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里見信乃

@sa103-s.bsky.social

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成人済み。基本何にでも興味津々の雑食性。20代から隠居願望があるけれど、実現するにはまだ少し💦
アニメ、文章、アート、山歩き…
好きなモノを少しずつ長く愛したい。
セブリマ、エリチセ、文スト、利便事屋は、永遠にlove。
スマホに撮り溜めた写真や、気に入ったアニメの感想を並べています。

写真や文章の無断転載、AI学習の材料としての利用は許していません。
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里見信乃

@sa103-s.bsky.social

二日遅れですが…
今日見た紅葉🍁が綺麗だったので…！

#見た人も赤色の入った画像を貼ってみよう

November 23, 2025 at 1:43 PM

里見信乃

@sa103-s.bsky.social

こんばんは🌒
今日は少し電波の届きにくい所へ行ってきました

目的は、夏の間に見つけていた水晶（多分）✨
夏は暑いのと蚊🦟がすごくて
時期をずらす事にしてました

←瑪瑙っぽい5cm程ある！　　　　
小ちゃ！でも透明感が好き→

November 23, 2025 at 1:29 PM

里見信乃

@sa103-s.bsky.social

おそようございます☀️
今日も一日
よろしくお願いします✨

2025/11/23 7:20の空
#イマソラ

November 22, 2025 at 11:56 PM

里見信乃

@sa103-s.bsky.social

こんばんは！
いつも沢山のイイね👍やRT、
フォローやフォローバを
ありがとうございます😭

ところで、
今日は半日仕事でしたが
帰宅したら机上がこんな事に

ウチのパートナーさん、
これ大好きなんですよね…

イイぞ！ロー◯ン！
もっとやれ〜✨

November 22, 2025 at 9:17 AM

里見信乃

@sa103-s.bsky.social

おはようございます☀️

空が変わり映えしないので、
11月の初旬に撮影してた
白いフジバカマをup✨

思っていたより草丈が高かったし、遠目に見た方が美しいようにも…
薄紅紫色もいいけれど、
白色の方のフンワリ感が好き✨

#TLを花でいっぱいにしよう
@botanical.bsky.social

November 21, 2025 at 11:15 PM

里見信乃

@sa103-s.bsky.social

島根県松江市の三英堂さんの『雪女のおやつ』

処々で浅葱色の滲む琥珀糖✨

“幽烟さんのお誕生日に
何か概念オヤツ無いかな〜”
とネットで探していて、
“うわぁ、欲しいけど松江か…”
残念！と思っていたら…

まさかの！阪急梅田で！！！
見つけました！！！！

『ばけばけ』絡みで特別出店されてたようで…
思わず✨神さまありがとう✨
と即買いしました。

お箱も二柄あって素敵ですが
ひとまず数個、並べてみました✨

November 21, 2025 at 3:26 PM

里見信乃

@sa103-s.bsky.social

今日11/22は利便事屋の頭目、
碓水幽烟の誕生日です✨
REVENGER(2023冬アニメ)
ささやかながら㊗️SSを✨
ー藤袴ー参
いつも他人の為に東奔西走の幽烟さんに、ここは一つ繰馬さんから花束の差し入れを…
とか言いながら、対していつもと変わらない二人です。

タイトルだけでオチの見える話ですが、常なら幽烟さんとツーカーは徹破先生の処を、”花を介してなら雷蔵さんも幽烟さんとツーカーかもよ？”という最終頁を書きたいが為の12頁前振りでした✨キリリ！

