「じゃ、また明日ね」「19時だよね？」「うん」「おっけー、気を付けて」「〇〇もね」今日は7月5日、金曜日。明後日の七夕祭りに向けて、明日はその宵宮が催される。俺は彼女と宵宮に行く約束をしていた。俺と彼女の出会いは二年前。＿＿＿＿＿大学1年生の俺は同じサークルの

この世界に彩りを加えてくれる物はなんだろう。ゲーム？美味い飯？金？小説？友達？それは毎日毎日同じ様な日々を送ってきた俺の世界を彩ってきたものだった。いや、彩りを加えていたのか？ただ世界を退屈に、マイナスにしないためのアイテムだったかもしれない。実に17年間

「おはよぉ」朝日が射す教室の後方の扉から、派手なピンク色の髪を高めのツインテールに束ねた女子生徒が入ってくる。眠気混じりの甘い息に俺は反射的に声を返す。「あ、樹愛羅おはよ」付き合っているとかではないが、小学校、中学校と田舎の1クラス20人前後しかいない学校で