田中宏明
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田中宏明
@pochie334.bsky.social
ライター。好きなものは映画、音楽、頭脳警察、PANTA、伊藤蘭、フォルティウス(カーリング)。
「爆弾」鑑賞(昨日)。
呉勝浩の小説を映画化。
酔っぱらって暴れて捕まった男が「霊感が働く」と称し、爆弾が爆発すると予告。それが現実のものとなる話。
何よりも「スズキタゴサク」と名乗る犯人を演じた佐藤二朗の怪演がすごい。大仰な演技が鼻をつくこともあるのだが、本作での演技は出色。のらりくらりと刑事の追及をかわし、逆に彼らをやり込める。
対する刑事役の渡部篤郎、山田裕貴、染谷将太に加え、巡査役の伊藤沙莉、坂東龍汰らも好演。
緊迫度はかなりのものでエンタメとして十分楽しめたものの、終盤はやや冗長な感じも。オチも今ひとつピンとこなかった。
November 12, 2025 at 2:12 AM
「旅と日々」鑑賞。
つげ義春の短編漫画2本を三宅唱監督が映画化。スランプの女性脚本家が体験する不思議な出来事を描く。
ドラマは2部構成。前半は主人公が脚本を担当した映画のパート。後半は、「自分には才能がないと思った」と語った主人公が旅に出て、風変わりな宿に泊まり、そこの主人と交流する。
つげ義春作品らしいシュールで哀愁漂う雰囲気はそのままに、弱った女性が自分を見つめ直し再生するドラマの側面を押し出している。ユーモアも満点。前半の夏の海や山、後半の雪の風景など映像も美しい。シム・ウンギョン、堤真一がいい味を出している。河合優実はいかにもつげ作品にふさわしい佇まい。地味ではあるが味わい深い一作。
November 10, 2025 at 9:03 AM
「旅人の必需品」鑑賞。
韓国のホン・サンス監督がイザベル・ユペールを主演に迎えた作品。
その正体も過去も謎のフランス人女性が、ソウルの街で生活費を稼ぐため風変わりなフランス語の個人レッスンを行い、マッコリを飲みながら会話を繰り広げる。
いつも通りのホン・サンス映画。カメラを固定し、長回しの映像で人物を捉える。そこからそこはかとないユーモアが漂ってくる。主人公をはじめ登場人物の微妙な心理状態もチラチラと見えてくる。
これがホン・サンス映画の魅力。ついてこれない人もいるだろうが、ハマる人はどっぷりとハマってしまう。かくいう私もその口。これから新作を5カ月連続で公開するというからたまりませんなぁ。
November 5, 2025 at 8:13 AM
「ハード・トゥルース 母の日に願うこと」鑑賞。
イギリスの名匠マイク・リー監督の作品。
主人公のパンジーはひたすら不機嫌で文句ばかり言っている。家族の行動にもケチをつけるし、買い物に訪れた店やクリニックでも文句を言う。あまりに文句ばかり言うので不快なのを通り越して、笑ってしまうぐらいだ。
後半、彼女は自らの胸の内をぶちまけるが、明確な不機嫌の原因が明らかになるわけではない。最後も余白を残し観客の想像力に委ねる。カタルシスを望む観客に受けるような映画ではないが、人間や家族などについて深い問いを投げかけた作品なのは確かだ。
主演のマリアンヌ・ジャン=バプティストの演技が見事。
November 2, 2025 at 11:00 AM
「ひとつの机、ふたつの制服」鑑賞。
台湾映画。1990年代、名門高校の夜間部に入学した女子生徒が、同じ机を共有する全日制の優秀な女子生徒と交流するドラマ。主人公のコンプレックスを背景に、友情、恋愛、そして成長を生き生きとテンポよく描く。
2人が同じ男の子を好きになるところなどありがちな話ではあるが、90年代のアイテムと学校内のヒエラルキーを巧みにドラマに織り込むことにより、魅力的なドラマに仕上げている。はるか昔に高校生だった身としてはノスタルジックで胸にグッとくるシーンも多い。
