。 　ごめんね、とまたフィガロは懺悔する。愚かだってわかってる。でもたった一度でいい。ありふれたその奇跡を、儚い手のひらの中のきらめきを、手にして踊ってみたかったんだ。
November 10, 2025 at 6:12 PM
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nemuritarinai.bsky.social
とうとう（？）イマジナリーお茶会をしました。初回のゲストはあの方！　クワロマンティックであることについて一緒に悩んでもらいました。
（夢小説ではありませんがそんなようなものですので、苦手な方はくれぐれもご注意ください。本文の注意書きも読んでください🙏）
note.com/nemuri_tarin...
イマジナリーお茶会 #1 『まほやく』フィガロ・ガルシアと語るクワロマンティック｜眞鍋　せいら
この記事は、だいたいいつもイマジナリー／フィクショナルな存在と話している眞鍋せいらが、いっそその会話を文字として書き起こして公開することで、なにか面白い作用が得られるんじゃないか、と思ってやってみる試みです。今回のお客さまは、大人気ゲーム『魔法使いの約束』から、さらに大人気なキャラクターであるフィガロ・ガルシアさん。複雑すぎる人物造形でたくさんの方を苦悩ないし魅了してきました。いきなりこんな場にお...
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November 11, 2025 at 4:51 AM
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めっちゃいいメッセージが来たのでみてくれピーポー
November 10, 2025 at 12:06 PM
karada.bsky.social
咳に起こされる。しかたないから天官賜福5巻を読む。
November 8, 2025 at 7:55 PM
karada.bsky.social
やばいやばい見るだけのxのおすすめがまたやばいやばいになってしまった。無限にlikeできる私にとって安全でハッピーな話題はなんだっけな。
November 7, 2025 at 12:10 PM
karada.bsky.social
咳止めや喘息の薬をもらって服用したら、いま、副作用ですんごく眠くてすんごい。
November 6, 2025 at 10:08 AM
karada.bsky.social
ギヴンみたいな百合アニメ見たい。あんまりきゃぴきゃぴしてないやつ。
November 5, 2025 at 11:26 AM