笹野
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笹野
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成人済み20↑
ゲーム、マンガ、夢小説も読む。
一次、二次、男女、男男、女女、女男なんでもあり。
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イベント〜
August 17, 2025 at 3:07 AM
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そういや今回のお品書き
こっち側のアカウント見ててイベントから人間がどれほどおるんか知らんが
August 15, 2025 at 5:25 AM
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そういや8/17のインテサークル参加します〜
新刊二冊と別ジャンル既刊三冊あります
6号館B R46aにおります
よろしくお願いします
August 6, 2025 at 7:34 AM
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【サークル参加します!!】08月17日（大阪）GOOD COMIC CITY 31 大阪 内 忍FES. 32｜ #イベントGO_赤ブー www.akaboo.jp/event/item/2...

そういえばすっかり言い忘れてたのですが、イベント出ます✌️
泡沫さんと一緒ですやったー！！
五年本の方は今必死で書いてます。
よろしくお願いします！！
サークル名:梨は追熟しない 頒布物:こへ長SS詰め（全年齢）、五年生同軸総当たり本（R-18）
July 10, 2025 at 1:39 PM
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飛誕生日の飛益SSです。
飛→益かも。
お誕生日おめでとうございます！！
本文内容1 　今日一日で、飛高は何度祝福の言葉をかけられただろうか。ありがたいことに、それは数え切れないほどで。今までの人生で一番かもしれない、と思う。自分のようなクソカスにみんな優しいよな、と思いつつ、飛高はどこか満足していない自分に気付いていた。 　いろんな人に祝われておいて贅沢な、と自分でも思う。が、どうしても引っ掛かりが残る。理由は明白。今年はまだ、益村からおめでとうと言われていない。そもそも今日は何故だかタイミングが合わず、顔を合わせて会話をする時間すらなかったのだ。 　そうこうしている間に、消灯時間も近づいて。嬉しいはずなのに不完全燃焼だな、と思いつつ飛高も部屋に戻ろうとすると、く、と袖を引かれる感覚。飛高が振り返ると、そこには益村の姿があった。急いでいたのか、珍しく息を荒げている。飛高はその姿を見ながら、こうやってちゃんと顔を合わせるのも今日は初めてかもしれないな、と関係ないことを考えた。益村がモゴモゴと言葉を発する。 「少し、時間をもらえるか。ここじゃ恥ずかしいから、移動したいんだが。無理なら別に良い」 本文内容2 「あ、うん……全然大丈夫です……」 　飛高の言葉にホッとした顔をして踵を返した益村の後を、飛高は黙ったまま着いていった。寮の端の方の人通りの少ない廊下で足を止めた益村は、飛高を振り返ると、えらく真剣な顔をして言った。 「誕生日おめでとう飛高。俺はここで、帝徳に来て、飛高に会えて良かったと思ってる。……お前が生まれてきてくれて、本当に良かった」 　なんて言うと変な感じだけどな。照れくさそうに頰を搔く益村に、飛高は目を見開いて思考を宇宙へ飛ばしていた。だってまさか益村の口からこんな熱烈な言葉が出てくるとは思わなかったから。ドラマの中か、小説の中か、どちらにせよフィクションの中でしか。それも所謂恋愛ものと呼ばれるやつの中でしか見ないような言葉たちだった。これは告白と思って良いのか？　飛高の頭の中の飛高が良いんじゃね？　と無責任に言い放つ。普通こういった場面では唆す悪魔と嗜める天使が現れるはずだろうけど、幸か不幸か飛高の脳内に現れたのは背中を押しまくる側一人だけだった。 「益村！！」 本文内容3 「……どうした？」 「俺、益村のこと幸せにするから……！！」 　　飛高は益村の手を取って宣言した。誰もいない廊下に飛高の声が反響する。益村は移動しておいて良かったなと思いつつ、頭の中で飛高の言葉を咀嚼した。あまりにも唐突だったので、一瞬なんと言われたのか分からなかったが、思い返してみてもよく分からない。何故か決意に満ちた顔をしている飛高にとりあえず頷いて益村は。 「とりあえず一から説明してもらえるか？」 　そう言った。
March 6, 2025 at 2:23 PM
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益が妻子持ちで独身飛と不倫してる飛益。
浮気なので倫理観はカスです。
前半娘視点、後半益視点。
