早稲田松竹で、『天井棧敷の人々 4K修復版』を観た。詩人プレヴェールによるセリフがキレキレ。ナチス占領下、全長400mに及ぶオープンセットに、1500人のエキストラを動員という伝説的作品。3時間10分と長尺で登場人物も多いが、殺人、不倫と濃密で、全く飽きなく素晴らしい。劇場で観られて良かった。

#天井棧敷の人々
#マルセルカルネ
#ジャックプレヴェール
#アルレッティ
#ジャンルイバロー
#マリアカザレス
#早稲田松竹

今回4K修正版なので映像も音声も綺麗になっていてよかった。役者達の瞳の輝きがスクリーンいっぱいに広がる。主演のジャン＝ルイ・バローの透き通るような声も、アルレッティのハスキーなそれでいて艶っぽい声もよく響いた。

いよいよアデューの日。

マチューの舞台で一番好きなのは『天井桟敷の人々』。彼とシアラヴォラそれぞれの個性、そこから生まれる相乗効果には無二の魅力があって、ことごとくがこの作品で完璧にハマっていた。特にこの美しさの前には、バローとアルレッティも形無しとすら思えたほど。

メインとなる回想部分が、善良で真面目な男が恋をした結果それが四角関係となり…という話で、正直さほど面白く思えなかったのも、セリフが凝りすぎに感じられた一因かも。恋愛で悩んだり縺れたりする話は苦手なので…。主演はジャン・ギャバン。アルレッティのヌード場面があったのにはびっくり。