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20+，avpol(嘟波)
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♐️その3
アヴポル　夜のこと(1/2)
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「夜のこと」、「しらふじ」と記載されています。 以下は本文の内容です。 　おやすみ、と囁き合ってから先に寝入ったのはアヴドゥルだった。すうすうと規則的な寝息が聞こえてきて、ポルナレフはシーツの中をもぞもぞと動き、アヴドゥルのほうを向いて体を横にした。 　今日は満月で、ベッドサイドの照明を落としても、白いカーテンに月の灯りがにじみ、ほんのりと明るい。 　閉じられたまぶた、縁取る長いまつげ、すっと通った鼻筋、厚いくちびる。ポルナレフはそれをじっと見つめる。手を伸ばして、人さし指でそっとアヴドゥルの額をなでた。皮膚が歪になっている銃弾で抉れた痕に触れ、それから頬にひかれた波のような刺青をなぞる。 　これだけ顔を触られてもアヴドゥルは目を覚まさない。香港で出会ってから、初めてアヴドゥルと同じ部屋で宿泊した日を思い出す。 　あの日も、おやすみと挨拶をしたあと、アヴドゥルはさっさと寝入った。規則正しい寝息を聞きながらもポルナレフはなかなか寝つけなかった。まあいつものことだと諦めながらベッドから起き出して、ホテル備えつけの棚からウイスキーの小瓶とロックグラスを、なるべく音を立てずに取りだした。そっとテーブルに置き、氷を出すために冷凍庫のドアに手をかけたときだった。 「ロックでは身体を冷やすぞ」 　ポルナレフはびくりと身を強ばらせた。部屋はドア付近を照らす小さな灯りしかついていない。ぼんやりとした暗闇に向かって、ポルナレフは返事をした。 「……寝られねえんだよ」 「だったら」 　衣擦れの音がして、アヴドゥルがベッドから起 き上がったのがわかった。大きな体がのそりと動いてこちらに歩いてくるのをポルナレフは呆然として見ていた。 　アヴドゥルはマグカップをひとつ棚から取りだし、テーブルの上に置いて、椅子に座った。指を振って手のひらほどの大きさの炎をテーブルの上に揺らめかせる。あたりが柔らかなオレンジ色に染まった。ウイスキーの小瓶を開け、カップの四分の一ほどの量を注ぐ。テーブルの上に出しっぱなしにしてあったミネラルウォーターのボトルを手にして蓋をとり、五秒ほどボトルを手のひらで包んだ。それからマグカップのウイスキーの倍量の水をゆっくりと加える。マグカップからほんのりと湯気が立ちのぼった。 「これにしておけ」 　アヴドゥルの視線を受けて、ポルナレフはもう一脚の椅子に座った。置かれたマグカップを手にとる。あたたかく、ほわりとウイスキーの甘い香りが漂った。ポルナレフはゆっくりと口をつけてすすった。あたためられたアルコールが喉を通り、腹に伝わる。腹と、首や手足もゆるやかにあたたまっていった。 「……うまい」 　ぽつりとこぼすと、アヴドゥルは小さくわらった。 　しばらくちびちびとホットウイスキーを飲んでいたポルナレフは顔を上げた。 「なあ」 「なんだ」 「あのさ、これをつくってくれたのはありがてえんだけど、おれに付き合わなくてもいいんだぜ」 　ちらりとアヴドゥルを見ると、アヴドゥルもポ ルナレフを見ていて目が合った。炎の揺らめきが彫りの深い目鼻に濃い陰影をつくっていて、少し見とれた。 「話し相手くらいにはなれると思ったのだが」 「……べつに、話すことなんて、ねえよ」 「そうか」 　ぶっきらぼうな返答に気をわるくするでもなく、アヴドゥルは言った。 「だが、飲み終わるまでは、明るいほうがいいだろう」 　ポルナレフは眉をひそめた。 「見張りのつもりか？　おれが、なにかしでかすとでも思ってんのか」 「思っていない」 　アヴドゥルはかぶりを振って、ポルナレフから目線を逸らした。 「眠れないのは、つらいからな」 　炎の揺らめきで影になったアヴドゥルの横顔を、ポルナレフは見ることができなかった。少し残ったウイスキーの水面に目を落とした。 　余計お世話だとつっぱねることは簡単だろうが、それをすることに意味を見いだせない。それほど、アヴドゥルの声はポルナレフの心を揺らした。こいつにも、たぶん、眠れなくなるほどのなにかあったんだろう。そう察するのは簡単で、その真意をはかるのは難しい。 　ただ、これは単なるお節介でも下手な慰めでもないことだけはわかった。それがどことなく心地よく、腹をあたためるアルコールと相まって、ぴんと張っていた気がゆるみ始めた。そこに微かな眠気が忍び寄る。 　ポルナレフは残っていたウイスキーを飲み干し た。 「眠くなってきた気がする」 「そうか」 　アヴドゥルは椅子をひいた。そのあとを揺らめく炎が追いかける。 