およよ
LightNews LightNews
sdo10d.bsky.social
およよ
@sdo10d.bsky.social
7 followers 65 following 1 posts
Posts Replies Media Videos
Reposted by およよ
kedamagnsn.bsky.social
ドクターひとつ、持ち帰りで | けだま #pixiv www.pixiv.net/novel/show.p...
Sco博に手を出してしまいやした
#Sco博 ドクターひとつ、持ち帰りで - けだまの小説 - pixiv
※全員生存if ※情けないｴｵﾍﾟが見たい人向け お持ち帰りに失敗したSco博のはなし
www.pixiv.net
December 1, 2024 at 3:58 PM
Reposted by およよ
nbskpk.bsky.social
Sco博の、ポメガバースパロ。ポメ化したScさんが博さんにめいっぱい撫でまわされたあとにファーストキスをもらう話。ギャグです。
「ドクターたいへんです！　Ｓｃｏｕｔ隊長がポメラニアンに！」 「サルカズにまれに起こる症状なのだが、ストレスが過剰に溜まってしまった際にポメラニアンの姿になってしまうのだ。なに、放っておいても一日程度で元に戻る。軽い風邪のようなものだと思ってくれればよい」 「で、その黒いもふもふがＳｃｏｕｔなんだな？」 「キュウ……」 　しおしおと打ちひしがれた表情で（犬の表情というものがこんなにも感情豊かであることをドクターは初めて知った）、Ｓｃｏｕｔであるらしいその黒いポメラニアンは心底申し訳なさそうに鳴き声を上げた。あのＳｃｏｕｔがＬｏｇｏｓの腕の中で大人しく丸くなっているのだから、どれほどしょげているのかなど言うまでもないだろう。 「それで、どうして私なんだ？」 「先ほども告げた通りではあるが、この症状の原因はストレスだ。回復には落ち着く人間の傍にいるのが一番良いとされている」 「仕事場って余計にストレスが溜まらないか？」 「うぬの傍であれば、『こやつ』にとってはどこであれ天国だろうよ」 　きゃふ、とどうやらＬｏｇｏｓに吠えかかろうとしたらしいのだが、その喉からは愛らしい声しか出てこない。かわいい。かわいいなぁ。もちろんＳｃｏｕｔは人間のままであったとしてもかわいらしい男なのだが、まさかこんな違った一面を持っていたとは驚きだった。違う、脱線した。今はこのかわいらしいＳｃｏｕｔをどうにか元に戻さねばならないという話をしているのだ。 「では我はもう行く。なに、足元にでも転がしておけばよい。そのような形でも中身はＳｃｏｕｔだ、うぬに危害を加えるようなことだけはあるまいよ」 「君たちは仲が良いのか悪いのかわからないなぁ」 「無論、我らは信頼で結ばれた同僚であるとも」 　がるる、と愛らしすぎる唸り声など角の先ほども気に留めずに、Ｌｏｇｏｓは颯爽と去っていった。残されたのはドクターと、Ｓｃｏｕｔであるという黒いポメラニアンという一人と一匹だけである。 「Ｓｃｏｕｔ、その、君なんだな」 「キュウン……」 　かわいいなあ！（以下略）違うんだ、これは決して邪な下心からではなく、純粋に彼の身を案じてその現状をくまなくチェックしようとしているだけであって、あっすっごくふわふわ。 「キャフ」 　困惑する様子すら愛らしい。違うんだ（以下略）いや、もうここまで来てしまったら言い訳に意味などないだろう。意味など最初からなかった？　その通りだ。 「ふ、ふふふ」 「キュ、キュウ？」 　おもむろに椅子から下りたドクターはＳｃｏｕｔ（ポメラニアンの姿）と視線を合わせるためにゆっくりとしゃがみ込む。そして怪訝そうな表情の真っ黒のぽわぽわが心配そうにドクターの膝に前足をかけて見上げてくるのをそっと抱きしめると、躊躇なくその毛皮に顔をうずめた。 「ふふ、かわいいな、Ｓｃｏｕｔ。こんなにかわいい姿になってしまって、まったくどこまで私の心を揺さぶれば気が済むんだ。もちろん君はいつだって愛らしいが、今の君はこうやって私でも抱きしめられるのがいい。いつもの君は大きくてむしろ私が包み込まれるほうだから、いつかこうして君を抱きしめてやりたいとずっと思っていたんだ。今日という今日は私が満足するまでこのままでいてもらうからな、ふふ、角もちゃんとあるんだな。もこもこに埋もれてしまっているがちゃんと君の角だ、こんなところまで君は愛らしい」 　ところで一方、もっしゃもっしゃと撫でまわしているドクターの腕の中で身動きが取れずに固まってしまっているＳｃｏｕｔについてだが――彼はおおいに混乱していた。