がんちゃん
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がんちゃん
@gamchan.bsky.social
大阪府在住のおじさんです。

散歩、写真、読書が好きで、大阪、京都、奈良をうろついてます。
【読んだ本】その〈男らしさ〉はどこからきたの? 広告で読み解く「デキる男」の現在地(小林美香/朝日新聞出版)
過去からのCM、ポスターなどに描かれてる男性像を並べ、どういう「男らしさ」を演出しているのかを紐解いていく。その時その時の時代背景などが現れていることが明確になりとても面白い。タイトルの『そこからきたの』は、そういう時代背景など男性像がそうなる理由を探ってると理解した。最初は、勘違いしている男を批判してるのかと少しビビって読みだした。
#読了
#yonda
November 22, 2025 at 8:03 AM
【読んだ本】水は動かず芹の中(中島京子/新潮社)
スランプになった作家が旅に出ようと唐津を訪れ陶芸体験をしようとする。道に迷ってしまい違う陶芸家のところにいきつき、そこで不思議な昔話を聞くことになる。
水神と呼ばれる不思議な存在が、秀吉の朝鮮出兵を止めようとするお話。最初は何の話が始まったのかと少し戸惑ったが、そのまま読み進めるうちに惹きこまれていった。
水神という不思議な存在、有名な戦国武将たち、そして焼き物のはなしと妙にお話がつながっていく。読み終わっても理解できたとはいいがたいが、お話の中の世界を楽しむことはできた。
#読了
#yonda
November 21, 2025 at 9:52 AM
【読んだ本】百日と無限の夜(谷崎由依/集英社)
切迫早産で緊急入院した「わたし」、3か月は入院しないといけないといわれる。そんな入院生活の中で、時代を超え場所を超え幻想的な叙述が繰り広げられる。
男の私には妊娠・出産の苦労はそもそも分からないが、現実と幻想が入り混じるお話に降参。
#読了
#yonda
November 20, 2025 at 7:46 AM
【読んだ本】最悪の相棒(伏尾美紀/講談社)
因縁ある二人の刑事がバディを組み捜査に当たる。担当する事件が次々とつながっていく様と、二人の過去を徐々に描くのが交互に語られ、妙にリズミカルに楽しめる。
先輩刑事である潮崎は姉が殺されてる。後輩の弘中は、そんな被害者家族を受け入れケアした元刑事の娘。被害者家族に寄り添いすぎて自分を亡くした父を見てきた弘中は、塩崎を快くは思っていない。
二人の葛藤とは関係なく容赦なく事件は発生し、操作しなくてはならない展開が続く緊張感が楽しめる。
#読了
#yonda
November 19, 2025 at 8:25 AM
【読んだ本】友だち以上超能力者未満(山本幸久/徳間書店)
悲しい気持ちになると週間移動してしまう誠、恋心を抱くと体が宙に浮いてしまう花奈、そんな二人がその特殊能力を隠しながら相手に近づこうとする少し変わった設定のラブ・コメディ。
特殊能力を前提としても、お話の展開に少し無理があるようにも思うが、気にせず楽しく読める。脇を固める登場人物も個性的で魅力的。
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November 18, 2025 at 9:29 AM
【読んだ本】キャベツ炒めに捧ぐ リターンズ(井上荒野/角川春樹事務所)
商店街で60代後半の女性3人がお惣菜屋さんをやってる。3人のここまでの人生はそれぞれだが、たまたま出会っての開業が続いている。
惣菜屋が舞台なだけに、毎回美味しそうなものが登場する短編集。大家の高齢化に伴うお店の立ち退き問題起こったり、少し不思議なジェントルマンが現れたりとお話が進んでいく。
今後がどうなるのか気になるので、ぜひ続編も期待。
気になるといえば、出てくる食材で食べたことのないものも多くとても気になる。なんて、本の感想としていいのか悪いのか。
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November 17, 2025 at 8:00 AM
【読んだ本】読めば分かるは当たり前? ――読解力の認知心理学(犬塚美輪/筑摩書房)
冒頭で、「この本を読んでも読解力はつかない」と明言されてて少し焦る。浅ましい気持ちが見透かされているよう。
この本で取り上げられてるのは、「読解力とは何か」ということ。その構造を順に紐解いていってる。
