河合隼雄「とりかへばや、男と女」(新潮文庫)
〇『とりかえばや物語』は作者も成立年も未詳であるが、平安後期の作品であると考えられている。男性として育てられた姉(右大将中納言)と、女性として育てられた弟(尚侍)の物語。
〇人間の意識の分化過程 混沌の中から意識が生じる
「分ける」→天と地、光と闇、善-悪、男-女
〇アニマ・アニムス等の心理学視点からの考察
〇男装の姫君やロマンスの物語について日本や世界の文学作品を例に考察「女法王」」、「トリスタンとイゾルデ」
「人間の心の一瞬の在り様が『とりかえばや』という物語に語られているようにも思えるのである。」(P.259)
河合隼雄「とりかへばや、男と女」(新潮文庫)
〇『とりかえばや物語』は作者も成立年も未詳であるが、平安後期の作品であると考えられている。男性として育てられた姉(右大将中納言)と、女性として育てられた弟(尚侍)の物語。
〇人間の意識の分化過程 混沌の中から意識が生じる
「分ける」→天と地、光と闇、善-悪、男-女
〇アニマ・アニムス等の心理学視点からの考察
〇男装の姫君やロマンスの物語について日本や世界の文学作品を例に考察「女法王」」、「トリスタンとイゾルデ」
「人間の心の一瞬の在り様が『とりかえばや』という物語に語られているようにも思えるのである。」(P.259)
遠山美都男「大化改新‐六四五年六月の宮廷革命」中公新書1119、1993年
〇645年の「乙巳の変」による蘇我宗本家覆滅事件に端を発した大化改新。『日本書記』『家伝』の記述を再検証をして、クーデターの実態と目的を探り、大化改新の国政改革の内容やその実現可能性を解明する。
〇「乙巳の変」について史料の記述には二つの主張がある。
①中大兄皇子はいつ即位してもおかしくないほどの有力な王権継承予定者だった。
②中大兄皇子と中臣鎌足との強固な主従関係が早い段階から存在していた。
〇王権継承の歴史、王権と藤原氏との関係、政変を巡る人間関係を検証していくことで、大化改新の実像が鮮明になる。
遠山美都男「大化改新‐六四五年六月の宮廷革命」中公新書1119、1993年
〇645年の「乙巳の変」による蘇我宗本家覆滅事件に端を発した大化改新。『日本書記』『家伝』の記述を再検証をして、クーデターの実態と目的を探り、大化改新の国政改革の内容やその実現可能性を解明する。
〇「乙巳の変」について史料の記述には二つの主張がある。
①中大兄皇子はいつ即位してもおかしくないほどの有力な王権継承予定者だった。
②中大兄皇子と中臣鎌足との強固な主従関係が早い段階から存在していた。
〇王権継承の歴史、王権と藤原氏との関係、政変を巡る人間関係を検証していくことで、大化改新の実像が鮮明になる。
ということらしい。
ということらしい。
和辻哲郎「風土」岩波文庫
「この書の目ざすところは人間存在の構造契機としての風土性を明らかにすることである。」(序言)
〇風土の三つの類型「モンスーン」「沙漠」「牧場」
〇芸術の風土的性格(第四章)
・ヨーロッパの芸術→「多様の統一」「シンメトリー」等
・東洋の芸術→「自然の美の醇化・理想化」「気合い」
〇風土学の歴史的考察(第五章) )
日本は三類型のうちでは、モンスーン的風土にあたる。受容的・忍従的な特徴を持つ台風的性格とされる。
近年は豪雨災害が激甚化している。台風でなくとも記録的な雨が降り山が崩れる。この風土の変化はどのように日本人に影響を与えていくのだろうか。
和辻哲郎「風土」岩波文庫
「この書の目ざすところは人間存在の構造契機としての風土性を明らかにすることである。」(序言)
〇風土の三つの類型「モンスーン」「沙漠」「牧場」
〇芸術の風土的性格(第四章)
・ヨーロッパの芸術→「多様の統一」「シンメトリー」等
・東洋の芸術→「自然の美の醇化・理想化」「気合い」
〇風土学の歴史的考察(第五章) )
