以前は小説等を書いていた。書いていた小説などはPixivに置いています
ブルスカではたまに怪文書を書きます
Pixiv→https://www.pixiv.net/users/4406522
それで、俺の頭を撫でてくれる。褒めてもらえるのは嬉しい。優しいし、守ってくれるウェンさんが好きだ。
お腹も空いてきたし、早く帰りたくなってきたな。幸い家までそう遠くないし、残りの短い時間も風景を楽しみながら帰ろう。今日はウェンさんは遊んでくれるかな、それとも仕事の時間だろうか。それでもいい、俺はウェンさんの傍にいるだけ。それだけで幸せで、楽しいのだから。
それで、俺の頭を撫でてくれる。褒めてもらえるのは嬉しい。優しいし、守ってくれるウェンさんが好きだ。
お腹も空いてきたし、早く帰りたくなってきたな。幸い家までそう遠くないし、残りの短い時間も風景を楽しみながら帰ろう。今日はウェンさんは遊んでくれるかな、それとも仕事の時間だろうか。それでもいい、俺はウェンさんの傍にいるだけ。それだけで幸せで、楽しいのだから。
「む、無視しないで!」
と言われても。こういう子に反応して話しかけるとウェンさんはあまり良い顔をしない。遊びたがってる子と少し話すくらいなら良いみたいだけど。俺にとってウェンさんが第一。見ず知らずの子に関わってウェンさんの機嫌を損ねるのはゴメンだ。
だから俺はリードで繋がれてないし、傍を離れなければ自由に歩いて許される。家の方向に向かいつつ、というのが大前提だけど。
「む、無視しないで!」
と言われても。こういう子に反応して話しかけるとウェンさんはあまり良い顔をしない。遊びたがってる子と少し話すくらいなら良いみたいだけど。俺にとってウェンさんが第一。見ず知らずの子に関わってウェンさんの機嫌を損ねるのはゴメンだ。
だから俺はリードで繋がれてないし、傍を離れなければ自由に歩いて許される。家の方向に向かいつつ、というのが大前提だけど。
時折ウェンさんの顔を見上げて、周りの風景を見ながら歩く。ウェンさんは歩くの速いから少し大変だが、その分運動にはなるし。
「おじさん!助けて、助けて!」
あ。まだ小さい子だ。ご主人にリードで繋がれてる。まだ一歳いかないくらいかな。この頃の子はご主人に反発する子が多いとか。なんで助けを求める必要があるんだろ。
時折ウェンさんの顔を見上げて、周りの風景を見ながら歩く。ウェンさんは歩くの速いから少し大変だが、その分運動にはなるし。
「おじさん!助けて、助けて!」
あ。まだ小さい子だ。ご主人にリードで繋がれてる。まだ一歳いかないくらいかな。この頃の子はご主人に反発する子が多いとか。なんで助けを求める必要があるんだろ。
「……疲れてるって言っただろ」
「いや、俺もさ。ずっと我慢してんだって」
そんな雰囲気だったか。さっきまで。俺はこのままゆっくり日和の重さを感じながら、朝を迎えるのも悪くないと思ってたのに。だが、日和がリハビリを終えて今日の初出勤を終えるまで我慢してたのも知っている。
それに、こんなふうに腹に押し付けられたら。俺も否応にも反応してしまう。俺だって我慢していたことには変わりない。
「お前は欲しくないのか?」
「言わなくても、わかるだろ」
「わかってても言わせてぇな」
幸い明日は休みだ。疲れて昼間までね寝ていても、誰にも責められることはない。
「……疲れてるって言っただろ」
「いや、俺もさ。ずっと我慢してんだって」
そんな雰囲気だったか。さっきまで。俺はこのままゆっくり日和の重さを感じながら、朝を迎えるのも悪くないと思ってたのに。だが、日和がリハビリを終えて今日の初出勤を終えるまで我慢してたのも知っている。
それに、こんなふうに腹に押し付けられたら。俺も否応にも反応してしまう。俺だって我慢していたことには変わりない。
「お前は欲しくないのか?」
「言わなくても、わかるだろ」
「わかってても言わせてぇな」
幸い明日は休みだ。疲れて昼間までね寝ていても、誰にも責められることはない。
「おう」
「たまには許してほしい」
「何もダメだとは言ってないだろ」
疲れたと口に出すのはいつぶりだろうか。家族の前ではそんな顔は見せないようにしていたつもりだ。
ダイフクくんや、他のみんなの前ではなんとなく気を張ってしまう。俺が見ていないといけないという気持ちが強いのかもしれない。
だから。
「わぁってるよ」
ゆっくり、そのままのしかかってくる。重い。けれど、日和の大きな体が心地よい。頬に触れる鬣か、くすぐったい。
広い背中に腕を回すと、日和もまた俺の頭を抱えてくる。
「おう」
「たまには許してほしい」
