いつも機敏に動きまわり、ニコニコしてる向坂くんが顔を赤らめて私を見ながらブルブルと震えている。
具合でも悪いのだろうか、と心配になり立ち上がりかけると、向坂くんが「いつの間に、そんな関係に!?」といきなり月岡さんに大声を出したので、驚いた。
私と月岡さんの顔を交互に見比べるように首を振っていて、何かまずいことでもしたのだろうか、と肩身が狭くなる。
対して月岡さんは慣れたように首を傾げると「普通に店主とお客さんだよ」と肩をすくめた。
いつも機敏に動きまわり、ニコニコしてる向坂くんが顔を赤らめて私を見ながらブルブルと震えている。
具合でも悪いのだろうか、と心配になり立ち上がりかけると、向坂くんが「いつの間に、そんな関係に!?」といきなり月岡さんに大声を出したので、驚いた。
私と月岡さんの顔を交互に見比べるように首を振っていて、何かまずいことでもしたのだろうか、と肩身が狭くなる。
対して月岡さんは慣れたように首を傾げると「普通に店主とお客さんだよ」と肩をすくめた。
「うーん、そうなんですけど」
なぜか少し迷ったように言い淀む声に視線を上げると、「実はあの時間のお客さんってそんなに珍しくないというか」と困ったように頬をかく。
「丞、あっあの時いた俺の友人もそうなんですけど。あの時間は電気つけてたら近所の人とかが結構遊びに来たりする感じで。だから全然迷惑とかじゃないです」
「そ、それならよかったです。月岡さんのご迷惑になってたのではないかと……」
「ふふ。むしろ立花さんさえ良ければまた遊びに来てください」
「いやいやいや、流石に恐れ多いです」
首を勢いよく横に振ると、月岡さんのくすくす笑いが大きくなる。
「うーん、そうなんですけど」
なぜか少し迷ったように言い淀む声に視線を上げると、「実はあの時間のお客さんってそんなに珍しくないというか」と困ったように頬をかく。
「丞、あっあの時いた俺の友人もそうなんですけど。あの時間は電気つけてたら近所の人とかが結構遊びに来たりする感じで。だから全然迷惑とかじゃないです」
「そ、それならよかったです。月岡さんのご迷惑になってたのではないかと……」
「ふふ。むしろ立花さんさえ良ければまた遊びに来てください」
「いやいやいや、流石に恐れ多いです」
首を勢いよく横に振ると、月岡さんのくすくす笑いが大きくなる。
丸顔で童顔な彼は、笑うとなおのこと幼く見える。それが何だか気恥ずかしくて慌てて視線を落とすと、彼の胸元からこちらを見つめる、ぬぼっとした犬のイラストと目が合った。
彼が身につけているデニムエプロンには「喫茶ザビー」の文字と、少し顔がクチャっとした胴の長い犬のイラストがプリントされている。
下手うま、とでも言うのだろうか。絶妙に可愛くない犬の正体も未だに聞けないままではあるのだが、今はその犬の存在が心からありがたかった。
「先日は、本当に失礼しました」
改めて深々と頭を下げると、「いえいえ」と月岡さんは手を横に振る。
「むしろ取りに来てくださって助かりましたから」
丸顔で童顔な彼は、笑うとなおのこと幼く見える。それが何だか気恥ずかしくて慌てて視線を落とすと、彼の胸元からこちらを見つめる、ぬぼっとした犬のイラストと目が合った。
彼が身につけているデニムエプロンには「喫茶ザビー」の文字と、少し顔がクチャっとした胴の長い犬のイラストがプリントされている。
下手うま、とでも言うのだろうか。絶妙に可愛くない犬の正体も未だに聞けないままではあるのだが、今はその犬の存在が心からありがたかった。
「先日は、本当に失礼しました」
改めて深々と頭を下げると、「いえいえ」と月岡さんは手を横に振る。
「むしろ取りに来てくださって助かりましたから」
いや、間違い無いんだけど。なんか、そういうことじゃなくて。
声をかけておいて黙り込んだ私に、向坂くんは一層困ったように眉を顰める。
やっぱりなんでもない、と言いかけたところで「立花さん!」と声がかかり、私は再び閉口した。
