だが あの山々のなかでも「時」はきらめいているのだ
ああ 私の心の荒野に
屋根もなく「永遠」が迫っている
だが あの山々のなかでも「時」はきらめいているのだ
ああ 私の心の荒野に
屋根もなく「永遠」が迫っている
薄暮を経て 夜の空間へ溶けてゆく
起立が停滞となり 停滞が横臥となって
いま喜んで横たわった世界が朧に消えてゆく―
薄暮を経て 夜の空間へ溶けてゆく
起立が停滞となり 停滞が横臥となって
いま喜んで横たわった世界が朧に消えてゆく―
奇妙な言葉ではないか 「時」をまぎらすとは!
「時」を逃がさぬ これこそが問題であろうに。
なぜなら 誰か不安におののかぬ者があろうか? 何処に持続が
万象の中の何処に最後の存在があるかと
奇妙な言葉ではないか 「時」をまぎらすとは!
「時」を逃がさぬ これこそが問題であろうに。
なぜなら 誰か不安におののかぬ者があろうか? 何処に持続が
万象の中の何処に最後の存在があるかと
いちばん美しい木が。 私を眼に見えない
天使たちに分からせていたあの一本の木が
いちばん美しい木が。 私を眼に見えない
天使たちに分からせていたあの一本の木が
以前 お前は嘆いただろうか? あれはいったい何だっただろう?
あれは 歓呼の木から落ちた一顆の実
まだ熟れていない実であった
けれども いま 歓呼の木は折れる
私のゆるやかに伸びていた歓呼の木が 嵐のなかで いま折れる
以前 お前は嘆いただろうか? あれはいったい何だっただろう?
あれは 歓呼の木から落ちた一顆の実
まだ熟れていない実であった
けれども いま 歓呼の木は折れる
私のゆるやかに伸びていた歓呼の木が 嵐のなかで いま折れる