(ツンデレ&内面独特)
(ツンデレ&内面独特)
とにかく今は心身をしっかり休ませて、好きなことやできそうなことをのんびり気ままにやっていければと思います。うちの子に会える元気の回復を目指して。了
とにかく今は心身をしっかり休ませて、好きなことやできそうなことをのんびり気ままにやっていければと思います。うちの子に会える元気の回復を目指して。了
「想像で描いた。実在するかは、わからない」
「なら、探しに行けばいい。こんな夜の情景を、二人でさ」
以前とは見違えるほどの、穏やかなフィンのことば。深い青の輝き。頷かないおれはいない。ああ、意趣返しに、こっそりフィンを描こう。月下の銀髪は、絶対、きれい、だから。
〜了〜
#フィンリガうちよそ記録帳
「想像で描いた。実在するかは、わからない」
「なら、探しに行けばいい。こんな夜の情景を、二人でさ」
以前とは見違えるほどの、穏やかなフィンのことば。深い青の輝き。頷かないおれはいない。ああ、意趣返しに、こっそりフィンを描こう。月下の銀髪は、絶対、きれい、だから。
〜了〜
#フィンリガうちよそ記録帳
温室の寝台に腰掛け、ゆったりと、ふたりきりで過ごす、穏やかな時間。かさり、乾いた紙が軽く擦れる音が、静けさの中に溶けて、きえた。恋人のヴィエラが何気なく伸ばした手の近くに、おれの描いた――
「これ、は……」
「……」
隠すべきでもないと、そのままだった。でも。
「……良い絵だね」
柔らかなフィンの口調は、おれの手描きだと確信した上で、やさしく褒め言葉をつむいでいる。汚い、雑だ、と卑下することばは、フィンの表情を見て喉奥の底に霧散した。照れくさい。はずかしい。何も返せないおれに、「今度ここに行こうか」と彼が言う。
温室の寝台に腰掛け、ゆったりと、ふたりきりで過ごす、穏やかな時間。かさり、乾いた紙が軽く擦れる音が、静けさの中に溶けて、きえた。恋人のヴィエラが何気なく伸ばした手の近くに、おれの描いた――
「これ、は……」
「……」
隠すべきでもないと、そのままだった。でも。
「……良い絵だね」
柔らかなフィンの口調は、おれの手描きだと確信した上で、やさしく褒め言葉をつむいでいる。汚い、雑だ、と卑下することばは、フィンの表情を見て喉奥の底に霧散した。照れくさい。はずかしい。何も返せないおれに、「今度ここに行こうか」と彼が言う。
一張羅ばかりなおれが、その日の来客の中で印象に残った衣類や装備を、仕事終わりの休憩時、ざっくりペンでメモ代わりに描く。採寸やデザインのメモは職人由来の手癖も含まれるが、ただ気まぐれに絵で残す。ことを、している。恋人が出来ても、気まぐれは継続していた。
変化、歩み。記憶、記録。一張羅は変わらないおれでも、雑記の紙切れは少しずつ変わっていった。自分でもわからない衝動でペンを握っていたが、おれはこれらを足跡のように扱う気でいたらしい。風景、草花、建物や人物。銀の氷、茶色い毛皮。夜の湖をみおろす、金の月。
一張羅ばかりなおれが、その日の来客の中で印象に残った衣類や装備を、仕事終わりの休憩時、ざっくりペンでメモ代わりに描く。採寸やデザインのメモは職人由来の手癖も含まれるが、ただ気まぐれに絵で残す。ことを、している。恋人が出来ても、気まぐれは継続していた。
変化、歩み。記憶、記録。一張羅は変わらないおれでも、雑記の紙切れは少しずつ変わっていった。自分でもわからない衝動でペンを握っていたが、おれはこれらを足跡のように扱う気でいたらしい。風景、草花、建物や人物。銀の氷、茶色い毛皮。夜の湖をみおろす、金の月。