夢を書いたり描いたり(NOT自己投影)/夢腐何でもいける超雑食、地雷皆無
https://lit.link/SaSaNoHa
もともとゾ推しで、「目元に影キャラ」「バンダナキャラ」という癖の元凶です!!
なお、再燃したら🐯と💛にすっ転びました
もともとゾ推しで、「目元に影キャラ」「バンダナキャラ」という癖の元凶です!!
なお、再燃したら🐯と💛にすっ転びました
⚠若干のグロ描写?あり
六 浅慮(1/4)
複数の靴底が岩を蹴っては跳ぶ。静かで単調な動作に一定のリズムが生まれ始めたとき、ベックマンの低く落ち着いた声がそれを乱した。
「村人は、あのデケェ蟻の存在を知らなかったな」
大きな声ではない。それでも全員の耳に届いた。
言外の非難を正しく受け取った少女は、先頭でくるりと振り返り、後ろ向きに跳びながら自嘲の笑みを見せた。
『したさ、もちろん。食い散らかされた人間の残骸を抱えて、村へ警告しに行った。血まみれでな。その結果、人を喰う真っ赤な元神の話が誕生したという訳じゃ』
⚠二次創作、オリキャラあり(いまさらの注意書き)
七 簒奪(1/4)
「どうして信じてくれないんだよ!!待ってよ、みんなおかしいよ!!」
「お前こそ正気に戻れ!まさか人を懐柔する化け物だったとは……」
「だから入口に着いたら帰ってこいとあれほどッ」
案の定、村人たちは信じなかった。少女の姿を見た途端、老人共は腰を抜かし女子供は家に引っ込む。男共は震える手に長物を握りしめ、仇を見る目でこちらを睨み、少年を返せと声を振り絞った。迷い動けない彼のせいで、場が膠着する。
「ごめ、ごめんなさい。こんなことになるなんて、おれ、どうしたら……」
⚠二次創作、オリキャラあり
九九九 余談(1/3)
遠い昔、山の幸に感謝し、また新たな恵みを祈願する村人たちの信仰によって生まれた小さな概念。いつの間にか祈りの場が定まり、少女の人形が置かれ、いつしかそれに概念が宿った。赤い着物で飾られた人形は、目の前の生き物を真似て動き出す。これが始まり。
初めは驚かれ恐れられたが、果実のなる場所へ導き、獣を退けると、人々はこの人形を「赤神様」と名付け、ますます信仰は深まった。
信仰により更に強くなった力と知恵でもって人々の生活を助け、ともに生きていたある日、誰かが言った。
とうとう、山へお帰りくださいと土下座で村を追い出された赤神は、人々がそれを願うのならばとそのとおりにした。
胸に広がる痛みには蓋をした。人々と交わるうち、赤神には心が芽生えていた。生みの親とも言える村人たちのことが好きだった。言葉と笑顔を交わすのが楽しかった。しかしその喜びは一方的に終わりを告げられる。形としていた人形は朽ち果て、神はいつしか、またさまよう概念に還っていった。
その意識が再び浮上したのは最近のこと。山の土と、蟻に食われた村人の血が混じり合い、真っ赤に染まった服の残骸が集まった一角。
きしくもそこは、かつて神と呼ばれた人形が朽ち果てた、その場所であった。
とうとう、山へお帰りくださいと土下座で村を追い出された赤神は、人々がそれを願うのならばとそのとおりにした。
胸に広がる痛みには蓋をした。人々と交わるうち、赤神には心が芽生えていた。生みの親とも言える村人たちのことが好きだった。言葉と笑顔を交わすのが楽しかった。しかしその喜びは一方的に終わりを告げられる。形としていた人形は朽ち果て、神はいつしか、またさまよう概念に還っていった。
その意識が再び浮上したのは最近のこと。山の土と、蟻に食われた村人の血が混じり合い、真っ赤に染まった服の残骸が集まった一角。
きしくもそこは、かつて神と呼ばれた人形が朽ち果てた、その場所であった。
「こんなに強くなっては、今までのような作物のお供えだけじゃ、対価が足りないかもしれない」
その言葉は人々に波紋を広げ、いつしかそれは不安から疑心、畏怖に変わっていく。
「もしかして、もっと大きなものを差し出さなければならないのではないか」
「例えば」
「そう、例えば
人間とか」
畏怖はまたたく間に広がり、つい昨日まで膝を突き合わせながら談笑していた村人たちが、一人、また一人と離れていく。
転んだ子供に手を伸ばすと、短い悲鳴があがった。行き場を失くした手を降ろす。体側に添わせても、指先は温かくならなかった。
「こんなに強くなっては、今までのような作物のお供えだけじゃ、対価が足りないかもしれない」
その言葉は人々に波紋を広げ、いつしかそれは不安から疑心、畏怖に変わっていく。
「もしかして、もっと大きなものを差し出さなければならないのではないか」
「例えば」
「そう、例えば
人間とか」
畏怖はまたたく間に広がり、つい昨日まで膝を突き合わせながら談笑していた村人たちが、一人、また一人と離れていく。
転んだ子供に手を伸ばすと、短い悲鳴があがった。行き場を失くした手を降ろす。体側に添わせても、指先は温かくならなかった。