犬スキー
犬スキー
@shigeki.bsky.social
犬スキーです。犬ンコフ犬ゼビッチ犬スキーです。
〈夕刻〉
夕刻僕が君の背中に甘えて
ついでにおっぱいを触り始めると
晩御飯の準備を始める君は
テレビをつけて「日本の話芸」にする
僕が君のおっぱいを放り出して
正座して落語を聞くことを
知っているからだ
表で性急な豆腐屋のラッパが聞こえる
僕らの楽園はおおよそそのようであった
August 8, 2024 at 12:00 AM
〈だれか優しくしてくれ〉

だれか優しくしてくれ
だれか許してくれ
シャンプーの匂いで
甘やかしてくれ
だれか甘やかしてくれ 
髪をなでてくれ
おっぱいを優しく
押し付けてくれ
不運続きのおれを慰めてくれ
だれかだれか
おれに優しくしてくれ
July 2, 2024 at 6:21 PM
〈罪〉

馬鹿だった。女をたくさん傷つけた。
女はいくらでもいた。身の回りの女はみんなおれのことを順番待ちしていた。
そのことに気づかないくらい馬鹿だった。
たくさん傷つけた。傷つけられもした。
おれが傷つけられたのはいい。
おれが傷つけた女たちの傷がみんな、
天に昇ってそれぞれ輝きますように。
July 2, 2024 at 6:20 PM

緑のマットのジャングルに
裸単騎がそびえ立つ
ルール無用のツイッタラー
正義のパンチをぶちかませ
ゆけゆけ
イーロンイーロン
イーロンマスク〜
April 15, 2024 at 8:18 PM
〈 黒 〉

本当に悲しいことがあった日は
言葉は要らない
アイコンを真っ黒にしてくれ
俺にはわかる
言葉は要らない
あんまり悲しいときには
アイコンを真っ黒にしてくれ
もちろん人は異変には気づく
優しい言葉をくれるかもしれない
それでも本当に悲しいときは
どんな慰めの言葉も耳を上滑りするもんだ
アイコンを真っ黒にするだけでいい
俺に君の悲しみを共有させてくれ
一方的な頼みだ
守らなくても構わない
俺に君の悲しみを共有させてくれ
March 1, 2024 at 6:49 PM
〈昼光色は空の色〉

青い空気の中を
鳥が身を翻すように
帰っていったあの子をみて
もうよかったはずだったのに
ひげを剃ってこなかったのが悔やまれる
February 29, 2024 at 11:52 PM
〈 犬 〉

確かにそうだ
俺が先に死ぬ
歳もこれだけ離れているし
俺は脳みそに爆弾がある
だからこうしよう
俺は死んだら犬に生まれ変わる
今どきは犬はペットショップで買うのだろう
ペットショップに行け
いちばん頭が悪そうなやつを選べ
それが俺の生まれ変わりだ
俺はジントニックをもう一杯
君は?
February 15, 2024 at 6:42 AM
〈 秘密 〉

バラの花が咲く
大切な秘密のように咲く

バラの花がそこに咲くのは
いつか誰かが
そこに植えたからだろうが

そのときのその人の想いとは
関係なしに

バラの花が咲く
大切な秘密のように咲く

そのときのその人の想いとは
関係なしに

あのときの私の想いとも
関係なしに
February 15, 2024 at 6:41 AM
〈二月の約束〉
友よ
あれほど一緒に酒を飲もうと言ったのに
実現しなかった
そのことでいま胃が痛くなるほど後悔している
いつか飲もうと言ったのじゃあない
あの日に飲もうと言ったのだ
こんな不義理をするとは
俺の中の何かが壊れかかっている
遠からず長駆してそっちに行く
最初の一杯はおごらせてくれ
February 15, 2024 at 5:20 AM
〈春の日に〉
行きの電車で作った詩を
帰りの電車では忘れてる
1日は長くて
ああそれはそうとして
キリンは歯の噛み合わせが悪い
February 15, 2024 at 4:54 AM
〈詩作〉

一も二もなく
散文にならず
詩にもならず
号されることもなく
ろくでもない
名無しの

それが
頭の中で渦巻いてつい

八つ当たりしたくなるような
窮状
February 15, 2024 at 4:38 AM
〈輪廻〉
虫になりたい
モンシロチョウがいい
まっ白に変身できて
青い空を飛べて
さくっと交尾して
すぐに死ねる
February 15, 2024 at 4:37 AM
〈 雪 〉

雪降っとんねん
白い雪が降っとんねん
おれはそんなに白くはないねん
雪降っとんねん

白い雪が降っとんねん
いつまでも降っとんねん
つもりそうなほど降っとんねん
おれはそんなふうにはでけへんねん
白い雪が降っとんねん

あたり一面に雪が
覆い尽くしていく
静かに
白で
February 15, 2024 at 4:31 AM