日本は三類型のうちでは、モンスーン的風土にあたる。受容的・忍従的な特徴を持つ台風的性格とされる。
近年は豪雨災害が激甚化している。台風でなくとも記録的な雨が降り山が崩れる。この風土の変化はどのように日本人に影響を与えていくのだろうか。
長尾雅人「蒙古学問寺」中公文庫、1992年
・ラマ教→チベット(西蔵)、ネパール、モンゴル(蒙古)などに行われる仏教の一派。大乗仏教と民間信仰が融合したもので、密教を重視する。
・ラマ→上人、高徳の師。
・昭和18年(1943)著者による満州内蒙古のラマ寺廟の視察調査の報告。
「ラマはただ各寺廟内において祈祷を行い、読誦礼拝し、また学問をするのみである。しかもこの祈祷や礼拝は、蒙古社会の安寧幸福のために、最も重大なことであるとラマは信じている。蒙古の社会はラマあるが故に安泰なのであり、ラマの祈祷によって、彼らの家畜も生活も死後も保証せられているのである。」
長尾雅人「蒙古学問寺」中公文庫、1992年
・ラマ教→チベット(西蔵)、ネパール、モンゴル(蒙古)などに行われる仏教の一派。大乗仏教と民間信仰が融合したもので、密教を重視する。
・ラマ→上人、高徳の師。
・昭和18年(1943)著者による満州内蒙古のラマ寺廟の視察調査の報告。
「ラマはただ各寺廟内において祈祷を行い、読誦礼拝し、また学問をするのみである。しかもこの祈祷や礼拝は、蒙古社会の安寧幸福のために、最も重大なことであるとラマは信じている。蒙古の社会はラマあるが故に安泰なのであり、ラマの祈祷によって、彼らの家畜も生活も死後も保証せられているのである。」
松本清張「無宿人別帳」角川文庫、昭和四十四年(22版)
江戸時代の戸籍”宗門人別改帖”(人別帖)から除かれた無宿。幕府は無宿者を取り締まり人足寄場や佐渡金山、八丈島などで半強制的に労働に従事させた。
「人生のアウト・ロウ」である無宿の人間を主人公にした短編集。再起して生活を成り立たせようとする無宿者を妨害する目明しの迎える恐ろしい末路。佐渡金山、八丈島や牢獄からの脱出劇。
はらはらドキドキしながら読んだ。
松本清張「無宿人別帳」角川文庫、昭和四十四年(22版)
江戸時代の戸籍”宗門人別改帖”(人別帖)から除かれた無宿。幕府は無宿者を取り締まり人足寄場や佐渡金山、八丈島などで半強制的に労働に従事させた。
「人生のアウト・ロウ」である無宿の人間を主人公にした短編集。再起して生活を成り立たせようとする無宿者を妨害する目明しの迎える恐ろしい末路。佐渡金山、八丈島や牢獄からの脱出劇。
はらはらドキドキしながら読んだ。
吉野裕子「ダルマの民俗学 -陰陽五行から解くー」岩波新書378、1995年
達磨大師は禅宗の開祖と言われるインドの高僧である。それがなぜ日本において赤くて丸い縁起物「ダルマ」になったのか。陰陽五行をもとに解読していく。
第1章と第2章で「はじめての陰陽五行」と題し、陰陽五行について易しく解説されてある。記紀神話に興味をもつ身としては陰陽五行について少しは知っておかなくてはと思う。この本は入門としてとても良かったように思う。
吉野裕子「ダルマの民俗学 -陰陽五行から解くー」岩波新書378、1995年
達磨大師は禅宗の開祖と言われるインドの高僧である。それがなぜ日本において赤くて丸い縁起物「ダルマ」になったのか。陰陽五行をもとに解読していく。
第1章と第2章で「はじめての陰陽五行」と題し、陰陽五行について易しく解説されてある。記紀神話に興味をもつ身としては陰陽五行について少しは知っておかなくてはと思う。この本は入門としてとても良かったように思う。
春日太一「仲代達矢が語る 日本映画黄金時代」PHP新書843、2013年
「この一世紀間に、われわれの文化は凄まじい変貌を見せたわけだが、忘れてならないのは、百年ぐらいで人間の心はそう変わらないということである。」(仲代達矢)
