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信念という輪郭
浮かぶのは華やかな言葉ではなく、揺らがぬ姿勢だ。
風向きや多数に身を委ねるより、
自ら定めた一線を越えぬことを選ぶ。
その在り方は、時に頑なで、不器用に映る。
だが、制度や国家の骨格を考えるとき、
軽やかさより重みを引き受ける覚悟が見えてくる。
拍手は遅れてやって来るか、
あるいは最後まで届かないかもしれない。
それでも、信念の輪郭を曖昧にしない。
名を語らずとも伝わるものがある。
時代が揺れるほど、
その輪郭だけが、静かに浮かび上がる。
January 22, 2026 at 12:06 AM
歩みの先に
あなたの死を、
どう受け入れればいいのか。
その答えは、今も見つからない。
時間が経てば癒えると言われても、
失われたものは戻らず、
問いだけが静かに残る。
それでも人は、
立ち止まり続けることはできない。
悲しみを抱えたまま、
足元を確かめるように一歩を出す。
その歩みは軽くはない。
けれど、無意味でもない。
怒りや悔しさを胸にしまい、
記憶とともに今日を生きる。
前に進むとは、忘れることではなく、
背負ったまま歩くことなのだ。
歩みの先に何があるのかは分からない。
それでも歩く。
それが、残された者に許された、
静かな誠実さなのだと思う。
January 21, 2026 at 8:35 AM
輪郭
輪郭とは、存在が世界と接する場所に生まれる。
それは主張ではなく、結果だ。
何かを削り、余分を手放し、それでも残ったものが線になる。
人は輪郭を持つことで、初めて自分と他者を分けて認識する。
境界がなければ、自由も責任も生まれない。
だが輪郭が現れると、人は不安になる。
見られること、測られること、誤解されることを恐れるからだ。
しかし輪郭は、内面を暴くためのものではない。
それは沈黙を守り、距離を保ち、選択を可能にするための構造だ。
輪郭を引き受けるとは、世界に対して姿勢を持つこと。
迎合でも拒絶でもなく、ただ立つこと。
その静かな立ち方こそが、人を人たらしめる。
January 21, 2026 at 3:16 AM
確かな一歩
決断とは、勢いではない。
誰かの言葉に流されず、自分の手で確かめ、引き受ける覚悟だ。
都合のいい近道より、確実な道を選ぶ勇気の方が、よほど強い。
都度、立ち止まり、都度、判断する。
それは臆病さではなく、責任だ。
積み上げた一歩一歩は、やがて逃げ場のない確信になる。
今日踏み出した確かな一歩は、
明日の選択を縛るためではない。
自分を裏切らないための、宣言だ。
January 20, 2026 at 8:50 AM
背中に灯す
決めるまでの時間は
誰にも見えない夜だったはずだ
迷いも
怒りも
飲み込んだまま
前だけを向いて歩いた
だから
声高に励ますことはしない
ただ
その背中に
小さな灯を置く
振り返らなくていい
迷わなくていい
あなたが選んだ道を
暗くしないために
私は
ここにいる
January 19, 2026 at 10:31 AM
無理しない選択
朝、スマホより先に息が白くなる。
無理って言葉を口にできた日は、もう十分がんばってる。
止まることは逃げじゃないし、休むことは負けでもない。
ちゃんと自分の限界を知ってるのは、案外強さだと思う。
誰かに追いつかなくていい。
比べなくていい。
今日は今日の速さでいい。
静かに深呼吸して、また動けるタイミングを待つ。
それも立派な前進だと、私は思う。
January 19, 2026 at 12:26 AM
走る日常
朝のバスは静かだ。
誰もが言葉を持たず、同じ揺れを受け入れて座っている。
制服も作業着も私服も、違いはあっても目的地はそれぞれだ。
停留所ごとに人は入れ替わり、窓の外では街が少しずつ目を覚ます。
誰かが特別に主役になるわけではない。
それでも運転士の合図ひとつで、確かに社会は前へ進む。
派手な決断はなくても、日常は止まらない。
この小さな積み重ねが、今日という一日を静かに支えている。
January 17, 2026 at 11:25 PM
静かに受け継ぐ朝
阪神・淡路大震災から長い年月が経った今も、あの朝の記憶は日本のどこかに静かに残っている。
突然、当たり前の日常が断ち切られ、多くの命が奪われた現実は、時間が経っても軽くなるものではない。