「いらっしゃいませ!」
「こ、こんにちは」
声の方を向けば、いつも通り見慣れたエプロンを身につけた月岡さんが、カウンターの向こうから私を見て微笑んでいた。
いや、間違い無いんだけど。なんか、そういうことじゃなくて。
声をかけておいて黙り込んだ私に、向坂くんは一層困ったように眉を顰める。
やっぱりなんでもない、と言いかけたところで「立花さん!」と声がかかり、私は再び閉口した。
「いらっしゃいませ!」
「こ、こんにちは」
声の方を向けば、いつも通り見慣れたエプロンを身につけた月岡さんが、カウンターの向こうから私を見て微笑んでいた。
しかしこじんまりとしたお店と言えど彼はかなり気が効き、丁寧な所作でエスコートから給仕までしっかり行う彼はその美少年ぶりも相まって、このお店の看板ウェイターとなっていた。
「ご注文はいかがしますか?」
「ホットコーヒーで」
「はい! すぐお持ちしますね」
「あの向坂くん」
離れようとした彼を呼び止めると、キョトンと目を丸くしてこちらを振り向いた。首を傾げる仕草は草食動物みたいで、男の子を捕まえて言うのもなんだが、可愛らしい。→
しかしこじんまりとしたお店と言えど彼はかなり気が効き、丁寧な所作でエスコートから給仕までしっかり行う彼はその美少年ぶりも相まって、このお店の看板ウェイターとなっていた。
「ご注文はいかがしますか?」
「ホットコーヒーで」
「はい! すぐお持ちしますね」
「あの向坂くん」
離れようとした彼を呼び止めると、キョトンと目を丸くしてこちらを振り向いた。首を傾げる仕草は草食動物みたいで、男の子を捕まえて言うのもなんだが、可愛らしい。→
その青い瞳と目が合うと勝手に感じていた気まずさが晴れる。彼はすぐに微笑んで「いらっしゃいませ!」と一歩引いて私を店内に通してくれた。
「いつものお席でいいですか?」
「はい、ありがとうございます」
「すぐお水とおしぼりお持ちしますね」
私を店内奥のテーブル席まで誘導し椅子を引いて座らせると、テキパキとテーブルセッティングを済ませてくれる。→
その青い瞳と目が合うと勝手に感じていた気まずさが晴れる。彼はすぐに微笑んで「いらっしゃいませ!」と一歩引いて私を店内に通してくれた。
「いつものお席でいいですか?」
「はい、ありがとうございます」
「すぐお水とおしぼりお持ちしますね」
私を店内奥のテーブル席まで誘導し椅子を引いて座らせると、テキパキとテーブルセッティングを済ませてくれる。→
だからと言って喫茶店にお礼と称して食べ物を差し入れるのもなんか違うし、だからって消えないものを渡されるのは迷惑だろう。
コーヒーだけ飲んでサッと帰る、なんて贅沢な使い方をするにはあの喫茶店のコーヒーはそこそこの値段がするし、私の懐にはそこまでの余裕もない。
そんなことをグルグルグルと考えて、結局今まで通り利用をするしかないのか、と自分の不甲斐なさに頭が痛くなった。
→
だからと言って喫茶店にお礼と称して食べ物を差し入れるのもなんか違うし、だからって消えないものを渡されるのは迷惑だろう。
コーヒーだけ飲んでサッと帰る、なんて贅沢な使い方をするにはあの喫茶店のコーヒーはそこそこの値段がするし、私の懐にはそこまでの余裕もない。
そんなことをグルグルグルと考えて、結局今まで通り利用をするしかないのか、と自分の不甲斐なさに頭が痛くなった。
→
そして今、その日課をこなすかどうか悩んでいる。
あの夜「お礼ならお店に」と言われた手前突然行かなくなるのも気を遣わせそうでよくないだろうと思う反面、自身の振る舞いを客観的に見て、非常に迷惑な客なのでは? などと思い至ってしまっては、気持ち的に行きづらくなってしまった。その上忘れ物したからとは言え、営業時間外に訪れるなんて迷惑以外の何者でもない。
コンビニ店員に顔を認識されてしまうと通い辛くなる現象と似たようなものだろうか。→
そして今、その日課をこなすかどうか悩んでいる。