春日太一「仲代達矢が語る 日本映画黄金時代」PHP新書843、2013年
「この一世紀間に、われわれの文化は凄まじい変貌を見せたわけだが、忘れてならないのは、百年ぐらいで人間の心はそう変わらないということである。」(仲代達矢)
夏の土用の丑の日に鰻を食べるようになったのは、江戸時代の平賀源内が鰻屋の宣伝のために考案したのが通説となっている。
鰻でなくても「う」の付くもの(梅干し、瓜、うどん)を食べる習慣が古くからあったらしい。
土用というのは、五行思想において季節の変わり目にあたる時期で、夏の土用だと立秋の前の18日間のことらしい。
日々とても暑いがそれでも季節は巡っている。
夏の土用の丑の日に鰻を食べるようになったのは、江戸時代の平賀源内が鰻屋の宣伝のために考案したのが通説となっている。
鰻でなくても「う」の付くもの(梅干し、瓜、うどん)を食べる習慣が古くからあったらしい。
土用というのは、五行思想において季節の変わり目にあたる時期で、夏の土用だと立秋の前の18日間のことらしい。
日々とても暑いがそれでも季節は巡っている。
関口良雄「昔日の客」夏葉社、2010年
東京大森の古本屋「山王書房」の店主が綴る随筆。
山王書房を訪れた昔日の客たち、文人たちとの交流が素朴に温かく記されている。
一年ほど前、盛岡の書肆みず盛りにて買い求めた本。
読みたくて買ったはずなのに、一年以上本棚で待機させてしまった。
渇いてガサガサしてきたこの頃に、心に染み入る慈雨のような本でした。この本をようやく読めただけでこの連休は大満足。
関口良雄「昔日の客」夏葉社、2010年
東京大森の古本屋「山王書房」の店主が綴る随筆。
山王書房を訪れた昔日の客たち、文人たちとの交流が素朴に温かく記されている。
一年ほど前、盛岡の書肆みず盛りにて買い求めた本。
読みたくて買ったはずなのに、一年以上本棚で待機させてしまった。
渇いてガサガサしてきたこの頃に、心に染み入る慈雨のような本でした。この本をようやく読めただけでこの連休は大満足。
七夕(しちせき)の節句。笹竹の節句とも。
どうやらそうめんを食べる日らしい。中国の古来の風習として七夕には索餅(米粉小麦粉を細い紐状にしたお菓子)を食べたそうだ。
織姫・彦星の星まつりであるが、機織り・針仕事の上達を願う祭りでもある。
東北地方では旧暦の七夕の日に祝う。仙台七夕は飾りが凄いので一度は生で見てみたい。
七夕(しちせき)の節句。笹竹の節句とも。
どうやらそうめんを食べる日らしい。中国の古来の風習として七夕には索餅(米粉小麦粉を細い紐状にしたお菓子)を食べたそうだ。
織姫・彦星の星まつりであるが、機織り・針仕事の上達を願う祭りでもある。
東北地方では旧暦の七夕の日に祝う。仙台七夕は飾りが凄いので一度は生で見てみたい。
「世に語り伝ふること、まことはあいなきにや、多くは皆虚言なり」〈第七十三段〉
訳:世間で語り伝えていることは、実話そのままではおもしろくないのであろうか、多くはみなうそである。
(嵐山光三郎「徒然草の知恵」182頁)
「徒然草」の中で好きな一文。
嘘、噂話についての兼好法師なりの考察。
嘘はつき続けると、嘘を嘘で上塗りし雪だるま式に大きな嘘になり、噂話は尾ひれがどんどん長くなる。
最近は「フェイクニュース」なんて言葉も聞くようになった。はてさて何を信じていいのやら。
ニヤリと楽しめる程度が、嘘も噂もちょうどよいのかもしれない。
「世に語り伝ふること、まことはあいなきにや、多くは皆虚言なり」〈第七十三段〉
訳:世間で語り伝えていることは、実話そのままではおもしろくないのであろうか、多くはみなうそである。
(嵐山光三郎「徒然草の知恵」182頁)
「徒然草」の中で好きな一文。
嘘、噂話についての兼好法師なりの考察。
嘘はつき続けると、嘘を嘘で上塗りし雪だるま式に大きな嘘になり、噂話は尾ひれがどんどん長くなる。