なにせ自身のストレス管理が原因とはいえ、いきなり小さな犬の姿になってしまったかと思えば、尊敬し敬愛してやまない大切な人からぎゅうぎゅう抱きつかれているのである。しかも全身をくまなく撫でられながら、あらゆる場所にキスまでされている。もしも幸せというものを具現化したら今の自分の姿になるに違いない、とポメラニアンになったＳｃｏｕｔは本気で考えていた。そのくらいには、満面の笑みのドクターに頬ずりされて いるＳｃｏｕｔは幸いに満たされていたのである。だからそのときＳｃｏｕｔの頭からはすっかりとある事実が忘れ去られていた。ポメラニアン化現象というものはストレスが引き金で発生し、そしてストレスさえ解消してしまえば――つまり幸せな感情に満たされてしまうと元の人間の姿に戻ってしまうということを。 「あ」 　ぽふん、とポメラニアンになったときと同様に、唐突にＳｃｏｕｔは人の姿に戻った。ドクターは床に膝をつく形で小さな犬の姿のＳｃｏｕｔ撫でまわしていたため、いきなり元の大きさに戻ったＳｃｏｕｔは勢い余ってそのままドクターを押し倒す体勢となった。 　　当然ながら、全裸で。 「すすすすすまない！　今すぐ退く！」 「あ、あぁ、慌てなくていい」 　一糸とてまとわぬたくましいサルカズ戦士の肉体美から頑張って目線をそらしつつ、ドクターは自らも身を起こそうとよろよろと床に腕をついた。そして動悸を抑え込もうと努力している耳に、さらなる悲劇を呼ぶ足音が聞こえてしまった。 「ドクター！　Ａｃｅが手を離せないからって代わりに報告書持ってきたよ…………って、え、Ｓｃｏｕｔ！？」 「ブレイズ、いやこれは違うんだ。これは不幸な事故というもので、しかし厳密には私にとっては不幸ではないんだが」 「待て、ブレイズ外に向かって何をしようとして、」 「みんなー！　聞いてーー！　Ｓｃｏｕｔがとうとう本懐を遂げたよ！　今日は飲むよ！！」 　うおおおと廊下から聞こえた歓声の意味はまったく理解できなかったが、少なくとも事態がまずい方向に転がり始めていることだけはドクターにはわかった。どうして彼ら彼女らは口々におめでとうございます、だの、長かったな、だの叫んでいるんだ？　というかこの私の体の上で静止している偉丈夫が今にも舌噛んで自害しそうなのを止めなければいけないんだが一体どうすればいいと思う？ 「あー、ＰＲＴＳ、とりあえずこの部屋のドアをロックしてくれ」 　閉じる扉の向こうでブレイズが満面の笑みでサムズアップしていた気がしたが、とりあえずドクターはいっ たん忘れることにした。そんなことより目の前のＳｃｏｕｔだ。 「Ｓｃｏｕｔ、顔を上げてくれ」 　まるで死刑宣告を受けた囚人のようだな、というのが普段ならば浮かぶ感想だろう。だが先ほどまでの印象から、どちらかといえばスリッパを隠したことを咎められた飼い犬のようだなとたいへん失礼なことをドクターは考えてしまった。そもそもＳｃｏｕｔは悪くなく、むしろ厄介なサルカズ特有の体質含めてこの状況の被害者なのである。しょんぼりと伏せられたサングラス越しでない眼差しに小さく微笑みを返し、ドクターはそっと口を開いた。 「君は幸福の閾値が低すぎる。もっと私に君を愛でさせてくれたっていいだろう」 「…………は？」 「だからそんな、今にも舌噛んで死にそうな顔をしないでくれ。私のファーストキスをあげるから」 「なっ」 　そうして勢いよくぶつけたくちびるは、勢い余りすぎて鋭い犬歯と衝突事故を起こしてまあまあ痛かったりもしたのだが、ドクターはといえばＳｃｏｕｔの自害を防げたことにたいそう満足していたので、にっこりと笑ってその大きな体躯へとさらに抱き着いたのだった。
December 1, 2024 at 6:23 PM
Reposted by およよ
takaomi.bsky.social
方舟/Sco博♂
足の長い男にちょっとカーゴはかせたくなっただけの出来心だったんだけど、まあ普段とあんまり変わらんか…
November 30, 2024 at 4:22 PM
Reposted by およよ
tunaoisii345.bsky.social
Sco博♂
スーツと銃とチョロい男
December 1, 2024 at 11:03 AM
Reposted by およよ
asaiinu.bsky.social
書いてるアピールでもしておくか。目標はクリスマスに完成品をどこかに載せる、です。