読んで下さった方、本当にありがとうございます✨😭✨

閉じた雨戸の隙間から、凍てた空気が猫の様に懐に忍び込む―その冷たさに雷蔵はハッと意識を戻された。右手に握った絵筆の墨はとおに乾き、手元を照らしていた筈の、灯りの油が切れている。目の前の画仙紙は未だ白く、紙に向かい眠っていたと、気が付いた。　剣を握っていた頃は、日暮れと共に寝ていたのだから昼夜逆転も甚だしい。
　幽烟の不可解な振舞いが、ずっと頭を離れない―
　一つ嘆息すると雷蔵は、戸板を外して外へ出た。
　庵を囲む木々を抜け幽かに薫る海風が、墨色をした山の端に白々と朝日を連れて来る。尾根筋を、橙色に染め上げて、柔らかな光が刻々と空を変えていく様を、雷蔵は魅入られた様に見つめていた。
　
　鶴がコウコウと鳴きながら、群を成して飛んで行く。
　
　目指す先が己の郷里と気付き、男は少し目を細めた。教えられたでも、問うたでもなく、ひたすら飛翔する姿を、羨ましく思ったのだ。
　
　見えぬ力に引かれた様に心が急（せ）いてザワついている。今は何を置いてでも幽烟に会い、問わねばならない―
　
　ふと、浮かんだ想いは雷蔵を戸惑わせたが、この手の感覚に逆らうべきでない事も経験則で知っていた。今迄の迷いを断ち切る様に、肺いっぱいに霜の匂いを吸い込んで、山を下りる決心をした。
　庵に戻った雷蔵は、床に散る〝唯〟を選びかけて、指を止めた。気に入った絵でもないのに雁木屋へ足を運ぶのは〝唯〟にも雁木屋にも不誠実と思ったからだ。
　〝幸い、約束には、まだ間がある―〟
　そう考えた雷蔵は、己が絵を口実に山を下りようとしていたと気付いて、一人、顔を歪ませた。
　”最初（はな）から俺は、幽烟殿が煙に捲くと踏んでいる”

”口実を捜す程、自分は彼の人を疑っている―”
　その考えは彼への己の信頼を穢すように思われて、雷蔵は酷く狼狽えて、視線を外に漂わせた。
　と―
　視界の先に飛来した一頭の蝶が、
　薄紅の花にふわりと留った。
　真っ直ぐ伸びた茎頂で、群れた小花が花頭を成し、秋風の中を揺れている。白く淡く烟（けぶる）ように見えるのは、花序から零れる長い花芯だと―教わったのは幼き日。
（嗚呼、この花は―）
　秋の七草に数えられるその花の、微かな、しかし、甘やかに香る茎を折り採って、雷蔵は抱き締める様に束にした。
　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
　
　思い詰めた表情で碓水庵を訪ねた雷蔵が裏へ回ると、包みを持った幽烟が枝折戸で待っていた様な顔をした。
「あゝ、丁度いい。今日あたり、来られる頃かと」
　驚いた風もなく、雷蔵を邸内へ招き入れた幽烟は、持っていた包を解くと中のたとう紙をその場に広げた。
　
「誂えていた貴方の冬の袷です」と、すらりと言う。
　
「これを、俺に？」
「故郷（おさと）と違い、長崎（ここ）の寒さは堪えるでしょう？」
　”着丈も帯も、貴方に合わせた筈ですが―”
　そう幽烟は、少し首を傾げて言う。
「では、其方は―俺の寸を調べるために…！」
　唖然とする雷蔵に、幽烟は一つ頭を下げた。
「貴方の留守中に、勝手に上がり込んで伝えもせず…着物を借りて申し訳ありませんでした」
　雷蔵は毒気を抜かれた様に、ただ幽烟を見返した。この数週間の悩みが、こうもアッサリ紐解かれるとは、それも自分の為だったとは、思いもしなかったのだ。

余りに隙だらけの表情を見せる雷蔵を見返しつつ、幽烟は心中で、あの雨の日を思い出していた―
　着物を中へ放り込み、上がった庵（さき）で、床一面に散る〝唯〟を見た幽烟は、雷蔵が彼女に〝攫われまいか〟と懼れたのだ。それほど女は物憂げに、画仙紙の此方側に座す絵師の視線を避け俯いている。幽烟の脳裏に、絵に向かう雷蔵の、真直ぐな眼差しが浮かんだ瞬間―怒りとも嫉妬ともつかぬ想いに、咄嗟に着物を、己が躰に巻き付けたのだ。それだけが絵師を現世に留める呪（まじな）いであり、ほんの一瞬〝唯〟を消し去る術（すべ）に思えた。
　
　…現に雷蔵は、絵を携えることなく、此処へ来た。
　その事実（こと）に、安堵している心の中を表層（かお）に出さぬ様、幽烟は強いて穏やかに訊ねた。
　
「ところで繰馬さん。あちらの花は、模写の題材に？」
　見遣る先には、雷蔵が持参した花を挿した桶がある。
　〝あゝ〟と頷いた雷蔵が、気不味い顔で赤面した。
「……否…嘘だ。あれは俺が山を下りる口実だ。俺は、其方が本当の事は申すまいと―その時に素描の画題と偽って、それを渡して帰る気だった」
　〝すまぬ―〟頭を下げる雷蔵に、幽烟は薄く微笑み、〝謝らないで下さい”と言うと”貴方に嘘を吐くなと、実は徹破に叱られました〟と小さく続けた。
　
「本当に、私がサッサと言えばよかったのです。
貴方には、とんだ御足労を…こんなに沢山の花……
此方へ運ぶだけでも大変でしたでしょうに」
　
「それは―確かに、そうだな…」
　言われて初めて気づいたように、雷蔵は桶に入った一抱えはある花の束を見返した。今更の様に、此処へ至る迄に、幾人もの視線を浴びていた事を思い出し、苦笑する。

