日常の中に投下された
一滴
昼間の高い太陽の
うちに秘められた
夜と見間違う
睡魔
突然に、ふるわして
身を捩らせる激痛のような
鋭い
重々しい挨拶のような
気の滅入る
'安心安全'
の二重含意。
昏倒して卒倒
敢闘して乱闘
昨夜の
乱痴気騒ぎの余韻が一つ
安全カミソリの一振りは
表皮を削いだ

「蒸留された殺意」 Act 1 Scene 3

自己紹介が遅れました！
桜木利春です！
読みは「さくらぎ りしゅん」、ペンネームです🖋
本が好きな方、詩が好きな方、詩人さんと仲良くなれたらと思います😊
よろしくお願いいたしますm(_ _)m

――朝食はお済みですか？
　　ええ、そうでしたか
　　それでしたら少しばかりお待ち下さい

感情の空白

――これでしたらいかがです？
――これは？
――食前酒、ですよ
――ありがとう

一口で飲み乾して
――なんだか、きついね
――食欲不振にはこれが一番効くんですよ

ふたたび感情の空白

「蒸留された殺意」Act 1 Scene 2

あれは
コップの中に満たされた
氷柱じみた一撃で
掻き乱した慇懃な
コーヒーミルクの回転と
件の朝
カーペットの染み
庭のレモンの自由落下
'砕けた'
知らず知らずに広げた新聞の
一面、五臓六腑に産み落とされる
ひどい吐き気
それから、銀のナイフひとつ。
喉元に触れさせれば
体温
の流血がある
ひどく冷えてしまった
体を温めよ
'死人に熱なし'

「蒸留された殺意」Act 1 Scene 1

2024/2/7