悲しみや怒り、そして何もできなかったという思い。
それらを抱えながらも、人々は助け合い、声を掛け合い、街を再び立ち上がらせた。
その姿は、人の弱さと同時に、確かな強さを示していた。
私たちにできることは、特別なことではない。
記憶を風化させず、備えを怠らず、失われた命の重みを胸に生きること。
声高に語らずとも、あの日を忘れない姿勢そのものが、未来への責任なのだと思う。
January 16, 2026 at 7:36 PM
まだ触れていない距離
朝の光はまだ柔らかくて、
君の名前を呼ぶには少し早い。
カップの縁から立つ湯気を見つめながら、
昨夜送らなかった言葉の続きを考えている。
近づけば壊れそうで、
離れれば消えてしまいそうな距離。
その曖昧さが、今の僕らにはちょうどいい。
確かなものなんて、まだ何もいらない。
君が今日も同じ空を見ていると
信じられるだけで、
この朝は十分に温かい。
踏み出さない選択さえ、
恋の一部だと知りながら。
January 15, 2026 at 9:59 PM
小正月
火はもう高くならず
笑い声も
煙の向こうへ帰っていった
飾りを解く手に
まだ正月の温度が残っている
願いは叶ったわけじゃない
けれど
捨てられたわけでもない
小正月
それは
祝うことをやめる日ではなく
抱えていた気持ちを
静かに畳む日
日常へ戻る道の途中で
人は一度
立ち止まることを許される
だから今日は
急がなくていい
少し遅れて
普通に戻ればいい
January 14, 2026 at 10:48 PM
名前のない決意
声にすれば
軽くなってしまいそうで、
胸の奥にしまったままの想い。
約束にもならず、
覚悟と呼ぶほど強くもない。
それでも、
引き返さない理由にはなっている。
誰に見せるでもなく、
拍手もいらない。
昨日と同じ朝に立ち、
同じ靴を履く。
名前はない。
けれど、
今日を選び直している。
January 13, 2026 at 10:55 PM
息のある朝
夜の底に
言葉は沈み、
約束も凍っていた。
それでも朝は来て、
白い息が
確かに空へほどける。
誰にも気づかれず、
誰に誇るでもなく、
続いてきた鼓動。
希望と呼ぶには小さく、
諦めと言うには温かい。
息はある。
今日も、ここに。
January 13, 2026 at 10:54 PM
出航(ヨーソロー)
皆さん、
港に別れを告げましょう。
ここまでです。
涙があるなら、
陸に置いていきましょう。
錨を上げてください。
理屈は、
波間に預けて構いません。
後悔があるとしても、
それは航跡の向こう側です。
風は気まぐれで、
海は穏やかとは限りません。
ですが、
だからこそ
舵を取る意味があります。
どうか、振り返らずに。
港の灯りが滲むのは、
きっと気のせいです。
進みましょう。
波を越えてください。
行き先は、
進みながら定めればよいのです。
ヨーソロー。
この船は、
もはや港のものではありません。
January 13, 2026 at 12:31 AM
桜島
苦難を
与えながらも
去られぬ山
灰を降らし
暮らしを曇らせ
それでも立つ
怒りを
向けられてなお
黙したまま
人もまた
迷惑をかけて
生きている
それでも
見捨てられずに
愛される
寄り添うとは
許すことより
離れぬこと
January 11, 2026 at 11:21 PM
雪の心
音のない夜に
雪は降り続けている
誰にも気づかれないまま
世界を白くしていく
冷たいはずなのに
触れると
なぜか胸の奥が
少しだけあたたかい
守りたかった言葉も
言えなかった想いも
全部
この雪に預けてしまえばいい
溶けてしまうからこそ
今だけは
確かに
ここに在る
雪の心は
静かで
壊れやすくて
それでも
誰かを待つことを
やめなかった
January 11, 2026 at 8:24 AM
Quiet, not cold.
I don’t speak loudly.
Not because I have nothing to say,
but because some things
lose their shape when shouted.
I listen more than I answer.
I stay, even in silence.
The night knows this.
The moon does too.
Quiet,
not cold.
