織
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ori-kazaha.bsky.social
織
@ori-kazaha.bsky.social
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普段はｘにいます。現在色んなSNSつまみ食い中。
ttur沼（マゼヴェル）にどっぷりつかった成人済み腐。
https://x.com/ori_kazaha
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https://misskey.io/@ori_kazaha
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ヤバい！
オーナメント飾ろうと思って取り出した瞬間猫がオモチャとしてロックオンしてきた！！
あーだめだめだめ！ダメだってば！！
ゴロゴロ言いながら追いかけてこないでー！！
って状況だったので猫の見ていない間に飾りました…
というわけで、飾りつけ一つ目！
MWツリーにしよっ！て思い立ったオーナメント。写真上手くなくてキラキラ感が伝わらないけど、落ち着いた色合いの赤と青の🌟がお互いがお互いの希望みたいでいいなー！こりゃmwだな！！ってなったので！
December 10, 2025 at 2:19 PM
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こうして…こう！！（枝ぶりを広げた）
December 9, 2025 at 12:56 PM
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クリスマスつく〜ろ〜
ってことで、12月入っちゃったし去年買ったクリスマスツリーを育てていきたいと思います！！
毎日ちょっとずつやるぞ！！
まずは、ツリーの箱を開けるところから〜

というわけでクリスマスツリー🌲ハコのすがた。
今から組み立てます！
…猫のいる前で！
December 9, 2025 at 11:21 AM
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基本頭から書いていくスタイルなので、冒頭が決まらないとなかなか書き出せなくてうだうだしちゃうんですが、とりあえず一個絶対書きたいものがあるので書き始めました。
冒頭だけだけど、冒頭があるから書き始められるのよ。
November 24, 2025 at 1:44 PM
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大変遅ればせながら、スパーク&🔔鳴ー祭ありがとうございました！！どちらもとても楽しかったです！メッセージ等の返信はこれからぽちぽちしていきます💦
差し入れもありがとうございました
食べ物系は既にモグモグされて腹の中です😋
November 24, 2025 at 1:30 PM
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直して載せたデータの反映が多分間に合わないッ！！お誕生日ネタまだ仕上がってません💦ひとまず誕生日おめでとう～！
また、🐯通販の『年頃の男の子』と『この恋情は偽りにつき上』が11月中までで委託終了予定ですので、まだの方はこの機会にぜひ！！
#鐘鳴ー祭_サークル情報
November 21, 2025 at 12:21 PM
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お品書き作りました！
展示物は今から取り掛かります！！
間に合え～！！
#鐘鳴ー祭_サークル情報
November 20, 2025 at 1:07 PM
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本日はありがとうございました〜。
スペースお越し頂いたのにいない時間多くてすみません…💦
差し入れも色々ありがとうございます嬉しいです！！🙏

腰が3回くらいヤバくて人様のスペース前やら駅の構内で固まったりとかしてましたがどうにかお家に無事つけました…

オフ会も参加させて頂きました…！！
みんなでハッピバースデー🎂歌ったの楽しかった😆
November 16, 2025 at 1:29 PM
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待て待て待て、私は設営できましたの写真撮ったのに投稿してないね！？
せっかく撮ったので午後になったけど投稿します！設営できてました！！
November 16, 2025 at 3:25 AM
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お品書き出来ました～！！
新刊あります！！
一応ちゃんと話の〆まで入りました。
上・中・下巻が無事発行できそうです…
にょたヴェとマゼの偽装恋人から始まってどうにかなっちゃうお話。
下巻ということでこれで一応区切りとなります。
当日無くなることはない…はず。
通販はイベ後に申請しますので少々お待ちください。
November 13, 2025 at 2:35 PM
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【サークル参加します!!】11月16日（東京）COMIC CITY SPARK 20-day2-内 勇者と英雄の魔王攻略 2
東７ホール Ｖ19aでした新刊頑張ります！
#イベントGO_赤ブー www.akaboo.jp/event/item/2...
October 22, 2025 at 2:09 PM
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緩募:シーリングスタンプの使い途
この前、何かに使えそう！！とシーリングスタンプを買い漁ってしまいまして…しかしクラフトとはこれまで縁遠かった為、なかなかいい使い途が思いつかず。何かいい案ありましたらお聞かせ頂けるとありがたいです〜。
何に使おう…素敵すぎて悩ましい…
September 28, 2025 at 12:54 PM
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買った本が届いた〜！
予習をするのである！
September 22, 2025 at 10:45 AM
