一巻は電子書籍Kinoppyと紙の両方を持っている。物語を味わうのは紙が好きだけれど、Kinoppyでみる北斎の絵の細部がとても見やすいので、電子書籍も捨て難い……電子書籍自体、昔のバージョンのKinoppyよりずっと読みやすくなっている気がする。
一巻は電子書籍Kinoppyと紙の両方を持っている。物語を味わうのは紙が好きだけれど、Kinoppyでみる北斎の絵の細部がとても見やすいので、電子書籍も捨て難い……電子書籍自体、昔のバージョンのKinoppyよりずっと読みやすくなっている気がする。
紀伊國屋&光文社古典新訳文庫読書会をきっかけに。面白かった! 江戸時代の人と同じ気持ちで楽しめた、と言っても許されるのでは⁈ 苦手としていた保元の乱の人物関係も、登場人物の個性が生き生きと描写されるので苦労せずにつかめて物語に入り込める。
紀伊國屋&光文社古典新訳文庫読書会をきっかけに。面白かった! 江戸時代の人と同じ気持ちで楽しめた、と言っても許されるのでは⁈ 苦手としていた保元の乱の人物関係も、登場人物の個性が生き生きと描写されるので苦労せずにつかめて物語に入り込める。
サヴェーリイチの視点で「坊ちゃん……!」と思いながらストーリーを追いかけた。好きなのはヴァシリーサ・エゴーロヴナ。ロシア文学はkindleじゃない方が合っていたかも。紙だと苦にならない人名が、電子書籍だと混乱しやすくなる印象。
サヴェーリイチの視点で「坊ちゃん……!」と思いながらストーリーを追いかけた。好きなのはヴァシリーサ・エゴーロヴナ。ロシア文学はkindleじゃない方が合っていたかも。紙だと苦にならない人名が、電子書籍だと混乱しやすくなる印象。
舞台は1990年のバルセロナ、肉体を持たない宇宙人が主人公。
有名ポップスシンガーに姿を変え人間界に消えてしまった相棒グルブを探し出そうと、語り手宇宙人が四苦八苦する。
ユーモアと皮肉がいっぱい。チュロスとナスの卵とじが食べたくなる
舞台は1990年のバルセロナ、肉体を持たない宇宙人が主人公。
有名ポップスシンガーに姿を変え人間界に消えてしまった相棒グルブを探し出そうと、語り手宇宙人が四苦八苦する。
ユーモアと皮肉がいっぱい。チュロスとナスの卵とじが食べたくなる
自分に起きた問題ごとは、人類が初めて経験することじゃないし、なんとかやり過ごせるはず、を信条とする自分には、我が意を得たり!という項目が多かったです。そうか、この気持ちをメランコリーと表現できるのか、という発見も。様々な項目35(達成、風景、五十歳、北斎!、人類滅亡、園芸など)とメランコリーについて。
自分に起きた問題ごとは、人類が初めて経験することじゃないし、なんとかやり過ごせるはず、を信条とする自分には、我が意を得たり!という項目が多かったです。そうか、この気持ちをメランコリーと表現できるのか、という発見も。様々な項目35(達成、風景、五十歳、北斎!、人類滅亡、園芸など)とメランコリーについて。
我々の集中力が落ちているのは個人に問題があるのではなく社会側の問題だと論じられている。
特に前半が秀逸。
結語には自己啓発本ではないのでシンプルな結論はないとあるが、それでもいくつかの対処法を知ることができた。また、読書中にスマホに触る気になれなくなった結果、とても集中してほぼ一気に読めた。
我々の集中力が落ちているのは個人に問題があるのではなく社会側の問題だと論じられている。
特に前半が秀逸。
結語には自己啓発本ではないのでシンプルな結論はないとあるが、それでもいくつかの対処法を知ることができた。また、読書中にスマホに触る気になれなくなった結果、とても集中してほぼ一気に読めた。
厳しい自然の摂理の中で生きる動物の姿が鮮やかに描写される。登場する人間と同じく、矛盾する思いに振り回されながら読んだ。