「おとーさん、ひだかくんからライン？」 「そうだ。飛高がまた会いたいって言ってたぞ」 　お父さんがわたしの頭をなでる。わたしはひだかくんが会いたいって言ってくれたのが嬉しくて、両手を上げて喜んだ。 「やった！！　わたし、ひだかくん大好き！！」 　いつもうちに遊びに来るときはお菓子を買ってきてくれるし、頭をなでてくれるし、自転車の練習にも付き合ってくれる。おとーさんに撫でてもらうのも好きだけど、ひだかくんの手はおとーさんのより大きくてもっと好き。これを言ったらおとーさんはぜいたくだな、って笑ってたけど。 「よく飛高からってわかったな」 「わかるよー！！　おとーさん、ひだかくんからライン来たら嬉しそうだもん」 　おとーさんは口元に手を当てた。わたしが見上げても表情は見えなくて、なんで隠すんだろー？　ってわたしは首をかしげる。 「おとーさん、ひだかくんにまた遊びに来てねって言っておいて！！」 「ああ、わかった。ちゃんと伝えておくよ」 　おとーさんはいつもより強めにわたしの頭をなでた。 　益村は自分の顔を撫でた。飛高から連絡が来て、自分はそんなに表情に出ていただろうか。飛高とは高校時代からの友人であり……おおっぴらには言えない関係性でもある。独身の飛高はともかく、益村は既に妻子を持つ身。二人の関係が公になれば、碌なことにはならない。そこまで分かっていながらなぜその関係を絶てないのかと問われれば、単に益村の甘さが故であるのだが。益村は高校の頃から飛高に一等甘く、本気で乞われてしまえば拒むことなど出来ないのであった。 　今週末、会える？ 　そう書かれた画面を眺める。飛高がこうやって声をかけてくるときは、大抵欲を発散したい時だ。つまり、これに承諾の返事をするということは、益村が妻に不義理を働くということ。良くないことだとわかっている。益村が逡巡している間に、飛高から追加のメッセージが送られてくる。 　ダメ？ 　わかった。 　反射的に送ってしまった返事に、益村は頭を抱えた。送ってしまったメッセージを取り消す前に既読がついてしまって。すぐにスタンプが送られてくる。気の抜けた顔の犬のスタンプ。益村の娘が、飛高への誕生日プレゼントに、と送ったもの。これをここで送ってくるのが飛高らしい。勿論良い意味ではない。ただ、飛高にそんなデリカシーは期待できないと、益村はよく知っていたから。最初から期待していない。益村は結局、なにも言わずに娘からの伝言を伝える。それに了解と帰ってくるのを見て、やっぱり飛高は飛高だな。益村はアプリを閉じた。
January 21, 2025 at 2:11 PM
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飛益
無配の前半を没にしたので勿体無い精神で投げておきます。
人間飛×蛇益
蛇成分は薄めです。
本文内容 　益村は蛇である、らしい。飛高から見れば益村は自分よりもよっぽど人間としてのレベルが高い――俺が比較対象になるのがそもそも烏滸がましすぎかも、と飛高は思ったりする――が、まあ、益村がそう言うのならそうなのだろう。益村はあんまり冗談を言う方でもないし、俺は蛇なんだ、と口にする益村は真面目な顔をしていたから。飛高はそれを聞いて、頷くばかりだった。ある晩、下半身がヘビになっているところを見て、信じざるを得なくなったが。 　それももう数年前の話。今や飛高と益村は季節を一緒に過ごす仲で。なんなら床を共にする仲でもあって。未来ってわかんないもんだな、と飛高は常々思っている。 「寒っ」 　飛高は身を起こして、思わずそう呟いた。冬が訪れたのは少し前のことだったが、今朝は随分ぐっと気温が下がったらしい。もしかしたら雪でも降るかもしれない。空調のリモコンで暖房をつけながら、飛高はベッドの上、自身の隣を見遣る。そこにはこんもりと布団の山が出来ている。毛布を体の上と下に一枚ずつと、羽毛布団もかけて、万全の寒さ対策で益村が眠っているのだ。その中では。 　寒さに弱いところは蛇っぽいかもしれない。飛高がそんなことを考えていると、布団の中からゆっくりとした動きで手が出てくる。それはまるで蛇のように布団の上を這って、飛高の腕に触れると、くい、と引き寄せた。飛高が大人しくそれに従って布団に潜り込むと、益村は飛高に巻き付くようにして暖を取り始めた。冬の益村の体温は少し低く、飛高が触れると段々と温かくなっていく。 　ふー、と益村が安心したように長く息を吐く。その幸福感に満ちた吐息を聞いてしまうともうだめだ。やりたい事はあったけれど、湯たんぽでもなんでも、なってやろうと思ってしまう。ただ、このままではどうにも座りが悪い。 「益村、一回緩めて」 「む……」 　飛高の要求に、益村は目を開く。そして一瞬だけ逡巡して、それから巻き付く力を緩めた。まだうとうとしているらしく、益村はいつもより素直で。やや不満気な雰囲気が醸し出されていた。自由に動けるようになった飛高は、もぞもぞと布団の中で体を動かして益村を抱きしめる。この方が、より熱が伝わるだろう。 「もういいか」 「もう良いよ」 　少し舌足らずな声で益村が問うのに、飛高は許可を出してやる。そうすると待ってましたと言うように、益村の腕や足が飛高に触れる。飛高にはちょっと暑い布団の中。触れた箇所から益村の心音を聞く。益村の心音は最初緩やかで、段々と激しく脈打った。 「……益村、ドキドキしてる」 「仕方ないだろう……」 　意識が覚醒してきたらしい益村が、四肢から力を抜いていく。益村曰く、寒いと理性が緩んでしまう。故に熱を求めて寄っていってしまうのだ、と。温まってくるといつもの自分が顔を出して、飛高とくっついていることに照れを感じてしまうのだと。 「ありがとう飛高。もう充分だ」 　身を離そうとする益村を、飛高はぎゅっと抱きしめる。益村は抵抗をしない。 「もうちょっと。……もうちょっとだけ、こうしてて。今日休みだし……」 「……逆上せる前に出ろよ」 　はあ、と益村がため息を吐いて。微かに笑う気配がした。
