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鹿

@shikakbut.bsky.social

成人済み腐女子。避難用。無言フォローや無言フォロバをすることがあります。
X仕草が身に染み付いているので、BLなどを嗜むタイプの人に見えないと通知欄に現れ次第🧱したりします

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鹿

@shikakbut.bsky.social

（8/8）

「ああ、もちろんそのつもりだ。あんなやつ、一生手放してやるつもりねえよ」
　あいつのことを考えていると、自然と頬が緩んでしまう。柄ではないのに、そうさせられてしまっている。
「ツンと澄ました振りしてるくせに、俺が構ってやらないとすぐ不安そうな顔しやがる。一緒に散歩ってなったらうきうき尻尾を振るし、俺が余所見なんかしてようもんなら不貞腐れて物陰からじいっと見ててなぁ――可愛いんだよ、本当に」
　そう言って俺が視線を向けた先に、近藤さんも振り返る。そしてそこに、俺たちにとって共通の昔馴染みである男の姿を認めた。
「……なんだ！　一（はじめ）じゃないか！　声をかけてくれたら良かったのに！」
　木の影からこちらを窺っていた男――斎藤一は、戸惑う暇さえ与えられず犬にも勝る速度で駆け寄られる。
「い、いやあ、お二人のお話の邪魔しちゃいけないと思いましてね、はい」
　お前が邪魔なわけないだろうと肩をバシバシと叩く近藤さんに、斎藤はしどろもどろで視線を彷徨わせるしかできないでいる。
「ところでどこに行くんだ？　今日の服、特に決まっているじゃないか。格好良

いぞ一（はじめ）ちゃん」
「その呼び方やめてくださいって……まあその、どこってわけでも…………て、あの、なんですか土方さん」
　短くしていると分かりづらいが、癖のある青灰色の髪を撫で付ける。今日は前髪を上げていて、そこから覗く額も撫でてやりたいと思う。昔剣道場で出会った時は、ひねた目つきの九つ年下のガキであったのに。いつの間にかチェスターコートと黒のシャツにサスペンダーを合わせるような、大人びた装いが似合うようになっていた。
「毛並みを整えてやってる」
「はあ？」
　近藤さんが上機嫌な俺と怪訝な顔をした斎藤の顔を交互に見比べる。呆ける飼い主に足元の犬たちも何だ何だと斎藤にまとわりつこうとするから、腕を掴んで引き寄せた。
「それじゃあな、近藤さん。俺たちはこれから――散歩なんでな」
　俺の言葉に幼馴染は一瞬虚を突かれたような顔をして――すぐに破顔した。

「……ふ、はは、そうか！　それじゃあ俺たちももう行くとしよう。ほら皆、立った立った！」
　近藤さんは俺と共に暴れ回っていた頃、少年のような悪戯な笑みを浮かべて、犬たちを引っ張り上げる。
　そしてすれ違いざま、俺の耳元で密かに囁いた。
（――首尾よくお前のうちの子になったら、ちゃんと挨拶に来てくれよ？）
　勿論。と返す間もなく、近藤さんは犬たちと共にあっという間に駆けて行ってしまった。
　
「……あの、何の話してたんですか」
　斎藤が遠慮がちと見せかけて、不貞腐れた感情が駄々漏れた声を出す。会話に割って入ることはできないくせに、おそらくは無意識にじとりと睨め付けるその態度。思わず喉の奥で笑ってしまう。ああ、本当に――
「お前が可愛いって話だよ」
「はぁ？　何か誤魔化そうとしてませんか――って、ちょっと！」

強引に手を握って歩き出す。やめてくださいよとか誰かに見られたらどうするんですとかごちゃごちゃ鳴いているが、振り解くほどの力ではない。
　指を絡めて撫でてやると、うぅだかぐぅだかわからない音で喉を鳴らす愛おしい生き物。そろそろ、似合いの輪っかを買ってやらねばなるまい。