このことを深く理解すれば、分かりやすい文章や資料を作れるようになるかもしれないと感じた(実際には理解したうえで修業が必要だとは思う)
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November 15, 2025 at 11:12 AM
【読んだ本】オリエンド鈍行殺人事件(藤崎翔/ハーパーコリンズ・ジャパン)
短編5篇とショートショート5篇が代わり番こに並んでる短編集。
個人的には間に挟まるショートショートが、気が利いていて楽しめた。
短編の中で最も長い表題作は、ばかばかしさを追求した面白さ。よくぞこんな登場人物を集めたなと感心。
作者の小説は、常に本末転倒というか脇道にそれていく感じが持ち味かもしれない。
#読了
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November 13, 2025 at 8:06 PM
【読んだ本】デモクラシーのいろは(森絵都/KADOKAWA)
600ページ超える大作で、タイトルみて読むのをやめようかと思ったが、読んでみれば一気に楽しく読めた。
戦後にGHQの肝いりで、若い女性を集めて民主主義を教えるという取り組みが開始される。教師役に選ばれた二世の米軍将校と教え子となる4人の女性、場所を提供する華族の奥様、などそれぞれの背景を引きずったままお話が進むのが面白い。
個人的な問題としては、読み終わっても「民主主義」が何かはさっぱりわからないこと。
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November 13, 2025 at 8:04 AM
【読んだ本】翠雨の人(伊与原新/新潮社)
実在の科学者を題材としその半生を描く。伝記に面白いものはないが伝記風でありながら読んでて面白いのはなぜか不思議(当たり前なのかもしれないが)
女性が十分な教育を受けられない時代から生き抜いてきた、ある意味たくましい女性を描いている。
ただ、読んでいて一番強く感じるのは、主人公の科学に対する真摯な姿勢。そこが一貫して描かれてると感じた。
#読了
#yonda
November 12, 2025 at 10:00 AM
【読んだ本】ハレーション(森沢明夫/KADOKAWA)
森沢さんのお話は、なぜいつもこんなに胸を打つのか。つらいことも描かれるが、全体通じて結局は暖かな気持ちになれる、うますぎてずるいとしか言いようがない。
離島で育った同級生の拓海、風太、涼子、の3人。2人は島を出てばらばらになったが、それぞれの心に秘めた思いが交錯しながらお話が進む。
3人に絡む登場人物の魅力もさることながら、島の情景の描き方がすごいと思うし、単なる舞台設定ではなく主要な登場人物のようにも感じられる。
お話のあらすじなど書く必要もない、まずは読んでほしい。
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#yonda
November 11, 2025 at 8:07 AM
【読んだ本】スノードームの捨てかた(くどうれいん/講談社)
なんか独特の世界観が漂う短編集。
6篇のお話とも、ちょっと変わった着眼点で、登場人物がみな少し変わったところに引っかかってる感じ。読んでいて、そんな感じが味わえた。
お話のストーリーがどうとか、結末がどうとかではなくて、そんな文章を味わうタイプと認識。
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November 10, 2025 at 8:12 AM
【読んだ本】町の本屋はいかにしてつぶれてきたか: 知られざる戦後書店抗争史(飯田 一史/平凡社)
「町の本屋さん」が次々と姿を消している。ただ、それがどういう要因によるものかは深く考えたことがなかった。単に、ネットなど他のメディアが普及した影響で本が売れなくなってるからだと思ってた。
この本では、出版から本屋までの流通の問題など、過去からのデータをもとに解き明かしていく。そもそも本屋さんというのは元々もうからない構造になっていたのだと。
また、諸物が値上がりする中、単行本の値上げが比較的緩やかなのはありがたいと思っていたが、それも本屋を潰す原因になっていたとは。
#読了
#yonda
November 8, 2025 at 11:22 AM
【読んだ本】宙色のハレルヤ(窪美澄/文藝春秋)
変化球が続く感じの恋愛小説短編集。