最近は「フェイクニュース」なんて言葉も聞くようになった。はてさて何を信じていいのやら。
ニヤリと楽しめる程度が、嘘も噂もちょうどよいのかもしれない。
仕事もプライベートも計画通りにはいかないという話。
最近は残業が増えてプライベートを圧迫しているのが大きい。
毎日ノートに書きつけている読書記録も1週間分くらい遅れてる😓
明日からの土日は地域の行事参加へ。
休みの日くらいは気楽にいきたいところだが、どうなることやら。
仕事もプライベートも計画通りにはいかないという話。
最近は残業が増えてプライベートを圧迫しているのが大きい。
毎日ノートに書きつけている読書記録も1週間分くらい遅れてる😓
明日からの土日は地域の行事参加へ。
休みの日くらいは気楽にいきたいところだが、どうなることやら。
泡坂妻夫「11枚のとらんぷ」角川文庫、2014年
奇術がテーマとなった推理小説。まるでこの小説自体が一つの壮大なマジックのように思えた。犯人が分かったときあっ!と驚くのは、ヒントがしっかりと(それでいてごく自然な形で)提示されていて、探偵役の丁寧な推理でしっかりと回収されているからだ。
奇術が次々と繰り出されて、それでも最後は奇術師のテーブルの上は綺麗に何もなくなって拍手喝采で終わるような気持ちよさがあった。
泡坂妻夫「11枚のとらんぷ」角川文庫、2014年
奇術がテーマとなった推理小説。まるでこの小説自体が一つの壮大なマジックのように思えた。犯人が分かったときあっ!と驚くのは、ヒントがしっかりと(それでいてごく自然な形で)提示されていて、探偵役の丁寧な推理でしっかりと回収されているからだ。
奇術が次々と繰り出されて、それでも最後は奇術師のテーブルの上は綺麗に何もなくなって拍手喝采で終わるような気持ちよさがあった。
遠山美都男『天皇誕生 日本書紀が描いた王朝交代』中央公論新社、2001年(中公新書1568)
○『日本書紀』は唐という大国を強烈に意識し、それに対して発信しようとする内容を備えていたと考えられる。
○中国における皇帝と呼ばれる存在は、天(天帝)という絶対的・超越的な存在の指名と命令(天命)を受けた存在。
○中国の王朝交代→天命が改まり、別の人物・一族に移り替わる(易姓革命)。
○『日本書紀』の応神天皇までの記述は、律令制国家と天皇の地位及び権力の形成プロセスを述べている。仁徳天皇から武烈天皇までは、中国のように天命を受けて成立し、天命が離れることで崩壊する王朝を述べている。
遠山美都男『天皇誕生 日本書紀が描いた王朝交代』中央公論新社、2001年(中公新書1568)
○『日本書紀』は唐という大国を強烈に意識し、それに対して発信しようとする内容を備えていたと考えられる。
○中国における皇帝と呼ばれる存在は、天(天帝)という絶対的・超越的な存在の指名と命令(天命)を受けた存在。
○中国の王朝交代→天命が改まり、別の人物・一族に移り替わる(易姓革命)。
○『日本書紀』の応神天皇までの記述は、律令制国家と天皇の地位及び権力の形成プロセスを述べている。仁徳天皇から武烈天皇までは、中国のように天命を受けて成立し、天命が離れることで崩壊する王朝を述べている。
三浦祐之/赤坂憲雄『遠野物語へようこそ』筑摩書房、2010年(ちくまプリマー新書)
・柳田国男『遠野物語』に語られる伝承や民話について読んで楽しむことを目的に書かれた本。
・「神隠し」や「カッパ」、「マヨイガ」や「ザシキワラシ」と代表的な話を章毎に分けて解説。
『遠野物語』自体はだいぶ前に通読していたが、だいぶ忘れていた…。内容を思い出しながら読み進めた。
『遠野物語』未読の人にも、とば口としてうってつけの1冊だと思った。
山の中に住んでいるせいか、山人の話が興味深かった。昔の山は現代よりもより危険な異界であり、それでいて生活圏に隣り合っていた場所だと思う。
三浦祐之/赤坂憲雄『遠野物語へようこそ』筑摩書房、2010年(ちくまプリマー新書)