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ソラマチにもいたので実は今日買っていた千駄木腰塚のコンビーフ。
人に教えてもらったの10年以上前なんだけど…出会った時から倍、とは言わないまでもかなりの値上がりをしていてヒェェ😱ってなりながらも買ってきた…
思わずインバウンド料金かー！？とオンラインショップ検索したけど同じ価格だった。
疑ってスミマセンでした…🙇
物価高だもんね…ステルス値上げじゃなくて素直な値上げを選択するとこうなるよね…美味しいの知ってるから買うよ…！

いつも８等分くらいの小分けにして、箱の周りにたっぷり溢れてる脂も冷え固まってるうちに塊ごと取って肉と一緒にして冷凍してる。
ほかほかご飯に乗せて蕩かすと美味い🤤
September 16, 2025 at 2:22 PM
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ソラマチ堪能してきました！
ほとんどのエリアを練り歩き、オススメ頂いたところを見て回ってきました！
お腹いっぱいで今日は無理だった物とかもあるからまた行きたいな〜。
とりあえず明日は足が筋肉痛になっていそう…
あと帰り道改札間違って違う電車乗ったね…最寄り駅二つあるのは知ってたけど、駅あってたけどそんなに何社も乗り入れてるとは思ってなかったんだよ…（確認を怠ったうっかり者）
September 16, 2025 at 2:09 PM
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楽しかった〜〜〜！！！
散財もしました…えへ。
ずーっと繰り返し音声ガイド聞いてましたね…すごい楽しい…この音源何かに収録してほしい…！！！
September 16, 2025 at 8:35 AM
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カ○ディの本型クッキー缶買ってきた〜。これ商品写真見た時気付かなかったけど去年のより小さい！大きいのもいいけど小さいのもいいね！嵩張るからね…
中身の箱はおんなじ赤っぽい色の紙箱で、その中にクッキー入ってる。缶開けた瞬間も可愛いなぁ。
そして中の紙箱、よく見るとちょっとだけ缶とはデザイン変えてあるのも良い…裏面もあった…
あと缶の背表紙も可愛い…
September 4, 2025 at 11:37 AM
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というわけで！！
本日は『7巻上感想＆マゼヴェルを語る会』に参加してきました…！楽しい…超楽しい…紐パンも語ったし（勢いで帰りの電車の中であの話書いてた）、触手も👙アーマーも…🦑🐙🪼🦭…時間がいくらあっても足りないくらいでした。またやりたい…！！
August 21, 2025 at 2:05 PM
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私は今日、こんなことを考えたりした一日でした。

『結ばれるもの』1/1
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「結ばれるもの」、「織：@ori_kazaha / @ori-kazaha.bsky.social」と記載されています。 以下は本文の内容です。 　ここ最近、気掛かりな事がある。 　といっても不快な方面ではなくむしろ快適なのだが、その快適なことの方が問題では？と最近になって気付いたのだ。 　――マゼル、パンツ履かせるのやけに上手いな、ということに。 　俺が普段履いているパンツは紐で結ぶタイプ……いわゆる前世でいうところの紐パンである。ゴムがなく、魔物由来の類似品があるとはいえ稀少で男性用下着にまで回ってこないため、どんな形をしてようが基本は紐で止める形式にはなるのだが、それでもまあ俺が履いているのは紐パンと言われて思い浮かぶあの形である。 　式典などで着る服の中には割と体のラインが出るものもあるため、貴族は普段から外に響かないこの形を着用してる事が多い。外に下着の線が浮き出ない物というと一番に思い浮かぶＴバックではない事はまだ喜ぶべきだろうか……？　ともかく、ヘンに拘りを持ってる方が逆に恥ずかしい気がして、俺は与えられるがままに紐パンを履いていた。 　当たり前だが、紐は自分で結ぶものだ。幼子ならば誰かにやってもらうこともあるだろうが、戦いに出ることもある貴族として、戦場でパンツの紐を自分で結べず、従卒などに結ばせるというのは言わずもがな恥である。そもそもそんな話が外に漏れてる時点で、主従関係に綻びが見えていそうだが。 　ともかく、余程のことがない限りは貴族といえども下着くらいは自分で身につけるものだ。じゃあなぜ俺がマゼルにパンツを履かされているかというと……まあ、その、うん。その時俺の意識がないから、とだけ言っておく。毎度毎度、前後不覚どころか意識がトぶまでというか、場合によっては最後まで意識があったとしても身体を酷使し過ぎて疲れから速やかに眠りに落ちる羽目になるまでされるため、事後の身支度を自分でできたことは数える程しかない。体力の違いを突き付けられるやら、それだけ溜まってたんだなと思う とあまり機会を設けられなくて悪いなと思うやら、それだけ想ってくれてる証拠に思えて嬉しく感じてしまうやらで、やめて欲しいと思ったことは一度もない。俺だって、望んでることだからな。 　それに、意図的にそうされてる気も少しするんだよな……。どれだけ激しくても気遣いは欠かさないし、完全に理性を失った結果というよりは、狙ってそうされている節がある。一度、目が冴えて眠れない時があると溢した際に「僕を呼んでくれたらすぐに寝かしつけてあげるよ」と囁かれたことがある。アレは、確実にそういう意味だった。もしかして本気で俺の睡眠時間の確保を図りに来てるのだろうか。にしてはまぁ、そこそこ長い時間楽しんでいるのだけども。 　ともかくそんな訳で、意識を失った俺が次に目を覚ました時には、体は綺麗にされていて、履いていなかったはずのパンツも履いているのだが……それが、なんというかとてもピッタリなのである。 　毎回細かく覚えている訳ではないが、脱いでいる以上紐は解けていたはずだ。脱がずにした場合も引っ張られたりして多少緩んだりはする物だし、それにさすがに最後までずっと着たままということはあまりない……って、それはどうでもいいんだが。 　つまり、身につけるにあたっては再度紐を結ぶという手順が発生しているのは間違いない。誰がそれをやっているかというと、当然ながらマゼルだろう。この部屋には他に誰もいないし、マゼルが誰かを招き入れるとも思えない。 　