肺が苦しくて、数年前に買ったのに一包が高いのでけちって飲んでいなかった漢方の栄養剤を溶かして飲んでみる。ひびが入っていつ割れるかわからない白い陶器のマグカップに入れて、ゆっくり体に注ぐ。大叔母が生前持っていたカップで、そんなに好きな形ではないのだけれど、白い釉薬で覆われてやわらかく、両手で包み込むようにするとなんだかほっとするのでつい使っている。ねむくなってきた。

父が、誕生日に選んで妹と一緒に贈ってくれた本をやっと読み始める。ハン・ガンの『引き出しに夕方をしまっておいた』。ひとつ目の詩を読んで胸が詰まる。私のご飯茶碗は白いから。

どーんどーんかっかっか、と太鼓の音が近づいてきて遠くに行った。山車かな。そういえば今日は近所のこども祭りだったっけ。

7時間しっかり眠るつもりで就寝したのだが気になることが吹き出してきた上にお腹が空いてきたので、仕方なく起き出して鍋の残りの湯豆腐に電気釜の冷やご飯をぶち込んで雑炊を作りかっこんでパソコンを開く。映像編集に取り掛かろうかと思ったが、先にDUOアルバムの音源チェックをやってしまうことにした。朝のうちに変更点を送ってしまった方がいい。早くフィックスさせたい。締切があるようでないけれど、リリースは急いだ方がいい。それにしてもこの音源は聴く時間によって判断が変わる。というか早朝に聴いてよかった。選ぶべき方針がはっきり浮かび上がって見える。

ずっと連絡をしたいと思っていたのにできなかった人へ、ようやく電話をかけることができた。なんてことはないのに、一年もかけられなかった。呼び出し音が2回鳴って、その人はとっても嬉しそうな声で「はいもしもし！」と出てくれた。ああよかった。すごく元気そうだった。