January 13, 2025 at 3:33 PM
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滑り込み翔当の日！！
定番中の定番、身長ネタ。
既に付き合ってるし、それが周知されてます。
本文内容 　飛高は割合長身な方である。流石にその自覚はある。これで身長が低いとか言ったら流石に各方面から怒られてしまう。日本人男性の平均身長は優に超えているし、周りも基本的には自分より身長が低い。だから、自分よりさらに十センチも身長の高い陽ノ本を見たときは驚いたものだ。そのあと外見だけではなく中身にも圧倒されて、飛高は陽ノ本のことをすごいやつだと認識するようになったのだが。 　閑話休題。 　話が逸れたが、大切なのは陽ノ本は飛高より身長が高いこと。陽ノ本がたまに飛高の旋毛に口付けてくれるのを、飛高は気に入っているがそれはそれ。飛高が背伸びをしないとキスの一つも出来ない。こういう時、飛高は少し情けなくなる。陽ノ本はそんなことないよ、と言ってくれるだろうとわかってはいるのだが、男のプライド――俺ごときがプライドとか抜かしてんじゃねえって感じですよねすみません――が許してくれないのだ。まあ、今更十センチも身長を伸ばすというのは現実的ではないので、諦めているのだが。最近の飛高の悩みはもっぱらそんなことだ。 　そしてそれを今、陽ノ本に知られて、飛高は身を縮こまらせていた。いや、うっかり他の人も来るような場所でそんな話をしたのが悪かったのだが。でも寄って集って話せと詰められたら言わないわけにもいかないだろう？　この状況の元凶たちは陽ノ本が現れた時点でそそくさと姿を消して、この場にいるのは既に飛高と陽ノ本の二人だけだ。逃げ足が速すぎる。あとで一言くらいは言ってやろうと思いつつ、飛高は陽ノ本の様子を伺う。とりあえず、飛高の言葉で気分を害したりはしていないらしい。良かった。飛高は胸を撫で下ろす。 「翔太がそんなこと考えてたなんて、気付かなかったな」 「いいよこんなの気付かなくて……むしろ気付かない方がありがたいっていうか……」 「うーん。あ、いつも翔太から来てもらってるし、俺から行くのはどうかな？」 　陽ノ本は飛高との距離を詰めると飛高の唇を奪う。そして照れくさそうに笑った。 「ちょっと恥ずかしいかも。毎回俺からは照れちゃうかも。でも縮んだりは出来ないし……あ、屈めば良い？」 「それは……俺が合図したらってこと？」 　これくらいかなあ。そう言いながら陽ノ本が少しだけ屈む。いつもキスの時は目を閉じているからか、屈んだ陽ノ本が目を閉じた。飛高はその様子をじっと見据えた。自分とのキスのために、陽ノ本が屈んで、目を閉じて。所謂キス待ち顔ってやつだ。これは悪くないかもな。結局俺は情けないままだけど、それが気にならないくらい。そう思いながら、飛高は陽ノ本に口付けた。
January 11, 2025 at 2:55 PM
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番外編その3人外パロ飛益。
人外の飛と人間の益。
この設定でやる以上この話書かんのはないやろと思ってる益獣化回。

あと言い忘れてましたが、一応続きその9で本編完結です。あとは適当に書きたいところちまちま書く形になると思う。
本文内容 　きゅう、と弱った獣の鳴き声がして翔太は目を覚ました。翔太以上の格を持った神以外は許可なく出入りできない神域にある、屋敷周辺にこのような鳴き声の獣はいないはずで。何事か、重光は無事かと飛び起きた翔太の目に入ったのは、布団の上で落ち着かない様子のオオカミ一匹だった。ついでに床を共にしたはずの重光の姿が見えない。 「重光？」 　暗い茶色の毛並みをしたオオカミは翔太の呼びかけに控えめに下がった尻尾を振った。これが重光らしい。オオカミにしては表情豊かに困り顔をした重光は、翔太の膝に前脚を置いて、あうあうと鳴き声を漏らした。 「あー。客神とかにちょっかいかけられたのかなあ……」 　きっと翔太の昔のを知っているものの仕業だ。そんなことをしそうな奴らの顔を頭の中で列挙する。が、心当たりがそこそこ多くて誰の仕業かは絞りきれなかった。翔太の友人には愉快犯やら、善意でやる奴やら、色々なのがいるので。 　布団の上に座って重光と目を合わせる。瞳は黒いのだな、と思った。オオカミの目の色は明るい色が多いから。翔太の瞳も金色――重光はこの色を気に入っているのか、よくじっと見てくる――だ。 　耳の後ろをかしかしと掻いてやると重光は目を細めて、ゆるゆると尻尾を振っている。毛並みに少し癖があるのが普段の重光の面影を感じさせた。中身は人間のままなのか、どうなのか。重光はふんふんと鼻を鳴らして飛高に懐いてきている。 「重光〜？」 　なんだ、と目線を合わせる重光に、言葉は理解しているようだが、人間としての意識はあるのかはあんまりわからないな、と思う。普段より素直な気はするなあ。鳥の声が気になるのか、頻繁に外を気にしているが、翔太が話すと翔太の方に顔を向けてくるのが可愛らしい。なんとなく、これは一日かもって数日のことだろうな、とわかった。仮にも神である翔太の直感はよく当たるのだ。 　