死を排除する社会はときに閉塞感に満ちていて、生命維持が幸福を意味しなくなってしまう、かえって生きる希望が薄れてゆるやかな心の死へ向かうということか…
暴力を人から排除するというのは、人から「愛」をなくすということ。なぜなら愛は暴力的なものだから というお話でもあった
鮮やかな生と強烈な愛のなくなった世界で、ただ二人きりそれを見つけて長い長い生から逃げ出す、というととってもロマンチックで耽美だな〜
死を排除する社会はときに閉塞感に満ちていて、生命維持が幸福を意味しなくなってしまう、かえって生きる希望が薄れてゆるやかな心の死へ向かうということか…
暴力を人から排除するというのは、人から「愛」をなくすということ。なぜなら愛は暴力的なものだから というお話でもあった
鮮やかな生と強烈な愛のなくなった世界で、ただ二人きりそれを見つけて長い長い生から逃げ出す、というととってもロマンチックで耽美だな〜
バッドエンドでなくてよかった…というのがまず一つ
延命装置で外見を若く保ったまま百年以上生きてる、生に飽いた富裕層の話…というと羨ましいような悲しいような
開幕十ページもなく先の展開が読めてしまってどうしよう…? と思ったけど
結で語り手をチェンジするやりかたでそれを活かしてて、また再会を直接描かずに想像に委ねたのが素敵で、なるほどプロはこう書くのか〜!と思った
恋愛描写は大人向けだけどすごく幸せなのが伝わってきて、そこからの叩き落とし方が読者の負担にならない程度に短く、辛いシーンを長く読ませない手腕がよかった
超管理社会からの逸脱としての、自己決定権の自覚なのかな
バッドエンドでなくてよかった…というのがまず一つ
延命装置で外見を若く保ったまま百年以上生きてる、生に飽いた富裕層の話…というと羨ましいような悲しいような
開幕十ページもなく先の展開が読めてしまってどうしよう…? と思ったけど
結で語り手をチェンジするやりかたでそれを活かしてて、また再会を直接描かずに想像に委ねたのが素敵で、なるほどプロはこう書くのか〜!と思った
恋愛描写は大人向けだけどすごく幸せなのが伝わってきて、そこからの叩き落とし方が読者の負担にならない程度に短く、辛いシーンを長く読ませない手腕がよかった
超管理社会からの逸脱としての、自己決定権の自覚なのかな
トーリは宿命の男ではないって言いたかったんかな
主人公は凶悪犯罪者を化け物と決めて見てるけど、それならトーリもある側面は化け物になる
トーリは悪いことした デニスは許すかもしれないし、許さないかもしれない それでもトーリは敬虔で、デニスを愛してて、その危うい揺らぎふくめて、特別なんかじゃない
物語の最後、テセウスシステム(?違うAI技術だったかも)による解決編で、トーリは常軌を逸した愛情で身を滅ぼす男として決定づけられた それに反発したいのか
彼の意思がない、死後システムに補完された証拠よりも、中盤の傷付いた心のまま恋人の手を握るトーリ視点の生きた文章を信じたいのか
トーリは宿命の男ではないって言いたかったんかな
主人公は凶悪犯罪者を化け物と決めて見てるけど、それならトーリもある側面は化け物になる
トーリは悪いことした デニスは許すかもしれないし、許さないかもしれない それでもトーリは敬虔で、デニスを愛してて、その危うい揺らぎふくめて、特別なんかじゃない
物語の最後、テセウスシステム(?違うAI技術だったかも)による解決編で、トーリは常軌を逸した愛情で身を滅ぼす男として決定づけられた それに反発したいのか
彼の意思がない、死後システムに補完された証拠よりも、中盤の傷付いた心のまま恋人の手を握るトーリ視点の生きた文章を信じたいのか
正しい読み方からすれば、解決編の情報とトーリの思考があまりに未来人でこの読者の理解が追いつかなかった、ルートから外れた、で終わりなんだと思う
けどさ、トーリのやったことだけを見たらそれは心中で、同時に彼との再会で
そこに亡き恋人の魂があるとしたら、きっとどの時代のどんな人でもそうすると思うんだよ かき集めきれてなかったと知った絶望とか、すべてを領有したいって欲とか、そういうのでBL(≠同性愛)の芸術点を上げるのもいいけど ただ会いたいってだけなんじゃなかったのかな
正しい読み方からすれば、解決編の情報とトーリの思考があまりに未来人でこの読者の理解が追いつかなかった、ルートから外れた、で終わりなんだと思う
けどさ、トーリのやったことだけを見たらそれは心中で、同時に彼との再会で
そこに亡き恋人の魂があるとしたら、きっとどの時代のどんな人でもそうすると思うんだよ かき集めきれてなかったと知った絶望とか、すべてを領有したいって欲とか、そういうのでBL(≠同性愛)の芸術点を上げるのもいいけど ただ会いたいってだけなんじゃなかったのかな
もう彼の手に触れられない、彼に抱きしめてもらえない、本物の彼に会えないそのすべての通牒でしかなくて
