(これじゃまるで恋人同士の逢瀬じゃないか!)
さすがにおかしいと思い始めた💧は、とある晩の行為の後、自分に口付けようとしてくる🔸を阻止して問いかけた。
「ねぇ、🔸。🔸はいつこの行為に飽きるの?」
口付けを阻止された🔸は眉根を寄せながら💧の手を取ると、「そうだな…」と考え始め、そして
「俺がお前に飽きることは、この先一生ないだろうな」
と言って💧の唇を奪うと、そのまま彼をベッドへと押し倒したのだった。
(これじゃまるで恋人同士の逢瀬じゃないか!)
さすがにおかしいと思い始めた💧は、とある晩の行為の後、自分に口付けようとしてくる🔸を阻止して問いかけた。
「ねぇ、🔸。🔸はいつこの行為に飽きるの?」
口付けを阻止された🔸は眉根を寄せながら💧の手を取ると、「そうだな…」と考え始め、そして
「俺がお前に飽きることは、この先一生ないだろうな」
と言って💧の唇を奪うと、そのまま彼をベッドへと押し倒したのだった。
「🔸ってセー欲とかなさそうだから、この関係にもすぐに飽きるだろうな〜」
凡人としての学習が終われば💧はお役御免になるだろう。そしてそれはそう遠くない未来で起こることである。💧の人生に突然訪れたイレギュラーな時間。残り少ないその時間を💧は最後まで楽しんでやろうと思っていた。
だがそんな彼の考えとは裏腹に、🔸は💧との関係性を継続させた。それに伴ってか、💧に対する🔸の態度は、恋人に接するような甘いものとなっていった。
最初は行為だけを目的に集まり、行為が終わればさっさと解散していた。→
「🔸ってセー欲とかなさそうだから、この関係にもすぐに飽きるだろうな〜」
凡人としての学習が終われば💧はお役御免になるだろう。そしてそれはそう遠くない未来で起こることである。💧の人生に突然訪れたイレギュラーな時間。残り少ないその時間を💧は最後まで楽しんでやろうと思っていた。
だがそんな彼の考えとは裏腹に、🔸は💧との関係性を継続させた。それに伴ってか、💧に対する🔸の態度は、恋人に接するような甘いものとなっていった。
最初は行為だけを目的に集まり、行為が終わればさっさと解散していた。→
そんなこんなで、2人は契約を結んだ。体を治してもらう代わりに💧は自身の貞操を🔸に差し出す。期限は🔸が飽きるまで、と。
契約のもと、💧の体は怪我を負う前と同様にまで治された。また戦えるようになった彼は、その事実に歓喜した。その代わりに🔸に抱かれることとなったが、自分よりも強い男に押し倒されることは意外と苦ではなかった。仕事に支障が出ない範囲であるため、💧は生活の中に少しだけ刺激が増えた程度にしか感じなかったのである。それに、💧はこの生活が長く続くとは思っていなかった。→
そんなこんなで、2人は契約を結んだ。体を治してもらう代わりに💧は自身の貞操を🔸に差し出す。期限は🔸が飽きるまで、と。
契約のもと、💧の体は怪我を負う前と同様にまで治された。また戦えるようになった彼は、その事実に歓喜した。その代わりに🔸に抱かれることとなったが、自分よりも強い男に押し倒されることは意外と苦ではなかった。仕事に支障が出ない範囲であるため、💧は生活の中に少しだけ刺激が増えた程度にしか感じなかったのである。それに、💧はこの生活が長く続くとは思っていなかった。→
「なんだ、そんなことでいいの?」
「『なんだ』って、そんな軽々しく……凡人にとって、この手の話題が非常にデリケートなものであることくらい俺でも知っているというのに…」
体を治す代わりに抱かせろ、と言われたにしては軽い💧の返答に、その条件を出した🔸の方が頭を抱えてしまった。
「軽くなんてないさ!今回の件で、俺は🔸に命を救われたも同然なんだから!」
戦えぬ自分に価値はないとさえ考えていた💧にとって、自身の体を戦えるものに治してもらえるということは、命を救われると同義である。→
「なんだ、そんなことでいいの?」
「『なんだ』って、そんな軽々しく……凡人にとって、この手の話題が非常にデリケートなものであることくらい俺でも知っているというのに…」
体を治す代わりに抱かせろ、と言われたにしては軽い💧の返答に、その条件を出した🔸の方が頭を抱えてしまった。
「軽くなんてないさ!今回の件で、俺は🔸に命を救われたも同然なんだから!」
戦えぬ自分に価値はないとさえ考えていた💧にとって、自身の体を戦えるものに治してもらえるということは、命を救われると同義である。→
「本当!?」
💧の望むものであった。
「じゃあ治して!今すぐ!俺にできることなら何でもするから!」
「…何でも?」
「うん!…いやまぁ組織を抜けろとか機密情報を教えろとかはできないけど、仕事に支障がでない範囲でなら何でもいいよ!」