December 2, 2025 at 1:34 PM

鹿

@shikakbut.bsky.social

ひらぶー用に書いた現パロ土斎です！
（4/8）
いちゃいちゃ現パロ書くぞ！と思ってたのにふと気がつくとイッヌを引き連れたこんど〜さんが乱入していました。なぜだろう。自分でやったことなのに全然わからないぜ。

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「犬なのか猫なのか」、「鹿」と記載されています。
以下は本文の内容です。

　早く着きすぎたか、と吐き出した息が白く染まる。年の終わりが近づいたこの時期は、休日の公園といえど、どこか忙しなく騒々しい雰囲気がある――しかし、その騒々しい原因のほとんどは、徐々に近づいて来る獣の鳴き声だと程なくして気づいた。
「歳！！」
　そしてその騒音に負けまいと張り上げられた声は、俺の幼馴染のものだとも理解した。スマートフォンの画面に落としていた視線を上げると、声の主が騒音の原因を引きずってこちらにやって来る。そういえばこの公園はこの人の――近藤さんの散歩コースでもあったのだ。
「偶然だな、お前も散歩か？」
「いや、待ち合わせでな……おいテメェら、うるせえぞ」
　俺と会話している間も、近藤さんの右手に握りしめた手綱の先で、巨大な白い毛玉三匹がバウワウブルルルワオウオと騒ぎたてている。すぅ、と息を吸い、久々に昔この人と剣道場に通っていた時分のやり方で声を出した。
「近藤さんに迷惑かけてんじゃねぇっ！！」

犬たちが揃ってその場で飛び上がり、今度はクウンクウンとしおらしい態度で近藤さんの足元にまとわりつく。ひとまず静かになったのでよしとするが、変わり身の早い犬どもだ。
「おお、さすがだなぁ歳。この子たちときたら、俺の言うことはてんで聞いてくれないんだ」
「生優しすぎんだよ、あんたは」
　近藤さんは昔から通りを歩けばすれ違う野良猫にも他人の飼い犬にも餌を啄んでいた鳩にも群がられるほど動物に好かれるたちであったが、厳しく躾をするというのがとんと向いていない性格でもあった。その上保健所送りになりかけた兄弟子犬を見捨てられないお人好しときている。そんなこの人とこの三匹の共同生活は、ここまではしゃぎ散らかしている中型犬三匹を片手で御する類稀な腕力と握力、そしてその間まるでブレることのない体幹によって成り立っている。
「歳はペットを飼うつもりはないのか？　昔から動物には懐かれていただろう」
「そんな風に言ってんのは近藤さんくれえのもんだぜ？」
　確かに昔から初対面の犬が腹を晒して服従の姿勢を見せたり、頼んでもいない

のに近所の野良猫が狩の成果のネズミや小鳥を捧げに来たりしたことはあったが。愛玩用の小動物を抱いて頬を緩めるなんぞ自分の柄ではない。
「――それに、犬を増やしたりしたら、先住民が拗ねるかもしれねえ」
「？　もう何か飼ってたのか？　それなら教えてくれたっていいのに」
「いや、厳密にはまだ先住民ってわけじゃねえからな。もうほとんど住んでるみてえなもんだが」
「なんだ、野良の子の世話でもしているのか？」
　近藤さんがしゃがんで犬たちの首をわしわしと掻き回す。白い毛玉たちの満足げな表情には、内心思い起こされるものがある。
「ほとんどうちに住んでるみてえなもんなのに、意外と気位が高えんだよ。首輪なんかつけられてやりませんって態度でな。ゆうべも飯を食い終わったら出ていっちまった」
「ははは！　歳を袖にするなんて、どんな美人さんなんだろうなぁ、その子」
「美人、そうだな。初めて見た時はボサボサの毛の目つきの悪いガキだと思ってたが、良く整えてやりゃあ存外格好が良い」

