「ふふ、ふふふ!そうねえ、あんまりセンスは良くないわ!変なメガネを付けてたりするのよ!」
そう話す姿はとても幸せそうで。
その旦那とやらが本当に好きで、大事なんだろうというのが嫌でも伝わった。
「そーかい。はあ、のろけ話は聞きたくないから作業に戻らせてもらおうかな」
「あら、冷たいのね!いいわ、わたしここに座って勝手にしゃべってる」
ドラム缶の上にひょいと腰掛け、頬杖をついてグレナデンはこちらを見ている。
「勝手にしな、僕は返事しないから」
「ふふ、ふふふ!そうねえ、あんまりセンスは良くないわ!変なメガネを付けてたりするのよ!」
そう話す姿はとても幸せそうで。
その旦那とやらが本当に好きで、大事なんだろうというのが嫌でも伝わった。
「そーかい。はあ、のろけ話は聞きたくないから作業に戻らせてもらおうかな」
「あら、冷たいのね!いいわ、わたしここに座って勝手にしゃべってる」
ドラム缶の上にひょいと腰掛け、頬杖をついてグレナデンはこちらを見ている。
「勝手にしな、僕は返事しないから」
「あら!意外と素直に謝れる人って少ないんだから。特に男の子なんかそうね」
グレナデンはそう言いながらニコニコと笑いながら僕の頭を撫でて……ああ、こいつ僕のことガキ扱いしてやがる。
「偉そうに……あと他の男の話なんかするなよ」
そんなふうに言ってやったら、グレナデンは「食べてたフルーツからナメクジが出てきたような顔」をして手をひょいと退けた。
「ヤダ!彼氏ヅラが始まったわ!わたし旦那さんいるのに!」
彼女は僕に見せつけるように指輪をちらつかせる。変な光り方をする青色の、ダサい指輪。
「そんな指輪をお前にやるなんて、お前の旦那はよほどセンスがないね」
「あら!意外と素直に謝れる人って少ないんだから。特に男の子なんかそうね」
グレナデンはそう言いながらニコニコと笑いながら僕の頭を撫でて……ああ、こいつ僕のことガキ扱いしてやがる。
「偉そうに……あと他の男の話なんかするなよ」
そんなふうに言ってやったら、グレナデンは「食べてたフルーツからナメクジが出てきたような顔」をして手をひょいと退けた。
「ヤダ!彼氏ヅラが始まったわ!わたし旦那さんいるのに!」
彼女は僕に見せつけるように指輪をちらつかせる。変な光り方をする青色の、ダサい指輪。
「そんな指輪をお前にやるなんて、お前の旦那はよほどセンスがないね」
負けないぐらいデカい声で抗議をすると、ぽわん、と赤毛の女……グレナデンが現れた。
僕よりずっと背が高く、頭には黒い角がある。
人間ではない、僕だけの悪魔。
「ビルがずうっと無視するからよ!わたし無視されんの大ッキライ!」
グレナデンは口を尖らせてプイとそっぽを向く。
僕よりでかいのに、そのそぶりがまるで子どもみたいでなんだか気が抜けてしまう。
「聞こえなかったんだよ、ごめんって」
グレナデンは逆再生みたいにこちらを振り返る。
さっきとは打って変わって満足そうにしていた。
「謝ったから許すわ。ビルったらとーっても偉いのね」
負けないぐらいデカい声で抗議をすると、ぽわん、と赤毛の女……グレナデンが現れた。
僕よりずっと背が高く、頭には黒い角がある。
人間ではない、僕だけの悪魔。
「ビルがずうっと無視するからよ!わたし無視されんの大ッキライ!」
グレナデンは口を尖らせてプイとそっぽを向く。
僕よりでかいのに、そのそぶりがまるで子どもみたいでなんだか気が抜けてしまう。
「聞こえなかったんだよ、ごめんって」
グレナデンは逆再生みたいにこちらを振り返る。
さっきとは打って変わって満足そうにしていた。
「謝ったから許すわ。ビルったらとーっても偉いのね」