最近の作者の小説は読むのが苦しくなるような、切ないというより救いがない行きどまり感を感じるものが多かった(あくまで私の感想)
ここに集められたお話は、どれも報われないという意味では同じだけれど、登場人物が素直に自分の感情と向き合ってるところに惹かれる。
主人公たちは必死にもがいてるのだけど、文章のタッチは冷静というか、やや淡々としているところがよかったのかもしれない。
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November 7, 2025 at 10:53 AM
【読んだ本】真珠配列(岩井圭也/早川書房)
中国を舞台にした近未来ミステリ。
極端に進行が速い癌で有力者の息子が死亡した。調査すると同様の事例が他にもあることがわかる。連続殺人事件の可能性を刑事のアーロンが追う。
調査協力を依頼した遺伝子エンジニアのマリクがなかなかの曲者、二人の関係とその変化が楽しい。
最初は、どうして中国を舞台にするんだ登場人物の名前が分かりにくい、と戸惑ったが読み進めるうちに作者の意図が分かるような気もしてきた。
それにしてもこの作者はいろんなタイプのお話を書く。
#読了
#yonda
November 6, 2025 at 7:33 AM
【読んだ本】失われた貌(櫻田智也/新潮社)
身元が分からないように顔を潰され歯を抜かれ両手首を切り落とされた死体が見つかる。そんなおそろしい事件の捜査を軸にお話が進む。
同時に、不審者への目撃情報を提供したのに警察の対応が不十分との新聞への投書があったり、身元不明の死体が発見されたとの報道を見て「10年前に失踪した自分の父親ではないか」と警察に来る少年、などいくつかのお話が並行して語られる。
ミステリを読んだことがある人なら、まったく無関係のことをここまであれこれと書く訳がないとは思うが、どう繋がるのかが分からないまま一気にお話が進む。
とにかく面白い、読み切って満足。
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#yonda
November 5, 2025 at 10:00 AM
【読んだ本】神さまショッピング(角田光代/新潮社)
「神様小説」って何だろうと思ったが、そんな短編が8篇。
神様に会いたい、願いをかなえたい、救いが欲しい、ときっかけは様々だけれど取りつかれたように旅に出る人たちを描いた短編集。
個人的には「聖なる濁った川」「モンゴルの蓋」の2篇がよかった。
神様への思いからの旅だが、その中で身近な人もしくは身近だった人への思いや関係が変わったり気づいたりしていく過程が描かれてるのがいい。
冷静に考えるとうすら寒い部分もあるが、少しシリアスで面白い。
#読了
#yonda
November 4, 2025 at 10:54 AM
【読んだ本】おにたろかっぱ(戌井昭人/中央公論新社)
売れないミュージシャンの父と3歳のタロが繰り広げる旅が楽しい。父は最後のどさまわりと、九州から中国地方そして京都と出かけることにする。しかし、その直前に母が体調を崩し実家で静養することになり、タロは父の車に乗せられ一緒に「どさまわり」に行くことになる。
脳内の「おに」や「かっぱ」と会議として会話する少し変わった子供のタロが旅を通して大きく成長する。
そして何より、父が親として成長していく過程が楽しい。
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November 3, 2025 at 9:53 AM
【読んだ本】「話が面白い人」は何をどう読んでいるのか(三宅香帆/新潮社)
「話が面白い人」になるためのネタの仕入れ方としての、読書に限らず鑑賞のポイントを解説している。具体例をいくつも挙げて説明されてる。
読んでいて、なるほど参考になるなと思うこともあるが、この手の本を読んでる時点でダメかなと思う。
(著者をけなしてるわけではない)
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#yonda
November 1, 2025 at 12:23 PM
【読んだ本】きみは悪口を言わない(真下みこと/光文社)
小学生が主人公で、子供中心のお話だと思って読んだら、確かにその通りでもあるけど、結局のところ親や教師という大人の問題を描いたお話だった。