あの夜「お礼ならお店に」と言われた手前突然行かなくなるのも気を遣わせそうでよくないだろうと思う反面、自身の振る舞いを客観的に見て、非常に迷惑な客なのでは? などと思い至ってしまっては、気持ち的に行きづらくなってしまった。その上忘れ物したからとは言え、営業時間外に訪れるなんて迷惑以外の何者でもない。
コンビニ店員に顔を認識されてしまうと通い辛くなる現象と似たようなものだろうか。→
『喫茶・ザビー』は商店街の中程にある、こじんまりとした佇まいの喫茶店だ。お店の2階には床屋が入っており、外に備え付けられた螺旋階段を人が登っていくのを時折見かける。
よくある昔ながらの建物といった風情のそれは、看板に描かれた間の抜けた胴の長い犬のイラストと、その下に入った年号からして創業から30年以上は経過しているらしい。店主さんこと、月岡さんはどう見積もっても同私と年代かそれ以下に見える風貌なので、彼はどなたからかお店を引き継いだ立場なのだろう。
私はそのお店の常連、といえば聞こえはいいが店の雰囲気を一方的に気に入っていて。→
『喫茶・ザビー』は商店街の中程にある、こじんまりとした佇まいの喫茶店だ。お店の2階には床屋が入っており、外に備え付けられた螺旋階段を人が登っていくのを時折見かける。
よくある昔ながらの建物といった風情のそれは、看板に描かれた間の抜けた胴の長い犬のイラストと、その下に入った年号からして創業から30年以上は経過しているらしい。店主さんこと、月岡さんはどう見積もっても同私と年代かそれ以下に見える風貌なので、彼はどなたからかお店を引き継いだ立場なのだろう。
私はそのお店の常連、といえば聞こえはいいが店の雰囲気を一方的に気に入っていて。→
寒いからいい、と伝えたのにしっかり店外まで顔を出して手を振ってくれる男性陣に私も手を振り返して、取り戻したスケッチブックをぎゅっと抱きしめて、帰り道を急いだ。
温かいコーヒーをいただいたからなのか、あのお店の空気感が妙にゆるくて、温かったからなのか。
私の身体は少しぽかぽかと熱っていて、夜の寒さもあまり気にならなくなっていた。
寒いからいい、と伝えたのにしっかり店外まで顔を出して手を振ってくれる男性陣に私も手を振り返して、取り戻したスケッチブックをぎゅっと抱きしめて、帰り道を急いだ。
温かいコーヒーをいただいたからなのか、あのお店の空気感が妙にゆるくて、温かったからなのか。
私の身体は少しぽかぽかと熱っていて、夜の寒さもあまり気にならなくなっていた。
「立花さん。いつもご利用ありがとうございます」
「はい、こちらこそ!」
「でも、本当にお礼は気にしないでください。またお店に来てくだされば、嬉しいですから」
そうもいかないだろう、と首を横に振るけれど、向こうも負けじと説得してくるので、結局何かあった時の連絡先交換だけに留まり、それ以上は押し負けた。
この後、いただいたコーヒー代を払う、払わないでもう一悶着あったけれど、結局彼は1円だって受け取ってはくれなかった。見た目の儚さと違ってかなりの頑固者らしい。
そうこうしてるうちにお店の時計はもうすぐ22時を指そうとしている。→
「立花さん。いつもご利用ありがとうございます」
「はい、こちらこそ!」
「でも、本当にお礼は気にしないでください。またお店に来てくだされば、嬉しいですから」
そうもいかないだろう、と首を横に振るけれど、向こうも負けじと説得してくるので、結局何かあった時の連絡先交換だけに留まり、それ以上は押し負けた。
この後、いただいたコーヒー代を払う、払わないでもう一悶着あったけれど、結局彼は1円だって受け取ってはくれなかった。見た目の儚さと違ってかなりの頑固者らしい。
そうこうしてるうちにお店の時計はもうすぐ22時を指そうとしている。→
「……ありがとうございました。あの、コーヒーも美味しかったです」
「よかった! 明日から日替わりのラインナップに入る予定なんですよ。気に入ったならまた飲みに来てくださいね」