主役のチェン・イェンフェイ、共演のシャン・ジエルー、2人が恋する男子校生役のチウ・イータイがいずれも良い演技を披露。
October 31, 2025 at 10:15 AM
「ミーツ・ザ・ワールド」鑑賞。
金原ひとみの原作を松居大悟監督が映画化。
二次元の世界を愛する孤独な27歳の主人公が、新宿・歌舞伎町でキャバクラ嬢と出会い、違う世界を知って変わっていくドラマ。
対照的な2人が親しくなりルームシェアをする様子をコミカルに描写。推しについて速射砲のように話す杉咲花と、言葉少なながら厳しいことをズバリと言う南琴奈の演技が出色。周辺の人々もみんないい味を出している。後半はキャバ嬢の過去を巡って急展開するが、ラストは主人公に希望の灯をともして終わる。
ある種のファンタジー的な世界とも言えるが、それがこの映画の独特の魅力になっている。スタンダードサイズの映像も効果的。
October 29, 2025 at 11:22 AM
「愚か者の身分」鑑賞。
西尾潤の同名小説を永田琴監督が映画化。脚本は向井康介。
半グレ集団で闇ビジネスをする3人の若者たちが、そこから抜け出そうと苦闘するドラマ。3人それぞれの視点からドラマを綴り、闇ビジネスの手口や事件の行方とともに、彼らが闇ビジネスに手を出す背景にある貧困、虐待などの問題をあぶり出す。
中盤以降は組織からの脱出に焦点を絞り、スリリングなドラマを展開。ド派手なアクションシーンも用意するなどエンタメ性も重視する。ラストはやや尻切れトンボの感があるが、総じてヤクザ映画の進化系として興味深い作品。何より北村匠海、林裕太、綾野剛の3人のキャスティングが秀逸。
October 27, 2025 at 12:21 PM
「見はらし世代」鑑賞。
短編「遠くへいきたいわ」で注目された団塚唯我監督の長編デビュー作。カンヌ国際映画祭監督週間に選出。
姉と弟が、母を亡くして以来疎遠になっていたランドスケープデザイナーの父親と再会する家族ドラマ。3人の複雑な胸中をリアルかつ繊細にセリフに頼らずに描き出していく。同時に背景となる渋谷の街の再開発を描き、街の変化と家族の変化をリンクさせる。終盤はアッと驚く大胆な仕掛けを施し、独特の余韻を残す。粗削りなところもあるが団塚監督の才気を感じさせる作品。主演の黒崎煌代をはじめ、遠藤憲一、井川遥、木竜麻生らの演技も素晴らしい。
October 24, 2025 at 11:40 AM
「夏の終わりのクラシック」鑑賞。
「冬のソナタ」のユン・ソクホ監督の映画。済州島の海辺の町で出会った中年の男女のドラマ。
恋愛映画的な要素はあるものの、むしろ過去の傷に苦しむ女性の生き直しのドラマといった感が強い。
話自体にさして新味はないけれど、主人公の過去に関係のあるクラシック音楽が効果的に使われるとともに、海辺の町の美しい風景を捉えた映像も魅力的で、なかなか良い作品に仕上がっている。
ふだんは明るくしゃべり倒すが、その裏で過去の傷に苦しむ女性をキム・ジヨンが好演。
October 16, 2025 at 11:08 AM
「ジュリーは沈黙したままで」鑑賞。
同じテニスクラブに所属する選手が自殺し、自分の担当コーチが指導停止になって動揺する15歳の少女のドラマ。
タイトル通りに沈黙を続ける主人公に焦点を当てて日常を淡々と映す。そこからは主人公の揺れ動く心の内がリアルに伝わってくるのと同時に、不穏で緊張感にあふれた空気感が漂う。レオナルド・ヴァン・デイル監督の筆致には、共同プロデューサーを務めたダルデンヌ兄弟とも似たものを感じさせる。
主人公を演じたのは、新人のテッサ・ヴァン・デン・ブルック。テニス選手としても活躍しているそうで、テニスの腕が上手いのは当然としても、表情だけで主人公の心の内を表現する演技が見事!
