えへ、えへへ！やってみます！

ぴりりと引き攣る目元とぼんやりとする頭がどうにも面白くて笑いが零れる。

全てここに置いていこう。
このノートに今までの想いも記憶も感情も全部。
🕶はほおり投げていた羽ペンを持つと再び空白を埋めだした。

しばらくして、インクがしっかりと乾いたことを確認するとノートを閉じて、祈りを込めるように表紙を撫でた。
机の上にノートを置いたままにして部屋を出ると、二度と戻ることは無かった。

🕶・🪟ﾉﾚは魔i法i界から姿を消した。

懐古に浸りながら🕶は丁寧に空白を埋めていく。
だんだんと埋まっていく空白に、言葉に出来ない感情が溢れてきて視界がぐにゃりと歪む。
あっ思った時には既に遅く、頬を伝った涙が拭おうとした手をすり抜けて落ちた。
ああ、せっかく丁寧に書いたのに滲んでしまった。
一度溢れた感情を止めることができず、🕶はノートにたくさんの滲みを作っていく。
口から漏れだした嗚咽が隣の部屋にいる🎭に聞こえてしまわないように、握りしめていた羽ペンから手を離すと両手を口にあてて必死に歯を食いしばって抑えた。

やっとの思いで胸の奥に沈めて蓋をすると身を焼くような激情は不思議と凪いだようなものに変わっていた。