「…だが…それもまた、済んだ話だ」
　と言うと、珍しく白い歯を見せて笑った。
　心の奥がツンとする冬の青空のような笑顔だった。
　邸の主の凝視に気付かぬまま、雷蔵は、姿勢と表情を改めると、両手を膝に置き深く頭を下げた。
　
「今日は、其方の生辰と聞いた。
　男（おのこ）に花など―笑止だろうが、貰ってくれぬか」
　
　一瞬、驚きに見開かれた幽烟の瞳が、次の瞬間に、莞爾と笑みを満たして返した。
「ええ、勿論。
　それにしても…藤袴とは、実朝ですか？」
　
「…問へど　こたへず　野辺の秋風…
　昔、散々仕込まれた。論語と和歌は骨で覚えろと」
　はにかんだ雷蔵の目が、昔を懐かしんで細められる。
　それを見守る幽烟の胸の内に温かいモノが込上げる。
　この――繰馬雷蔵という男の、遠回しで不器用な、それでいて真っ直ぐ過ぎる問掛けに、応えようとする自分自身を、幽烟は既に見つけている。
　
　高く青い秋空に、モズの高鳴きが遠く聞こえる。　玄冬に向かう澄んだ日差しが、浮世から切り取られた縁側に、穏やかな時間と共に満ちていく。
　
　
　”それはそうと―”改まった口調で雷蔵が、問うた。
「其方―なぜ俺が、今日来ると解かった？」
　雷蔵の心底訝しげな瞳に、
「だって、鶴が南へ飛んだでしょう？」
　そう答えた幽烟は、花が綻ぶように、微笑んだ。
　
　……藤袴　きて脱ぎかけし　主や誰　？

November 21, 2025 at 3:09 PM

里見信乃

@sa103-s.bsky.social

おはようございます☀️
昨日より少し寒さがマシかな？
今日も一日よろしくお願いします✨
2025/11/21 6:25の空
#イマソラ

November 20, 2025 at 10:27 PM

里見信乃

@sa103-s.bsky.social

最近の写真では無いけれど
コウヤボウキ

秋の七草として名前でしかフジバカマを知らなかった頃ー

フジバカマがアサギマダラを呼ぶ花…という知識だけあって、なんとなく晩秋に咲く淡くて美しい花という憧憬があってー
で、結構な間、
コウヤボウキをもっと繊細にした花がフジバカマというイメージでいた😅

いや、全然ちがうヤン👊
て今なら思うのですが！

コウヤボウキってガガンボがいつも寄ってませんか？

ガガンボとコウヤボウキの関係、スっごく気になります！

という訳で
“虫を寄せる花”繋がりでup！

#TLを花でいっぱいにしよう
@botanical.bsky.social

November 20, 2025 at 4:47 PM

里見信乃

@sa103-s.bsky.social

藤袴<弐>…

pixivだといくらでも行数があってほぼ無制限に書けるのですが、紙媒体に慣れ親しんで来た者としてはSS名刺メーカーの方が、頁をめくる感があって好き
その分、手直しや言葉選びに苦労すると分かっているのですが、此処は性分だから仕方ないかなぁ、と