Sco博♂睡眠姦の導入（1/2）
November 28, 2024 at 1:52 PM
Reposted by およよ
seahareii.bsky.social
sco博
November 21, 2024 at 12:34 PM
Reposted by およよ
nbskpk.bsky.social
Sco博、酔っ払い博さんと迎えに来たScさんの賭けと手品の話。間接キスもしている。Scさんが手品が得意なのモテ男仕草すぎて天を仰ぐしかなかった
「酔っ払いを迎えに来た？　まだ飲み始めたばかりだし、私は全然酔っていないぞ、Ｓｃｏｕｔ」 　なんて真っ赤な顔で主張されてたところで、まったくもって説得力というものがないのである。 　ロドスアイランドのバースペースがほどよい喧騒に満ちる中、その中心でドクターはなおも未練がましくＳｃｏｕｔの取り上げたグラスへと手を伸ばす。正確には、手を伸ばそうとしてバランスを崩しかけてふらりと倒れたところを、危なげなくＳｃｏｕｔにキャッチされた。 「ほらな、ドクター。今のあんたに必要なのは水と適切な睡眠だ」 「うぅ……ようやく久しぶりに飲みに来れたのに……」 　周囲からの『距離近っ』『さりげなくに見せかけて俺らへの牽制が凄い』『いっそ役得だろ』『あーあーご馳走様です』などの雑音は聞こえなかったふりをして、Ｓｃｏｕｔはドクターを支える腕にぐっと力を込めた。 「なぁ、本当に駄目だろうか。せめてその残っている分だけだ。口を付けたばかりだったんだから」 　至近距離からの計算された角度での上目遣いに、Ｓｃｏｕｔの喉がぐっと鳴る。この一筋縄ではいかない手ごわい酔っ払いは、酔っ払いなりに攻撃手法を変えてきたらしい。こういうときにも回るのはいっそ悪知恵と呼んだほうがふさわしいだろう。なにせＳｃｏｕｔにはてきめんに効果があるのだから。しかしＳｃｏｕｔとて侵入潜伏情報収集のプロであるからして、このような状況であっても冷静に――うおっ耳にかかる細い吐息が熱い――表面上は冷静に次の手を打つことができたのである。 「じゃあゲームだ、ドクター。今から俺はこのコインをどちらかの手に隠す。あんたはコインがどっちにあるかを当てる。あんたが当てたらこれは飲んでいい。俺が勝ったら大人しく今日はお開きだ。どうだ？」 「う、ん？　コイン？」 　酔っ払いの目がパチリと開き、Ｓｃｏｕｔが指先に出現させた一枚のコインに視線がくぎ付けになった。種も仕掛けもないぜ、と差し出された年季の入ったコインを酔っ払いの指は何とか受け取り、何度かひっくり返したりなぞってみたりとあれこれ試していたが、やがて、うん、という頷きとともにコインは持ち主へと返却された。 「それじゃあ、よく見ててくれよ。三、二、一……さあコインはどっちだ？」 　ふらりと揺れる酔っ払いの目はＳｃｏｕｔの手元をじいっと凝視している。この人の視線が一瞬とはいえ奪えたというだけで、Ｓｃｏｕｔにとってはこの世のすべての財宝にも代えがたいことではあったが、そんなＳｃｏｕｔの眼差しにこもった熱量はひきつった顔をした外野だけが目撃者であり、その対象であるドクターはといえばうんうん唸って悩みながら、最終的にＳｃｏｕｔの右手へとそっとドクター自身のその細い指先を乗せたのだった。 「こちら、だと思う……え、うそ、ない？」 「残念だったな、ドクター。じゃあこれで今日はお開きだ」 「不正だ！　誤魔化しだ！　詐術だ！」 「そうだぜ、ドクター。だが本当にあんたの言う通り酔っぱらってなんていなかったら、こんなチャチな手品なんて容易に見抜けたはずだ」 「ぐっ」 　かわいい顔をされても、賭けはＳｃｏｕｔの勝ちである。にやりと笑ってグラスの残りを一気にあおると、Ｓｃｏｕｔはその軽すぎる体を担ぎ上げ、すたすたと出入り口へと向かう。その背にかかるヒューヒューという指笛と冷やかしには尻尾をピシリと打ち返して、けれども担いだ大事な戦利品は極力揺らさないように。観念したのかそれとも急に動いたことで酔いが回った のか、肩の上ですでに半分瞼が落ち始めているドクターは、しかしなおも納得がいかないとＳｃｏｕｔの外套を握りしめもにゃもにゃと文句を言っている。 「つぎには絶対につきあってもらうからな」 「おーおー酒くらいならいくらでも付き合うさ。だが今日はもう休んでくれ」 「きみたちが、みんなが大事なんだ。そのためなら私はなんだってするんだ」 「……ああ、そうだな」 　この人が、初めて指揮をとった戦場でどんな顔をしていたのかをおぼえている。それまで当たり前だと思っていた地獄に、ひょっとしたら実は違う道があるのかもしれないと信じさせてくれた。それからの日々の、なんと輝いていることか。 「ひとりで眠りたくない。君の部屋に連れて行ってくれ」 「……了解」 　ドクターの憔悴した目元の隈は、最近ますますひどいものとなっている。あと何度、この人は俺を頼ってくれるのだろうかと寂しさを胸の奥にくゆらせながら、Ｓｃｏｕｔはそっとドクターの体を抱きしめなおした。
