突然現れた大男に驚いたのも束の間、歩いてきた方向から聞こえる大勢の足音におもわず意識が逸れる。鳥籠が解除されたことで島に海兵が上陸したらしい。どんどん近づいてくるそれに足が竦む。実を食べたとはいえ未だ肌は白いままなのだ。
逃げなければ。
だが、大男に意識を戻した時には既に🐯を覆うような大きな掌が迫っていた。

視界が暗転する直前、大男が何か言っていた気がしたが聞き返す間も無く、気付けばその身体は空を飛んでいた。

愛してると伝えることがどれほど難しいかを知っているからこそ正気だったことに傷ついて👒がしっかり殺意向けてたことに目を向けられてないし、
そもそも🐯が正気だったことに対してとやかく言う男でもないので折れて胸の内を明かしたとしても「お前アタマいいけど馬鹿だよな」で済まされる

その傷が愛だよ

当然戦ってる👒も🐯が洗脳されてないことには気付いてるから、崩壊した島で仰向けに寝転んだ自分の上でマウントポジションを取る男に向かって「なあ、もういいぞ」って言う。
そしたら普段絶対に弱みを見せない男がポロポロと涙流して泣くものだから、👒はごめん、やりすぎた、どうした、なあ🐯男と騒ぎながら傷だらけの身体をぎゅうぎゅう抱きしめるけど、ボロボロの身体より心の方が痛いんだよな、🐯男。

👒にもファンにも仲間にも言われてことの顛末を知り「どれに…？？」ってなる🐯男

ちなみに👒は🐯が傷付いていることはもちろん、それに嫌だと言える執着が世界のどこにもないことも気付いてる。

医者のように傷を治す事はできないし正義のヒーローにもなれないけど、伸びなくなった手でも分厚い窓と柵は壊せるし、お宝見つけて奪うことはｼ毎族の本分なのだから連れ出すくらい造作もなかったりする👒。（🐯もアレなので実際には2人で脱走してたってのが正しい）

揃いも揃って自分勝手で我儘な男たち。
とくに👒は脱獄に慣れてるからね。

どれだけ疎まれても蔑まれても「気味の悪い子供には違いない」と自分の傷に無自覚のまま世界のほうを拒絶するのがこの男。加えて前世が迫害どころか殲滅だったので、距離を置かれる程度だろ、と今生での認識がバグってしまってたり。

おといむかしには傷付いた死にかけの子供を思い涙を流したひとがいたけれど、いま目の前いるのは「会えて嬉しい」と眩しく笑いながら“寂しかった”と全身で叫んでいるガキだし、
危険を犯してでも連れ出そうとするのは「嫌な場所にいて欲しくないから」ではなく「一緒にいて欲しいから」。

まあその男が嘘と隠し事が下手なことくらい🐯は知ってるので、疑うまでもないのだけど