・柳田国男『遠野物語』に語られる伝承や民話について読んで楽しむことを目的に書かれた本。
・「神隠し」や「カッパ」、「マヨイガ」や「ザシキワラシ」と代表的な話を章毎に分けて解説。
『遠野物語』自体はだいぶ前に通読していたが、だいぶ忘れていた…。内容を思い出しながら読み進めた。
『遠野物語』未読の人にも、とば口としてうってつけの1冊だと思った。
山の中に住んでいるせいか、山人の話が興味深かった。昔の山は現代よりもより危険な異界であり、それでいて生活圏に隣り合っていた場所だと思う。
梶山季之『せどり男爵数寄譚』筑摩書房、2000年(ちくま文庫)
古書、古本、奇書、稀覯本・・・本に魅入られた《せどり男爵》の事件簿。
登場してくる人物はせどり男爵含め皆愛書狂と言っていいほど。古書に対する偏執が時として人をとんでもない行動に駆り立てる。
古本好きとしては「あぁ、古本屋行こうかなぁ」と誘惑されながら読み進めた。
読み終えてない本が複数、手を付けていない本が多数積んである状況なので、連休は読書とその記録のまとめに時間を費やそうと固く決心。
梶山季之『せどり男爵数寄譚』筑摩書房、2000年(ちくま文庫)
古書、古本、奇書、稀覯本・・・本に魅入られた《せどり男爵》の事件簿。
登場してくる人物はせどり男爵含め皆愛書狂と言っていいほど。古書に対する偏執が時として人をとんでもない行動に駆り立てる。
古本好きとしては「あぁ、古本屋行こうかなぁ」と誘惑されながら読み進めた。
読み終えてない本が複数、手を付けていない本が多数積んである状況なので、連休は読書とその記録のまとめに時間を費やそうと固く決心。
白洲正子『西行』新潮社、1996年(新潮文庫)
花見にと群れつつ人の来るのみぞ
あたら桜の科(とが)にはありける
・四月某日、遠方へ旅をする機会があり、その道中に読んでいた。車窓からは時折桜の花が見え、西行が詠んだ様々な桜の情景を思い浮かべた。
ねがはくは花のしたにて春死なむ
そのきさらぎの望月の頃
・出家して僧侶になるということは、俗世から徹底的に離れて修行に打ち込むようなイメージだったが、西行は歌の道を究めることによって明澄で穏やかな世界に至った歌聖だった。
風になびく富士の煙の空に消えて
ゆくへも知らぬわが思ひかな
白洲正子『西行』新潮社、1996年(新潮文庫)
花見にと群れつつ人の来るのみぞ
あたら桜の科(とが)にはありける
・四月某日、遠方へ旅をする機会があり、その道中に読んでいた。車窓からは時折桜の花が見え、西行が詠んだ様々な桜の情景を思い浮かべた。
ねがはくは花のしたにて春死なむ
そのきさらぎの望月の頃
・出家して僧侶になるということは、俗世から徹底的に離れて修行に打ち込むようなイメージだったが、西行は歌の道を究めることによって明澄で穏やかな世界に至った歌聖だった。
風になびく富士の煙の空に消えて
ゆくへも知らぬわが思ひかな
仕事中に気が付いた。
帰宅して、甘茶を飲みながらゆったりしている。
仕事中に気が付いた。
帰宅して、甘茶を飲みながらゆったりしている。
遠藤公男『ニホンオオカミの最後 狼酒・狼狩り・狼祭りの発見』山と渓谷社、2022年(ヤマケイ文庫)
ニホンオオカミと日本人がいかに生きてきたかを記した本。
明治期の狼狩りの書類(『獲狼回議』『狼回議』)をもとに行われたフィールドワーク、丁寧な聞き取り調査によってニホンオオカミの最後の姿に迫っている。
買い物の合間に立ち寄った書店にて偶々手に取った本。「狼酒」という文字に吸い寄せられ衝動買い。
著者のニホンオオカミや自然動物、ひいては郷土に対する愛情・執念は読んでいて胸に迫るものがある。
ニホンオオカミという喪われた存在を通じて、自然、生命、文明等いろいろ考えさせられた。
遠藤公男『ニホンオオカミの最後 狼酒・狼狩り・狼祭りの発見』山と渓谷社、2022年(ヤマケイ文庫)