「君たちは、妙なところで似ているね。
　感情を後にする事や、嘘を嫌がるトコがそっくりだ。
　そのくせ君は、ヘンに気持ちを隠すものだから…
　繰馬君は戸惑うし、結局は、君が最後に困るのさ」
　
「――私の言葉は、嘘ばかりですよ」
　吶、と幽烟が呟いた。
　〝それをひとまとめでは、あんまりでしょう―〟
　
　そう零した幽烟を、常に無く、徹破が厳しく糾す。
「いつもの君なら、その嘘は誰かを生かす白い嘘だ。
　でも今回のその嘘は、君の心を隠す嘘だよ。
　そうでなければ―
　喩え君が、繰（・）馬（・）君（・）の（・）留（・）守（・）宅（・）で（・）彼（・）の（・）着（・）物（・）を（・）羽（・）織（・）ろ（・）う（・）と（・）〝採寸してた〟で済む話じゃないか。
　それなら、仮に当人が、現場を目撃したとして、〝そうか〟の一言で終いだよ。ね、ちがうかい？」
　徹破は幽烟から視界を外し、暗い窓の外を見遣った。
「何故、君はこれほど繰馬君に構う？　最初に君が、唯さんの小判を受け取った―その贖罪と思うのなら……もう繰馬君に嘘を吐くのは止めろよ、幽烟。
　君は、繰馬君が救われる理由を君の神様に求めたいのだろうが、無神論者の僕からすれば、『人が、人を救って何が悪い？』って話だ。君には君の感情がある。君が、繰馬君を生かすと決めた。僕らはそれで充分だ。それに君が、或いは君の神様が、彼を〝赦し〟た処で、彼が自ら荷を捨てる男かい？
　今の繰馬君に必要なのは、監視し、導く神じゃない。呆れるほどの見えない先を共に歩む人間だ。だから―たかが人間たる君が、誰に手を差し伸べようと―
　…それこそ、大したコトじゃぁ、無いんだよ」
　
　虫の音に溶け込む様な徹破の呟きは、俯いたままの幽烟の耳に、労わるように届けられた。

November 20, 2025 at 3:34 PM

里見信乃

@sa103-s.bsky.social

藤袴<弐>

「おや、あの人。〝儚い〟などと―
　そんなふうに私のコトを言ったのですか」
　
　診療を終えた医者の傍らへ、当り前に湯呑を差出す幽烟の、薄く刷いた笑みを徹破は見逃さない。
「…なんだい。随分、嬉しそうな顔をするね。
　さて利便事屋の頭目は、繰馬君に何をしたのやら」
「別に―ただ、季節の移ろいは速いものだと」
「他人の庵で許可も無く図太く煙草を吸うのと、
　君のいう季節の移ろいがどう関わるってンだい？
　庵の元亭主は〝碓水幽烟〟で御座い―なんて、
　所有権の主張（マーキング）をするような君じゃないだろ？」
「嗚呼、なるほど！　所有権の主張（マーキング）！
　それは私も思い至りませんでした」
　ニコリとした笑みは〝もう踏み込むな〟という警告と、解からぬ徹破では無い。
　だが敢えて徹破はそれを無視した。
「―繰馬君は〝内密に〟って言ったんだ。
　その約束を反故にして僕が君に話したのはね、幽烟。
　君の側にも何か理由があると思うからだよ。
　有耶無耶にせず、此処は僕に、話して欲しいな」
　一瞬、幽烟は瞳を逸らしたが、〝いいですよ。別に大したコトじゃありませんが〟そう幽烟は話し始めた。
「白露と言っても暦の上だけで、先週はまだ暑かった。
　繰馬さんを訪ねて庵へ伺いましたがちょうど留守で、
　折悪しく雨が降り出したのですよ。だから―
　庵で雨を、凌がせて頂きました。それだけです」
　スイとした顔の幽烟に〝それだけ？　〟と拍子抜けした徹波が聞くと、相手は〝ええ〟と答えた。
「あの人も、私が〝来た〟と言わなかったでしょう？」
「―会わなかったんだよね、繰馬君とは」
「ええ」
「でも、君。雨を凌いで庵に居たなら、
　会うまで待てば、よかったんじゃ」