January 11, 2026 at 8:20 AM

燃え上がるものだと
思っていた
若い頃の
火は
本当は
消えないことの方が
難しい
声を荒げなくても
照らせる
熱を見せなくても
伝わる
掌に残る
ぬくもりだけで
夜は越えられる
怒りも
情熱も
後悔も
灰になるまで
見届けて
それでも
芯に残る
小さな赤
吹き消されない
その火を
人生と呼ぶのかもしれない
January 11, 2026 at 12:07 AM
まだ見ぬ君へ
まだ
名前も
声も
知らない君へ
君のいない部屋で
今日もコーヒーが冷める
二人分には
まだ少し早い時間
すれ違った誰かの背中に
一瞬
君を探して
すぐにやめる
焦らないと
決めたから
君は
完成形じゃなくていい
迷っていても
遠回りでも
ちゃんと
君の時間を生きていてほしい
もし今
泣いているなら
そのままでいい
強くならなくていい
その涙が
いつか
笑い皺に変わる頃
きっと
出会う
その日まで
僕は
今日を丁寧に使う
まだ見ぬ君に
恥ずかしくないように
そして
会えたら
遅かったね
なんて
笑おう
それだけで
十分だから
January 11, 2026 at 12:06 AM
鏡開き
固く丸めた
正月の時間を
今日は、割る
包丁は使わない
急がない
音が出ても
それは怒りじゃない
欠けた形のまま
鍋に入れると
白は、白のまま
やわらかくなる
我慢も
願いも
飲み込んだ言葉も
湯の中でほどけて
ようやく
口に出せる
今年は
切らずに
開いていこう
January 11, 2026 at 12:04 AM
選ばれなかった名前
君の話す未来に
僕の影は映らなかった
笑って頷くたび
胸の奥で
小さな音がしていた
好きになった理由は
たくさんあるのに
離れていく理由は
一つも聞けなかった
君の幸せを
願っているふりが
上手くなった頃
本当の気持ちは
もう行き場を失っていた
選ばれなかったのは
言葉じゃなく
たぶん
僕という存在そのもの
それでも
君の名前だけは
今も
胸の中で
呼ばれ続けている
January 10, 2026 at 9:12 AM
返事のない距離
君に触れたわけでも
強く言葉を交わしたわけでもない
それなのに
失った気がした夜がある
画面の向こうで
既読にならない時間が
僕の中の季節を
一つずつ終わらせていった
好きだと言えば
壊れてしまいそうで
何も言わなければ
このまま消えてしまいそうで
選ばなかった言葉たちが
胸の奥で
今も順番を待っている
君は
何も奪わなかった
それでも僕は
大切な何かを
確かに君に置いてきた
January 10, 2026 at 9:08 AM
十日戎
十日戎の境内は、人の願いで満ちている。
商売繁盛の祭りと言われるが、実際に手を合わせる人の胸の内は、もっと静かで切実だ。
今年も無事に働けますように。
家族が健康でありますように。
昨日と同じような今日が続きますように。
福笹に結ばれるのは、欲というより生活そのものだ。
笹が揺れて鳴る鈴の音は、神様への合図であると同時に、自分自身へ向けた「また一年やろう」という誓いにも聞こえる。
十日戎は、願うことを肯定してくれる日だ。
だから境内の空気はどこか温かい。
帰り道、笹を抱えた背中が少し軽く見えるのは、叶うかどうかより、願えたことで心が整ったからなのだと思う。
January 10, 2026 at 12:55 AM
冬のとんち
冬は、考えすぎる季節だと思う。
空気が冷たいと、頭まで固くなる。
答えを急ぎ、正しさを探し、
間違えないように言葉を選びすぎる。
でも、寒さの底にいるときほど、
一休さんのとんちのような発想が効いてくる。
正面から解こうとしない。
少し横を見る。
いったん答えを置いてみる。
すると、不思議と肩の力が抜け、
表情がゆるむ瞬間がある。
何かを解決したわけでも、
前に進んだわけでもないのに、
心だけが先に温まる。
冬のとんちは、
賢さではなく余白から生まれる。
寒さに抗わず、
考えすぎないこともまた、
ひとつの知恵なのだと思う。
January 8, 2026 at 9:57 PM
勝負事始め
勝負事始めと聞くと、昔は気合を入れて踏み出す日だと思っていた。
負けないため、遅れないために力を込める始まり。
しかし今は少し違う意味に聞こえる。
構える日ではなく、肩の力を抜く日だ。
無理に前へ出ず、すべてを賭けない。
まず自分が壊れない位置を確かめる。
近づきすぎず、突き放しもしない距離で流れを見る。
分散しながら、芽が出る場所を待つ。
焦らず、比べず、昨日の自分だけを横に置く。
始めるけれど急がない。
勝負とは誰かに勝つことではなく、
自分を保ったまま続けられるかどうか。
勝負事始めは、
静かに深呼吸をする日なのだ。
January 7, 2026 at 9:39 PM
七草の朝
七草粥を食べる朝は、ちょっとブレーキをかける日。
正月に張り切りすぎた体と気持ちを、いったん休ませる。
七草はどれも地味だけど、ちゃんと役目がある。
派手じゃなくても、毎日続く強さがある。
人生も同じで、ずっと全力じゃもたない。
調子のいい日もあれば、何もしたくない日もある。
立ち止まるのは、サボりじゃない。
七草の朝は、
「今日は整えるだけでいい」
そう言ってくれる気がする。
January 6, 2026 at 9:03 PM