画家であったシートン自身の挿絵がはいった手加減なしの大人のためのシートン。
子どもの頃読んだシートン動物記のことも思い出した。初めから児童書として書かれた本だけではなく、(当時は児童向けにアレンジされた訳とは知らなかったけれど)外国の本が大好きであったし、大人になってからの読書にもつながっていると思う。児童向けの翻訳者の方々にも深く感謝。
厳しい自然の摂理の中で生きる動物の姿が鮮やかに描写される。登場する人間と同じく、矛盾する思いに振り回されながら読んだ。
画家であったシートン自身の挿絵がはいった手加減なしの大人のためのシートン。
子どもの頃読んだシートン動物記のことも思い出した。初めから児童書として書かれた本だけではなく、(当時は児童向けにアレンジされた訳とは知らなかったけれど)外国の本が大好きであったし、大人になってからの読書にもつながっていると思う。児童向けの翻訳者の方々にも深く感謝。
文藝春秋 夏休みの楽しい読書となった! 12の章で動物とそれに対応する人間の知られざる感覚が語られる。注と参考文献も素晴らしい。どの章も興味が尽きないが、全盲の画家の脳の中では絵を見ることができるという触覚の章と筋紡錘からの信号が届かなくなる疾病に侵された人物が登場する身体感覚の章が特に面白かった。オリバー・サックスの著作やや、触れることの科学、タコの心身問題など読んだことがある本が取り上げられ、新しい視点で読めるのも楽しい。自分の磁気感覚が実感できたら便利だろうなあ。
文藝春秋 夏休みの楽しい読書となった! 12の章で動物とそれに対応する人間の知られざる感覚が語られる。注と参考文献も素晴らしい。どの章も興味が尽きないが、全盲の画家の脳の中では絵を見ることができるという触覚の章と筋紡錘からの信号が届かなくなる疾病に侵された人物が登場する身体感覚の章が特に面白かった。オリバー・サックスの著作やや、触れることの科学、タコの心身問題など読んだことがある本が取り上げられ、新しい視点で読めるのも楽しい。自分の磁気感覚が実感できたら便利だろうなあ。
これもYouTube積読チャンネル経由でバリューブックスより購入。旅行に行きたいけれどなかなか行けないので旅行記大好き。
積読チャンネルでは(世界を味わう才能を持っていると言う点で)敬意を表して「ジジイ」だとプレゼンしていたが、前書きや表題作はとにかく、私から見るとかなりアクティブな旅行記だった。あちこち小旅行したいなあ。
「知らない土地を歩くことで、そのあいだだけは、自分自身のことを考えずに済むのかもしれない。ただ、見ているだけ、聞いているだけ、歩いているだけの存在になれるような気がするのだ。(p11)
これもYouTube積読チャンネル経由でバリューブックスより購入。旅行に行きたいけれどなかなか行けないので旅行記大好き。
積読チャンネルでは(世界を味わう才能を持っていると言う点で)敬意を表して「ジジイ」だとプレゼンしていたが、前書きや表題作はとにかく、私から見るとかなりアクティブな旅行記だった。あちこち小旅行したいなあ。
「知らない土地を歩くことで、そのあいだだけは、自分自身のことを考えずに済むのかもしれない。ただ、見ているだけ、聞いているだけ、歩いているだけの存在になれるような気がするのだ。(p11)
読んでいる間ぐっと心が握り締められるような傑作。戦争もの苦手、ジャズ音楽は全く知らない自分の中に登場人物が憑依したような感じ。
ハンブルグ爆撃の描写などは、あまりに恐ろしいので初読時は目をつぶって?飛ばし読みしてしまった。2回目は章題となっている音楽を聴きつつ怖い場面も目を逸らさず読んだ。現在戦時下にある国々を思いつつ。特に印象に残るのは第一級混血のマックスの婆さんの恐怖、語り手に父が「自由に選択できるなら何をやりたい」に問うところ、そして語り手の両親の最期の場面。