「そうか…」
💧の言葉にしばらく考え込んだ🔸は、思いついたといった様子で口を開いた。
「ならば、時間がある時にお前を抱かせてはもらえないか?」
「…へ?」
🔸曰く、魔ネ申である彼はそういった行為とは無縁だったらしい。だがこれから凡人として生きていくならば、それらのことを知っておく必要があるだろうと常々考えていたのだという。→
「本当!?」
💧の望むものであった。
「じゃあ治して!今すぐ!俺にできることなら何でもするから!」
「…何でも?」
「うん!…いやまぁ組織を抜けろとか機密情報を教えろとかはできないけど、仕事に支障がでない範囲でなら何でもいいよ!」
「そうか…」
💧の言葉にしばらく考え込んだ🔸は、思いついたといった様子で口を開いた。
「ならば、時間がある時にお前を抱かせてはもらえないか?」
「…へ?」
🔸曰く、魔ネ申である彼はそういった行為とは無縁だったらしい。だがこれから凡人として生きていくならば、それらのことを知っておく必要があるだろうと常々考えていたのだという。→
意外と彼にもロマンチックなところがあるのだな、と笑いながら🔸は窓を開ける。するとそこには……
「やぁ🔸先生、久しぶり! 誕生日おめでとう!」
冷たい冬の夜風と共に、今一番会いたいと思っていた愛おしい者の声が🔸のもとへと届いたのであった。
今日は最高の誕生日になりそうだ。
意外と彼にもロマンチックなところがあるのだな、と笑いながら🔸は窓を開ける。するとそこには……
「やぁ🔸先生、久しぶり! 誕生日おめでとう!」
冷たい冬の夜風と共に、今一番会いたいと思っていた愛おしい者の声が🔸のもとへと届いたのであった。
今日は最高の誕生日になりそうだ。
プレゼントと共に、🔸は💧のことを思い出す。遠く離れていても🔸を微笑ませてくれる💧、ここ最近会えていないが、彼は今元気にしているだろうか?思い出すのは楽しそうに笑う💧の顔。なんだか無性に彼に会いたくなってきた。だが、彼は今ここから遠く離れた場所にいるはずである。いつもなら平気なのに、今はそれがすごく寂しかった。
そうこうしているうちに、気付けば全ての紙切れを探し当てていたらしい。最後の紙切れには見慣れた文字でただ一言、「外を見て」と書かれていた。
「外?」→
プレゼントと共に、🔸は💧のことを思い出す。遠く離れていても🔸を微笑ませてくれる💧、ここ最近会えていないが、彼は今元気にしているだろうか?思い出すのは楽しそうに笑う💧の顔。なんだか無性に彼に会いたくなってきた。だが、彼は今ここから遠く離れた場所にいるはずである。いつもなら平気なのに、今はそれがすごく寂しかった。
そうこうしているうちに、気付けば全ての紙切れを探し当てていたらしい。最後の紙切れには見慣れた文字でただ一言、「外を見て」と書かれていた。
「外?」→
紙切れには見慣れた文字で「出会いの花の底」と書かれていた。これが指すのはおそらく最初の扉に入っていたレインホ"ー口ース"のことだろう。指示通りに最初の扉を開け、底を見る。最初開けた時は気付かなかったが、どうやら二重底になっていたようだ。底を外すと、そこには今🔸が持っているのと同じような紙切れが入っていた。
「また何か書いてあるな」
紙切れの指示に従い、再び別の紙切れを見つける。それを何度か繰り返しながら、🔸はこれまでにもらった贈り物を見返していく。扉を開けて楽しかった気持ち、嬉しかった記憶が彼の中で鮮明に蘇る。いつの間にか、🔸は幸せそうに微笑んでいた。→
紙切れには見慣れた文字で「出会いの花の底」と書かれていた。これが指すのはおそらく最初の扉に入っていたレインホ"ー口ース"のことだろう。指示通りに最初の扉を開け、底を見る。最初開けた時は気付かなかったが、どうやら二重底になっていたようだ。底を外すと、そこには今🔸が持っているのと同じような紙切れが入っていた。
「また何か書いてあるな」
紙切れの指示に従い、再び別の紙切れを見つける。それを何度か繰り返しながら、🔸はこれまでにもらった贈り物を見返していく。扉を開けて楽しかった気持ち、嬉しかった記憶が彼の中で鮮明に蘇る。いつの間にか、🔸は幸せそうに微笑んでいた。→
1秒、また1秒と秒針が時を刻む。長針が数度動き、ようやく短針が0時を指し示した。12月31日、0時0分。🔸は待っていたと言わんばかりの速さでアドベントカレンダー最後の扉を開けた。
「……これは?」
最後の扉を開けた先にあったのは一枚の紙切れだった。手紙にしては薄っぺらい、キャンディの包み紙程度の紙切れである。まさか最後の最後にプレゼントを入れ忘れたのだろうか?いや、💧に限ってそんなことはないだろう。
