#消滅都市お題2025in旅
#消滅都市お題2025in旅

ジジジジ――。
海辺の町に響くセミの声が、波の音と重なって耳を満たしていた。
夏休み最後の日、少年は海沿いの道をさまよっていた。
潮風はけだるい熱を帯び、手には十円玉が何枚も汗に濡れて握られている。

辿り着いた堤防のそば、公衆電話のガラスの箱がぽつんと立っていた。
少年は受話器を持ち上げ、硬貨を落とす。チャリン、と小さな音。

「……もしもし?」

受話器の向こうから聞こえたのは姉の声だった。

「まだ探してるの?」

「うん。きっと、どこかにいるはずなんだ。」

「その人って、誰なの?」
August 31, 2025 at 3:07 PM
明日も昨日も遠く離れている

#消滅都市お題2025in旅
August 30, 2025 at 2:00 AM
【お題企画】
第60回目のお題企画です。

◆お題は『旅』です

◆消滅都市に関する創作物であればなんでもOKです

※投稿期間
8/29〜9/1の4日間

下のタグを使ってご投稿ください

#消滅都市お題2025in旅
August 16, 2025 at 11:52 AM