それ自体は最初から分かっていたことで、それこそ始めのころはそんな事までさせてしまった恥ずかしさもさることながら申し訳なさも凄かったのだが……今はもう、毎回なのでなんかそんなもんかと思うことにしている。そうでもしないと俺がやってられないのだが、よく考えたら良くないかもしれないな。どんな相手でも感謝の気持ちを失ったら関係が悪くなっていく。それは避けたい。 　とはいえ――とはいえ、だ。 　何度もやってるから慣れてる、としても、あまりに上手過ぎないだろうか。ともすれば俺が自分で結ぶよりも上手いかもしれない。そのくらいジャストフィットというか、きつくもなく緩くもなく、落ちそうで心配になることもなく、かといって食い込んできてしまうこともなく、大変快適な着け心地なのである。 　え、何これ、怖い。 　気付いてからは毎回観察するようになっていて、その度に『ああ、快適だな……』という感想に落ち着いてしまうあたり、本当にマズイ気がしている。そのままで一日を過ごすことになった場合、夜に脱ぐ時まで本当に一日中健やかに過ごせるのだ。生活してれば動いたりして多少はズレたり気になるタイミングというのが出てくるものだろうがそれが全くなく、一日中履いていること自体が意識の外にある。 　村の暮らしで色んな結び方とかを教わる機会が多かったりしたのだろうか――いやパンツがピッタリ結べる結び方とかおかしいだろ。解く時に観察してみても、特に変わった結び方のようには見えなかったし。 　かくなる上はマゼルが結ぶところを観察すればいいわけだが、いかんせんそのタイミングには意識がないと来ている。そもそも、意識があったら自分でやるしな。他に残された道は『俺のパンツを履かせるところを見せてくれ』という前代未聞のお願いをすることくらいなのだが……いくらなんでも恥ずかし過ぎる。一体何のプレイだ、それ。マゼルは嬉々としてやってくれそうな気もするが、それはそれでどうなんだ。 　しかしこの履き心地は何物にも代え難い。悩みに悩んだ末、恥を忍んでお願いしてみたのだけれども、何の成果も得られなかった。なんでだ。俺の恥ずかしさを返せ。 　マゼルの行っている結び方は至って普通のもので、特に自分でやる時と大差のないものであった。もちろん、力加減とか締め具合とか色々な要素はあるにせよ、分かったことはただただマゼルが俺のパンツを履かせるのが上手いということだけだった。 　やってみてもらったのを解いて自分でやっても同じような出来にならない。もう一度マゼルに手本を見せて貰って、全くその通りにしてみてるつもりなのに微妙にキツかったり緩かったりしてしまう。人にやってみればまた違うのかと思ってマゼルのパンツでもやらせてもらった。……だからこれ何の時間なんだよ。 　結局、全ては徒労に終わり……いや、まあ、その。パンツの紐っていうものは、腰元についているわけで、そんなところをお互いゴソゴソやり合ってたら、ちょっとこう、な？　パンツを履かせにくい事態になってくるのはまあ、自然の流れというものでして。案の定その後はパンツが要らない時間を過ごす事になったのでアレも一つの余興になってしまった気もしたけれども。 　勇者スキルって、パンツの紐を結ぶ時にも発揮されるんだなという、今後も誰も知ることがないであろう知見を得てしまった。そりゃそうだよな、戦ってる最中にパンツが気になって集中できない勇者とか嫌だよな。当たり前だけどゲーム内にもそんな描写なかったし……いやそんな描写に貴重なデータ量を割かれても困るんだが。 　ちなみに、やって見せてもらうにあたって正直に『お前さんが紐を結んだパンツの履き心地が大変良い』と話したところ、物凄く嬉しそうな顔をされた。顔だけ見れば、照れながらも喜びを噛み締めていて、大変輝かしくそれでいて見るものの庇護欲というか愛しさを刺激する表情なのだがいかんせん喜んでいる内容が内容である。俺の胸中は大変複雑だ。 「毎日僕が結んであげたいな」 　……なんて、聞きようによっちゃプロポーズと取れなくもない台詞まで付いてきた。これがプロポーズの言葉というのはさすがにどうかと思うので、お気持ちだけありがたく頂いておくということにした。 　まさかこの言葉が結婚後に本当に実行されることになるなんて、この時は思ってもいなかったしな。
August 21, 2025 at 1:24 PM
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黒猫の魔法使いなマゼヴェル『一緒に寝よう』4/4（終わり）
足で器用に窓を閉めた。タンッと軽い着地音だけを立てて、暗い部屋の床に降り立つ。そのままペロペロと前足を舐めて……ふと、目の前で困ったような顔をしているマゼルに目を留めた。 「どうした？」 「えっと、いつまで猫のままなのかなって」 「あ」 　マゼルは、猫の姿のままであった。 　ヴェルナーの魔法はまだ不安定で、最初に比べたら大分マシになったとはいえ、まだまだ月の力を借りる必要がある。一度月の光を浴びながらマゼルから人の姿を借りてしまえば、少しの間くらいならば月のないところでもそのままでいられるようにはなっていた。今日の二人ともが猫なこの状態も、月の光が遮られている部屋の中に戻ってもまだ維持ができていた。 「魔法を解くことはできる、と思うが……できたら、このままじゃダメか？」 「えっ、ずっと！？」 「ずっとじゃない、解かなくてもどうせすぐ切れ手もとに戻る！　だから、それまでは練習として、このままにしててもいいか？」 「それは、大丈夫だと思うけど」 　お父さんとお母さんに見つかったらどうしよう、というマゼルにヴェルナーが安心させるように大丈夫だと請け負う。 「どんなに上手くいっても、日が昇ったら月の力はかき消されるから、今の俺だとどんなに頑張ってもその時点で元に戻ると思う」 「じゃあ平気かな」 　両親の朝は早いが、特に何事もなければ日の出前にマゼルを起こしに来ることはないはずだ。 「その前に俺が寝たら解けそうな気もするしな」 「なるほど」 　それであれば、さほど心配する必要はないのかもしれない。安心したせいか、マゼルは急に眠くなってきた。 「ふあ……ぁ……っ」 「子供はおネムの時間だもんな」 「ヴェルナーだって、同じだろ」 「猫は夜の方が元気なんだよ」 　それ自体は嘘ではないが、今日はヴェルナーだってもう眠かった。慣れない魔法を頑張って使って、実は結構へとへとなのだ。 「じゃあ僕だけ寝るの？」 「……一緒に寝る」 　そう言って、一足先にベッドに飛び乗る。布団の上でくるりと回って体を横たえたところに、マゼルもぴょんと上がってきた。キョロキョロと周りを見回してから、ヴェルナーのすぐ側……といっても、少しだけ離れたところに横になった。 「なんで離れるんだよ」 「えっ、どうしたらいいの？」 　