瞼の裏に愛おしい生き物の姿を浮かべる。
「撫でてやろうとすると逃げ回るかと思えば、気紛れにくっついてきたりもしてな。なんとか捕まえて根気よく可愛がってやると、可愛い声で鳴いてくれんだよ」
「おや、猫ちゃんか？」
「猫……ネコなぁ。いや、あいつ自身は自分のこと犬だと思ってるかもな。俺は賢いしアンタの言うことは何でもわかってますよみてえなツラしやがんだ。気が向かなきゃ言うことなんて聞きゃしねえ癖に」
「ふふ、お前が手こずるなんて珍しい……こらお前たち、寝るんじゃないこんなところで」
　犬どもが白い毛並みが汚れるのも構わず地面を転がり阿呆面をしているのを、近藤さんは朗らかに笑って腹を撫で回してやっている。
　言うことを聞いてくれようと聞いてくれなかろうと、かわいくてならないのだろう。気持ちはよくわかる。
「なんだ、歳、その顔。デレデレじゃないか。それならちゃんと、正式にお前のうちの子にしてやらないといけないぞ？」

December 2, 2025 at 1:34 PM

鹿

@shikakbut.bsky.social

#251123ぐだ鯖WEBオンリーに参加します
組メンバーがワチャワチャしてる土斎の新作展示したいです…頑張ります…

November 20, 2025 at 3:27 PM

鹿

@shikakbut.bsky.social

X死んでるな…以外何も言わないのもつまらないのでWEBオンリーに向けて書いてるアホの文章の一部でも載せるか…
一応タグ付けてるけど色っぽい話じゃなく下ネタです

November 18, 2025 at 1:48 PM

鹿

@shikakbut.bsky.social

（6/6）

October 7, 2025 at 12:10 PM

鹿

@shikakbut.bsky.social

ひらぶー用に書いた土斎SSこっちにもあげておきます。
イベを経て「この何より信じていたはずの幼馴染に悉く先立たれた男から『絶対死なない』と思われてる男 is 何…⁉️」の感情が昂ってしまいました。とりとめがありません。

October 7, 2025 at 12:10 PM

鹿

@shikakbut.bsky.social

明日のイベントのこと考えちゃって落ち着かないから掘り起こしたPSでドラクエやってたんだけど、チョッキンガーが強すぎてウッドパルナのラストシーンで情け容赦なく主人公とキーファが死んでました

人の動きに合わせて棺桶も動くから笑いを耐えられなかった

September 23, 2025 at 3:28 AM

鹿

@shikakbut.bsky.social

Xのふぉろわさんのつぶやきを元に書いた土斎ssです。花火よりお前の方が…みたいなことは言わないフクチョです。

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「花火より綺麗ということはないが」、「鹿」と記載されています。
以下は本文の内容です。

　陽が落ちた空にパッと大きく花開く光。続いてドン、パララララ、と爆ぜる音。光の残滓が消える頃にはまた次の光と音が上がる。
　上手いこと周囲の建物に遮られることもない角度で、狭苦しいマンションのベランダから見える花火としては随分と上等だ。近所の花火大会に誘ってもベランダから見れば良いの一点張りだったこの部屋の主は、単なる出不精ではなかったらしい。
「綺麗ですねえ……」
　隣から聞こえてくる声は普段飄々とした風情を身に纏う男にしては珍しい、感じ入ったような響きで、すとんと腑に落ちるものがあった。
「ああ、綺麗だな」
　だから、素直に同意する。応えるように空にはまた色とりどりの光が燦めく。しばし無言で見入っていた。
「……え、それだけですか？」
　傍の声が心底疑問だという風に変わったので、思わず自分の隣で缶ビールを握りしめている男――この部屋の主、斎藤に視線を移した。

