その人が生きてるときにわたしにやさしく投げてくれた球を思い出す
その人が生きてるときにわたしにやさしく投げてくれた球を思い出す
でも思い出してほしい
すべてのご遺体は、生きていたのだと
生の経験のないものは死体ではない
生の残滓に覆われ、最後の息吹が去ったばかりの、それ
冷えた血がゆっくりと固まっていく
羊膜からもがき出たときにわあ~と出た最初の一声
そのときからわたしたちに与えられた、たった一つの乗り物
それを選ぶ
わたしのものにする
いつかよい死体になるために
でも思い出してほしい
すべてのご遺体は、生きていたのだと
生の経験のないものは死体ではない
生の残滓に覆われ、最後の息吹が去ったばかりの、それ
冷えた血がゆっくりと固まっていく
羊膜からもがき出たときにわあ~と出た最初の一声
そのときからわたしたちに与えられた、たった一つの乗り物
それを選ぶ
わたしのものにする
いつかよい死体になるために
起きようともがき腕や脚を動かす
脚がたしかにズレて床についたような感触がするのに
眠気に霞む目をうすくあけると微動だにしていない身体がある
何百回何万回も夢のなかで体を動かす試行をする
今度こそ動いたと思っても動いていない
もしや急死するときはこのように身体が自分のものではなくなるのかと思う
岩をも砕くような決意を持って百万回後にやっと現実の腕がすこしズレる
起きようともがき腕や脚を動かす
脚がたしかにズレて床についたような感触がするのに
眠気に霞む目をうすくあけると微動だにしていない身体がある
何百回何万回も夢のなかで体を動かす試行をする
今度こそ動いたと思っても動いていない
もしや急死するときはこのように身体が自分のものではなくなるのかと思う
岩をも砕くような決意を持って百万回後にやっと現実の腕がすこしズレる
ご遺体の顔の布を思い出し布の下でそっと息を呑む
ご遺体の顔の布を思い出し布の下でそっと息を呑む
死んでいたらそんなことはもう思わない
死んでいたらそんなことはもう思わない
すこし落ち着いて、自分のなかの昏いところをみることができた
すこし落ち着いて、自分のなかの昏いところをみることができた
最近、わたしは信仰信仰とうるさい
信じるに値するもの、夢中になれるもの、推せるものなどを探している
同じことなのだ
自我を超越した存在に自分を委ねたい、揺さぶられて価値観をめちゃくちゃにされて、どこか遠くに投げ込んでもらいたい、そして執着することを許されたい
最近、わたしは信仰信仰とうるさい
信じるに値するもの、夢中になれるもの、推せるものなどを探している
同じことなのだ
自我を超越した存在に自分を委ねたい、揺さぶられて価値観をめちゃくちゃにされて、どこか遠くに投げ込んでもらいたい、そして執着することを許されたい
わたしも信仰したい
わたしも信仰したい
こんなことを言っているわたしはこれといった宗教を信仰しているわけではない
信仰がほしいとは思ってる
こんなことを言っているわたしはこれといった宗教を信仰しているわけではない
信仰がほしいとは思ってる
それこそがいちばんおかしいと思う
それこそがいちばんおかしいと思う
ただ偶然に、理不尽に困難に見舞われたと思いたくはない
必然を見出すことで人の心は救われる
ただ偶然に、理不尽に困難に見舞われたと思いたくはない
必然を見出すことで人の心は救われる
ただ茨木のり子は若いときにファシズムと帝国主義を経験して「私がいちばんきれいだったとき」を書いたりしてるし、すこしでも違うことを言うと逮捕されて殺されるあのファシズムを経験しなおも言う「自分の感受性くらい守れ」と言えるのはどうしてかわからない
ただ茨木のり子は若いときにファシズムと帝国主義を経験して「私がいちばんきれいだったとき」を書いたりしてるし、すこしでも違うことを言うと逮捕されて殺されるあのファシズムを経験しなおも言う「自分の感受性くらい守れ」と言えるのはどうしてかわからない
本音は分散して誤魔化してるうちに消えて忘れる
本音は分散して誤魔化してるうちに消えて忘れる
ずっと100年前に死んだ人間の本読んでる
ずっと100年前に死んだ人間の本読んでる
わかった
わたしに足りないのは信仰のための行、勤め、そのようなもの
わかった
わたしに足りないのは信仰のための行、勤め、そのようなもの