体重をかけて来る重光を受け止めて、翔太は自分もオオカミの姿に変化した。翔太のオオカミ姿は通常のオオカミよりも二回りほど大きい。重光を見下ろした翔太は、重光を腕のうちに捕らえて、はみはみと毛づくろいをしてやった。重光は大人しくそれを受け入れている。それどころか気持ちよさそうに目を閉じていて。その無防備さに翔太は自制心を試されることになった。流石にマウンティングは重光をびっくりさせてしまうだろう。翔太が我慢していることなど梅雨知らず、お返し、というように毛づくろいをし返してくる重光に、翔太は身を任せる。少し不慣れな動きがまた健気で良い。 　ある程度毛づくろいが済んだところで、翔太は重光を捕まえて体を丸めた。くあ、と欠伸をすると、重光も釣られるように欠伸をして。翔太の腕の中でモゾモゾと動いたかと思うと、落ち着く場所を見つけたのか、長く息を吐いた。 　人の姿ではないのでお休みと伝えることはできないが、頭を擦り付けるとふかふかの毛並みがそれに応えて。たまになら重光をこの姿にするのも良いかもしれないな、と翔太は思った。
January 4, 2025 at 5:09 PM
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巳年なので
スプタン益の夢を見る飛の飛益
夢ですが深めの口付けの描写が軽くあります
本文内容 　夢を見た。夢の中で、飛高は恋人である益村と口付けをしていて。ドキドキしながら――この場合のドキドキは緊張であったり、下心であったりするのだけれど――益村の薄く開かれた唇の間に舌を捩じ込んで、益村の舌に触れた。温かくて濡れた口内で、柔らかな益村の舌と触れ合うのは、まさに夢心地だった。いや、実際夢だったのだが。なにせ現実の飛高と益村はまだ手を繋ぐところまでしか進んでいない。深い口付けなどまだ夢のまた夢だ。夢だけに。 　そんな冗談は置いておいて。 　話はそこで終わらなかった。舌を絡めるうちに、飛高にも少しだけ余裕が出てきた。そして、不思議に思う。あれ？　益村の舌、普通と違う？　なんか、良くわからないけど違う。訝しんだが故に動きの鈍った飛高に、うっとりと目を閉じていた益村が目を開けて。深い色の瞳で飛高を映した。唇を離すと、益村の唇が涎で濡れていて、その様子に飛高は目を逸らした。恋愛初心者には刺激が強すぎる。 　ごくりと唾液を飲み込んで、益村が飛高に問いかけた。 「どうした、飛高」 「んん……なんか、益村のベロって、俺のと違う？　気がして……俺みたいなキスもほとんどしたことないクソ童貞が何言ってんだって話だけど……」 「ふ……いや、お前の感覚は正しいよ飛高」 　微かに笑って、見てろ、と言った益村が口を大きく開く。寡黙な益村は普段口を大きく開くこともほとんどなく。故に、飛高の視線は益村の口内に吸い寄せられた。 「あ」 「えっ！？」 　れ、と伸ばされた益村の舌先が二つに割れていた。まるで蛇のように。飛高は驚いて、パチパチと瞬きをして、けれど確かに見間違いではないそれに、何を言うこともできず見入った。 「見過ぎだ、飛高」 「痛かったりはしないんだよね……？」 「痛くはない」 　する、と益村の口に舌が戻される。飛高は今見た益村の予想外すぎる姿に、未だ思考を奪われているままで。その様子を見て、益村が笑う。飛高にはわかる。これは益村が悪いことを思いついた時の笑いだ。 「お前の舌を挟んでやろうか。それくらいなら出来るぞ。普通に合わせるより気持ち良いんじゃないか」 「え、あっ、お、お願いします……？」 「ふふ……えっち」 　益村から言ったのに俺がそう言われちゃうの！？　そう思っているうちに益村は飛高に身を寄せていて。音もなく近づいて来るのが蛇のようだ、と思いながら飛高は合わせられる唇を受け入れた。 　ところで目が覚めた。 　なんか……すごい夢を見てしまった気がする。頭を抱える飛高を、益村が心配そうに見ている。 「益村……益村ってさあ」 「なんだ、飛高」 「ベロの先、割れてたりしない？　……蛇みたいに」 　飛高の予想では、益村は何を言い出すんだ、とかそんなわけないだろう、とかそんな答えが返って来るはずだった。ただ、実際は。飛高の問いかけに、益村は少し間を置いて。 「……内緒だ」 　それだけ言って、部屋を出ていってしまう。残された飛高はもう頭の中が大混乱で。益村の舌で頭がいっぱいの一日を過ごすことになるのだった。
January 4, 2025 at 4:07 PM
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続きその9。人外パロ飛益。
人外の飛と人間の益。
同衾！！飛益成立！！二つ目の約束！！って感じの話です。
