私は前者を選んだことがない。何をどう考えても玉砕以外の結果がイメージできなかったから。一緒に声をあげてくれと頼まれても断ったことさえある。その人は業界を去った。選ばなかったにせよ、選べなかったにせよ、地の塩にならなかった以上、私は連環の輪のひとつだと思う。

おかしいことをおかしいと言うことが目的なのか、おかしいことを避けて自分の駒をひとつ前に進めることが目的なのか。これが決して両立しない。どちらかしか選べない。

ダイレクトな情緒に素面では耐えられない。優しさには1メートル離れていて欲しい。

特にどこへも行きたくないし、美味しいものも食べたくない。消費は日本で半強制的に一生分し尽くした。グラスゴーへ出家。

時間を毟り取られる環境が8割型完成した社会のコンベアに生み落とされたので、勉強だけしていればいい期間の確保が大変だった。何が大変だったかというと、正気で日本にいるのが大変だった。