花影（春咲）
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花影（春咲）
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はなかげとはるさきのミックス垢です
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おしまい

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December 15, 2024 at 11:13 AM
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December 15, 2024 at 11:13 AM
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December 15, 2024 at 11:13 AM
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December 6, 2024 at 3:09 AM
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December 6, 2024 at 3:09 AM
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茜の空で夢を見つけて 「最近夢見が悪い？」 　己の言葉に対して訝し気に反芻した友人――御影玲王に、俺はうなだれ、頷いた。 「で？具体的にどう『夢見が悪い』んだよ」 「それは……」 　最近、夢見が悪い。細かいことを言うと、最近ではなく物心がついたときから毎日のように見る夢が、近ごろになってずっと脳裏で繰り返されているのだ。 今までは、なんとなく悲しい夢をみるなぁ、という程度だった。しかし、最近になって夢起きてからもずっと夢そのものを覚えているようになった。夢をただ覚えていると言うだけなら、夢見が悪いとは思わない。若干寝れた気がしないだけだろう。それでも夢見が悪い、と思ってしまうのはその内容が内容だからだ。 「……毎日、死ぬ夢をみるんだ」 「……死ぬ？」 　そうだ、と声には出さずに首だけで肯定の意志を示す。そんな俺を見て、玲王はぐっと眉根に皺を寄せた。 「誰かの腕の中で、死ぬんだ。毎日」 「それは、また……夢見が悪いどころか悪夢じゃねぇか」 「……まぁ」 　夢の中で、俺は必ず死を遂げていた。赤い髪の青年が、俺を抱えて、その腕の中で死ぬ夢。魔術か妖術かわからないが、最終的に俺は顔も声もわからない青年に燃やされてその生涯を閉じるのだ。 　燃える熱さも、血が抜ける寒さも、痛みも。全て夢の中の出来事なのだというのに覚えているのが薄気味悪くて、でも、それ以上に俺を抱き抱えた青年に――俺を殺したはずの人物に親近感を感じてしまう自分がどこか心の片隅には存在して。それがしんどくて、どうしようもなかった。 「……俺にどうにかできる問題じゃねぇぞ」 「わかってる……」 「じゃあなんで俺に話したんだよ」 　なんとなく。と言えばきっとこの男は「なら他のヤツに話せ」と言うのだろう。玲王はいい奴だし、友人だけど、親身に俺の話に耳を傾け解決策を練ってくれるような間柄ではないことは俺だって承知の上だ。 いつもなら、蜂楽か、千切か、國神か……はたまた、黒名か氷織か、七星あたりに相談すべき内容だとも思う。彼らであれば、心を砕いて相談に乗ってくれることだろう。それでも、今回相談相手に玲王を選んだのはそれなりの理由があった。 「夢に、でてきたんだよ」 「は？」 「おまえ。玲王。出てきた」 「はぁ？」 「いつもはただ殺されるだけなんだ。誰かの腕の中で、死ぬだけ。そのワンシーンだけを繰り返し見てた。でも、今日は」 「……俺がお前の夢に出てきた？」 「あぁ」 　玲王の言葉に、俺は頷く。 「勝手に出すなよ。出演料取んぞ」 「俺だって好きで出したわけじゃねえよ！……でも、夢の中でお前が言ったんだ」 「……聞きたくねぇけど、なんて？」 「その話も含めて、夢の話、聞いてくれないか。……少し長くなるんだけど」 「……しかたねぇな」 　玲王が、組んでいた足をそっとおろし、俺の目をじっと見つめた。藤色の輝きをまとった彼の瞳が、夢の中で俺を引き留めようとした彼（友）と同じ色をしていて――まるで、あれが夢ではなく、現実だったのではないか（本当にあったことなのではないか）という妄想に憑りつかれる。仮にそうだとしたら、という事になるのだけど。 「ありがとう、玲王」 「御託はいいからさっさと話せ」 「……わかった」 　 ――これは、今から随分と昔の話だ。いつかの過去の、夢の話。
December 4, 2024 at 3:06 PM