本文内容 　新月の夜だけ共に眠るようになってしばらく。もう季節はいくつか巡っていて。いつの間にか翔太と重光は同じ布団で眠ようになっていた。きっかけがいつだったかは覚えていない。しかしそもそも昼寝だって翔太は狼の姿だけれど共にしていて、今更同じ布団程度で恥ずかしがることもなかろうと言われればそうなのだった。 　今日も月の無い夜で。重光は翔太と同じ布団に入って、うとうと微睡んでいた。翔太の体は温かい。元が獣だと言っていたから、それが由来なのだろうか。重光はそんなに人とよく触れ合った経験のある方では無いが、翔太の体は人より温度が高いように感じられた。 　重光はスン、と鼻を鳴らす。翔太の匂いを嗅ぐのにも慣れてきた。最初はあまり嗅ぐと頭がおかしくなりそうで少し避けていたのだが、今ではむしろ安心する。翔太の首に頭を擦り寄せると、翔太が重光の頭を撫でた。癖毛を撫で付けるように大きな手のひらが後頭部に沿うように動いて、重光はうっとりと目を細めた。 　重光の様子を見下ろして、翔太が笑う。 「重光も、大分俺と同じになってきたんじゃない？」 「何がだ……？」 「だってここに来た時の重光なら絶対にこんなことしなかったでしょ」 　そうか？　重光が翔太を見上げると、翔太は身を屈めて重光の鼻を甘噛みしてくる。くすくす笑って重光はそれを受け入れ、翔太は満足気に目を細めた。 　こんな触れ合い、最初は絶対に許されなかっただろう。翔太に傷付けられることはない。重光はそう理解したらしく、翔太の牙がその身に立てられても怯えることがなくなった。 「ねえ重光。そろそろ俺のこと、受け入れてくれる？」 「ん？　ああ……。翔太なら……良いのかもしれないな」 　ぽやぽやとした様子の重光に、今これを聞くのはずるいのかもしれない、と翔太は思った。だけれどもそれで機を逃しては意味がない。それに最初の出会いからして、半分騙すような形で名を握り約束までしてしまっているから、今更なりふり構う必要は感じられなかった。 「重光、俺のこと好き？」 「うん。好きだぞ」 「それは……どういう意味で？」 　翔太はドキドキしながら重光の返答を待った。とろとろと蕩けた顔の重光はゆっくりと考え込んで。それから返事を紡ぎ出した。 「そうだな、翔太のことは好きだ。意味は……友人として」 　ああ、翔太の頭に落胆が過る。しかし、重光の言葉がまだ続くのを見て、翔太はじっと待った。ここで焦ってはいけない。重光をこの山に連れてくるまでの十二年を思い出して、ゆっくりと息を吐く。 「それと、友達としてじゃなく好きだ。上手く言葉には出来ないが……」 「じゃあ、じゃあ！！　重光は俺と結婚してくれる？」 「ああ。そうだな……良いぞ」 　翔太は喜びのあまり飛び上がりそうになって、重光がくっ付いているので動きを止めた。ここで起こしてしまったら、伴侶の眠りを守ることもできないゴミカスうんちは離婚されてしまう。そう思ったが故に。 「重光、約束ね」 「……指切りだな。ふふ、あの頃みたいだ」 　今度は重光が、指切りの歌を歌う。指切った。そう言って離される手を翔太は掴む。左手の、薬指。現代ではここに婚姻の印をつけるのだと、翔太も知っている。 「重光、ちょっと我慢してね」 　左薬指を口に含んで、歯を立てる。食いちぎってしまわないよう。あくまで軽く。多少の痛みはどうしてもあって、重光の体がビクリと反応したが、暴れたりすることは無かった。くっきりとついた歯形に翔太は満足感で満たされた息を吐いて。 「ちゃんと、結婚式もしようね。また明日色々決めよう」 「ああ」 　重光が頷くのに、翔太は重光をぎゅっと抱きしめた。
January 2, 2025 at 8:01 PM
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続きその8。人外パロ飛益。
人外の飛と人間の益。
お友達から始めた二人が同じ部屋で眠る話。
　あれから、翔太と重光は――内心飛高と呼んでいるとうっかり口に出してしまうので、翔太と呼ぶようになった――友人として遊ぶようになった。と言っても屋敷の中か、二人で山を散策するくらいしかやることはないのだが。翔太は昼は基本的に重光と一緒に過ごすようになった。夜はまだ、伴侶ではないから、我慢ができなくなるといけないから、と遠慮されてしまうが、それでも以前、多くの時間を一人で過ごしていた時よりずっと楽しい。長く生きているらしい翔太の話は、重光が体験したことのないものも多くて聞いているだけで楽しいし。狼の姿になった翔太と明るい縁側で昼寝したりするのも気持ちが良くて好きだ。 　ただ、新月の日だけは。翔太の気分が沈むようだった。それは新月の晩に重光が逃げたことが原因であるから、重光には何も言えないのだが。 　二人で早めの夕飯を摂っている途中。暮れる日を目で追って、溜息を吐く翔太。ソワソワと落ち着かない様子が幼子のように見えて、重光は苦笑した。いや、翔太が優に重光の数十倍生きているし、人間と同じ基準で測ってはいけないことは重々理解したのだが。 「翔太。どうしても落ち着かないなら今晩だけ部屋に来ると良い」 「え……？」 「俺が逃げないか心配なんだろう。なら今日は一緒に寝れば良いんじゃないか」 　鳩が豆鉄砲を食ったような顔の翔太に、ハッとなって重光は手を横に振った。これだと、自分から夜の誘いをかけたみたいではないか。 「違う。そう言う意味じゃなくて……。ただ、今日だけは夜も一緒に。ただ、そう。寝ようって言いたかっただけだ。他意はない」 「あ……うん、そうだね？」 　重光の弁明にピンと来ていないような翔太の様子に、重光は顔が赤くなるのを感じた。自分が不純なように思えた。ここに限れば不純なのは重光で違いないのだが。 「まあ、とにかく」 　ごほんと咳払いをする。 「今日は夜通し話すでもなんでも。とりあえず布団を持ってくると良い」 「うん。じゃあ、ちょっと待ってて」 　ごちそうさま、と手を合わせて、翔太が自室に駆けていく。もはや羽を出して飛んでいきそうな勢いだが、その割に足音は一つもしない。あれはどうなっているんだろうな、そう思いながら重光も最後の一口を嚥下して手を合わせた。