「―いつ戻るのか、分からないのに？」
「用があって庵に行ったんだろう？　多少は待ってもいいじゃないか。出直す手間を思えば、さ。それとも出先で長居しそうな証拠でもあったかい？　例えば、雨戸を閉じて雁木屋へ行ったとか―」
「さぁ、それは」
「だよねぇ。君なら、いつ繰馬君が版木屋へ行くか、
　大方、分かるものね。それで訪ねてたら確信犯だ」
「―すぐに戻る心算だったのでしょう。
　…それでなければ、着物を干して外出など」
「なんだ、着替えが無くて繰馬君は、
　君の前に出られなかったのか」
「違います。干していたのは洗い替えですよ。
　あの日の雨は本当に酷くて、いくら着物を絞っても」
「ずぶぬれの彼を、見てた様な口振りだねぇ、幽烟？」
　湯呑を手に長い睫毛を伏せたまま訥々話す幽烟を、ごろりと畳に頬杖を突きながら聞く徹破が問い質す。
「…同じ雨の中ですよ、着物を絞っていたのは私です」
　しれっと言ってのける幽烟に、片方の眉を持ち上げることで徹破は続きを促した。
「―そのうち雨も小降りになったので、お暇しました。
　さすがに、勝手に火を焚いて薪を減らしては余りに
　申し訳ないですしね。でも、それだけです」
　チロリと幽烟は畳に転がる徹破へ流し目を送ったが、畳の縁に目をやったまま、徹破は何やら思考を巡らせている。頬杖を突いていない左の湯呑の中身が、既に空なのを見て取った幽烟は、徹破から湯呑を奪うと、つぃ、と立ち上がって流しに向かった。礼も言わず、徹破は頭の後ろで両手を組むと、畳の上で長く伸びて天井を見上げた。暫くそうしていた徹破だが、ふと、思いついた様に流しの水音に向かって話しかけた。
「ねぇ、幽烟。君、庵で煙草は吸わなかったろ？」
「――何故、そう思うのです？」
　返答から少し遅れて幽烟が部屋へ戻ってきた。

「君の言葉尻を捕らえてるだけさ。
　それと二枚の硬貨の確率だね。君がずぶ濡れに〝なった・ならない〟煙草を〝吸った・吸わない〟の。でも君がずぶ濡れになったのが本当だったら、煙草も湿気て使えるものか。だから実質、三択だ。後、君は〝雨が降り出した〟から庵に〝上がった〟と言った―だから、ずぶ濡れのワケがないのさ。雨が本降りの時、君は庵の中に居た。―じゃあ、雨を避けて避難した君は、庵で煙草を一服したのか？」
「どっちだって、いいじゃありませんか。
　私は繰馬さんを訪ねたけれど、会えずに帰ってきた。
　それで終いです」
「いいや。君は肝心の処ほど僕を誤魔化すからね。
　ま、それは置いておくとして”着物を干していた”というのは初耳だよ」
「それこそ如何でもいい話では？　繰馬さんも忘れたほどの、ほんの些細なことでしょう」
「いいや。僕は、そうは思わないね。
　だって、着物がずぶ濡れになる方が、繰馬君は困るだろうし、僕の知る碓水幽烟は、それをほったらかしのたまま、煙草を呑むような人間じゃない…というか、僕にしたって、煙草より先に、着物を部屋に取り込むだろうと思ったのさ」
「―では、着物を取り込んだのが私として、
　煙草を吸わなかったと何故、断言するのです？」
「着物を取り込んだのは認めるんだね？」
「―誰だって、そうするといったのはどなたです？」
　ピクリ、と徹波は片頬だけを動かした。
　上半身を畳からのそりと起こして幽烟を捕えた目が、悪戯心と好奇心を隠しきれずに底光りする。
　
「―そりゃあ、幽烟…
　誰にだって出来心ってのが有るだろう…」
　幽烟の白皙に、微かに縦皴が刻まれた。