マゼルとしては、普通にしたつもりだった。ヴェルナーが先にベッドに寝ているとき、マゼルはそれを踏んづけてしまわないように気を付けながらその側に寝そべるようにしていた。そういえば、いつもはマゼルが寝た後にヴェルナーがくっついて来ていたので、結果的に密着した状態で寝ていることが多かったのだが、今は二人とも猫の状態だ。いつもと違うと言えば違うのだが、猫同士の作法としてどうしていいのかがマゼルには分からない。 「別に、普通でいいだろ」 　起き上がったヴェルナーが近づいて来て、マゼルに半ば圧し掛かるようにその身を添わせて横たえた。猫同士とはいえ、これは友人の距離なのだろうか？　マゼルにはもうわけが分からなかった。 「重いか？」 「重くはないけど……ヴェルナーは、いいの？　こんなにくっついて」 「いつもこうだろ？　それに、こうしてる方があったかくていいに決まってるじゃないか」 「えっと、うん、それはそうなんだけど……」 　いいのだろうか。本人がいいと言っているから、いいんじゃないかな。マゼルはついに、考えるのをやめることにした。 「ヴェルナー、僕と一緒に寝るの、好き？」 「好きじゃなかったら寝てないが？」 「そうだよね……僕も、好きだよ」 「よかった。嫌がられてたら明日から寝る場所に困る」 　マゼルに断られたら、誰の寝床を拝借しようか……と呟くヴェルナーを、慌ててマゼルが前足で抱えて捕まえた。 「ダメだよ！？　他のベッドにいったら絶対ダメ！　ヴェルナーが寝るのは僕の所だからね！？」 「お、おう」 「もし僕の隣がいやだったら、その時はヴェルナーのためのベッドを作ってあげるから……だから、他の人の所に行ったらダメだよ」 「分かったって」 　どこにもいかない、と言うヴェルナーの顔を、思わずマゼルはベロンベロンと舐め始めた。毛並みに沿って真ん中から端へ、首筋も噛みつかんばかりの勢いで舐めた後、その頭を抱えて耳の後ろの方にまで。 「わっ、マゼ……マゼルっ、やめろ！」 「え、あっ、ごめん！」 　はっ、と己の所業に気付いたマゼルがその動きを止める。ただし動揺し過ぎて、ヴェルナーの頭を抱えたままで固まってしまった。 「あ、の、恥ずかしいから、このままでいい？」 　ヴェルナーの顔見られない……と絞り出すようなか細い声で鳴くマゼルに、ヴェルナーはコクコクと頷きを返した。さっき自分がやってしまったことだが、確かにちょっとびっくりした。ヴェルナーだってこのむらの猫たちと猫同士の付き合いがない訳ではないが、マゼルといることの方が多いた目こんな風に毛繕いをしあうほどの仲ではない。おぼろげな記憶の中で実の家族に毛繕いをされたのは覚えているが、その感覚でマゼルにもしてしまった。　親が子にするのは当たり 前であっても、友人にいきなりされたら心臓に悪い。いや、もしかしたら猫の友人同士ならば普通なのだろうか。先述の通り、猫社会においても社交的と言うわけではないヴェルナーには、猫の普通もそこまで分かっているわけではなかった。 　ともかく今はマゼルの申し出通り、その頭を前足で抑えられて顔をマゼルの胸に押し付けるような状態のままでいることにする。この照れた顔を見られないのはヴェルナーにとってもいいことのように思えた。息を吸う度、ふわふわのマゼルの赤毛がヴェルナーの鼻をくすぐる。いつもと同じマゼルの匂いに包まれて、ヴェルナーは程なく意識を手放した。
August 17, 2025 at 11:57 AM
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黒猫の魔法使いなマゼヴェル『一緒に寝よう』3/4
「そうなんだ……じゃあ、さっき頑張って我慢したので良かったのかな？」 「どういうことだ？」 　問われたマゼルが先程の感覚についてヴェルナーに話すと、それを聞いたヴェルナーは少しびっくりしたような顔をしてから、嬉しそうにこう言った。 「そうか。やっぱりマゼルとはちゃんと合うんだな」 「どういうこと？」 　さっきとは逆にマゼルが尋ねる。 「魔法使いは使い魔がいると、一人の時より魔法がずっと上手く使えるんだ。使い魔の力を借りたり、逆に自分の力を使い魔に使わせたり、大人になったらいろんなことができるらしいんだが、その基本は感覚を合わせるってことなんだ。心を添わせて、感じてることを合わせて重ねて、一つになる。そしたら、自分だけで使うよりも魔法が上手くいくんだって」 　先ほどマゼルが自然に行ったことは、まさにそれだったらしい。確かに最後の方、上手くいく直前はヴェルナーと手を握り合って一緒に頑張っているような、そんな感覚になっていた。 「なんとなく、こうした方がいいのかなって思っただけだったんだけど……ヴェルナーの助けになってたなら、嬉しい」 　へにゃりと笑って言うマゼルの姿に、ヴェルナーの心に温かいものが宿る。勝手に使い魔に選んでしまったのに、そして今も何の説明もしなかったのに、マゼルはヴェルナーが望むことを同じように望んでくれて、一緒に行動してくれる。嬉しくて、ありがたくて、ますます大好きになって――そしてちょっとだけ怖かった。自分が使い魔に選んだせいで、マゼルに無理をさせているのではないか。使い魔に選んだこと自体でそんな作用があるのかどうか、今のヴェルナーに聞ける相手はいない。先程の使い魔と魔法使いの関係の説明だって、マゼルと会う前にヴェルナーが自分の親から聞かされていたことでしかない。 　だから、魔法使いにとって使い魔は大切な存在なん だよと教えられ、なるべく早くヴェルナーが自分の使い魔を見付けられるようにと、家族たちも尽力してくれていた。その結果、紆余曲折はあったもののヴェルナーはマゼルという最愛の使い魔を手に入れることができたが、幼くして家族とは離れ離れになってしまった。マゼルの家族たちも良くしてくれているので、今まで寂しさはあっても困るということはなかったのだが、これから魔法使いとしての修業を積んでいくにあたっては、同じ魔法使いである実の家族がいてくれたらと思うことが増えていくのかもしれない。 　まだまだ魔法使いとして未熟なヴェルナーは修練すべきことばかりのため、一人で研鑽を積んでいるだけでも充分な成長が見込める段階なのだが、その先に様々な魔法に手を広げていくのならば、先人の知恵を借りた方が効率的だ。魔法使いがいないこの村にいては、それが難しいのでどうするべきか……と未来に思いを馳せたのを隠すように、ヴェルナーはマゼルの肩を丁寧に舐め始めた。 　肩の横、首筋、肩甲骨の間、それから前足をぐいっとかけて頭を下げさせて、後頭部や耳の後ろ。自分じゃ舐めにくいところを重点的に毛繕いしていって、頭の上から反対側に回っていってそちらのを舐めようとしたとき、マゼルがプルプル震えているのに気が付いた。 「どうした？」 「どうしたって、なんでこう、君は……！」 　