「それだけってなんだ、一句ひねってほしいんならちょっと待て」
「土方さんの微妙、いえ評価の難しい俳句を聞くのもまあ良いんですけど、そうじゃなくて」
　言い直したところであまりフォローになっていない。斎藤は軽薄を装った言動と目の下の隈のせいで剣呑とか何を考えているかわからないとか言われがちであるが、こうして休日を過ごしている時の表情はゆるく、発言は迂闊なところがある。だがそんな間が抜けた男に自分は付き合ってやる理由があるため、黙って続きを聞いてやることにした。
「僕らこないだ正式にお付き合い始めたわけじゃないですか」
「そうだな」
「じゃああるでしょう、こういう時に言う定番のやつ。『花火よりお前の方が……』みたいなの」
　流れた沈黙をひゅるるる、ドン、と花火の音が割いてくれた。おかげで呆れて固まっていた舌が動くようになる。
「もう酔ってんのかお前。烏滸がましいぞ」

「あんたのかわいい一ちゃんになんて言い草ですか！」
　どこで買ってきたのかわからないＡｒｔｓとプリントされた青いＴシャツにまとめ買いしたハーフパンツと突っかけのサンダルというどこからどう見ても美しさの土俵で戦うべきでない男が何かわめいている。惚れた欲目が無ければかわいいという感想さえ持てないであろう男に頭を抱えながら当然の答えを返した。
「ンなあからさまな嘘言ってどうすんだ。花火ってのは、この一瞬上がって消えるまでの間に見てる奴らに『ああ綺麗だなぁ』って思わせるためだけに作られてんだぞ？　テメェが勝てるわけねえだろ」
「そんな……土方さんなら昭和から平成初期でしか許されない歯の浮くような口説き文句言ってくれるかと思ってたのに……！」
「それはもうほぼ悪口だろうが」
　馬鹿を言う男を放って空に視線を戻す。隣に不貞腐れた気配を感じながらでも光の華はやはり美しく耀いては消えていく。今宵この一瞬限りのものかと思えば、ますます愛おしい光である。
「お前もしょうもねえこと言ってねえで花火見てろ。俺の顔なんて明日も明後日

も見られるだろうが」
　俺がそう言うと、何故か隣の気配が急に大人しくなった。どうしたのかと横目でうかがうと、斎藤は顔じゅうだらしなく緩めて手の中でビールの缶を弄び、視線は空と俺の間を行ったり来たりしている。
「……明日も、その次も、へえ……」
　何かぶつぶつ呟いている。やはり酔っているのかもしれないが、嬉しそうではあるので放っておくことにした。

September 8, 2025 at 3:36 PM

鹿

@shikakbut.bsky.social

（6/6）

ター達と一緒の時は人生の先達として振る舞えてはいたと思う。
　それなのにこの人の前では、未だにひねた目の糞餓鬼だった頃の自分が顔を出し、口を尖らせて拗ねたようなことを言い出してしまうのだ。
「あーあ、まさか副長が僕のこと素でウキウキで半裸になって虫に刺されてるアホだと思ってたなんて。信用されてないなー僕」
「俺よりお前を信じてるやつなんざいねえよ」
　急にそんなことを言われると、いつもはいくらでもペラペラ回る口が止まって喉から単語にならない音が漏れるだけになってしまう。拗ねたガキの機嫌を取ろうなんて気持ちはまるで無く、ただ心から言っているだけだからタチが悪い。
「俺はお前のことをはしゃいで失敗しねえ男だと思ってるから信じてんじゃねえ。そうだったら酔ってやらかした時に毎度見限ってる」
　酒故の数々の失態の記憶が思い起こされ、ぐぐぅだとかぬぅだとかの呻き声を発するしかなくなる。あんただって酔うと声でかいし言わなくて良いこと言って沖田に殴られてたくせにと反論したいが、この人は僕が飲んでる時は見張りのために酔わないようにしていると知ってるからそれもできない。この人が酔っ払うのは新八に誘われてサシ飲みの時とかで……腹が立ってきた。今すぐ走って新八を殴りに行きたい……
「聞いてんのか」
　無理矢理顎を掴んで自分の方を向けさせる俺様副長のおかげで新八は命拾いしたが、引き換えに僕の脳は沸騰する。視界に副長の整った顔以外映らないほど近づかれ、何故かほんの少し笑っている目の前の美丈夫のことしか考えられない。