膳を部屋の外に出して――そうするといつの間にか片付けられているのだ。翔太と重光以外に人の気配を感じたことはないのだが――重光は自分の布団を敷いた。友人と夜更かしすると思うと、少しワクワクした。 　風呂も上がり、横に並べた布団に入る。部屋の明かりを消してしまうと部屋は真っ暗になる。月のある晩ならば障子越しに光が入るが、今日は新月だ。横にいる翔太の方を見ると、暗闇にポカリと月が二つ。翔太の目は本当に綺麗だな。重光は目を細めた。自ら発光しているように輝く瞳。よく見たら瞳孔の形も人間と違う。 「重光……見過ぎ」 「……悪い」 　視線が翔太の手により遮られる。そのまま目元を手で覆われて。暗くなってしまうと眠くなってしまう。夜通し話そうなんて言っておいて、すぐに眠ってしまいそうだ。 「翔太？　この手は……」 「重光、風呂入った時から既に眠そうだったし。寝ちゃって良いよ」 「そうか……？　悪いな……」 　重光は目を閉じた。翔太の手は温かくて、目元が温まって気持ちが良い。ふーと長く息を吐いて、重光は意識を手放そうとする。 「おやすみ、翔太」 「おやすみ。一緒に寝ようって言ってくれて嬉しかった。俺、重光のことほんとうに好きだよ……」 　重光は最後の力を振り絞っておやすみと言ったが、翔太が何を言っていたのか、理解する前に重光は眠ってしまった。
January 2, 2025 at 6:28 PM
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飛益の日SS。大事なものには名前を書きましょうのゆるゆる飛益。
本文内容 名前書き飛益 「益村、手、貸して」 「どうした飛高……」 　右手を差し出した益村に、飛高は首を横に振って、益村に左手を要求した。なんなんだ、と思いながらも益村が差し出した手に、飛高は満足そうに頷いて。 「ちょっと待ってて」 　飛高は懐から黒色のペンを取り出した。どこでも見られる、名前を書くのに使うような油性ペンだ。益村がまさか、と手を引こうとするのと、飛高が益村の手首を掴むのは殆ど同時で。力は拮抗して益村の左手はその場に留まることになった。 「おい飛高。まさかとは思うが……」 「ちゃんと書いとかないと」 「……それ油性だろ」 　だって名前書くならこれじゃん。飛高の澄んだ目に、益村は少し黙って、そうかと言った。何を言っても意味がなさそうだったからだ。ただ、せめてもの抵抗として、開いていた手のひらを閉じる。そう素直に落書きをされてたまるか……落書きか？　飛高は今、名前を書くと言ったような気がしたが。ただ、どちらにせよ益村の手のひらに何かの名前を書く意味がわからないので、とりあえず抵抗はしておくが。 「益村、手ェ開いてよ」 「その前に説明しろ。……何を書くつもりだ？」 　俺の名前、と答える飛高に、益村は溜息を吐いて、手のひらを閉じる力を緩めてやった。どうせ書かれるなら、さっさと書かせて満足させてやった方が良い。……手のひらに飛高の名前を書かれている状態は謎だが、まあ。そんなに人から見えやすい位置でもないし、いつも通り生活をしていればそのうち消えるだろう。手を洗う機会はそれなりに多いし。 　飛高が嬉々として益村の手のひらにペン先を走らせる。少しくすぐったいが、我慢できないほどではない。肌の上に黒いインクで、飛高翔太と少々不恰好な文字が記された。でこぼこしているし、綺麗に書けないのは仕方がない。益村はそれをひとしきり眺めて、それから飛高を見る。 「これで満足か？」 「ありがとう益村。俺、益村とじゃないと上手く投げられないヘボカスお情け一番だし、当なら良いんだけど、他のやつに益村を盗られないようにしないとと思って……」 「そうか……とりあえずお情けではないから安心しろ……」 　飛高の方が引く手数多だ。お前プロ注目選手なんだぞ。そう言ってやりたいくらいだが、益村は言葉を飲み込んで、あと盗られはしない……と言うに留めた。が、それは飛高のお気に召さなかったらしい。俯いていた顔を上げた飛高に、なんだなんだと益村が様子を伺っていると。飛高は益村の、飛高の名が書かれた左手を握って。 「益村ってなんか鈍いし、心配だよ」 「そんなことないだろ」 「とにかく。俺以外のものにはなんないで」 　飛高の真剣な眼差しに、益村は思わず頷いた。嬉しそうな飛高の顔を見ながら益村は、なんか自然に飛高の物扱いされてないか……？　と思った。しかし、飛高の機嫌が良いし、まあ良いか、と思って、黙ってもう一度頷いた。
January 2, 2025 at 2:36 PM
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続きその7。人外パロ飛益。
人外の飛と人間の益。
説明幕間回。まずはお友達からって話。