己の台詞のどれかが相手に確信を齎したと気付いたからだ。反駁しかけた幽烟は、更なる墓穴を掘らぬ様、口を閉ざした。考えに耽る時の彼の癖で、煙管を求めて伸ばされかけた指先が、煙草入れの手前でふと怯む。
　
　その仕草を見極めたのか、徹破は頷き話しを続けた。
「繰馬君は、わざわざ山を下りてまで、煙草の銘柄を確かめに来た。でも、これが既に変なのさ。
　煙草の匂いは相当残る。感覚が鋭い上に喫煙しない繰馬君なら―銘柄はともかく僕か君かの区別はつくよ。そんな彼が考えあぐねる程の薄い紫煙―そんな中途半端な匂いを一体どうやれば残せると思う？」
　そこまで言うと、徹破はジッと幽烟の貌を見返した。続く幽烟の言葉を待っているのだ。
　
「それは…あの人の感覚が、特別鋭いというだけで」いかにも渋々…という幽烟に徹破の目元が険しくなる。
「そうかぃ。それで君は、いいのかい？」
　
　幽烟からの返事はない。
　
　〝やれやれ〟と声に出して徹破はかぶりを振った。
「…まったく、繰馬君は無口すぎて厄介だけど、
　肝心なコトほど伏せる君は、性格（たち）が悪い」
　そして未だに沈黙を続ける白い貌をめねつけながら、一言ひとこと区切るように言った。
「それは乾いた布に、煙草の匂いが着いてたからだよ。それもおそらく、繰馬君の着物にね」
　幽烟は沈黙を続けている。
　まるで石にでもなったかのようだ。
　さもなくば頑是ない子どものように。
　
　そんな幽烟を徹破は長く見つめていたが、やがて、諦めたのか細い息を静かに吐いた。

November 20, 2025 at 3:20 PM

里見信乃

@sa103-s.bsky.social

11/22はREVENGER(2023年冬アニメ）のW主人公、碓水幽烟（ウスイユウエン)の誕生日✨
ささやかですがカウントダウンのSSを今日からupしていきます✨

というのを昨日upしてたのですが、順序がおかしいので再度upし直します…

藤袴<壱>

〝徹破殿は御在宅か〟
　そう言いながら雷蔵が診療所の表戸をくぐったのは、秋分も過ぎた頃。いつまでも終わらぬ夏が漸く去って、夕立の雷も終ぞ聴かなくなった頃だ。特に張り上げたワケでもないのに、雷蔵の落ち着いた声は、地下室で作業中だった徹破の耳に良く届いた。折よく手の空いた徹破が返事を返して表に出ると、いつもの着流しに編んだ籠を下げ、雷蔵が三和土で待っていた。
「やぁ、元気そうだね。独り暮らしは慣れたかい？」
　そう尋ねる徹破に、雷蔵はふわりと笑うと問いには答えぬまま編籠を差し出した。
「先日、山で見つけたゆえ持参した。徹破殿の傷は、　もう好いのか」
　例の島で負傷したのは雷蔵も同じだったが、徹破の銃創は頑健な彼をして一週間は床に臥せるものだった。あれから数か月が過ぎているが、律儀にそれを覚えていて、〝些少だが…〟と中を勧める。覗くと百合根とムカゴがそれぞれ両手に一杯ほど入っていた。徹破は、それらを有難く受け取り、礼を言うと言葉を続けた。
　
「さて、今日の赴きはどんな要件があってかな？」
　
　雷蔵は、用もなく山を下りて来る性質（たち）ではない。
　元を冠するには何時迄経っても侍言葉の抜けぬ男の、心の奥底は単純なのか複雑なのか……中々に興味深いと常から徹破は思っている。現に今も、顎を引いて頷いたのに次の言葉が続かない。一向に話を切り出さぬ雷蔵に、降りるかと地下を指さすと、少し思案し、〝否。問題ない〟と答えた。ならばと診療所の待合に招き入れる―だが、どうやらこれは、長引きそうだ。
　こんな時に惣二なら、痺れを切らして急かすだろうし、幽烟は例の涼し気な眼で、じつと相手を見つめるだろう。だが、徹破はそのどちらもせずに、煙草盆に手を伸ばすと煙管を咥えた。