ニホンオオカミと日本人がいかに生きてきたかを記した本。
明治期の狼狩りの書類(『獲狼回議』『狼回議』)をもとに行われたフィールドワーク、丁寧な聞き取り調査によってニホンオオカミの最後の姿に迫っている。
買い物の合間に立ち寄った書店にて偶々手に取った本。「狼酒」という文字に吸い寄せられ衝動買い。
著者のニホンオオカミや自然動物、ひいては郷土に対する愛情・執念は読んでいて胸に迫るものがある。
ニホンオオカミという喪われた存在を通じて、自然、生命、文明等いろいろ考えさせられた。
松村武雄・編 伊藤清司・解説『中国神話伝説集』社会思想社、1976年
古事記について書籍を読み漁るうちに、中国の神話についても少しは知っておかなくてはと思い、仕事の休憩時間に少しずつ読み進めた。
太陽説話(左目が太陽で右目が月とする石の首の話)や、鬼酒鬼肉(冥府に行き死んだ妻に会う話、夫の黄泉戸喫を止められる)など興味深く読んだ。
古事記だけではなく、なかにはシンデレラ物語や遠野物語(オシラサマ)などに類似した説話があり、神話や物語が生まれて各地に伝播していったと想像される。
松村武雄・編 伊藤清司・解説『中国神話伝説集』社会思想社、1976年
古事記について書籍を読み漁るうちに、中国の神話についても少しは知っておかなくてはと思い、仕事の休憩時間に少しずつ読み進めた。
太陽説話(左目が太陽で右目が月とする石の首の話)や、鬼酒鬼肉(冥府に行き死んだ妻に会う話、夫の黄泉戸喫を止められる)など興味深く読んだ。
古事記だけではなく、なかにはシンデレラ物語や遠野物語(オシラサマ)などに類似した説話があり、神話や物語が生まれて各地に伝播していったと想像される。
樋口清之『梅干と日本刀 日本人の知恵と独創の歴史』祥伝社、1974年
日本史の教科書にはあまり載っていない、日本人がどのように暮らしてきたか、そこにはどんな知恵や技術があったのかを解明していく。
著者との出会い(もちろん活字の上で)はかなり古い。
中学生のころ離任する国語教諭から『うめぼし博士の逆・日本史』という本を貰い読んだことで、その後日本史の沼にズブズブとはまり込んでいったきっかけとなった。
樋口清之『梅干と日本刀 日本人の知恵と独創の歴史』祥伝社、1974年
日本史の教科書にはあまり載っていない、日本人がどのように暮らしてきたか、そこにはどんな知恵や技術があったのかを解明していく。
著者との出会い(もちろん活字の上で)はかなり古い。
中学生のころ離任する国語教諭から『うめぼし博士の逆・日本史』という本を貰い読んだことで、その後日本史の沼にズブズブとはまり込んでいったきっかけとなった。
河合隼雄『猫だましい』新潮社 2002(文庫版)
日本おけるユング派心理学の第一人者による、猫が登場する物語と「たましい」についての考察。
物語に登場する猫の姿に「たましいの顕現」をみる。
猫が登場する作品(文学、絵本等)の紹介の仕方がとても良い。ホフマン『牡猫ムルの人生観』や、ギャリコ『トマシーナ』は特に読んで見たくなった。
我が家にも野良猫が1匹住み着いている。猫は何を考えているのかよくわからないところがあるが、「たましい」というのも目に見えず本当のところはよくわからない。猫と「たましい」は似ている。
河合隼雄『猫だましい』新潮社 2002(文庫版)
日本おけるユング派心理学の第一人者による、猫が登場する物語と「たましい」についての考察。
物語に登場する猫の姿に「たましいの顕現」をみる。
猫が登場する作品(文学、絵本等)の紹介の仕方がとても良い。ホフマン『牡猫ムルの人生観』や、ギャリコ『トマシーナ』は特に読んで見たくなった。
我が家にも野良猫が1匹住み着いている。猫は何を考えているのかよくわからないところがあるが、「たましい」というのも目に見えず本当のところはよくわからない。猫と「たましい」は似ている。