本文内容 　重光は目を開く。ここ最近、よく気を失っている気がする。辺りを見回すと布団のすぐそばに飛高が座っていて。重光が起きたのを確認するとほっと胸を撫で下ろしていた。身体にベタつきはなく、飛高が清めてくれたのだろうと分かった。 「起きてよかったぁ。壊しちゃったかと思った……」 「正直本当に死ぬかと思ったが……」 「いや死にはしないんだけど……魂が壊れちゃうことはあるから……」 　重光は魂が壊れるとどうなるんだ、と訊きかけて、いやいい。何も言うな、と飛高の口を塞いだ。碌なことが無いと直感的に理解して。それを聞いたところで自分で対処できるようになるでも無いし。死にはしないの部分もなんだか恐ろしい含みがあったが。重光に制止された飛高は、モゴモゴと言葉を飲み込んで、何も言わないよと示すように頷いた。 「体洗ってくれたのか。ありがとうひだ……翔太」 「うん……それで……ちょっと話させてもらっても……？」 　重光は頷いた。どっちにしろ、体の疲労感が強くて動けそうになかったから、話しをしてくれると助かる。習慣となった掃除もできないし、暇を持て余しそうだった。 「ありがと……えっと、まず、俺は人間じゃなくて……」 　それくらいは俺にもわかる。そう思いながら重光は頷く。ここで話の腰を折ると面倒なことになりそうだった。 「今は山の神やってるんだけど、元々は狼から天狗になって、それから山の神になってて。ここの森と屋敷は俺の神域なんだけど、その外の山は俺が治めてる土地なんだ」 「狼から天狗になることがあるのか……」 「うん。富士とか鞍馬とか愛宕の方達とは違うんだけど」 　重光には富士も鞍馬も愛宕も山の名前としてしか聞いたことが無い。ただ、飛高の口ぶりからしてそれらも天狗なのだろうと思われた。 　人について理解が浅そうなのは、飛高がもともと人ではないからか。そう聞くと納得がいくような、いかないような。重光が受けた愛情表現も――というかマーキングだろうか。全身舐め回すのは――野生的だったし。夜の感覚を思い出して、重光はぶるりと身震いをする。 「今でも狼の姿になれるよ。重光は見たことあるだろ」 「……あれ犬じゃなかったのか」 　白い毛並みに金の瞳の、重光を助けてくれた犬のことを思い出す。普通の犬にしては大きいが、そういう犬種かと思っていた。飛高は重光に、重光って意外と雑だよな、気にするところもちょっと変だしと言った。正直不服である。しかしそんなことはどうでもいいので、重光は飛高に話の続きを促す。 「で、今なら重光もわかると思うんだけど俺たちは魂の匂いとかで運命を感知してて」 　飛高が重光に身を寄せる。スンと鼻を鳴らして、飛高が良い匂いだなあとしみじみ呟いて。促されるまま、重光も同じように飛高を嗅いでみる。すると脳を揺さぶられるような感覚がある。俗に言うとキマりそうな感じがして、重光は反射的に身を引いた。 本文内容2 「えっ、ダメだった……？　もしかして臭い？　俺が純正の神じゃないからダメなのかなあ……天狗にしたって獣上がりだし……」 「いや……そうじゃなくて……良すぎる……」 　こんなことを言うのも恥ずかしいが。思い詰めて妙な行動に出られても困るので言わざるを得ない。なんでこんな辱められているんだ。顔が熱い。重光は視線を逸らした。重光の言葉を聞いた飛高が目を丸くするのが視界の端に見えて。 「なら良いか……」 　もしダメだったらもう一回しないといけないところだった。飛高がボソリと呟いたのを聞いて、重光は冷や汗を垂らした。最後は痛みがないどころか、快楽で意識が飛ぶほどだったとはいえ、何度も味わいたいものではない。何事も限度がある。あんなの何度も受けてたら性癖も壊れてしまいそうだし。既に壊れている可能性から重光は目を逸らした。 「重光も慣れればわかるようになると思うんだけど、俺たちは一瞬で理解できるんだ。だから、俺は初めて会った時からお前が運命だって分かってたよ」 「運命……」 「急に言われたって納得できないよな。でも、俺絶対に諦めたりしないから。お前のこと逃してはあげられない。それだけは覚えてて」 　飛高が重光の手を取って、額を擦り付ける。それが縋るように見えて、重光は仕方がないな、と思った。嫌いになってもおかしくないくらいの仕打ちを受けたのに、重光はどうにも、飛高のことを嫌いにはなれない。それが運命ってやつなかもしれないが、十八年普通の人間として生きてきた重光にはわからない。わからないことばかりだ。だから、それを正直に伝えてしまうことにした。 「俺はまだお前と結婚？　なんかはわからないが……こんなことになってもお前のことは嫌いじゃない。だから、待っててくれるか。長く待たせるかもしれないが……」 「お前のためなら何十年でも何百年でも待つよ、重光」 　何百年経ったら重光は死んでいるだろう。結局基準が人間とは大きく違う飛高に重光は苦笑して。 「まずは友達からよろしく」 　そう言う重光に、飛高は笑顔で頷いて見せたのだった。
January 1, 2025 at 7:03 PM
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番外編2。人外パロ飛益。
人外の飛と人間の益。
続きその5の視点違い。
本文内容 　飛高は顔を上げた。月が姿を見せない暗い夜。重光の気配が屋敷から消えたのを察知して、腰を浮かす。最近、重光の様子が違うのは分かっていたけれど、まさか逃げ出してしまうとは。枷を着けておかなかったのがダメだったか。しかし、たとえ重光が逃げたところで飛高には重光の位置は丸わかりだし。人間は犬猫に首輪をつけるが、自らにつけられるのは嫌がるだろう？　 　そうこうするうちに、飛高は重光の頭上にいた。木の枝に腰掛けて、様子を伺う。天狗にとって山は己の領域だ。木々も風も飛高の味方をする。さらにこの森は飛高が作った神域で、飛高の許可がなければ出ることはできない。 　駆ける重光の背を見つめて、飛高はゴクリと唾を飲み込む。逃げる獲物を追いたくなるのは元が獣であるが故か。飛高は天狗になった後も神になった後も獣の要素を他より強く残していたから、つい、狩りの本能が顔を出してしまう。 　