お節介と思われがちな医者だが、この辺の線引きを、徹破は誰より弁えている。
　”失敬するよ”と引出しを開けると、出した草を指でほぐし、最初は柔く、徐々に固く、火皿に詰める。
（大体、あの二人はいつまでも、繰馬君を子ども扱いし過ぎなのさ。性格が不器用なら不器用なりに、彼は彼でやっていけるし、その機会を奪っちゃだめだろう）
　そんなことを考えながら、吸い口で具合を確認していると、しげしげと手元を覗く黒い瞳と目が合った。
　
（……）
　好奇心旺盛な黒犬を連想させる表情に、思わず前言撤回しそうになった徹破は、〝繰馬君は大人（・・）で人間（・・）〟と脳内で慌てて修正を入れる。
「ン、ン―と、やってみるかい？」
　咳払いついでにそう言うと吸い口を相手に差出した。煙管を前に逡巡する雷蔵を、ほんの少しだけ挑発する。
「君、初めてだろう…？」
　案の定、黒曜石の眼の奥にチカとした光が差した。
　こくりと頷く跳ねた眉に、〝素直でよろしい〟と、徹破は破顔一笑する。少しばかり、この純朴な青年に〝悪いこと〟を教えるのも良いだろう―そんな背徳的な愉しみが頭の片隅を過ぎったのも、否定しない。
「コツは、最初にあまり深く吸い込み過ぎないことだ―まあ、嫌なら止めれば好いだけさ」
　そう言って、ぎこちない手付きで吸口に唇を付ける雷蔵の背中を、気持ち支える。
「煙を…喉に入れずに口腔に貯める感じで…どう？」
　火皿の草が赤く色付いて、雷蔵が煙を口に含むのが側から見て取れる―
　すぐに吐き出すかと思いきや、五秒程こらえてから、相手はケホケホと細かく煙を吐き散らした。煙管から顔を反らして浅く肩で息をする。喉を強く擦るので、肺にも少し入ったのだろう。

「俺には向いていないようだ…また…そのうち」　
「ま、最初はみんな、そんなものさ」
　フルフルと頭を振る雷蔵が、〝また、そのうち〟と意地を張るのが可笑しくて、苦笑しつつ徹破は雷蔵の背を擦った。
　
「でも、まぁ。これで解かっただろう？」
　そう問う徹破に、雷蔵は再び、こくりと頷いた。
「ああ。かたじけない」
　そう返すと、おもむろに雷蔵は徹破に問うた。
　
「碓水幽烟という名は、偽名であろう？」
　
「ナンだい、藪から棒に…知ってどうする気だい？」
　徹破の指が、素通しの眼鏡に掛かるのを眺めながら、雷蔵は言葉を続ける。
「いや。只、斯様な儚い名を何故―と。そう思った」
「さてね？　僕が出会った頃には、もうそう名乗って　いたからね。そう詮索するものではないさ」
　そう言うと、雷蔵は口をへの字に結んで眉を下げ、己を納得させる様に小さく頷いた。その少し硬い横顔を流し見た徹破は、彼の訪問理由が、急に解けた。
　
　勿論、原因は先に出た名前にある。
　だが、一度頷いてしまった以上、もう雷蔵の口からその理由が出ることはないだろう、とも、思う。〝やれやれ〟と徹破は心の奥で嘆息した。
　生まれた時から〝武士〟という狭い枠で育った男が、急にタガを外されたのだ。報恩・滅私　以外に他人の感情（おもい）の受け止め方を知らないとして、一番　戸惑っているのは”当の本人に違いない”のだろうが。
（これじゃぁ僕も、惣二や幽烟を莫迦にできない。
　この口下手じゃあ、手なり口なり、
　つい出そう―って気に、なるじゃぁないか）

〝やれやれ〟と、今度は声に出して嘆息し、ついでに咳払いをしてから、徹破は相手の横顔に告げた。
　
「さて、と。これで分かったろ？
　君の庵に行ったのは僕じゃあ、ナイ」
　はっと此方をふり仰いだ雷蔵に、徹破が告げる。
　
「君は、僕の煙草の匂いを確かめにきた。違うかい？」
　
　核心を突かれたのか、雷蔵の肩が微かに揺らぐ。
　沈黙する相手に、謎解きに興じるフリで徹破が言う。
「でも、解からないなぁ。繰馬君、君さあ…
　なんで僕の処へ来たんだい？」
「…間違いが、あってはならぬと思ったからだ。
　…俺は、何もしていない」
「間違いも何も、やったのは君じゃなくて幽烟だろ？
　気になるンなら幽烟に直接訊けばいいのにってコト」
　観念したように、雷蔵は大きな息を吐きだした。
「―すまない。その通りだと、俺も思う。
　だが、確証も無しに、口にするわけにも……」
「ここまで匂わせておいて、其れは無いだろ？
　大体、君の庵を知るのは僕らだけだし、平生煙草を呑む二人の内の僕が否定したんだ。答えは幽烟一択さ。ま、幽烟が置いてったモノは黙って貰えばいいんだよ」
　
「否―特に何か、モノが増えたわけでは……
　まだ、それなら俺も、真直ぐ礼に向かうのだが…」
　歯切れの悪い雷蔵に、”え！　違うのかい？”と、徹破も思わず目を見張った。
「てっきり、それしかないと思ったけど、いやぁ…
　それは…困るなぁ。一体、どんな状況だったの？」
　
　だが雷蔵は頑なに首を振り、〝俺が此処へ来た事は、幽烟殿には内密に〟と、念を押して帰っていった。

