ななき
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ななき
@nanaki-s.bsky.social
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一次創作（合同創作）とゲームの雑多垢。
BL,NL,GL,R-18もOKの成人済。
ゲームは主にJRO（ラグナロクオンライン）に生息中。
文がメイン。たまにお絵描き。長髪男子スキー。
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ラスト。
November 28, 2025 at 11:30 AM
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続き。
虐待ではなく、強い鬼と対峙しても生き残るための修行。
November 28, 2025 at 11:30 AM
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続き
　というのに、何故か妙に気になった一つを手に取った。 　子供特有の変な選び方に、影響されたのかもしれない。 　紫のパウダーがかかった、小さなカヌレ。 　確か、紫芋味だったか。 　さっきは無造作に口に放り込んで、正直ちゃんと味を覚えていないけれど。 「……紫水の、色や」 　どんな味が、するのだろう。 　紫色の、小さな可愛いお菓子。 　少しだけ切ないような、優しい笑みを浮かべた輝夜は。 　そのカヌレを、そっと持ちあげ、運んで。 　一口で、口の中に収めた。 　歯を立てる。 　カリッとした表面は苦い。 　咀嚼する。 　ねっとりと重い、甘さが口に広がる。 　嚥下する。 　甘い余韻を残して、短く甘い時間が終わる。 「うまい？」 　息を潜めるような、静かな問いかけ。 　子供らしからぬ、冷静に観察するような紫の視線を感じて。 「……甘いなぁ」 　輝夜は、視線を合わせず、そう返した。 　 (終)
November 28, 2025 at 11:23 AM
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二人の養父は、当時の八剣当主。
癖の強い養父にみっちり調教()されたので、大人になっても頭が上がりません。
トラウマともいう()
「逃げ…もう来とる来とる！！」 「ちょ、早っ」 　ものすごい勢いで、近づいてくる気配。 　当主だけではない。 　なんかものすごい威圧を放って、いくつもの気配が迫ってくる。 　めちゃくちゃ怖い。 　人の姿であるはずの氷夜の毛がびりびりと逆立ち、尾が膨らむ錯覚さえ覚える。 　獣の血が濃いがゆえに、氷夜の危機回避反応は速かった。 　一瞬で獣の姿になると、紫瑞の襟首を咥えて宙に蹴り飛ぶ。 　背中に乗せる余裕もない。 　そんなことをしていたら、すぐに捕まる。 　事実、背中に迫る蔦を、氷夜はすんでのところで避けたくらいだ。 　捕まえようと伸びてくる蔦。 　彼らを貫かんばかりに地から延びてくる土の柱。 　よもや殺す気はないと思うが、そう思っても仕方がないくらい鋭い風の刃まで飛んでくる。 　それらの隙間を縦横無尽に駆け抜けて逃げる氷夜。 　その勢いを殺さぬよう、器用にタイミングを合わせて、紫瑞は獣の背に乗りなおした。 　そして、反撃と言わんばかりに、水の刃を飛ばして蔦を切る。 　土の柱は水で湿らせ、氷夜がそれを凍らせ蹴り飛ばして砕く。 　風の刃は蔦や柱を盾にしてやり過ごした。 　いつまで続く、この鬼ごっこ。 「氷夜、とりあえず裏山の滝壺に逃げようや！」 　背中から飛ぶ提案に、氷夜は同意したように走る方向を変える。 　滝壺の中は、紫瑞の庭のようなもの。 　彼と一緒ならば、氷夜もまたその恩恵に預かって長時間潜れる。 　だが、方向を変えた直後、キン、と鼓膜を斬る様な音と共に空気が固まった。 　否、足の動きを止められた。 　突然止まったにもかかわらず、勢いに乗って紫瑞が振り落とされることはなく。 　蔦や土の柱、風の刃に餌食になることもない。 　完全に、結界に封じられていた。 「あちゃー」 「…手詰まりやな」 　観念した少年たちは、項垂れて体の力を抜く。 　もうここまで来たら、あとはまな板の上の鯉だ。 　そんな彼らに、笑顔で近づく複数の気配。 「いやぁ、久々に楽しませてもらったわ」 「ああも易々と柱砕かれるとは、まだまだ鍛錬が足りへんかなぁ」 「いやいや、ここは彼らの成長と喜びましょうや、なぁ？」 　褒めてくれるのは嬉しいが、それが逆に怖い。 　固まったまま、心は身を寄せ合うように審判を待つ兄弟に、ひと際ゆっくりと近づくのは、彼らの養い親ともいえる、八剣当主。 　彼は、それはもう、一層清々しい笑顔で、言い放つ。 「覚悟はええな？　お前達」 　 　その数時間後。 「もうしばらく、術書は見とうない…」 「俺は筆もつんがいやや…なんでこんな子供みたいな罰…」 「まだ子供やしなぁ？　ほら、次はこっちや」 「笑顔で怒らへんで…御当主…」 「まだあるん…？」 　山のような半紙を前にぐったりする兄弟と、それと当主自ら叱咤する姿が見られたとか。 　 (終)
November 25, 2025 at 12:12 PM