一瞬だけ目が合ったと思うと、マゼルはぎゅっと目を瞑ってしまった。体の震えは寒さや怯えというよりは、必死に何かを我慢しているというか、武者震いのような感じがした。 「頭って自分じゃやりにくいんだぞ？」 　マゼルは猫初心者だから知らないだろうが……と、ご高説を垂れようとしてくるヴェルナーに、カッと目を開いたマゼルが食って掛かった。 「そうだろうね！　でもそれ今やること！？」 「や、まあ、別に今じゃなくてもいいんだが」 「じゃあ今度にしよう！　びっくりしたんだよ僕！！」 　勢いに押されて、ヴェルナーはなんだか良く分からないままに、すまんかった、とマゼルに一言謝りをいれる。 「もうっ、もう！　お兄さんぶってても猫はコレだから……！」 「悪かったって。気持ち良く無かったみたいで、スマン」 　俺って毛繕い下手だったんだな、とヴェルナーはショックを結構な受けていた。 「気持ちはよかったよ！　良かったけどね！？　尚の事良くないと思うよ！！」 「意味分からん……」 　さっきは、マゼルと心を一つに合わせられたと思ったのに。あっという間にヴェルナーにはマゼルの気持ちが分からなくなってしまった。それでもきっと、マゼルが人間の姿だったらさすがのヴェルナーにも分かったはずである。ふわふわの毛並みに隠されて見えなかっただけで、この時のマゼルの顔は月明かりの下でも分かるくらい、真っ赤になっていたのだから。 　しょんぼりと耳が倒れてしまったヴェルナーに、マゼルの心もちょっとだけ痛む。気を取り直して、改めてヴェルナーにひそひそ声で話しかけた。 「それで……ヴェルナーが僕を昼寝させてまでしてやりたかった事って、僕の毛繕いなの？」 「あ、そうだった」 　毛繕いは毛繕いで、猫にとって大事なんだが……とまだそこのこだわりは捨てきれない様子だったが、すっくと四つ足で立ち上がったヴェルナーは、マゼルの前でぐぎゅっと背を丸めて体を持ち上げるような伸びをして見せた。 「猫なら普通って言っただろ。だから、マゼルもやってみたらいいと思って」 「……へ？」 「順番は好みでいいと思うけどな。俺はまず、脚全部伸ばすのからやるのが好きだ」 　その次は前にするか後ろにするかは気分次第だなぁと呟くヴェルナーを見ながら、マゼルはぱちぱちぱちと真っ黒な猫の目で瞬きをする。 「猫の体伸ばしを、僕にやれってこと？」 「綺麗とかなんとか言ってたけど、やってみたらどうってことないって分かるかと思って」 「そういうことじゃないんだけどな……」 　だって、ヴェルナーならばきっと人間の姿で体を伸ばしているのも美しいと思う。 「いいからやってみろよ。猫の身体は人間より柔らかいのが普通なんだって！」 　それはそうなのだろうけれども。 　ともかく、マゼルは言われるがまま、ヴェルナーに教わって体のあちこちを伸ばすことになるのだった。やはり人間とは骨格からして違うので、動かし方も色々と勝手が違ったのだが、この感覚が人間の姿のマゼルにとっても体の使い方として参考になるだなんて、この時の二人は全く考えもしていなかった。もっとも、それでなくてもマゼルは天性の勘で元から人よりも良く動けたので、誰も猫の動きを参考にしていただなんて気付きもしなかったのだけれども。 　一通り猫の動きを試した後で、今日の所はお開きにすることにした。部屋を出る前にこっそり開けておいたベッドサイドの窓から部屋に戻ることにする。高いところへの飛び上がり方もヴェルナーから教えを受けたマゼルは、何度か試してみただけで見事窓枠に飛び乗ることができた。そのまま部屋に入って、大きくジャンプして床へと危なげなく着地する。動きとしては問題なかったものの、猫の体の何倍もの高さから飛び降りているので、心臓はバクバクとしていた。これもそのうち慣れるのだろうか。 「こっちは大丈夫だよ」 　にゃーん、というマゼルの鳴き声が、部屋の外で待っているヴェルナーにも届く。それを聞いてヴェルナーも、ひらりと舞い上がるように窓枠に登ると、前
August 17, 2025 at 11:56 AM
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黒猫の魔法使いなマゼヴェル『一緒に寝よう』2/4
に容赦がないことの方が多いかもしれないくらいだ。もっとも、抗議ができたところでヴェルナーの言葉はリリーには届かない。ニャオゥという可愛らしい鳴き声に不満の色が乗っていることは分かっても、その不満の原因が撫で方なのか甘えん坊と言われたことなのかまでは伝わらなかった。 　そんなことはありながらも、今日はお昼寝する！　と家族に宣言したマゼルはヴェルナーと二人で部屋に籠ると、ベッドの上に横になった。すぐさまその横にくっつくようにして横たわるヴェルナーを一撫でしてから、身体を曲げてその首筋にキスを落とす。 「なんだよ」 「カワイイなと思って」 　ヴェルナーって僕のこと大好きだよね、と目を細めながら言うマゼルの顔が眩しくて、ヴェルナーはぐいぐいとマゼルの腹に顔を押し付けるようにしてきゅっと丸まってしまった。大好きというのならば、どう考えたって今キスをしてきたマゼルの方が俺のことを大好きなんじゃないかと思うのだが、もしそれを言ってもマゼルには肯定されてしまいそうで、ヴェルナーは恥ずかしくて困っていた。 「……マゼルは、俺の使い魔なんだから当然だろ……」 　別に、マゼルのことが大好きだということを否定したいわけじゃない。そもそもの条件が合ったという大前提があるとはいえ、ヴェルナー自らがマゼルを使い魔に選んだのだ。選んだ時点でその相手を気に入っているというのは、魔法使いとして当然のことなのである。 「うん。僕もね、ヴェルナーのこと大好き」 　使い魔に選ばれたんだから当然だよね、との続く言葉を聞いて、果たしてそうだろうかとヴェルナーは考えた。魔法使いは条件に合った存在の中から、自分の好みで相棒になる使い魔を選ぶ。ヴェルナーが勝手にマゼルを使い魔に選んだように、使い魔側に拒否権があるかどうかは怪しい。選ばれた使い魔は長い年月をかけて魔法使いの影響を受けていくのだが、もしかし てその作用の中に主である魔法使いを無条件で好くようにさせたりするものもあったりしないだろうか。もしそうだとしたら、自分はマゼルの心を知らず知らず捻じ曲げていることになる。 　……それは、嫌だな。 　そう思った頃には、ヴェルナーは温かなマゼルの腕に抱かれて、くっついたところから蕩けるように眠りへと落ちていった。 　その夜は、ヴェルナーの思った通り満月だった。少し曇りがちの夜空だったが流れる雲は比較的薄く、例え月の光を遮ったとしても完全にその姿を隠してしまうようなことはなかった。本当は、澄んだ空にピカピカの満月の方が、まだ未熟なヴェルナーにとってはありがたい。だが、贅沢は言っていられない。