読んでいる間ぐっと心が握り締められるような傑作。戦争もの苦手、ジャズ音楽は全く知らない自分の中に登場人物が憑依したような感じ。
ハンブルグ爆撃の描写などは、あまりに恐ろしいので初読時は目をつぶって?飛ばし読みしてしまった。2回目は章題となっている音楽を聴きつつ怖い場面も目を逸らさず読んだ。現在戦時下にある国々を思いつつ。特に印象に残るのは第一級混血のマックスの婆さんの恐怖、語り手に父が「自由に選択できるなら何をやりたい」に問うところ、そして語り手の両親の最期の場面。
YouTube積読チャンネルで紹介されていた本でバリューブックスより購入。
「文学」と「国語」の距離を縮め、「文学」を再設定することを目的(の一つ)とした本(p189)
そもそも文学とは何か、とは今まであまり考えたことがなかった気がする。「どのような人であっても、「文学」を読んでいるときは、何者でもない者として「物語」に参加します。家族から離れ、私から離れ、自分ならざる言葉の中に身を置いて、そうして«私»の物語が再獲得される。それが、本書で言うところの「文学」の体験です。(p229)」
YouTube積読チャンネルで紹介されていた本でバリューブックスより購入。
「文学」と「国語」の距離を縮め、「文学」を再設定することを目的(の一つ)とした本(p189)
そもそも文学とは何か、とは今まであまり考えたことがなかった気がする。「どのような人であっても、「文学」を読んでいるときは、何者でもない者として「物語」に参加します。家族から離れ、私から離れ、自分ならざる言葉の中に身を置いて、そうして«私»の物語が再獲得される。それが、本書で言うところの「文学」の体験です。(p229)」
『ふわふわのくま 百人一首』は英訳付!(John Gribble訳)
『ふわふわのくま 百人一首』は英訳付!(John Gribble訳)
以前実家仕舞いをしたときに持ってきた本をようやく読む。維新前後の日々を、後年振り返って語ったもの。蘭学の書生たち、奥医師の日常、少々やんちゃなお姫様の日々や美しいすみだ川の風景、芝居見物等の描写の武士の子として女の子には喉をつく自害の仕方を教えられる、との記載も。
『将軍家御典医の娘が語る江戸の面影』安藤優一郎 平凡社新書
『名ごりの夢』は聞き書きでありやさしい語り口であるものの、背景知識に乏しいのでよくわからないところもあり、同書ともに実家の本棚に並んでいたこの本には助けられた。
以前実家仕舞いをしたときに持ってきた本をようやく読む。維新前後の日々を、後年振り返って語ったもの。蘭学の書生たち、奥医師の日常、少々やんちゃなお姫様の日々や美しいすみだ川の風景、芝居見物等の描写の武士の子として女の子には喉をつく自害の仕方を教えられる、との記載も。
『将軍家御典医の娘が語る江戸の面影』安藤優一郎 平凡社新書
『名ごりの夢』は聞き書きでありやさしい語り口であるものの、背景知識に乏しいのでよくわからないところもあり、同書ともに実家の本棚に並んでいたこの本には助けられた。
バグダードでは女性は「鶴化(姿が見えない)」しているが、湿地帯の内側では男女が談笑している。
バグダードでは女性は「鶴化(姿が見えない)」しているが、湿地帯の内側では男女が談笑している。
新九郎は東荏原を手放す辛い決断をする。
壮年期新九郎のみならず、それぞれに歳月の経過を感じさせる巻。弟弥次郎も
「何だかよくわからない生き物だったのが立派に」なって27歳に。
初期からの登場人物足利義視は病に倒れ
(「御所様、もうおやめくだされ! 標準医療に戻しましょう!」
「黙れ黙れ!その標準医療とやらは効き目がないではないか!」)
この巻を最後に死を迎える。