November 14, 2024 at 11:50 AM
Reposted by およよ
seahareii.bsky.social
sco博
November 9, 2024 at 12:34 PM
Reposted by およよ
yanainayn.bsky.social
Sco博
November 8, 2024 at 3:40 AM
sdo10d.bsky.social
凄い完成度だ〜✨
November 6, 2024 at 3:06 AM
Reposted by およよ
029meat.bsky.social
🐴ムリ博🥼

💻優秀な秘書が残業を阻む
October 31, 2024 at 6:26 AM
Reposted by およよ
4169.bsky.social
Logo博 微々たる嫉妬を込めて
October 30, 2024 at 8:28 AM
Reposted by およよ
asaiinu.bsky.social
L先生のこと子ども扱いしてるSさん、気安い親戚のおじさんみがあるし、二人がクソゲー対決してるのを微笑みながら眺めている博♂はSさんの人妻で幸福の絶頂期だし、クソゲーは博がランキング一位取るし、L先生のママと博♂はママ友してて動画通話で二人の様子を背景にお話してるし、Sco博♂家に居候しているLくんはSさんの死後未亡人の博♂を生涯支えるLog博♂するよ。純愛の世界だね。
離せ！！！！正気！！！！ー！！、ヴンッ！！！！
October 30, 2024 at 12:42 AM
Reposted by およよ
sayuuhakotei.bsky.social
これはSco博(うさぬい)の下書き…。
October 25, 2024 at 10:48 PM
Reposted by およよ
asaiinu.bsky.social
ずっとSco博を眺めていたい！もっと詳しく言うならSさんの尻尾を健全手コキする博♂を眺めてるAごと眺めていたい！無言で博の隣にスツール移動させて尻向けて座って尻尾差し出すAが見たい！たい！
October 24, 2024 at 10:51 AM
Reposted by およよ
rc4213.bsky.social
特供翻译版本
October 22, 2024 at 6:23 AM
Reposted by およよ
rc4213.bsky.social
变魔术哦
October 21, 2024 at 6:59 AM
Reposted by およよ
rc4213.bsky.social
sco博
*都怪博士
October 21, 2024 at 5:02 AM
Reposted by およよ
taipe.bsky.social
通販の時の銀博♂
October 20, 2024 at 9:09 AM
Reposted by およよ
noibararamblue.bsky.social
実際、もしScが博の真実を知っていたらシスと同じ選択肢を取らなかったか？ていう疑問はずっとあって、仲間たちと最後の時を寄り添うこともできず何万年と眠りにつき目覚めた今はたった一人でその計画の重責を背負うことになった人の苦しみのためにその人の最初の願いを叶えるべきではないのかたとえそれが自分たちの滅亡でも、て一瞬でも悩み考えずに彼はいられるだろうか
October 20, 2024 at 12:09 AM
Reposted by およよ
neeekochan.bsky.social
October 20, 2024 at 2:34 AM
Reposted by およよ
rc4213.bsky.social
光明正大偷眼镜啊
October 20, 2024 at 1:28 AM
Reposted by およよ
nbskpk.bsky.social
注！バベルイベのネタバレを含みます！
Sco博、甘い飲み物の話。本編時間軸なのでScさん出てきません。コーヒーの袋は博さんが飲みすぎるので手の届かない高いところに置かれてしまったとか何とか