「はい、もちろんです。……あと差し支えなければお名前聞いてもいいですか? ちゃんとお礼がしたいので」
きょとん、と目を丸くしたその人は「ああ、名乗ってなかったでしたっけ」なんて軽い調子で呟いて、「月岡です」と続けた。
「月岡紬と言います」→
「……ありがとうございました。あの、コーヒーも美味しかったです」
「よかった! 明日から日替わりのラインナップに入る予定なんですよ。気に入ったならまた飲みに来てくださいね」
「はい、もちろんです。……あと差し支えなければお名前聞いてもいいですか? ちゃんとお礼がしたいので」
きょとん、と目を丸くしたその人は「ああ、名乗ってなかったでしたっけ」なんて軽い調子で呟いて、「月岡です」と続けた。
「月岡紬と言います」→
使い込みすぎて、表紙の端っこが捲れかけている私のスケッチブック。目当てのものがちゃんと戻ってきた安堵感に思わず立ち上がり、「ありがとうございます!」と頭を下げた。
「戻ってきてくれてよかったです。本当は席立ってすぐ気づいたから追いかけたんだけど、もう通り沿いには見当たらなくて」
「すいません、お手間をおかけしまして……結局こんな時間に来てしまいましたし」
「それは全然。時間なんか気にせず居座ってる男もいるくらいだし」
「顔出してやってんだろうが」→
使い込みすぎて、表紙の端っこが捲れかけている私のスケッチブック。目当てのものがちゃんと戻ってきた安堵感に思わず立ち上がり、「ありがとうございます!」と頭を下げた。
「戻ってきてくれてよかったです。本当は席立ってすぐ気づいたから追いかけたんだけど、もう通り沿いには見当たらなくて」
「すいません、お手間をおかけしまして……結局こんな時間に来てしまいましたし」
「それは全然。時間なんか気にせず居座ってる男もいるくらいだし」
「顔出してやってんだろうが」→
視線だけ上げると私を見下ろし、満足そうに微笑む店主。
「おいしいです」と小声で返すと、その目を細ませて、なんだか満足そうに笑った。男性らしい表情は彼を知らない人のように思わせて、脳内で昼間によく見るそれと勝手に見比べ、勝手に体温が上がる。
夜の学校に忍び込んだ時のような、見てはいけないものを見てしまったような、そんな気分。
彼と目を合わせた姿勢で数秒固まっていると、「とっとと返してやれよ」と隣から呆れたような声がかかる。
ハッ、と視線を外し隣を見ると、肘をつく美丈夫。→
視線だけ上げると私を見下ろし、満足そうに微笑む店主。
「おいしいです」と小声で返すと、その目を細ませて、なんだか満足そうに笑った。男性らしい表情は彼を知らない人のように思わせて、脳内で昼間によく見るそれと勝手に見比べ、勝手に体温が上がる。
夜の学校に忍び込んだ時のような、見てはいけないものを見てしまったような、そんな気分。
彼と目を合わせた姿勢で数秒固まっていると、「とっとと返してやれよ」と隣から呆れたような声がかかる。
ハッ、と視線を外し隣を見ると、肘をつく美丈夫。→
そう思い悩んでしまったのが伝わったのか、しっかりとした眉がクイッと上に向くと、「そのコーヒー」と指を刺す。
「さっき卸した豆で淹れたんだとよ。夜飲んでもくどくないんだと」
「ああ、なるほど……」
「俺にはよくわからないが」
身も蓋もないことを言いながら難しそうな表情でちびちびとマグカップを傾けているその姿は、何だか童話に出てくるクマを連想させた。何だか急に親近感が湧いてしまって、彼に倣って私もコーヒーを一口、二口と飲んでみる。
強く芳醇な香りに反して、味は少々酸味が強いのかさっぱりしている。→
そう思い悩んでしまったのが伝わったのか、しっかりとした眉がクイッと上に向くと、「そのコーヒー」と指を刺す。
「さっき卸した豆で淹れたんだとよ。夜飲んでもくどくないんだと」
「ああ、なるほど……」
「俺にはよくわからないが」
