「ご、ごめんなさい。ありがとうございました。」
その後は友人らに親戚のおじさんと部下の人がたまたま近くにおって助けてくれたと説明し、まだ酔っていたのもあり「岡のおじさんかっけー!」「部下の人も強ぇー!」としきりに感心していたのをなんとか帰らせた。狂じさんは意識のないチンピラを部下のお兄さんにまかせて僕を家まで送ってくれたけどなんだかフワフワしていた僕は狂じさんのお説教も繋がれた手も現実感なく、家にひとりになってから正気に戻りうずくまることになった。
「ご、ごめんなさい。ありがとうございました。」
その後は友人らに親戚のおじさんと部下の人がたまたま近くにおって助けてくれたと説明し、まだ酔っていたのもあり「岡のおじさんかっけー!」「部下の人も強ぇー!」としきりに感心していたのをなんとか帰らせた。狂じさんは意識のないチンピラを部下のお兄さんにまかせて僕を家まで送ってくれたけどなんだかフワフワしていた僕は狂じさんのお説教も繋がれた手も現実感なく、家にひとりになってから正気に戻りうずくまることになった。
くらくらするのは非日常的な暴力の渦中にいるからなのか、いつもより香水とタバコの混ざった香りが強いせいか、酒のせいか。
なんでこないな事に…と思いつつもう大丈夫だという安心感から無意識に目の前のがっしりした胸板に顔をうずめて、すり…と鼻先を擦り付けたところで上から降ってくる声が耳に入る。
「聡みくん聞いとる?ケガしてへん?殴られたんどこ?」
「あ、え、、、と?」
反応が鈍い僕に焦れたのか、ぐいっと体を離され頭の先からつま先までじぃっと見られた。
くらくらするのは非日常的な暴力の渦中にいるからなのか、いつもより香水とタバコの混ざった香りが強いせいか、酒のせいか。
なんでこないな事に…と思いつつもう大丈夫だという安心感から無意識に目の前のがっしりした胸板に顔をうずめて、すり…と鼻先を擦り付けたところで上から降ってくる声が耳に入る。
「聡みくん聞いとる?ケガしてへん?殴られたんどこ?」
「あ、え、、、と?」
反応が鈍い僕に焦れたのか、ぐいっと体を離され頭の先からつま先までじぃっと見られた。
何かできることはないかと視線を巡らせていたのが不審な行動に映ったのだろう、先ほど叩いてきた男がぐっと距離を詰めて腕を振りかぶったのが見え、衝撃に備えてとっさに目をつぶる。
予想していた衝撃はなく、代わりに嗅ぎなれた香水の香りに包まれた。
気付けば殴ろうとしてきたチンピラは倒されてた。他の2人も狂じさんが連れてきたお兄さんに倒され地面と仲良くしていて、僕は狂じさんの腕の中で守られてただけですべてが終わってた。
何かできることはないかと視線を巡らせていたのが不審な行動に映ったのだろう、先ほど叩いてきた男がぐっと距離を詰めて腕を振りかぶったのが見え、衝撃に備えてとっさに目をつぶる。
予想していた衝撃はなく、代わりに嗅ぎなれた香水の香りに包まれた。
気付けば殴ろうとしてきたチンピラは倒されてた。他の2人も狂じさんが連れてきたお兄さんに倒され地面と仲良くしていて、僕は狂じさんの腕の中で守られてただけですべてが終わってた。
ぶちっと通話は切れ、チンピラたちの「誰だこいつ」「P活相手か?」と揶揄ってきた声は目をそらして無視した。
しばらくすると不安がむくむく湧いてきて、そもそも狂じさんどこにおるんやろ。東京?どれくらいで来れるん?狂じさんなら助けてくれる思って呼んでしもたけど、僕のせいで狂じが誰かに暴力振るうかもしれない、と思い至りゾッとする。
ぶちっと通話は切れ、チンピラたちの「誰だこいつ」「P活相手か?」と揶揄ってきた声は目をそらして無視した。
しばらくすると不安がむくむく湧いてきて、そもそも狂じさんどこにおるんやろ。東京?どれくらいで来れるん?狂じさんなら助けてくれる思って呼んでしもたけど、僕のせいで狂じが誰かに暴力振るうかもしれない、と思い至りゾッとする。
「お金出せる人呼んでもええですか?」
すっと手を挙げて宣言する。スピーカーにすることを条件に電話を許可され、すぐに真っ黒なアイコンをタップした。幸いすぐ繋がった。
「お金出せる人呼んでもええですか?」
すっと手を挙げて宣言する。スピーカーにすることを条件に電話を許可され、すぐに真っ黒なアイコンをタップした。幸いすぐ繋がった。