「身体があたたかいうちに、ベッドに入るといい」 　そう言って、アヴドゥルは自分のベッドに腰掛けた。ポルナレフがシーツに包まるのを見届けて、炎を消した。あたりはぼんやりとした暗闇に戻った。 「おやすみ」 「……ああ。おやすみ」 　ポルナレフは少し考えて、付け加えた。 「ありがとな」 　アヴドゥルが小さくわらった気配がした。 　そのとき飲んだウイスキーの銘柄も味も、もう覚えていない。 　それからも、両手で数えるほどしかなかったが、同じ部屋になったときは、夜中にポルナレフがベッドから身を起こす衣擦れの音だけでアヴドゥルは目を覚まし、再びベッドに入るまで炎を揺らめかせていた。 　それほどポルナレフに意識を向けていたのは、正しい意味で同情だったのだろう。同じ目線で、同じところに立っていたから、アヴドゥルは「眠れないのはつらい」と言えたし、ポルナレフはそれを素直に受け入れることができたのだ。 　そして、いま、ポルナレフが起きていてもアヴドゥルは気にすることなく眠っているということは、もう自分は大丈夫なのだろう。結局のところ、アヴドゥルがなにを抱えて眠れない夜を過ごしたのかをポルナレフは知らない。まあそれでいいの
November 29, 2024 at 4:26 PM
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♐️その7
アヴとポ　話をしようよ(1/2)
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「話をしようよ」、「しらふじ」と記載されています。 以下は本文の内容です。 　ポルナレフは見覚えのある広場を歩いていた。もう何年もまえのことで、たった一度しか歩いていないのに、まるで昨日のことのように覚えている場所だった。 　そう、あれはＤＩＯの館を探して歩き回り、ちょっと休憩にと日除けの布を被って階段に座り込んでいたところ、乞食と間違えられてアウドゥルに叱られたのだ。そもそも叱られるってなんだ。そう歳も変わらなかったくせに、偉そうに。 　そんなことを思い出して、おもわず苦笑した。そのとき、背後から声がした。 「よう、ポルナレフ」 　ポルナレフは目を見開いた。もう何年も聞くことのなかった声が、脳に一気に蘇って目眩がした。ゆっくりと振り返る。さっきはそこにいなかったはずの、オレンジ色のローブを着た大柄な男が、階段に座っていた。 「久しぶりだな。それでも、わたしが願っていたよりも、だいぶと早かったが」 「アヴドゥル……」 　ポルナレフは見開いていた目をすっと細めた。 「おまえ、ほんとうにアヴドゥルか？」 　アヴドゥルはひとつ瞬きをして、ほんの少し寂しげに、ばつがわるそうに頬をかいた。 「そうか。まあ、……いちど騙しているのだし、疑うのも無理はないな。そうだな……シンガポールでおまえが警察に拘束された日の夜、憂さ晴らしといって三人でホテルのバーで飲んだウイスキーの銘柄を言えばいいか？　ジョースターさんおすすめのボウモア十八年だったな。ジョースターさんとおまえはロック、わたしはトゥワイスアップだった。あとからきた承太郎もロック、花 京院はジンジャーエールだったな。それとも」 　アヴドゥルはいたずらっぽくわらった。 「紅海でおまえが〈審判〉に願った三つ目がなんだったかを言えばいいか？」 「……言ってみろよ」 「それだけは、叶ったんだろう？」 　ああ、こいつは、ほんとうに本物かもしれない。喉元にせりあがってくる暗く重い感情をポルナレフは奥歯を噛み締めてとめた。 「……おれ、足とか目とか、なくなったはずなんだが、いまはある。それに、これはあのときの旅装だ。この場所といい、おまえがおれをここに引き込んだのか？」 　アヴドゥルは少し考える素振りをした。 「そうとも言えるし、半分はおまえが望んだものだとも言える。ここは、そういう曖昧な場所さ」 　そう説明してもなお、この状況の判断をしかねる様子のポルナレフに、アヴドゥルは困ったように首をかしげて、自分の隣を手のひらで示した。 「立ち話もなんだ、ここに座らないか」 「……ここには座るなと、かつておまえから叱られたはずだが」 　掠れた声にアウドゥルは片眉を上げて、それから大きな声でわらった。 「なんだ、そんなことをまだ根に持っていたのか？　おまえらしいな、ポルナレフ！」 　ポルナレフはぎゅっと眉根を寄せた。あのときからなにひとつ変わらない豪快なわらい声に、ずきりと胸が痛み、しかし次には心があたためられてゆるんでいくのを感じた。口から、自然と当時の語気で言葉がこぼれた。 「そんなことって……眉吊り上げて怒ってたくせ によ」 「そりゃあ、国には国の決まりごとがあるものだ。だが、いまここには、わたしとおまえ以外にだれもいないんだ」 　アヴドゥルは左手をポルナレフに差し出した。 「ずっと待っていた。