「俺がお前を信じてんのは、お前が失敗しねえからでも、何でも俺の思う通りになるからでもねえ。しくじろうが迷おうが、てめえの誠には背かねえ男だからだろうが」
　そんなにも真っ直ぐ言える理由がわからない。自分で言うのも何だが血生臭い道を歩んできた人間だ。それでも最後まであんたのために尽くしたならともかく、わざわざ傷つけるような言葉をぶつけて別れて、あんたが鉄砲に撃たれて死んだ後、のうのうとあんたを殺した連中におまんま食わせてもらって生きた。その上それを間違ってると思ったことが一度もない。なのに――
「――なんで」
「顔見りゃわかる」
　いやわかんねえだろ。洗脳されてることにも気づいてなかったくせに。けどそう言ったところでこの自信に満ち満ちた伊達男の表情を崩せる気がしなくて、せめて顎を引き寄せる手を払い除けてあからさまに顔を歪めてみせる。案の定、副長は不細工な僕の顔を見て愉快げに笑って言った。
「……顔見せに来たんだからわかる、つった方が良いか？」
「はい？」
「お前、なんでここに来てんだ」
「なんでって、そりゃ」
「マスター（あいつ）と合流したんだから、そっちの拠点にいたってよかっただろ」
　しばし呆けた顔をしてからはっと気づく。思わず目を向けた新選組屯所大統領島支部の看板は、そこらで手に入れた板切れにこの人が筆で書いただけのもので、勝手にそんなものを立てても気に留められないような素泊まりの安宿の扉にかけら

れている。
「いやあの、マスターちゃんてば相変わらず大人気で、同行したがる子が大勢いて、色々あって拠点は手狭みたいだし、メンバーもお嬢さんばっかでそこに混ざるってのも憚られましてね」
　言葉を並べても言い訳になっていないのは自分が一番よくわかっている。キャスターのクー・フーリンはその状況で同行しているのだ。洗脳が解けているメンバーとして明日以降もお呼びがかかることはあるだろうし、マスターのサーヴァントとして無論全面的に協力する所存である。にも関わらず――つい、帰ってきてしまったのだ。この新選組屯所と称する安宿に。この人がいるところに。
　手で顔を覆っても、目の前の人が笑っている気配があって心底腹立たしい。ああだこうだ言ったところで、結局尻尾を振ってついてくると思われているのかもしれない。恥ずかしさと苛立ちをぶつけるようにベラベラと捲し立てる。
「まあ屯所（ここ）なら気を使うこともないですから、それだけですよ、しかしあんたも大概浮かれポンチになってましたよね、水着のお姉様方に鼻の下伸ばしてそんなジュースなんか飲んで、たくあんさえあればいいっていつも言うくせに、洗脳されてもないのにはしゃいじゃって」
「そうかもな」
　あっさり答えられて拍子抜けしていると、開けていたアロハシャツの胸元に突然――革手袋の感触を得る。
「洗脳されてるとは思ってなかったからなあ。てっきり、俺を誘うために頑張って肌見せてんのかと思っててな。浮かれちまってた」

いやらしい笑みを浮かべて上司兼情人がそのまま胸を揉み始めたため、慌てて突き飛ばしてセクハラ！　と叫ぶ。
　しかしその時にはもう遅く、これまでの一年洗脳され浮ついた頭でこの人を誘った夜の記憶が次々と蘇り、僕はその場にうずくまった。

September 2, 2025 at 3:23 PM

鹿

@shikakbut.bsky.social

ひらぶー用に夏イベに絡めた土斎を書きました。これからXにもあげてきます。
※ネタバレ
実はこの二人…付き合っている！！！！

（2/6）

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「度々居なくなってた理由考えた」、「鹿」と記載されています。
以下は本文の内容です。