元はと言えばヴェルナー自身に力がないのがいけないのであって、今日が満月であることだけでも感謝しなくては。 　静かになった家の中を、マゼルはヴェルナーはそっと抜け出した。といっても遠くまで行くわけじゃない。月の光が浴びられればいいだけなので、家の外に出れば充分だった。もちろん、話し声は聞かれたくないため、両親の部屋の外を通る時は慎重に行動したけれど。もし見つかったとしても、外に出たこと自体はトイレだとかなんとか言って誤魔化せるかもしれないが、それ以上にヴェルナーとの秘密の時間を邪魔されたくはなかった。 「月が綺麗だね」 　ちょうどマゼルの部屋の外まで来ると、空を見上げたマゼルがそんなことを言う。ちょうど雲の切れ間に浮かんだ月は真ん丸で美しく、その光に照らされたマゼルの顔（かんばせ）は神々しい程だった。ヴェルナーはマゼルの顔が大好きだったが――もちろん、顔以外も全部大好きだったが――これを誰かに見られたら、その誰かにマゼルを盗られてしまうような気がして、慌ててその姿を隠してしまった。 　瞬きをする間に、マゼルの目から月は少しだけ遠く なっていて、大地の匂いをさっきより強く感じる。気付けばマゼルは、赤毛の猫の姿になっていた。 「わぁ！」 　にゃあ！　という鳴き声が響いて、マゼルが慌てて口を押える。ヴェルナーと意思の疎通はできるとはいえ、音として出てくるのは猫の鳴き声だ。この村ではヴェルナー以外にも猫を見かけることはあったからそこまで不自然ではないとはいえ、うるさくしてすぐそばの部屋で寝ている妹に気付かれでもしたら面倒なことになってしまう。他にも猫はいるとはいえ、村では見たことのない赤毛の猫というだけでも珍しいのに、もっとびっくりするようなもの――黒くて艶々の髪の毛をした、見知らぬ綺麗な男の子を見つけられてしまったら大騒ぎになってしまう。キョロキョロと周りを探って、家族が起きた気配がないことを確かめようとしているマゼルを、少年の姿になったヴェルナーが優しく撫でた。 「どうしたんだよ」 「その姿のヴェルナーを見られちゃまずいと思って」 「確かにそうだな」 　ヴェルナーが魔法使いだということ、そしてマゼルを使い魔に選んだということは、まだ二人だけの秘密だった。いつか話すかもしれないが、ずっと話さないかもしれない。マゼルの家族はヴェルナーにとっても家族だったが、息子を勝手に使い魔にされたとあっては恨まれたって文句は言えないとヴェルナーは思っている。マゼルはマゼルで、この姿のヴェルナーを独り占めしたくて黙っていたのだが、ヴェルナーはそんなこと知る由もなかった。 「じゃあ……ちょっと、試してみるな」 　何を？　と尋ねる間もなく、マゼルはなんだか不思議な気持ちに包まれる。それは、何かを我慢するような……例えば、ベッドの端っこに寄りすぎてしまって落ちそうになっているのを、ちょっとだけ頑張って落ちないように踏ん張っている時のような感じだった。 　手伝った方がいい気がして、マゼルも一緒に頑張っ てみる。何をどう頑張ればいいのかはよく分からなかったが、それでもどうやらそれであっていたらしい。ベッドの真ん中側にちゃんと乗り上げることができたかのように感じてフッと力が抜けて目の前を見てみると、そこには黒猫のヴェルナーがいた。 「ヴェルナーだ」 「おう」 　見慣れたいつもの姿のはずだがどこか誇らしげなその様子に、マゼルは首を傾げた。何がいつもと違うんだろう。 「やっと、一緒になれたな」 　サリリと音を立てて、ヴェルナーがマゼルの頬を舐める。その感触はいつものザリザリとしたものではなく優しく撫でられた時のようで、とても気持ちが良かった。 「あっ！　猫！　猫だ！！」 　みゃっ！　みゃう！　みゃうぅ！！　と声を上げてから、しまった、とマゼルが慌てて口を閉じる。耳をすませば木や草を揺らす風の音が聞こえてきたが、心配だった家族が起きてしまった反応はなさそうだった。 「今頃気付いたのかよ」 「うん、だって……だって、初めてじゃない？　僕たち二人とも猫だなんて！」 　そう、今ヴェルナーはマゼルの目の前にいて、同じ目の高さで世界を見ていた。 「すごいね！　できるようになったんだ！」 「まだ不安定だけどな」 「でもすごいよ、今までできなかったことができるようになったんだもの。どうやったの？」 　興味津々で聞いてくるマゼルに、どう説明したものかとヴェルナーは考えながら口を開く。 「姿を入れ替えるのは、前からできるようになってただろ。あれを元に戻す時は、もう一度入れ替えるというよりは戻ってしまうと言った方が近いんだが、その時に、俺だけ戻ってマゼルは戻さないようにって頑張ってみた」
August 17, 2025 at 11:56 AM
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今日は黒猫感謝の日ー！！
ということで、黒猫の魔法使いなマゼヴェル。
時系列は最初の話の少し後、この前の羽ペンの話よりは前かな。
『一緒に寝よう』1/4 #新書ページメーカー https://sscard.monokakitools.net/pagemakers/shinsho/index.php
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「一緒に寝よう」、「織：@ori_kazaha / @ori-kazaha.bsky.social」と記載されています。 以下は本文の内容です。 　ぐぎゅ……っと体に力を入れて、ベッドの上に四つ足で立ったヴェルナーは精いっぱい足を長く、身体が高くなるように伸びをした。続けて手を前につき、上半身を落として背を反らせるようにして腰を突き上げて前足や胸を伸ばし、それから反対に今度は頭を高くして前足に重心を載せ、背をしならせて後ろ足や腹を伸ばす。一連の動きが終わるとそのままベッドの上にちょこんと座って、朝の身だしなみとして顔を洗って髭の流れを整え始め……ふと、その動きを止めて、半眼で目の前の相棒を見下ろした。 「……おはよう」 「おはよーヴェルナー」 　ここまでの流れを、寝ていた時の体制のまま目だけを開けてじっと見ていたマゼルに、ヴェルナーはむすっとした表情だ。 「目が覚めたんなら起きろよ」 「うん……でも、起きちゃったらこんな近くでヴェルナーのこと見られないし」 「ジロジロ見るなよ、恥ずかしい」 「だって、綺麗なんだもの」 「普通だろ」 「猫にはそうかもね」 　言外に、猫でない自分にとっては違うのだとマゼルは含ませる。体の構造が違うのだから、当たり前のことではあるが、人間が同じ動きをしてもあそこまでしなやかにはなれない。 　しかしそれならば、人間が人間らしい動きで体を伸ばしたらばどうだろうかとマゼルは考えてみる。