「何もダメだとは言ってないだろ」
疲れたと口に出すのはいつぶりだろうか。家族の前ではそんな顔は見せないようにしていたつもりだ。
ダイフクくんや、他のみんなの前ではなんとなく気を張ってしまう。俺が見ていないといけないという気持ちが強いのかもしれない。
だから。
「わぁってるよ」
ゆっくり、そのままのしかかってくる。重い。けれど、日和の大きな体が心地よい。頬に触れる鬣か、くすぐったい。
広い背中に腕を回すと、日和もまた俺の頭を抱えてくる。
手の甲を指で撫でる。もしかしたら、人間の時もこうして弟や妹の手を握っていたのかもしれない。なんとなく、懐かしさを感じる。
同じように、大丈夫と告げたかもしれない。先の見えないことにおれも不安を感じる。いつか天井から毒ガスでも飛び出してくるんじゃないかと思ったりもする。
でも大丈夫。吾郎さんや、みんなで。この閉じた家を守るのだから。
静かな寝息と汚い鼾が聞こえてきたけど。おれも頼りない兄として二人の息遣いを守ろうと思う。人の手は安らぎを与えてくれる。おれも二人と同様に、二人から安心感をもらってる。
今日は良く眠れそうだ。
手の甲を指で撫でる。もしかしたら、人間の時もこうして弟や妹の手を握っていたのかもしれない。なんとなく、懐かしさを感じる。
同じように、大丈夫と告げたかもしれない。先の見えないことにおれも不安を感じる。いつか天井から毒ガスでも飛び出してくるんじゃないかと思ったりもする。
でも大丈夫。吾郎さんや、みんなで。この閉じた家を守るのだから。
静かな寝息と汚い鼾が聞こえてきたけど。おれも頼りない兄として二人の息遣いを守ろうと思う。人の手は安らぎを与えてくれる。おれも二人と同様に、二人から安心感をもらってる。
今日は良く眠れそうだ。
「そういや、俺たちみんな人間の時の記憶無いんだよなァ」
「おれからしても、二人とも弟みたいなもんだよ」
「月山さん」
「えー、月山寝汚いからな。頼りになんないよォ?」
仕方ないだろう。寝るのが好きなんだから。反論する前に、トリスが手を握ってくる。記憶が曖昧で不安な気持ちはおれもわかる。特にトリスの事を考えれば。
それに。ダイフクの事情も。
素直じゃないわんこの手をこっちから握ってやると、布団の中で見えないからか案外素直に握り返してくる。
「そういや、俺たちみんな人間の時の記憶無いんだよなァ」
「おれからしても、二人とも弟みたいなもんだよ」
「月山さん」
「えー、月山寝汚いからな。頼りになんないよォ?」
仕方ないだろう。寝るのが好きなんだから。反論する前に、トリスが手を握ってくる。記憶が曖昧で不安な気持ちはおれもわかる。特にトリスの事を考えれば。
それに。ダイフクの事情も。
素直じゃないわんこの手をこっちから握ってやると、布団の中で見えないからか案外素直に握り返してくる。
「俺、奥のベッド!」
「じゃあ、手前でいいですか」
なんだかんだ主張強いな。そうするとおれが真ん中か。ダイフクが一番小さいんだから交換、と思ったがもう奥のベッドで寛いでる。仕方ない。
「電気消すぞ」
カーテンを締め、電気を消し足元から真ん中のベッドに潜り込む。
「俺、奥のベッド!」
「じゃあ、手前でいいですか」
なんだかんだ主張強いな。そうするとおれが真ん中か。ダイフクが一番小さいんだから交換、と思ったがもう奥のベッドで寛いでる。仕方ない。
「電気消すぞ」
カーテンを締め、電気を消し足元から真ん中のベッドに潜り込む。
「もともと二人部屋の二部屋ですもんね、実際には四人くらいのスペースがありますよ」
ふたりとも楽しそうで何より。もちろんこのことについて、他の怪人のみんなには話を通してある。大体みんなちゃんとした大人だから、殆どの人がそうすべきと言ってくれた。文句を言っていた奴はフーさんと日和さんにわからされていたけど。あの二人は、色々怖い。逆らう気にはなれない。
「これからよろしく」
「よろしくな!」
「はい。お二人ともよろしくお願いします」
「ま、もう遅いし今日は寝て明日荷解きかなァ」
「もともと二人部屋の二部屋ですもんね、実際には四人くらいのスペースがありますよ」
ふたりとも楽しそうで何より。もちろんこのことについて、他の怪人のみんなには話を通してある。大体みんなちゃんとした大人だから、殆どの人がそうすべきと言ってくれた。文句を言っていた奴はフーさんと日和さんにわからされていたけど。あの二人は、色々怖い。逆らう気にはなれない。
「これからよろしく」
「よろしくな!」
「はい。お二人ともよろしくお願いします」
「ま、もう遅いし今日は寝て明日荷解きかなァ」