November 20, 2025 at 3:10 PM

里見信乃

@sa103-s.bsky.social

おはようございます☀️のハズ

今日は起き上がるのに思わず
エイッて掛け声が必要でした🤭
新聞配達のバイクの音から
ずっと静かだ…
毎朝、ありがとうございます✨
2025/11/20 5:35の空

#イマソラ

November 19, 2025 at 9:17 PM

里見信乃

@sa103-s.bsky.social

11/22はREVENGER(2023年冬アニメ）のW主人公、碓水幽烟（ウスイユウエン)の誕生日✨
ささやかですがカウントダウンのSSを今日からupしていきます✨

藤袴　<壱>

November 19, 2025 at 3:01 PM

里見信乃

@sa103-s.bsky.social

先週見かけたセンブリ

イヌセンブリか無印センブリかちょっと迷ったけど、花の中央の毛がモシャモシャして無いのでセンブリで！
味見すれば良かったのかも👅

#TLを花でいっぱいにしよう
@botanical.bsky.social
#これを見た人は何か白いものをあげる

November 18, 2025 at 9:27 PM

里見信乃

@sa103-s.bsky.social

おはようございます☀️
昨夜はXがストップしていた
らしいとTLで知りましたが…
皆、大丈夫だとイイなぁと思いつつ、特に未練は無いかな

転生して来ても関わりたく無い人たちも居るからな

いまだに繋がって下さっている方には心から感謝を✨
そして今日も、これからも、
穏やかな青空でありますように

2025/11/19 6:00の空

#イマソラ

November 18, 2025 at 9:14 PM

里見信乃

@sa103-s.bsky.social

パートナーさんが岡山土産にくれた歩月(あづき)さんの和菓子✨
左回りに12時の場所から、”あんバター餅””しお豆大福””栗羊羹ラム酒入り””薄皮饅頭””きな粉おはぎ”✨

元々和菓子大好きですが、
6個1100円のリーズナブルさ😳
岡山の人、羨ましいッ！

私のイチオシは@あんバター餅”でした…こし餡の中にバターと、ラム酒漬けのレーズンが入ってます✨

えっと、実はこし餡＋ラム酒漬けレーズンの組み合わせが故郷の最中と同じで、たまらん懐かしい〜！！
という訳で美味しく頂きました✨フゥ〜✨幸せだ〜✨
#和菓子

November 18, 2025 at 1:24 PM

里見信乃

@sa103-s.bsky.social

おはようございます☀️
朝、一手間違うとドミノ崩壊するルーチンワーク💦
今日も一日よろしくお願いします✨
2025/11/18 6:45頃の空

#イマソラ

November 17, 2025 at 10:47 PM

里見信乃

@sa103-s.bsky.social

冬至に向かうから当たり前だけど、かなり日が短い。
ギリギリ日没に間に合ったかな✨
#イマソラ

November 17, 2025 at 7:39 AM

里見信乃

@sa103-s.bsky.social

昨日、撮影したヤマボウシ

こんなにタワワなのに、
スズメ達が気付いてない…
ふふふ😏
私が食べてもイイかな？

→同じ木でもポチポチの間隔が違うので、味が違うのか？
と思って食べてみましたが、
どちらも美味しかった✨
皮は苦いから…鳥はコレを嫌がってるのかな？

花…では無いのでタグをこちらにしてみました。
初参加です。
よろしくお願いします！
@botanical.bsky.social