すでに何度か見た人間の少年姿のヴェルナーが、いつもマゼルがやるような動きで体を伸ばすところを想像して……うん、それはそれですごく綺麗な姿になる気がした。自分がやったらただの伸びでも、ヴェルナーがやったら指の先まで美しいポーズに見える気がする。 「何か変なこと考えてないか？」 　てち、としっとりした肉球がマゼルの額を押す。そんなに言われるほど変な顔をしていたのだろうか？ 「変じゃないよ。ヴェルナーは綺麗だから、人間の姿でも綺麗だろうなって思っただけ」 　言いながら頭を動かして、額でそのままぐいっとヴェルナーの手を押し返す。面食らったように手を引っ込めるヴェルナーの背後に手を回してそれ以上下がれないようにして、マゼルは思い切りヴェルナーの横っ腹に顔を突っ込んだ。 「おーはーよーう」 　そのままぐりぐりと頬擦り……というにしては顔の真正面から突っ込んでいき過ぎな気もするが、ともかくマゼルは顔面でヴェルナーの毛並みと、その温かく柔らかな肢体を堪能した。あのしなやかな曲線は、この柔らかさが描いているのだと思うと一層愛しさがこみ上げる。ヴェルナーのいい匂いと、くっついて寝ていたマゼル自身の匂いが混ざって鼻をくすぐった。溶け合ったこの匂いが、自分たちの仲良しの証拠に思えてマゼルは好きだった。 「そんなに気に入ってるなら、自分でもやってみたらいいだろ」 「うん？」 　逃がさないようにしていたとはいえ、本気で捕まえていたわけではないマゼルの手からするりと抜け出したヴェルナーが、マゼルの手が届かないよう背後に回る。逃げたいのならばベッドを降りてしまえばいいのにそうしないのは、本気で逃げたいわけじゃないと思っていいのだろうか。もちろん、しつこくし過ぎたら今度こそ逃げられてしまうだろうから、マゼルもこれ以上は手を出したりしないで我慢すると分かっているというのもあるだろうけど。 「今夜、楽しみにしてろ」 「え、何、どういうこと？」 「さあな。寝坊助には教えられん」 　そういうと、ぴょんとマゼルを跳び越えて、ヴェルナーは床へと降りてしまった。高く上がった尻尾を誘うようにくねらせて、ドアの前へと歩いていく。 「ほら、起きろよ。今日は忙しくなるからな」 「今日何かあったっけ？」 「まずは朝ご飯だろ、その前に着替えて、髪を梳かして……西の原っぱに行った後、今日は昼寝するからな」 「お昼寝はいつもしてるでしょ」 　猫はよく眠るものだ。マゼルが一番よく見るヴェルナーの姿は寝姿だと言っても過言ではないかもしれないくらいである。 「違う、マゼルが寝るんだ」 「えっ、僕？」 　マゼルだって小さい頃はお昼寝が必須だったが、今はそんなことはない。ヴェルナーだって、昔はマゼルの寝かしつけに協力もしていたが、ここ数年は昼寝しろだなんて言ってきたことはなかった。 「そう。夜起きてるなら昼寝なきゃだろ」 　人間の子供に夜更かしは良くないってお母さんも言ってるし、と随分とお兄さんぶったことを言うが、おそらくヴェルナーよりはマゼルの方が先に生まれているはずである。猫の方が大人になるのが早いとはいえ、ずっと一緒の相棒がやけに大人ぶったことを言ってくるのは、置いて行かれているみたいであまり面白くはなかった。 「じゃあ、猫は人間の僕よりずっと子供だからいっぱい寝るのかな」 「なんだと？」 「だってヴェルナーすぐ寝ちゃうんだもん。もっといっぱい遊びたいのに」 「別に本気で眠ってるわけじゃないし、体力温存してるのもあるんだが……分かった、善処する」 「えっいいよ！？」 　ヴェルナーともっと遊びたいのは本当だが、ちょっと拗ねて言ってみただけで、無理して起きていて欲しいわけじゃない。猫は沢山寝るものなのに、自分のせいで無理をさせてヴェルナーに何かある方がマゼルは嫌だった。 「なんだよ、自分で言ったくせに」 「だって……一緒に居たいけど、無理してほしくはな いから……だから、僕も一緒に昼寝する！」 「……それでいいのか？」 　なんだか話が変わってきていないだろうか。 「え、だって昼寝するんでしょ、今日」 「今日はそうだが」 「じゃあ明日も昼寝しようよ」 「なんでそうなる」 「でも、ヴェルナーは明日も昼寝するんだろ？」 　じゃあ一緒に寝たら、一緒に遊んでるってことだよね、とよく分からないことを言いながら、マゼルはドアを開けて部屋を出る。続いてヴェルナーも出たことを確認してから、パタンとドアは閉じられた。 　その日は、いつものようにマゼルの両親に頼まれた手伝いをしたり、空いた時間に原っぱに遊びに行ったり、そのついでに見つけた薬草を摘んだりした。木陰に寝ころんで昼寝するのも気持ちのいい天気だったが、万が一にも魔物が出たりしたら危ないため、大人が近くにいない時にはそういったことはしないようにと言われている。ヴェルナーはしょっちゅうその木陰で寝ているが、それはそのすぐ側でマゼルやリリーが起きて遊んでいるからだ。そう考えると、マゼルにとっての大人たちのように、ヴェルナーにとってマゼルは保護者に当たるのではないかと思うのだが、しかしやっぱりヴェルナーはマゼルに対してお兄さんのように振舞い続けるのだった。本当はマゼルの方がお兄さんのはずなのに。 「お兄ちゃんお昼寝するの？」 「ヴェルナーが僕と一緒にお昼寝したいんだって」 「なっ、オイ！　マゼル！」 「そうなのヴェルナー？」 　甘えん坊さんねと言われてしまい、「違う」と抗議をしたいところだが、リリーに頭のてっぺんから背中を撫でられて思わずその手に身を委ねてしまう。小さい頃に比べてリリーも大分猫の扱いが上手になった。むしろ今はマゼルの方が、ヴェルナーを抱きしめるの
August 17, 2025 at 11:56 AM
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8/8は世界猫の日なので！！
『黒猫の魔法使い』の続きなマゼヴェルで『本能には抗えない』1/1
