ろむかべ
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ろむかべ
@rom-no-kabe.bsky.social
20↑成人済み年寄りオタ/最近は🏐研とク贔屓の研クロ/ほぼROM、ときどき妄想吐き捨て
校庭からは聞き覚えのある声がシュートを呼んでる。隣でうつらうつらとして寄りかかってきて重い人は、泥汚れは、靴の裏や脛より腕や手にくっつくことが多い。
賢者が隠遁してるのは冒険に疲れたから、というパターンが多い。かつての大冒険を新しい勇者に語り、かつての冒険から得た知識を授ける。
体を寄せ合って村人たちの喧騒を遠巻きに聞きながら、静かに息を繰り返す。寂しそうな悲しそうな顔をして探しにくるこの人は、いつも鐘が鳴ると少しだけマシな顔をして隠れ家を去っていく。
いつも色々なことをくれるこの人に、今更あげられる何かなんて持っていないけれど、ただ黙ってくっついているだけならできる。
January 15, 2026 at 12:51 AM
学校の鐘の音が流されるまで、隣の温もりはずっとくっついていた。この人がこんなに静かなことを、いつもサッカーをやらせている人たちは知っているんだろうか。口をいっぱいに開けて大きな声をあげるこの人の息遣いが、こんなに優しいことを知っているんだろうか。
冒険の書を持って隠遁するのは毎日だったけれど、元気で静かな人が訪れてくるのはまばらだった。数日続けて来ることもあれば、週に一日しか来ないこともあった。いつだって会話しないで、頬がくっつくくらいに身を寄せ合って、一緒に冒険を見下ろすだけ。なにか用があるわけじゃないんだとは、すぐに見当がついた。ただ探しに来ただけらしかった。
January 15, 2026 at 12:51 AM
体を縮めて『うるさい』『静かにして』と全身で言うと、きちんと拾ってくれる。
となりにぴったりとくっついた体温で、冷えてた肩がほどけていく。画面を覗き込む目が『今なにしてんの』『どこまでいった?』と尋ねてくる。少しだけ顔を逸らして冒険の巻物が見えるようにしてあげる。頬が触れ合う。少しだけ湿っていて、動き回った後なんだとわかった。
友達が増えたこの人は、いつもお昼休みは校庭で楽しそうに走っている。
もしかしたらわざわざ探しにきたのかもしれない。なんの用があるんだろう。でもいまは勇者がピンチで冒険を止めることなんてできない。賢者の指で勇者たちを助けてあげなくては、彼らはしんでしまう。
January 15, 2026 at 12:51 AM