身も蓋もないことを言いながら難しそうな表情でちびちびとマグカップを傾けているその姿は、何だか童話に出てくるクマを連想させた。何だか急に親近感が湧いてしまって、彼に倣って私もコーヒーを一口、二口と飲んでみる。
強く芳醇な香りに反して、味は少々酸味が強いのかさっぱりしている。→
コポコポと時折音が鳴るのはどこかでお湯でも沸いてるからなのだろうか。いつもは来客と程よいジャズのBGMで賑やかな店内も今は静かで、カウンタースツールに足をかけた音すら大きく響いた気がしてひどく緊張した。
しかし、ただ待つのも手持ち無沙汰でそっと両手で握るようにマグカップを持ち上げると、立ち上る湯気が私の頬を撫でるように滑っていき、コーヒーの香りに包まれる。ほう、と息を吐くと苦い香りが鼻を抜けた先になんだか甘い花のような香りがして、首を傾げた。
「……さっき卸したやつなんだと」
「えっ! はい!!」
突然かけられた声に驚いて大声で返事をすると、隣にいた美丈夫は怪訝そうに顔を顰めた。→
コポコポと時折音が鳴るのはどこかでお湯でも沸いてるからなのだろうか。いつもは来客と程よいジャズのBGMで賑やかな店内も今は静かで、カウンタースツールに足をかけた音すら大きく響いた気がしてひどく緊張した。
しかし、ただ待つのも手持ち無沙汰でそっと両手で握るようにマグカップを持ち上げると、立ち上る湯気が私の頬を撫でるように滑っていき、コーヒーの香りに包まれる。ほう、と息を吐くと苦い香りが鼻を抜けた先になんだか甘い花のような香りがして、首を傾げた。
「……さっき卸したやつなんだと」
「えっ! はい!!」
突然かけられた声に驚いて大声で返事をすると、隣にいた美丈夫は怪訝そうに顔を顰めた。→
フードメニュー開発に協力してくれてる、商店街の和食屋さんで板前修行中のお兄さん。異常に料理上手なので、レシピが難解になりがち。
左京さん
商店街で唯一深夜まで営業してるカラオケ屋の店長さん。見た目は堅気に見えないけど、信頼できる兄貴肌。喫茶店の電気がついてるとやってくる。制服の派手なベストが妙に似合うと話題。
三角くん
ラーメン屋でバイトしてるフリーターの青年。商店街の色々なお店で助っ人的に働いてるので、八百屋さんや酒屋さんの配達を買って出ていたりする。商店街の猫たちの勢力図にやけに詳しい。
亀吉
商店街の猫を仕切るピンクのオウム。左京とやけに仲がいい。
フードメニュー開発に協力してくれてる、商店街の和食屋さんで板前修行中のお兄さん。異常に料理上手なので、レシピが難解になりがち。
左京さん
商店街で唯一深夜まで営業してるカラオケ屋の店長さん。見た目は堅気に見えないけど、信頼できる兄貴肌。喫茶店の電気がついてるとやってくる。制服の派手なベストが妙に似合うと話題。
三角くん
ラーメン屋でバイトしてるフリーターの青年。商店街の色々なお店で助っ人的に働いてるので、八百屋さんや酒屋さんの配達を買って出ていたりする。商店街の猫たちの勢力図にやけに詳しい。
亀吉
商店街の猫を仕切るピンクのオウム。左京とやけに仲がいい。
「じゃあ、これでも飲んで待っててください」
「え、ちょっと待って」
「丞はおもてなしよろしくね」
「おい、お前は俺に何を期待してるんだ」
ふふ、となんだか妙な含み笑いを浮かべるとあっさりと奥に引っ込んでしまった。
温かい店内に、コーヒーの香りに、知らない男性。
横目でチラリと確認したその人がシャツ越しでも分かるガタイの良さと、よく見なくても大変整っている顔をしていることに気づき、余計に緊張が増してしまった。
「じゃあ、これでも飲んで待っててください」
「え、ちょっと待って」
「丞はおもてなしよろしくね」
「おい、お前は俺に何を期待してるんだ」
ふふ、となんだか妙な含み笑いを浮かべるとあっさりと奥に引っ込んでしまった。
温かい店内に、コーヒーの香りに、知らない男性。
横目でチラリと確認したその人がシャツ越しでも分かるガタイの良さと、よく見なくても大変整っている顔をしていることに気づき、余計に緊張が増してしまった。