小3のあきらは、母親が「見守り隊」隊長として通学路に立つのが嫌で仕方ない。そんな中で通学中に事故が起こり、目を離したた母親のせいにされ、息子のあきらもクラスで孤立する。
あきらは子供なりに苦しみなんとか打開しようともがく姿が描かれ切なくも感動。
ただ、読み終わってからふと最初に書いたように、全部大人の問題やないか思ってしまう私も面白くない大人。
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October 31, 2025 at 8:19 AM
【読んだ本】天上の火焰(遠田潤子/集英社)
ジリジリと燃えるような父子関係を描いた物語。
備前焼で人間国宝の祖父、その息子で轆轤の名手と言われる父、早くに母を亡くした孫であり息子である城は、祖父と父の冷たい関係に心を痛めながら成長する。
ドキュメンタリ映画を撮る監督、城の幼馴染、と家族以外の登場人物が絡むことによって、いびつな親子関係が浮き彫りになっていく。お話が進むにつれ、過去のいきさつが徐々に明らかになっていく過程もスリリング。
少し長めだけれど、読みだすと一気。
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#yonda
October 30, 2025 at 9:59 AM
【読んだ本】エピクロスの処方箋(夏川草介/水鈴社)
凄い小説だと思う。
「幸福」という難解なテーマを描きながら、登場人物のキャラやお話の展開で面白い小説に仕立てられてる。高度な医療の現場でありながら「俗」な世界の要素も入ってる。いろんな要素を取り混ぜながら、娯楽小説としても面白い。
と、前作でも思ったことを改めて強く思う。
繰り返しになるが、多彩な登場人物が魅力だし、京都の美味しいお菓子があれこれ登場するのも楽しい。
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#yonda
October 29, 2025 at 7:59 AM
【読んだ本】みちゆくひと(彩瀬まる/講談社)
とても不思議な物語、全体通じて暗くてゆるくお話が流れていく。
子供時代に弟を事故で亡くし、2年前父を亡くした燈子が、母の突然死に向き合う。母が一人暮らししていた部屋の片づけをする際に日記を見つけるが、なぜかそれが更新されていく。
死後の世界では、夜行と言われる行列で皆が進んでいる。その中で、母や父が現世を振り返り後悔をし燈子への思いを語る。結局のところ、すべては自分で受け入れ自分で決めなくてはいけないのだけど、そう簡単に割り切れず心が揺らぐ。
残された燈子がどうすればいいのか、心配になってしまう。
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#yonda
October 28, 2025 at 9:57 AM
【読んだ本】宇宙の片すみで眠る方法(畑野智美/ポプラ社)
婚約者を事故で亡くした依里は、ショックで眠れなくなるが寝具を新たにすることで回復する。その縁でデパートの寝具売り場で働くことになる。
眠りに関する悩みを抱えた人は、非常に多いらしい。日々、売り場にそんな悩みを抱えた人が来て、依里はまじめすぎるほどまじめにまっすぐに応対する。その結果、客の求めるものを安直に売らなかったり、勧めれば何でも買いそうなのに踏み込まなかったりと、営業成績は必ずしも良くはない。
素敵なのは、そんな依里をじっと見守る店長、余計なことは言わないが的確なアドバイスをする。
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#yonda
October 27, 2025 at 7:33 AM
【読んだ本】これからの建築 スケッチしながら考えた(光嶋裕介/ミシマ社)分類すれば「エッセイ」になるのかもしれないが、読みながら結構考えさせてくれる。
タイトルに『これからの建築』とあるが、自分の考えていた「建築」の枠組みからはかなりはみ出している。ひょっとすると専門家の間では当たり前の話で、私がものを知らないだけかもしれない。
「建築」は、空間をつくるのは当然として、そこに集う人(集団)、さらには社会をつくるというのは言い過ぎでも、その基礎になってるのは間違いない。
ひょっとすると、こんなことも専門家の間では常識なのかもしれない。
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#yonda
October 25, 2025 at 9:23 AM