相園 りゅー
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相園 りゅー
@ryu-aizono.bsky.social
詩を書いたり読んだりします。
すべてのものが震えて生きる
炎の国で
あの狼の代わりなど
永劫あらわれはしないのだ
November 11, 2024 at 5:09 PM
 人はいつでも「生まれたまま」を美徳としたがって、「手を加えないもの」、「素直なこころ」、「そのままの君」が素敵なんだと、手を替え品を替え言葉を替えて肯定したがっている。それらがあまりに醜く見えて、私はいつも性悪説のことを考える。
 「生まれたまま」は、わるいもの。私たちは「生まれたまま」を叩いて曲げて矯正するために生きていて、考えていて、恋をしていて、詩を書いている。
 私たちは、私たちの生と、思考と、恋と、言葉を、無駄にするためにいるのではないよ。
September 16, 2024 at 4:25 PM
ただただ哀しくて、そしてなにかに怒りたい気持ちになることが、たくさんあるのです。
僕はたくさん怒りたい気持ちで、しかし怒ることができずに、そばにある哀しさばかりを語っています。
怒鳴り声を、あげることができればどれ程よかったでしょう。哀しみですら大きな声では言えなくて、親しい人や、庭の石や、自分自身に、それが彼らの負担にはならないよう気をつけながら、そっとすすり泣いては撤回します。
ほんとうは、哀しみたくなんてないのです。なにかに怒りたいのです。なにに怒ればいいか、分からないのです。そんなことが、たくさんあるのです。
August 31, 2024 at 2:46 PM
#詩
「よいどれ」(2018/4)
August 25, 2024 at 4:41 PM

盆と台風が一気に過ぎて
風がくっきり涼しくなって
そうしてやっとこれまでの日を
夏だと言えたように思います

名前を呼ぶ、そのためにも息を吸わねばならないこと
すべての言葉は後付けなこと
あなたの前にあなたの名前は無くて
わたしは名前を呼ぶ、
そのために吸い込んだものを吐きだして
あなたのことを夏と呼ぶ

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#詩 無題
August 20, 2024 at 12:08 PM
君、と書いて
黒いインクで書いて
強く深く、なんども書いて
君、はいま、はてない陰になってゆく
書かれる君、の輪郭が
線の長さや止めや払いが
ひとつずつ意味をうしなって
君、の形を曖昧にする
君、の姿も声も目のかがやきも
黒さに融けてひろがって
意味のほどける君、を見ている
黒いインクで君、をなぞる
すべてが君、になるときに
すべては君、でなくなって
君、は輪郭であることを
はじめて僕の右手が悟る
君、と書いて
なんども書いて
黒く大きくなってゆく君、
君をなぞる

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#詩 「君、をなぞる」
August 16, 2024 at 11:31 AM
沙漠のことを思い出すがいい
なめらかな丘と
流れる大地と
なによりも軽やかで厖大な砂の無限を

わたしたちは駱駝に乗った商人に
歩きやんではいけないと言われて
片脚の埋まる前に片脚を出す
その忙しない動作を歩くとも
また生きるとも呼ぶことにした
遠い海の神話にある巨きな魚のように
沙漠の中をわたしたちが生きた
その両脚を思い出せ
肋の痛みは鰓孔になり
いつしか呼吸は砂に変わって
わたしたちは胸を押し上げずとも
酸素を得られるからだになった

沙漠のことを思い出すがいい
なめらかな胸を
撫でゆく手のひら
なによりも愛おしんだ人との無数の呼吸を

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#詩 「タクラマカン」
August 15, 2024 at 3:09 PM
笑うわれらはまるい肺
呼吸のしぼみとふくらみの
ただそれだけの機能となって
われら笑われ割れんばかりの
笑うわれらはまるい肺
しぼめしぼめふくらめしぼめ
ふくらめふくらめ
吐け わらえ
まるい肺われらわらうばかりの
笑えば割れるまるい肺

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#詩 無題
July 8, 2024 at 5:14 PM
媚びることで生きていたくはないよ、無関心と敵意と殺害の合間を縫って、それらの木々を愛おしむように歩いていたい。森は僕を好きではなくて、僕も森を守りたいとは思わずに、少しづつ殺し合いながら少しづつ生きていたい。
June 19, 2024 at 3:58 AM
生まれたときから詩人であるという人がいたなら、僕は嫉妬してしまうかもしれないし、憧れてしまうかもしれないし、崇めてしまうかもしれないと思う。
June 11, 2024 at 4:15 PM

あなたの不在は明るさに似て
知らない内に空いていた穴を
しらじら照らしてしまいます
ざらざらとしたその穴の縁を
ざらついたままの光でもって
削り取るみたいに触れてゆく
あの光りこそがあなたの不在
そうして照らされた穴を見る
私が寂しさそのものなのです

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#詩
「瞑目のくぼんだところ」
May 1, 2024 at 1:32 AM
酸性雨には神さまが溶けて
ぼくらはときどきそうやって
雷を飲む

喉が痛いんだともらした君は
ごくりと
つばを飲み込んで
はなし始めて
すぐに黙った

ぼくらはときどきそうやって
雷みたいな
言葉を知っていることに気づく

君のむこうで
音をたてて
降りゆくものは神さまの腕

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#詩 「かむとけ」
April 16, 2024 at 11:50 AM
ひゃくまん人の住む町が

ひゃくまんの黄昏に

ひゃくまんのたばこを

一息にぽかりとふかしたら

ひゃくまんの煙は

ひゃくまんの雲になるだろうか

ひゃくまんの夕立になるだろうか

そんなことってないだろうから

ひゃくまん人は今日も

ひゃくまんのたばこをふかしています

ぽかり ぽかりと

黄昏の煙をはいています

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#詩 「ひゃくまんの煙」
April 16, 2024 at 8:11 AM
金木犀の花が咲く頃
 (あの甘いマーマレードのような
   香りがいちめんに立ち込めて)
 (無風の朝に)
 (明星がひかり)
 (遥かな小川も流れをとめて)
 (千切れた雲はオレンジであることをやめ)
 (やがてすべてが虹になっていく最中)
誰も恋をせざるはなし。

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#詩 「金木犀が香る」2018/3
April 16, 2024 at 8:05 AM