間違いない、彼女の筆跡だ。
『こうして久しぶりに筆を持って貴方に手紙を書くのも新鮮に感じてしまいます。』
久しぶりの友人に気が向いたから書き記したような文面の手紙は、彼女らしい柔らかな文字で綴られている。
『この手紙を読んで貴方はきっと驚いていることでしょう。その姿を思い浮かべるのは大変楽しみです。』
「いや、驚くって……なあ……」
驚くだなんて、当然に決まっている。
なんせ、彼女はこの世にもういないはずなのだから。
彼女――金山美空は、3年前にこの世を去ったのだ。
『さて、今回お手紙を書いたのは貴方にお伝えしたいことがあるからです。』
間違いない、彼女の筆跡だ。
『こうして久しぶりに筆を持って貴方に手紙を書くのも新鮮に感じてしまいます。』
久しぶりの友人に気が向いたから書き記したような文面の手紙は、彼女らしい柔らかな文字で綴られている。
『この手紙を読んで貴方はきっと驚いていることでしょう。その姿を思い浮かべるのは大変楽しみです。』
「いや、驚くって……なあ……」
驚くだなんて、当然に決まっている。
なんせ、彼女はこの世にもういないはずなのだから。
彼女――金山美空は、3年前にこの世を去ったのだ。
『さて、今回お手紙を書いたのは貴方にお伝えしたいことがあるからです。』
そこには便箋が入っているようだった。
私は大きく息を吸った。
いつの間にか、息を吸うのも忘れていたらしい。
私は三つ折りに折られた便箋を開こうとした。しかし、指先が言うことをきかない。
もう一度、大きく息を吸った。
彼女からの手紙なんて信じられないのだ。
心臓だって、大きくばくばくと音を立てている。
中を見るのが怖いのか?否、そんなような奴じゃないだろ?
そう自分自身に言い聞かせる。
しばらく目を閉じると心臓も落ち着いてきた。
よし、今ならいけるだろう。
私は、便箋を開いた。
そこには、彼女からの手紙が記されていた。
ーー『拝啓 茶山智彦 樣』
そこには便箋が入っているようだった。
私は大きく息を吸った。
いつの間にか、息を吸うのも忘れていたらしい。
私は三つ折りに折られた便箋を開こうとした。しかし、指先が言うことをきかない。
もう一度、大きく息を吸った。
彼女からの手紙なんて信じられないのだ。
心臓だって、大きくばくばくと音を立てている。
中を見るのが怖いのか?否、そんなような奴じゃないだろ?
そう自分自身に言い聞かせる。
しばらく目を閉じると心臓も落ち着いてきた。
よし、今ならいけるだろう。
私は、便箋を開いた。
そこには、彼女からの手紙が記されていた。
ーー『拝啓 茶山智彦 樣』
そして一呼吸して、微かに誰にも気づかれない程度の早歩きでエレベーターホールへ歩く。
少し床に靴が当たる音がテンポよくリズムを刻む。
そして、刻むリズムが終わるとともにエレベーターの矢印ボタンを押した。
私の部屋に戻ると、他の荷物を床にそそくさに置いて封筒を見つめる。
手に持った“美空”からの封筒は小刻みに震えている。
あいつから、手紙だと?
そんな莫迦な話があるものか。
私の額から汗が伝うのを感じる。
私はつばを飲み込み、机に置いてあるハサミを手に持ち、封筒の上端を切った。
そして一呼吸して、微かに誰にも気づかれない程度の早歩きでエレベーターホールへ歩く。
少し床に靴が当たる音がテンポよくリズムを刻む。
そして、刻むリズムが終わるとともにエレベーターの矢印ボタンを押した。
私の部屋に戻ると、他の荷物を床にそそくさに置いて封筒を見つめる。
手に持った“美空”からの封筒は小刻みに震えている。
あいつから、手紙だと?
そんな莫迦な話があるものか。
私の額から汗が伝うのを感じる。
私はつばを飲み込み、机に置いてあるハサミを手に持ち、封筒の上端を切った。