新九郎は東荏原を手放す辛い決断をする。
壮年期新九郎のみならず、それぞれに歳月の経過を感じさせる巻。弟弥次郎も
「何だかよくわからない生き物だったのが立派に」なって27歳に。
初期からの登場人物足利義視は病に倒れ
(「御所様、もうおやめくだされ! 標準医療に戻しましょう!」
「黙れ黙れ!その標準医療とやらは効き目がないではないか!」)
この巻を最後に死を迎える。
2020年から2022年に行われた対談。
「(武満徹が)死んだ当日っていうのは何ともないんですよ(略)それでね、一年くらい経った頃かな、とにかくいい天気で、日差しがすごくきれいだった。そのときに急に悲しくなったの。」
これはプルースト的なエピソードでは。
谷川俊太郎が亡くなった時のXのタイムラインでは、みなそれぞれ「自分にとっての谷川俊太郎」があって、その多様さにも改めて感じ入った。私にとってはアトムの主題歌、高校生の時に好きだった合唱曲「ネロ」、幼い子どもと遊んだ「詩句を釣る」アプリ「谷川」か。
2020年から2022年に行われた対談。
「(武満徹が)死んだ当日っていうのは何ともないんですよ(略)それでね、一年くらい経った頃かな、とにかくいい天気で、日差しがすごくきれいだった。そのときに急に悲しくなったの。」
これはプルースト的なエピソードでは。
谷川俊太郎が亡くなった時のXのタイムラインでは、みなそれぞれ「自分にとっての谷川俊太郎」があって、その多様さにも改めて感じ入った。私にとってはアトムの主題歌、高校生の時に好きだった合唱曲「ネロ」、幼い子どもと遊んだ「詩句を釣る」アプリ「谷川」か。
読書友達からの贈物。幻想的な短編からなる。第一話は姉たちと死せる弟との回想と再会。千夜一夜物語のような枠物語形式をとる第ニ話。最終話は、破滅的な結末ではと思いながら読んだが想像を超えた展開に驚いた。
読書友達からの贈物。幻想的な短編からなる。第一話は姉たちと死せる弟との回想と再会。千夜一夜物語のような枠物語形式をとる第ニ話。最終話は、破滅的な結末ではと思いながら読んだが想像を超えた展開に驚いた。
出版翻訳者の仕事論。訳書(中でも『黄金州の殺人鬼』は怖かった)、著書(『兄の終い』『家族』が好き)を読むのみならず著書の出版記念トークショーにも参加したことがある。
真摯な仕事論に頭が下がる
出版翻訳者の仕事論。訳書(中でも『黄金州の殺人鬼』は怖かった)、著書(『兄の終い』『家族』が好き)を読むのみならず著書の出版記念トークショーにも参加したことがある。
真摯な仕事論に頭が下がる
冒頭の「俳句天眼鏡」は超初心者にとても心強い。(p1)
現時点では自分の経験したことに勝手に引き寄せてそれぞれの句の世界の入り口を叩いているところ。
「蘭化墓所梔子の実に指染めて」(p2)
墓地にあるくちなしの実にまつわる個人的な思い出が一気に蘇った。
冒頭の「俳句天眼鏡」は超初心者にとても心強い。(p1)
現時点では自分の経験したことに勝手に引き寄せてそれぞれの句の世界の入り口を叩いているところ。
「蘭化墓所梔子の実に指染めて」(p2)
墓地にあるくちなしの実にまつわる個人的な思い出が一気に蘇った。
俳句の読者「超」初心者にとって冒頭の「俳句天眼鏡」はとても心強い。(p1)
現時点では自分の経験したことに勝手に引き寄せてそれぞれの句の世界の入り口を叩いているところである。
「蘭化墓所梔子の実に指染めて」(p2)
墓地にあるくちなしの実にまつわる個人的な思い出が一気に蘇った。
俳句の読者「超」初心者にとって冒頭の「俳句天眼鏡」はとても心強い。(p1)
現時点では自分の経験したことに勝手に引き寄せてそれぞれの句の世界の入り口を叩いているところである。
「蘭化墓所梔子の実に指染めて」(p2)
墓地にあるくちなしの実にまつわる個人的な思い出が一気に蘇った。