またどの政党においても、 中央執行部に女性の占める割合は地方 議員に占める割合よりもはるかに低い社会党についていえば、どの政党に投票するかという調査では女性が支持者の五〇% を占めていたのに、一九七七年六月にナントで開催された同党の全国大会に出席した議員のうち女性はわずか一・五%にすぎ ず、またパリ支部の党員に占める割合も三〇%であった。いっぽう共産党について見ても、女性はパリ地区連盟会議に出席し ている活動家の中では三一%、党の要職についている議員の中では二九%、同地区連盟の細胞の書記局員中では二六%を占め るにすぎない。」
ブルデュー・石井訳『ディスタンクシオン』第二分冊243p

「コペルニクスがそれを唱えるまで、昔 の人は、みんな、太陽や星が地球のまわりをまわっていると、目で見たままに信じて いた。これは、一つは、キリスト教の教会の教えで、地球が宇宙の中心だと信じてい たせいもある。しかし、もう歩突きいって考えると、人間というものが、いつでも、 自分を中心として、ものを見たり考えたりするという性質をもっているためなんだ。」
『君たちはどう生きるのか』（岩波文庫）22-23p

「もちろん、世の中の波というものも、一つ一つの分子の運動が集まって動いてゆく のだし、人間はいろいろな物質の分子とはわけのちがうものなんだし、そういうこと は、君がこれから大きくなってゆくに従って、もっともっとよく知ってゆかなければ いけないけれど、君が広い世の中の一分子として自分を見たということは、決して小 さな発見ではない。 君は、コペルニクスの地動説を知ってるね。」続く

「しかし、僕が感動した のは、そればかりではない。ああいう事柄について、君が本気になって考えるように なったのか、と思ったら、僕はたいへん心を動かされたのだ。 ほんとうに、君の感じたとおり、一人一人の人間はみんな、広いこの世の中の一分 子なのだ。みんなが集まって世の中を作っているのだし、みんな世の中の波に動かさ れて生きているんだ。」続く