「───家族、家族……家族ねぇ」
命乞いにも満たない、意味の無い泣き言に他ならないそれを聞いてやる義理はないし、この男を生かす理由にもならない。家族がいるからなんだと言うのだろう、逡巡する。存外、この手の言葉を最期に投げかけてくる者は多い。家族が、妻が、夫が、子供が、父が、母が。家族というものは彼らにとってそれほどまでに重要なのだろうか。分からない、いつからか考えるのはやめにしたが、さて。
「あぁ、家族もまとめて殺せってことか?」
もう動かない、己が吊るしたツリーのオーナメントに問いかける。無論返事は無い。至極当然であるが、死人に聞ける口は無い。
「───家族、家族……家族ねぇ」
命乞いにも満たない、意味の無い泣き言に他ならないそれを聞いてやる義理はないし、この男を生かす理由にもならない。家族がいるからなんだと言うのだろう、逡巡する。存外、この手の言葉を最期に投げかけてくる者は多い。家族が、妻が、夫が、子供が、父が、母が。家族というものは彼らにとってそれほどまでに重要なのだろうか。分からない、いつからか考えるのはやめにしたが、さて。
「あぁ、家族もまとめて殺せってことか?」
もう動かない、己が吊るしたツリーのオーナメントに問いかける。無論返事は無い。至極当然であるが、死人に聞ける口は無い。
"仕事"は滞りなく完了した。あとは帰って"冒険者"に戻るだけ───ふと思い出す。男が何度も何度も必死に懇願していた言葉を。
『家族がいるんだ、俺が死んだら家族が、妻と子供たちが』
"仕事"は滞りなく完了した。あとは帰って"冒険者"に戻るだけ───ふと思い出す。男が何度も何度も必死に懇願していた言葉を。
『家族がいるんだ、俺が死んだら家族が、妻と子供たちが』