何度戻っても諦めずにいる重光に、そんなに自分と暮らすのは嫌なのか……と思う気持ちと、その諦めない魂の輝きに惹かれる気持ちで飛高の内心は揺れた。ただ、逃がしてやるつもりは一切無く。そろそろ捕まえよう、と飛高は重光に声をかけた。 「重光、おにごとでもするの？」 　昂りを抑えた声は酷く平坦になった。姿はまだ見せない。きっと今、飛高はひどい顔をしているから。逃げられたのに怒りがないわけではないのだ。しかし重光がこれにうんと言うならば、遊びの一環として許してやるつもりだった。重光から返ってきた返事は、そんなことを理解している様子は無かったが。 「飛高、俺はお前の奥さんにはなれない」 「そんなことないよ。重光は俺の運命だから」 「そう言われても、俺には何も分からないんだ。諦めてくれ」 　そうか、と思う。飛高には一瞬でわかる運命が、人間である重光には分からないのか。人間って不便な生き物だなあ、と哀れみすら覚えて、飛高はそれなら仕方ないか、と納得した。 「じゃあ、分かってくれたら良いってこと？」 　飛高がその気になれば、それくらい簡単だ。今までそうしなかったのは、必要が無いと思っていたからに過ぎない。重光のことを、飛高は飛高なりに大切にしているのだ。無闇矢鱈と体に負担をかけるのは可哀想だと、思っていたが。 「俺がお前のことをわからないように、お前にも俺の気持ちはわからないだろう。こんな状態で夫婦なんてなれるものか」 　ここまで言われてしまえば、改めてちゃんと理解してもらう必要があると、飛高でも思う。あーあ。重光が見上げてくる視線を受けながら、飛高は声を出す。 「……わかった。『重光』、止まって」 　重光の足が止まる。神に名を握られて、逃げられるわけがない。重光がここまで来られたのは飛高の温情だ。力を込めて名を呼んでしまえば、簡単に行動を掌握出来てしまう。 「名前、聞いておいて良かった。帰ろう、『重光』」 　重光の足が止まる。飛高は木から飛び降りて、重光を抱き止める。重光は眠りに落ちている。しばらく起きないだろう。起きたらちゃんと、分かってもらおう。飛高は重光の髪についた葉を払った。
December 30, 2024 at 6:11 PM
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続きその5。人外パロ飛益。
人外の飛と人間の益。
逃げる益と追う飛。
ネタツイート3つめ部分。
December 30, 2024 at 4:08 PM
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続きその4。人外パロ飛益。
人外の飛と人間の益。
あんまり話は進んでいない。
妻問いをする飛と何も知らないが危機感は作動してる益。
今回も短め。
December 30, 2024 at 3:08 PM
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続きその3。人外パロ飛益。
人外の飛と人間の益。
あんまり話は進んでいない。
目が覚めた後の益と飛の話。
今回は短め。
ネタツイート的には三つ目の部分。
December 29, 2024 at 12:05 PM
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番外編。人外パロ飛益。
人外の飛と人間の益。
一本目の視点違い。
December 27, 2024 at 10:52 AM
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続きその2。人外パロ飛益。
人外の飛と人間の益。
十八になった益を飛が迎えに来る話。
今回は短め。
ネタツイート的には三つ目の部分。
December 24, 2024 at 4:01 PM
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続き。人外パロ飛益。
まだ益が十八になる前。なんか益モブ敵に襲われたりしてます。
ネタツイート的には二つ目に該当するあたりです。
December 23, 2024 at 3:52 PM
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そういえばこっちにあげてへんかった
引用のネタの飛益をちょっと書いた。まだ冒頭だけ。
人外パロ（飛が人外）、益が幼児。捏造しかない。その他ありとあらゆることが許せる人向け。
x.com/Sasanozasa/s...
December 22, 2024 at 10:05 PM
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初稿終わりました〜！！！！
December 22, 2024 at 2:43 PM
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バスタブ人魚の飛益SS。
人間の飛と、人魚の益。
December 19, 2024 at 3:05 PM
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飛益
ひだます
飛が別れを切り出して益が拒否する話。
益がキレてめちゃくちゃ喋っています。
December 18, 2024 at 2:56 PM