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「本能には抗えない」、「織：@ori_kazaha / @ori-kazaha.bsky.social」と記載されています。 以下は本文の内容です。 　カリカリ……サラサラ…… 　微かな音だけが響く室内は穏やかに見えて、その実、息が詰まるほどの緊張感に満ちていた。時折その小さな音が止まるたびに張り詰める空気は痛いほどで……ついにマゼルは根負けしてその沈黙を破った。 「……ヴェルナー」 「まだ何もしてない」 「そうだけど。……外で遊んで来たら？」 　マゼルから暗に部屋から出ていけと言われて、ヴェルナーは大変にショックを受けた。 「ひどい。マゼルは俺のこと嫌いになったんだな……！」 「そうじゃないよ！　そうじゃないけど……」 　上目遣いで恨めしそうに睨んでくるヴェルナーの濡れた瞳を見ながら、マゼルはため息を吐いた。 「ヴェルナーだって、我慢してるの辛いだろ」 「べ、別に我慢なんて……これくらい、何でもない」 「ほんとに？」 　そう言いながら、マゼルは意地悪くヴェルナーの眼前に獲物を差し出す。その巧みな動きに思わずヴェルナーは手が出てしまい、たしっ、という軽い音共にその羽……先程まで、マゼルが書き物をするのに使っていた羽ペンを見事に両の前足――黒くて艶々な毛並みで覆われた、ふわふわのまあるい黒猫のおててで抑え込んでいた。 「……あ」 　しまった、と思ったがもう遅い。抑え込んだはずの羽がするするとマゼルの手によって引き抜かれていくのを感じた瞬間、タンタンッと軽やかな手捌き――正しくは、前足捌きだろうか――で連撃を加え、逃げ去ろうとする羽を弾き飛ばす勢いで打撃を与えた。しかしさすがにそこはマゼル、ヴェルナーの攻撃を見事にいなし、まるで羽に生命が吹き込まれたかのような鮮やかな動きをさせて、華麗に宙に舞い上げる。ヴェルナーはそれを追って、ぐっと身を縮こませたかと思うとバネ仕掛けの玩具のように高らかに飛び上がった。その見事な跳躍はマゼルが 高く掲げた羽ペンにも十分届く勢いであったが、もう少しで触れそうなタイミングを見計らってマゼルがその手の動きを急に変え、ギュンッと音がしそうなくらいの速さで下に下ろしたものだから、ヴェルナーは空中で体を捻り慌ててその身を翻して追いすがるように着地をすることになる。 　降りた先で誘うように待ち構えていた獲物に、勇猛果敢に牙をむき出して食らいつこうとしたヴェルナーをあざ笑うかの如く、今度は水平の動きで床近くを滑るように走って逃げる羽ペン。普段の静けさはどこへやら、ドタドタとけたたましく足音を立ててヴェルナーが追いかけるも、あと一歩のところで手が届かない。もちろん床を駆けずり回るだけでなく、時に椅子に登ったり軽やかに舞い上がったり、緩急をつけて逃げ回る羽ペンにヴェルナーもその体のしなやかさを存分に生かしてついていく。 　さすがに息が上がってきた頃、両手で挟むようにして捕まえることができた羽ペンにアグアグと噛み付いて……ハッ、と気付いた時には、マゼルに抱え上げられていた。 「も～……また羽ペンぐしゃぐしゃにして……」 　見れば、ヴェルナーとの攻防でやつれたように乱れた羽ペンは、さらなるダメ押しでヴェルナーに噛みつかれて濡れそぼってボロボロになっていた。幸い千切れたりはしていない。だから乾かして、櫛で梳いたりして流れを整えてやれば元通りに……なるはずは、ないのだけれど。 「う……ゴメンナサイ……」 「いいけどね。僕も楽しかったし」 　ヴェルナーと遊ぶのは楽しい。マゼル自身が動くのが楽しいというより、楽しそうにしているヴェルナーを見るのが楽しかった。眠っていることの多いヴェルナーが、生き生きと動く様は貴重だ。もちろん丸くなったり、逆に伸びたりして眠っている姿もとっても可愛いのだけれ ど、そのしなやかな筋肉による縦横無尽な動きは優秀な狩人である一面をまざまざと見せつけてくれる。マゼルにとって、ヴェルナーのどんな姿も愛すべきものだった。 「宿題は、無事か？」 「うん。こっちは大丈夫」 　書いている途中だった提出物までダメにしていないだろうかと心配そうにするヴェルナーに、マゼルは安心させるように微笑んだ。多少の書き損じなら許されるかもしれないが、それでもなるべく綺麗な出来栄えであるに越したことはない。あれだけ激しいランダムな動きの中でも、マゼルはちゃんと机の上には被害が及ばないように計算して羽ペンを操っていた。 「でもまだ続きをやらなきゃいけないから……どうする？」 　やはり部屋の外に出て終わるまで遊んでくるか、と尋ねるマゼルに対し、ヴェルナーは耳をそっと後ろに倒した。その選択肢は不満らしい。 「ちょっとだけ、椅子の前の方に座ってもらえるか」 「いいけど……こう？」 　座面の真ん中あたりに浅めにマゼルが腰かけると、ヴェルナーはするりとその背中側へと移動した。椅子の背もたれとマゼルに挟まれるようにして寝そべると、こてんと頭をひっくり返す。そうやって、片耳は座面に押し付けて、もう片方には可愛らしいふわふわの前足を押し当てて、ヴェルナーは自分の耳を塞いだ。 「そんなところで窮屈じゃない？」 「むしろ窮屈なのはサイコーなことだろ」 「ならいいんだけど……なんで耳抑えてるの？」 　塞いだところで、声が聞こえなくなる程じゃない。現にこうして会話は成立している。 「書いてるときの音……結構クるんだよ」 「へ？」 「小さい生き物が動いてるみたいで、飛びつきたくなる」 「あー……なるほど」 　キュッ、と前足に力を入れて耳を抑えたヴェルナーが、これで大丈夫だから存分にやってくれ、となんだか良く分からない覚悟を決めた声で言ってくる。確かに、話し声はともかくあの小さな書き物をする音くらいならば、耳を塞げば防げるのかもしれない。 「でもそんなに無理しなくても……」 「ヤダ。ここにいる」 　コロンと転がったままで、ヴェルナーは額をマゼルにぐいぐいと押し当ててくる。猫の頭突きが示すのは親愛の情だ。ヴェルナーは狩りの本能をこんなに苦労して封じてまで、マゼルと一緒にいたいと言っているのだ。こんなにまでされて、マゼルが嬉しくないわけはない。 「分かった。じゃあ、なるべく早く終わらせるから」 　先程までだって怠けていたわけではないのだが、ヴェルナーがいつ飛び掛かって来るか分からないという無駄な緊張感の中で慎重になっていた部分はある。それが無くなった上、ヴェルナーのこんないじらしい姿を見せられたマゼルのやる気には、しっかりと火が付いていた。元より優秀なマゼルだ。猛スピードで課題を仕上げ、それをきちんと片付けて汚れないようにしまい込むと、その後はヴェルナーと存分にスキンシップを取る時間にあてた。 　沢山触って撫でて、また羽ペンで遊んだりして。満足したら二人でベッドに並んで寝て、翌日きちんと宿題は提出した。 　その日以降、マゼルはなるべく部屋に持ち込まないようにと、出された宿題を授業の合間に済ませることが増えた。もちろん全てを持ち帰らずに終わらせることは無理だったし、周囲からは勤勉さの表れともとらえられたが、それが単純に羽ペンの被害を減らすのと、黒猫のヴェルナーに我慢を強いるのを少しでも減らすためだったということを知っている者は少ない。
August 8, 2025 at 1:59 PM
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グッズは厳選して買って来たけど…芦田さんの絵やっぱり好きだ…そしてスマホスタンドのミニキャラな二人があまりに可愛くて買って来てしまった…！！
何これめちゃくちゃかわいいな！！！
July 23, 2025 at 10:26 AM