October 4, 2025 at 12:05 PM
「THE オリバーな犬、(Gosh!!) このヤロウ MOVIE」鑑賞。
オダギリジョー監督・脚本・編集。NHKドラマの映画版。
狭間県警警察犬係のハンドラー・青葉一平は、相棒のオリバーがなぜか着ぐるみのおじさんに見えている。そんな中、先輩ハンドラーが現れ、失踪したスーパーボランティアに関する捜査協力を求めてくる……。
奇想天外でシュールな笑いが満載のドラマ。ただし、後半は不思議なドアをめぐるSFチックな展開に突入。よくもこんなことを考えるものだと、オダギリジョーの頭の中を覗いてみたくなった。
最大の見ものは超豪華キャストの怪演。それを見ているだけで楽しい。
September 29, 2025 at 9:26 AM
「Dear Stranger ディア・ストレンジャー」鑑賞。
真利子哲也監督のオリジナル脚本作品。日本人の夫と台湾人の妻。息子の誘拐事件をきっかけに、夫婦の秘密が浮き彫りになり崩壊していく。
全編ニューヨークロケで撮られたノワール調の映像が絶品。夫が研究する廃墟、妻が操る人形、故障した車のエンジン音なども効果的に使われ、不穏で、スリリングな世界を構築している。主演の西島秀俊、グイ・ルンメイのリアルな演技も見もの。
ただし、ラストは賛否が分かれそう。希望の灯をともすような結末にしたくなかったのはわかるが、個人的には曖昧模糊として消化不良気味だった。
September 19, 2025 at 11:21 AM
風のマジム」鑑賞。
実話を基にした原田マハの小説を映画化。沖縄のサトウキビでラム酒を作る事業に挑戦し成功させた女性のドラマ。
定番のお仕事成功物語以外の何物でもないが、伊藤沙莉演じる主人公の純朴で直球真っ向勝負の小気味よさに加え、沖縄のおおらかで明るい風土のおかげで、実に心地よい映画に仕上がっている。母役の富田靖子、祖母役の高畑淳子も存在感たっぷりで、女三代のモノづくりの継承というテーマも見えてくる。観たらラム酒が飲みたくなるかも。
染谷将太、尚玄、シシド・カフカ、小野寺ずる、肥後克広、滝藤賢一らも好演。
September 17, 2025 at 8:51 AM
「遠い山なみの光」鑑賞。
ノーベル文学賞作家カズオ・イシグロの長編デビュー小説を石川慶監督が映画化。1950年代の長崎と1980年代のイギリスを行き来しながら、長崎からイギリスに移住した一人の日本人女性の謎めいた過去を綴る。
広瀬すずと二階堂ふみ、2人が演じる一見対照的な女性が実は大きな共通点を持つことが明らかになり、やがて驚きの展開に突入する。1950年代の長崎の映像がどことなく異世界を思わせ、二階堂すずの演技もリアルさとはやや距離を置く理由が、その展開を目にして氷解した。
戦争の傷を克服してたくましく生きる女性のヒューマンドラマであるのと同時に、記憶を巡るミステリーでもある。
September 9, 2025 at 9:47 AM
「侵蝕」鑑賞。
韓国のサスペンススリラー。前半は、幼い娘の異常な行動に憔悴していく母親を描く。20年後を描く後半は、特殊清掃の仕事をしている女のもとに新たな同僚が来たことから異変が起きる。
こちらの予想をことごとく覆すドラマ。ホラー的な妙味に加えサスペンスやバイオレンスアクションの色彩も加味。不穏でスリリングな作りはさすがに韓国映画。大団円になるかと思わせて、最後に後味の悪い結末を持ってくるあたりもいかにもという感じ。終盤やや運びが乱暴ではあるものの、新人監督コンビの作品にしてはまずまずよくできている。
