「初恋とはなんでしょうか、龍尊」
「お前はまず、俺のことを龍尊と呼ぶのをやめることだ」
「でも、あなたから溢れ出る力は、」
「止さないか。俺は空舟に災禍を落とした罪人の影に寄り添う、ただの罪を背負った一人の持明族だ」
「ふうん」
そんなことどうでもいいのにと齢百程を数える少年は、傍のうつくしい男を見上げる。
「我々は色褪せた鱗を落として海へと還り、そして瑞々しい角を得て海より生まれし種族です。記憶や人格は違えど、性質は変わらぬ連綿とした生命体です」
「ならば、我々の初恋とはいついかなる時のどんなものなのでしょうか、龍尊」
「初恋とはなんでしょうか、龍尊」
「お前はまず、俺のことを龍尊と呼ぶのをやめることだ」
「でも、あなたから溢れ出る力は、」
「止さないか。俺は空舟に災禍を落とした罪人の影に寄り添う、ただの罪を背負った一人の持明族だ」
「ふうん」
そんなことどうでもいいのにと齢百程を数える少年は、傍のうつくしい男を見上げる。
「我々は色褪せた鱗を落として海へと還り、そして瑞々しい角を得て海より生まれし種族です。記憶や人格は違えど、性質は変わらぬ連綿とした生命体です」
「ならば、我々の初恋とはいついかなる時のどんなものなのでしょうか、龍尊」