里で立て続けに起こった怪異と結びつけられ、あらぬ疑いをかけられた二人の団子屋。里の人間と妖怪たちとの間から浮かび上がってきた事の真相とは……。
団子屋を訪れる里の人々との交流、そして巻き込まれた事件を通じて、二人がゆっくりと自分たちの居場所を見定めていく過程が良かった。人間でも妖怪でもない彼女たちが、これからどんな立ち位置をとっていくのかは確かに気になる。ここでも互いに支え合う清蘭と鈴瑚の関係が素敵で、読み終えてとても爽やかな気持ちになった。
里で立て続けに起こった怪異と結びつけられ、あらぬ疑いをかけられた二人の団子屋。里の人間と妖怪たちとの間から浮かび上がってきた事の真相とは……。
団子屋を訪れる里の人々との交流、そして巻き込まれた事件を通じて、二人がゆっくりと自分たちの居場所を見定めていく過程が良かった。人間でも妖怪でもない彼女たちが、これからどんな立ち位置をとっていくのかは確かに気になる。ここでも互いに支え合う清蘭と鈴瑚の関係が素敵で、読み終えてとても爽やかな気持ちになった。
異変よりずっと前、月の都で地球を監視する業務に就いていた鈴瑚。月侵略のおそれがないことを理由に業務から外されそうになった鈴瑚は、地球人の脅威を知らしめるべく行動を起こす。
80年代初頭の冷戦期という舞台設定が物語に巧みに活かされ、鈴瑚の企みがどう転ぶかドキドキしながら読んだ。地球への憧れを募らせる鈴瑚は無邪気そのもので、トラブルの渦中にあってもどこか楽しげに見える。清蘭との息のあったやり取りも気持ち良い。
異変よりずっと前、月の都で地球を監視する業務に就いていた鈴瑚。月侵略のおそれがないことを理由に業務から外されそうになった鈴瑚は、地球人の脅威を知らしめるべく行動を起こす。
80年代初頭の冷戦期という舞台設定が物語に巧みに活かされ、鈴瑚の企みがどう転ぶかドキドキしながら読んだ。地球への憧れを募らせる鈴瑚は無邪気そのもので、トラブルの渦中にあってもどこか楽しげに見える。清蘭との息のあったやり取りも気持ち良い。
冷え込みが厳しくなるにつれ客足が遠のき始めた団子屋の屋台
。売上を伸ばそうと鈴瑚が考えた一手は、里を巻き込み思わぬ方向へ転がりだして……。
様々なモチーフを通じて繰り返される月への結びつきの描写が美しい。地球へのあこがれはあっても故郷を離れた里での生活に不安がない訳はなくて(思慮深い鈴瑚だからこそ抱く不安かもしれない)、その点で清蘭との暮らしは彼女にとって大きな心の支えになっているんだろう。表情豊かな清蘭の姿や立板に水を流すように喋り倒す文の口ぶりも良かった。
冷え込みが厳しくなるにつれ客足が遠のき始めた団子屋の屋台
。売上を伸ばそうと鈴瑚が考えた一手は、里を巻き込み思わぬ方向へ転がりだして……。
様々なモチーフを通じて繰り返される月への結びつきの描写が美しい。地球へのあこがれはあっても故郷を離れた里での生活に不安がない訳はなくて(思慮深い鈴瑚だからこそ抱く不安かもしれない)、その点で清蘭との暮らしは彼女にとって大きな心の支えになっているんだろう。表情豊かな清蘭の姿や立板に水を流すように喋り倒す文の口ぶりも良かった。