少女時代のクォン・ユリをはじめ、クァク・ソニョン、イ・ソル、キ・ソユらも好演。
September 7, 2025 at 10:03 AM
「ふつうの子ども」鑑賞。
「そこのみにて光輝く」「きみはいい子」に続いて呉美保監督と脚本の高田亮が3度目のタッグ。
小学生の普通の男の子が、同じクラスの環境問題に熱心な女の子が気になり、接近しようとして過激な環境活動に手を染める。
主人公の男の子をはじめ、子供たちの日常が生き生きと描かれる。手持ちカメラでアップを多用し、彼らの豊かな表情をスクリーンに刻む。どの子供も個性的で得難いキャラクターの持ち主。それを見ているだけで楽しい。
全編がコメディータッチの映画だが、子供たちの起こした行動が過激化してからは社会風刺的な側面もクローズアップされる。
最近の子供を主人公にした映画の中でも出色の作品。
September 5, 2025 at 9:48 AM
「8番出口」鑑賞。
世界的ブームを巻き起こした人気ゲームを川村元気監督が映画化。
地下鉄の通路で出口が見つからず、同じ場所で無限ループを繰り返す男の不条理劇。
主要な俳優は二宮和也、河内大和、小松菜奈、花瀬琴音、浅沼成の5人だけ。短編映画で終わりそうなネタを、あの手この手で長編映画に仕立て上げるあたりは、さすがヒット映画のプロデューサーでもある川村監督。
ゲーム的な世界に、主人公と恋人の迷いのドラマを導入するあたりも巧み。それほど深いドラマではないが迷走劇の背景としては効果的。
絶対に観るべき映画とは思わないが、こういう世界が好きな人はハマりそう。
September 3, 2025 at 8:36 AM
「海辺へ行く道」鑑賞。
三好銀の漫画「海辺へ行く道」シリーズを横浜聡子監督が映画化。
アーティストの移住支援をするなどアートで町おこしをする海辺の町が舞台。そこの中学の美術部員の奏介と彼の周囲にいる人々を3章立てで描く。
出てくるのはみんな変わった人ばかり。詐欺師カップル、創作に没頭するフリーター、海辺でランチを売る女……。町中では笑顔を見せたら失格という「静か踊り」が行われ、正体不明の野獣まで出現する。というわけで、全編がシュールな笑いの連続。それを通して芸術の自由さ、おおらかさを歌い上げる。
ユニークな役柄の俳優陣の演技も楽しい。
August 31, 2025 at 10:07 AM
「この夏の星を見る」鑑賞。
コロナ禍で様々な活動が制限される中、オンラインで天体観測をする競技「スターキャッチコンテスト」を開催する中高生たちのドラマ。
天体に魅入られた中高生たちの奮闘ぶりが瑞々しく描かれる。彼らの天体にかける熱い思いが観る者の胸に響く。特に競技に関しては高揚感やワクワク感の作り方が巧みで、細かなルールなど知らなくてもつい引き込まれてしまう。映像的にも様々な工夫を凝らして観客を飽きさせない。終盤にはさらにスケールを広げた追跡劇が用意される。
桜田ひよりら中高生役の若い俳優陣も好演。
August 28, 2025 at 11:50 AM
「大統領暗殺裁判 16日間の真実」鑑賞(昨日)。
1979年に起きた朴正煕大統領暗殺事件の裁判を巡るドラマ。
史実に大胆にフィクションを加味。主人公に型破りな弁護士を据え、彼が弁護する軍人との友情のドラマを構築。さらに冷徹な悪役として、のちに軍事クーデターを起こす全斗煥をモデルにした合同捜査団長を登場させて、スリリングでヒリヒリするようなドラマに仕立てている。
弁護士役のチョ・ジョンソク、被告役のイ・ソンギュン、合同捜査団長役のユ・ジェミョンがいずれも見事な演技を披露。