「斎藤、戻ったか」
　昼は燦々と陽射しが照りつけ、日が暮れた今でも熱が残るこの島でも、この人は変わらず長袖シャツに赤い革手袋と同じ色の胸当て、通気性のよろしくなさそうな黒い洋袴にロングブーツという出で立ちで、相変わらず腰に刀を携えていた。しかしこちらを振り向くまで見ていたのは次の戦場ではなく水着の美女が戯れる海岸で、手には沖田ちゃん達にでも買わされたのか、普段は意識に入れることさえなさそうなトロピカルドリンクのグラスが握られている。
　僕は石を握った手に力を込めて、えいやっと振りかぶった。
　
「……なんも変わってねぇや」
「なんだ急に。その石に何かあんのか」
　副長はドリンクのストローを咥えて怪訝な顔で僕を見下ろす。マスターからひとつ譲り受けたキャスターのクー・フーリン謹製洗脳解除ルーン石はうんともすんとも言わない。これは魔術なぞさっぱりわからない幕末の人斬りだろうと、ただ洗脳されてる人間に向けてかざすだけでたちまち術を解除する優れものだ。それが反応しないということは。
「副長、洗脳されてないんですね。我の強い人は抗うこともあるって話だったけど、ほんと聞かん坊なんだから」
「ああ゛？」
　片眉を上げて睨まれたところでトロピカルドリンクのストローを咥えたままだと特に怖くないなあと考えながら、フラフラ遊びに行った第三エリアでの出来事をつらつら語った。

「じゃあ何か？　お前この島に来てから今まで洗脳されてたってのか」
「はい、まあ恥ずかしながら……いや、ていうか副長こそ見てておかしいなーとか思わなかったんですか。この島に来て体感一年くらいの僕の言動」
「夏になるとはしゃぎ出すやつなんざここじゃ珍しくもねえだろ。沖田を見ろ。半裸で空飛んでんだぞ」
　まあ確かに僕とて高い空を通り過ぎて行くジェットの駆動音を、たまにある日常の一部として受け入れてしまって久しい。この背負った使命の割にトンチキ極まりない組織にかなりの古株として属する彼には、浮かれた気分にさせる洗脳と単なる夏の雰囲気故の奇行はかえって見分けづらいのかもしれない。
「半裸とか言わないでください。あんたから見ると僕は半裸で森をフラフラしてるやつなんですか」
「まあ確かに虫もいるだろうに浮かれてやがるとは思ってたな。虫刺されの薬くらい塗ったらどうだ、大して効かねえ散薬なんざウキウキ懐に仕込んでねえでよ」
「……は、はぁ～⁉︎ウキウキとかしてません！　あんたが欲しいとも言ってないのに押し付けてくるからでしょ！」
「半裸になってる時でも必ず持ってけとは言ってねえだろ。しかし確かに、思い返してみりゃはしゃぎ散らかしてたなお前」
　くつくつと喉の奥で笑われると己のせいでしかないことだがムカムカした気分になる。
　全盛期と定義される肉体で現界し、老いて穏やかに生きた日々の記憶は遠くなっても、変わらずこの身に七〇年分の人生は宿っているし、マス

September 2, 2025 at 3:23 PM

鹿

@shikakbut.bsky.social

うちの童子切と岩融、もうマブってことでええやろ

August 26, 2025 at 2:59 AM

鹿

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滑り込みでなんとか一人確保した童子切剥落とやたらたくさん落ちた数珠丸さん

August 25, 2025 at 2:38 PM

鹿

@shikakbut.bsky.social

こっちにお品書きあげるの忘れてたな…

というわけで17日土斎プチ3号館は75bにおります。書き下ろしとWEB再録の二冊は本があるはずです。ほんの少しですが既刊も持っていきます。よろしくお願いします！

August 15, 2025 at 2:17 PM

鹿

@shikakbut.bsky.social

有給取ってでも再訪して良かった超クウガ展

今日はオダギリジョーの音声も全部聞けた
図録あるから資料は全部見る必要はないんだけど資料の横で本編映像が流れてるとやっぱりじっくり見てしまう
最終回の五代雄介の行く末についての議論は作った人だけじゃなく見てるこっちもずっと考えさせられるものがある
これほどの熱量であの作品を作ってくれたこと、改めて感謝しかない