「もしかして…謎解き、だろうか?」
そう思い、🔸は中に入っていた紙切れを手に取った。→
1秒、また1秒と秒針が時を刻む。長針が数度動き、ようやく短針が0時を指し示した。12月31日、0時0分。🔸は待っていたと言わんばかりの速さでアドベントカレンダー最後の扉を開けた。
「……これは?」
最後の扉を開けた先にあったのは一枚の紙切れだった。手紙にしては薄っぺらい、キャンディの包み紙程度の紙切れである。まさか最後の最後にプレゼントを入れ忘れたのだろうか?いや、💧に限ってそんなことはないだろう。
「もしかして…謎解き、だろうか?」
そう思い、🔸は中に入っていた紙切れを手に取った。→
まだ全て開けられていないカレンダーを見て、🔸はまだ見ぬ贈り物へと想いを馳せる。いつの間にか、🔸は次の日が来るのが待ちきれなくなっていた。
1つ、また1つと扉が開いていく。そして🔸の周りが💧からの贈り物でいっぱいになった頃、ついにカレンダーの扉は最後の1つを残すのみとなっていた。その扉を開けるまであと数分。🔸は落ち着かない様子で時計の針を眺めていた。
あと数分で🔸は誕生日を迎える。そんな日に開ける扉の先には、一体どんな物が入っているのだろうか?誕生日だから、もしかしたら何か特別な物が入っているかもしれない。期待に胸が躍る。→
まだ全て開けられていないカレンダーを見て、🔸はまだ見ぬ贈り物へと想いを馳せる。いつの間にか、🔸は次の日が来るのが待ちきれなくなっていた。
1つ、また1つと扉が開いていく。そして🔸の周りが💧からの贈り物でいっぱいになった頃、ついにカレンダーの扉は最後の1つを残すのみとなっていた。その扉を開けるまであと数分。🔸は落ち着かない様子で時計の針を眺めていた。
あと数分で🔸は誕生日を迎える。そんな日に開ける扉の先には、一体どんな物が入っているのだろうか?誕生日だから、もしかしたら何か特別な物が入っているかもしれない。期待に胸が躍る。→
胡🍑にそう指摘されてしまう程、🔸はここ最近浮き足立っていた。その理由はもちろん💧から贈られたあのカレンダーである。
初めてカレンダーの扉を開けた日から早数日。その過ぎた日の数だけ🔸はカレンダーの扉を開けた。そして、中に入っている贈り物を受け取った。
⚡️の鉱石にス✉️のキャンディ、モソドの蒲公英の種やナ夕産のアクセサリーなど、🔸がこれまでに受け取った数々の贈り物は各国を渡り歩く💧らしい品々であった。これらを受け取ると、なんだか自分も💧と共に世界中を駆け巡ったような気持ちになれてとても楽しかった。→
胡🍑にそう指摘されてしまう程、🔸はここ最近浮き足立っていた。その理由はもちろん💧から贈られたあのカレンダーである。
初めてカレンダーの扉を開けた日から早数日。その過ぎた日の数だけ🔸はカレンダーの扉を開けた。そして、中に入っている贈り物を受け取った。
⚡️の鉱石にス✉️のキャンディ、モソドの蒲公英の種やナ夕産のアクセサリーなど、🔸がこれまでに受け取った数々の贈り物は各国を渡り歩く💧らしい品々であった。これらを受け取ると、なんだか自分も💧と共に世界中を駆け巡ったような気持ちになれてとても楽しかった。→
『情熱』
💧がそれを知って贈ってきたかはわからない。だが、彼の心の熱が自分に向けられているといいなと🔸は思った。そして次の扉には一体何が入っているのだろうと、🔸はまだ見ぬ贈り物に胸を躍らせるのだった。→
『情熱』
💧がそれを知って贈ってきたかはわからない。だが、彼の心の熱が自分に向けられているといいなと🔸は思った。そして次の扉には一体何が入っているのだろうと、🔸はまだ見ぬ贈り物に胸を躍らせるのだった。→
「こうも考えを読まれてしまうとはな…」
そう言って🔸は困ったように笑う。しかし、彼の表情からは嬉しさが滲み出ているのであった。
アドベントカレンダーをもらった翌日、🔸は初めてカレンダーの扉を開けた。最初に開けた扉の中には、フォソ〒ーヌの特産品であるレインホ"ー口ース"の花が入っていた。生花であるが故に初日のプレゼントとして選ばれたのであろう。調香の原料に使われるその花からはとても良い香りがした。→
「こうも考えを読まれてしまうとはな…」
そう言って🔸は困ったように笑う。しかし、彼の表情からは嬉しさが滲み出ているのであった。
アドベントカレンダーをもらった翌日、🔸は初めてカレンダーの扉を開けた。最初に開けた扉の中には、フォソ〒ーヌの特産品であるレインホ"ー口ース"の花が入っていた。生花であるが故に初日のプレゼントとして選ばれたのであろう。調香の原料に使われるその花からはとても良い香りがした。→