そこを主人公のように敵討ちにすり替えられるはずがない
テセウスシステム、最悪…だと思うのは私が彼らより前の時代の人間だからなのだな 彼らの時代の人間のありかたとか、AIによる擬似人格再現のこととか、まだちゃんと読めてないかも どのような異論も受け付ける…
このお話は最終的にトーリの狂おしいまでのデニスへの所有欲、その魅力的で破滅的な美しさ(旧来の耽美BL)と、テセウスの船問題(SF)という大衆向け小説だと受け取った
もう彼の手に触れられない、彼に抱きしめてもらえない、本物の彼に会えないそのすべての通牒でしかなくて
そこを主人公のように敵討ちにすり替えられるはずがない
テセウスシステム、最悪…だと思うのは私が彼らより前の時代の人間だからなのだな 彼らの時代の人間のありかたとか、AIによる擬似人格再現のこととか、まだちゃんと読めてないかも どのような異論も受け付ける…
このお話は最終的にトーリの狂おしいまでのデニスへの所有欲、その魅力的で破滅的な美しさ(旧来の耽美BL)と、テセウスの船問題(SF)という大衆向け小説だと受け取った
主人公はなんかすっごくホモソーシャル的な絆をデニス&トーリに抱いてて、自分とトーリの気持ちは同じとか言ってるけど、バーチャルと実体との誤差にもならないような違いを植物状態の彼の手にふれるたび感じてるようなトーリが主人公と同じ温度感でデニスを求めているはずはなくて
主人公はなんかすっごくホモソーシャル的な絆をデニス&トーリに抱いてて、自分とトーリの気持ちは同じとか言ってるけど、バーチャルと実体との誤差にもならないような違いを植物状態の彼の手にふれるたび感じてるようなトーリが主人公と同じ温度感でデニスを求めているはずはなくて
↓ネタバレあり
「Habitableにして(…)領域で」を読んだあとにこれを読んで、BLの世代差?のようなものも感じたし(ファンタジーとしてのBLと、マイノリティの消費をよしとしないBLのような…?ジャンルの違い)
消費的な大衆向けBLについて読者として思うところもあるんだけども
あるんだけども…
明らかにBL好きの、もしくはSF好きの読者に関係性やキャラの感情を消費してもらうことを意図して書かれてるというのに、私はトーリにめちゃくちゃ同調してしまって…
後半でトーリの隠された側面を暴いたことでむしろ事実から遠のいただろ! とか勝手に…絶対そんなことないのに
↓ネタバレあり
「Habitableにして(…)領域で」を読んだあとにこれを読んで、BLの世代差?のようなものも感じたし(ファンタジーとしてのBLと、マイノリティの消費をよしとしないBLのような…?ジャンルの違い)
消費的な大衆向けBLについて読者として思うところもあるんだけども
あるんだけども…
明らかにBL好きの、もしくはSF好きの読者に関係性やキャラの感情を消費してもらうことを意図して書かれてるというのに、私はトーリにめちゃくちゃ同調してしまって…
後半でトーリの隠された側面を暴いたことでむしろ事実から遠のいただろ! とか勝手に…絶対そんなことないのに
私はすごく悲しかったけど、最終ページの彼の語りは幸福でたまらなかったと言ってて、なんかもう何も言えない
いや言う 彼らのおだやかな恋と確かな絆が羨ましい 外部から「特別」のレッテルを貼ることは理解から遠ざかる
人間原理については、まだよくわかってない…
私はすごく悲しかったけど、最終ページの彼の語りは幸福でたまらなかったと言ってて、なんかもう何も言えない
いや言う 彼らのおだやかな恋と確かな絆が羨ましい 外部から「特別」のレッテルを貼ることは理解から遠ざかる
人間原理については、まだよくわかってない…
等身大に(同性)恋を描写されてて素敵でした
作者のメッセージやはげましはすごく明快で、なのになんかこう、読んだあとにうまく自分の言葉にできない…
この方の作品ってなんだか、言葉ではっきりすることがかえって事実から遠ざかる感があって、いやこれは逃げなのか…? 逃げかも…
文化人類学の先生がいつか講義で言ってた、不定形の『事実』って話と近いかも ある角度から切り取った「事実」は他の角度や内部からみた『事実』とはまったく異なる〜ってやつ
それなら結局「事実」の不完全な切り取りをあきらめずに続けるしかないってことになるのか そっか
等身大に(同性)恋を描写されてて素敵でした
作者のメッセージやはげましはすごく明快で、なのになんかこう、読んだあとにうまく自分の言葉にできない…
この方の作品ってなんだか、言葉ではっきりすることがかえって事実から遠ざかる感があって、いやこれは逃げなのか…? 逃げかも…
文化人類学の先生がいつか講義で言ってた、不定形の『事実』って話と近いかも ある角度から切り取った「事実」は他の角度や内部からみた『事実』とはまったく異なる〜ってやつ
それなら結局「事実」の不完全な切り取りをあきらめずに続けるしかないってことになるのか そっか