　武骨でロゴの擦り切れたマグカップにそそぐのは、火傷しそうなほどに熱いコーヒー。そこに砂糖を、スプーン山盛りいつもの倍。そうしてできあがった甘ったるい飲み物に口をつけて、ドクターはようやく肩の力を抜いたのだった。 「ケルシー、自分に恋人はいたのか？」 「……どうしてそのように考えたのかを聞かせてくれ」 　毎朝の検査はテキパキと忙しくも恙なく、けれども数週間も続ければひとつふたつ会話を挟む心の余裕くらいは生まれるもので。その中でふとドクターが口にした疑問に、ケルシーは検査機器を片付ける手を止めることなく、続きを促した。 「自室だと言われたあの部屋だが、自分ひとりで過ごしていたにしては動線に違和感がある。そして置いてあった日用品に、自分の物ではない物がいくつか混ざっていた」 　たとえば手の届かない棚の上に置かれたインスタントコーヒーの粉であったり、ドクターの握力では開くこともできない専門的な工具箱であったり。初めて足を踏み入れた部屋からは、濃厚に他者の存在が香った。定期的に入っていたという清掃だけでは説明がつかない、あからさまに近い距離感。だが自分がロドスに帰艦してしばらく経っても、その説明をしてくれる人物は現れなかった。 「君と、そのオペレーターの間にどんな感情があったのかまでは把握していない。だが君がすでに推察している通り、そのオペレーターは死亡している」 「そう、か」 　薄々わかってはいたのだ。原因が自分の記憶喪失であればよかった。こっぴどく振られたのに未練がましく私物を処分できないだけならまだマシだった。姿を見せないという理由のうち一番最悪のケースを言い渡 され、ドクターは力なく肩を落とした。 「残された私物はどうしたらいいだろうか。遺族の方がいれば渡したほうがいいんだろう」 「当該のオペレーターに身よりはない。私物の処分は君が決めてくれていい。困難であれば専門スタッフを派遣する」 「……少し考えさせてくれ」 　それが彼女なりの気遣いであろうことは、この短い付き合いの中でも理解した。気に病むくらいならば第三者に任せてしまうのも選択肢ではあるのだろう。だが、ドクターはそれを選びたくはなかった。任せて楽になって、その後に何が残る？　ただでさえ記憶のない自分に残された、なけなしの『思い出の品』なのだ。 　そうして検診終了とともに診察室を追い出されたドクターは、本日も仕事が山積みの自身の執務室へと、ノロノロと歩みを進めたのだった。 　ようやくひとつの作戦を終えてロドスの私室へと帰りついたドクターは、いつものルーティンのために戸棚を開けた。武骨で大ぶりなマグカップはありふれた市販品だし、インスタントコーヒーはとっくの昔に消費期限が切れている。砂糖の瓶はどうしても開かなかったので、最終的にエンジニア部の力を借りることにまでなったのは、いまだにからかわれるネタだ。それらをデスクの上に並べて、備え付けの電気ケトルでお湯を沸かせば、あっという間に出来上がるのは温かいコーヒーである。 　武骨なマグカップはドクターの手には少し重い。擦り切れたロゴの位置からするに、元の持ち主はドクターよりも手が大きかったのだろう。入れすぎた砂糖による舌にまとわりつくような甘ったるさは、普段のドクターの好みとはかけ離れている。だがこのひと時ばかりはこの甘さこそが正解なのだと、ドクターは思考よりも先に理解していた。 「君は、生きて帰ってくるつもりだったんだな」 　部屋のそこかしこに残る気配には、あたたかな日常があった。無事に帰れたのならば、当たり前に続きがあったはずの日常。その残滓の中で、ただひとりドクターだけが呼吸をしている。 　マグカップは大きいが、コーヒーを飲み干すのにさほど時間はかからなかった。香りも何もないインスタントコーヒーの大袋は、そろそろ底が見えている。新しいコーヒーを買いに行かなければならないな、とドクターはぼんやりと考えた。とびきり苦いのがいい気もするし、軽くて飲みやすい種類がいい気もする。けれども、きっと、自分は同じインスタントコーヒーを買ってしまうのだろうとドクターは理解していた。 『甘いものを飲めば少しは楽になるぞ。俺の経験談だ』 　聞いたこともないはずの声が、優しくドクターの脳に響き渡る。そうか。君が言うのならばやってみよう。続けてみよう。帰ってくるつもりだった君の代わりに、ここで、ひとりで。 「――――」 　呼ぶこともできない名前を、声を出さずに呼ぶ。思い出の中で、顔も知らない誰かがくしゃりと笑った気がした。
October 19, 2024 at 6:13 PM