エンターティメントとして一級品のドラマであるのと同時に、軍事政権の非道さを浮き彫りにした社会派映画でもある。
August 28, 2025 at 11:49 AM
「蔵のある街」鑑賞。
岡山県倉敷市を舞台にした青春ドラマ。
母が姿を消し自閉症の兄を持つ紅子の葛藤と、彼女を助けるために街で花火を打ち上げようと奔走する幼なじみの蒼と祈一の奮闘。3人の高校生の実にまっすぐで一生懸命な姿が印象に残る。
同時に、ご当地映画としてもツボを押さえた作りで、倉敷の街と人々の魅力が伝わってくる。地元出身の平松恵美子監督の手腕が見事。小品だが観終わって心が温かくなる。
3人の高校生役の山時聡真、中島瑠菜、堀家一希の演技もいい。
August 26, 2025 at 10:30 AM
「リンダ リンダ リンダ」鑑賞。
2005年の山下敦弘監督作品の4K版。高校生活最後の文化祭で「ザ・ブルーハーツ」のコピーバンドをする少女たち。4人のバンドメンバーの友情、恋などを独特のユーモアを交えて瑞々しく描き出す。
何年経っても色褪せない青春映画の金字塔。どれをとっても無駄なシーンがない。これほど見事に青春の一ページをスクリーンに刻み付けた映画は、そうはないだろう。若きペ・ドゥナ、前田亜季、香椎由宇、関根史織の等身大の演技が素晴らしい。演奏も本格的で、ラストの文化祭での演奏シーンは、スクリーンの中の観客とともにノリノリになってしまう。
もう一度スクリーンで目撃できて幸せだった。
August 22, 2025 at 11:43 AM
「近畿地方のある場所について」鑑賞。
白石晃士監督によるホラー映画。失踪したオカルト雑誌の編集長が担当していた特集記事の内容を探るライターと編集者。
前半に登場するビデオやDVD、USBメモリーなどの映像が秀逸。少女失踪や中学生集団ヒステリーを巡る映像、消息を絶った動画配信者の残した動画など、いずれも背筋ゾクゾクもの破格の怖さ。
2人が外に飛び出してからの後半はやや失速気味とはいえ、暑気払いにはピッタリの映画。
August 20, 2025 at 11:16 AM
「あの夏、僕たちが好きだったソナへ」鑑賞。
ギデンズ・コーが自伝的小説を自ら監督して映画化した台湾映画「あの頃、君を追いかけた」の韓国版リメイク(日本でも山田裕貴と齋藤飛鳥の主演で2018年に映画化)。
オリジナルの良さを生かしつつ、様々な韓国流のアレンジを加えている。個性的な登場人物によるコミカルなエピソードで笑いを取りつつ、高校生たちのキラキラした青春を描き出し、さらに恋愛の切なさを醸し出す。観客をノスタルジックな世界に誘い、自らの“あの頃”に思いを馳せさせる。
主人公役のジニョン、ヒロイン役のガールズグループ「TWICE」のダヒョンがいずれもハマリ役。脇役たちもいい味を出している。
August 19, 2025 at 9:20 AM
「アイム・スティル・ヒア」鑑賞。
1970年代の軍事政権下のブラジルで実際に起きた事件を描く。何の嫌疑も告げられず夫が政権に連行され行方不明となり、自らも一時的に拘束された妻が真相を突き止めるために奮闘する。
序盤は幸福な家族の様子を生き生きと描き出す。夫が連行されてからは一転、緊迫感漂うサスペンスフルなドラマが展開する。
真相を追い求める妻の執念が乗り移ったようなウォルター・サレス監督の気迫の筆致が印象的。かつての独裁政権の恐ろしさを伝えると同時に、それが今でも起こりうることを示す。
主演のフェルナンダ・トーレスの繊細な演技も見逃せない。
August 11, 2025 at 9:22 AM