おまえとゆっくり話がしたくてな」 　その手をじっと見て、ポルナレフも左手を差し出した。 「……ああ。おれも、おまえと話がしたかったよ」 　交わされた握手は固く、とてもあたたかかった。 　 「てめーよお！　なに勝手におれとイギーをかばって、なに勝手に死んでんだよ！」 　涙目で肘鉄を繰り出すポルナレフの肘を手のひらで受けとめ、アヴドゥルはわらった。 「すまん」 「おいコラ、マジで笑いごとじゃねえぞ！　おまえ死んだんだぞ！　よかったのかよそれで！　おれなんかを、かばって……」 　吠えた勢いがあっという間に萎えて、ポルナレフは視線を落とした。アヴドゥルはその肩を軽く叩く。 「よくなかったら、ここで待ってなどいないさ。ただ……」 　アヴドゥルは少し言葉を探すように瞬きをした。 「おまえとイギーをかばったことに後悔などない。咄嗟に動けた自分を何度も褒めた。だが、ほんの少しだけ悔しいという思いはあったかもしれないな」 　ポルナレフはじろりとアヴドゥルを見た。 「それを、人は後悔っていうんだぜ」 　アヴドゥルはかぶりを振った。 「いいや。どうしてかばってしまったんだ、という思いは少しもない。あるわけがない。ただ、……わたしは、皆が無事にあの旅を終えたあとの、その先にある生活を見てみたいと望んでいた。夢を見てしまったんだ」 　ポルナレフは目を見開いてアヴドゥルを見つめる。 「だが、あのときわたしが生きたところで、おまえが死んでいた可能性もある。イギーもそうだ。花京院が生きたとしても、ジョースターさんと承太郎が死んでいたかもしれない。結局のところ、あの旅はそういうものだったんだ。それがどうしようもなく、悔しかった」 「アヴドゥル……」 　アヴドゥルはポルナレフを見つめて、自嘲気味にうつむいた。 「そして、やはりわたしは自分勝手だったな。わたしがああいう死に方をすればおまえがどうするかなど、少し考えればわかることなのにな」 　伏せた目を上げ、ポルナレフの目を真っ直ぐに見て、アヴドゥルは言った。 「ポルナレフ。おまえにわたしの生を押しつけて、わるかった。ゆるしてくれ」 　ポルナレフは一瞬だけ怯み、それからくちびるを噛んで、首を横に振った。 「いーよ。たしかに押しつけられたとは思ったが、それを負担だと思ったことは、いちどたりともねえよ。おかげで、ぎりぎりのところで何度も踏みとどまって、おれができることは、たぶんやりきったと思ってんだ」 「……ポルナレフ」
December 5, 2024 at 11:45 AM
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ringodraws.bsky.social
この夢からもう覚めないでいてよ、ねぇ
November 25, 2024 at 12:51 AM
tweed-l.bsky.social
1117其实是3嘟1波日 😱🥵omg
November 17, 2024 at 5:50 PM
tweed-l.bsky.social
萌
ichax2-17.bsky.social 壱夜 @ichax2-17.bsky.social · Nov 13
アヴポルらくがき
November 17, 2024 at 5:45 PM
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ichax2-17.bsky.social
アヴポルらくがき
November 13, 2024 at 12:08 PM
tweed-l.bsky.social
美，美，美，美，美！美！美！
November 17, 2024 at 5:45 PM
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ppierre-jojo.bsky.social
쩝
November 17, 2024 at 11:30 AM
tweed-l.bsky.social
Bluesky的翻译不好用惹…
November 17, 2024 at 1:55 AM
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hachiwa820.bsky.social
ポルポルくんはいいやつですよね…というまんがです。不意に思いついた小ネタです。
November 16, 2024 at 8:06 AM
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sinkir.bsky.social
焦アヴ
November 16, 2024 at 11:30 AM
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sinkir.bsky.social
焼灼(没)
November 16, 2024 at 12:16 PM