むぎちゃうまい
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むぎちゃうまい
@mugichaaaa.bsky.social
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20↑成人済みオタク (JP / EN) 海外にいます
BLGL中心、非カプの距離近男女コンビも好き。たまに二次創作(小説)、ごく稀に絵(練習中）。現在プセ中心 (🌟最推し、🦄兄妹とダショ みんな好き)
基本妄想やら独り言をブツブツ呟くけどあんまりいません。カプとして生産するのは今のとこ🎈🌟のみです
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(4/4)
たり来たりしながら一人何役もしなきゃいけなくてちょっと大変そうだったけど、見てて面白かったな。しかも、なんと途中でアタシたちを巻き込んだショーも始まった。発生したトラブルをみんなで協力して解決するって内容の体験型のショーで、急だったからビックリしたけどすっごく楽しかった。 　そうやってアタシ達はおしゃべりしたり、食べたり、ゲームで遊んだり、お祭りを脅かすトラブルを解決したりもしながら、お兄ちゃんがアタシ達の為に開いてくれた一回きりの特別なお祭りをめいっぱい満喫した。 　そしてやっぱり、楽しい時間はあっという間に過ぎていく。もうそろそろみんなお家に帰る支度を始めた方がいいかな、ってなった頃、遊び尽くして大満足のアタシ達が最後に立ち寄ったのはチョコバナナのお店だった。チョコバナナって見た目がすごく可愛いな、って前から思ってたから、一番の楽しみは最後まで取っておきたかったんだ。チョコバナナを持ちながらみんなで写真を撮って、食べ終わったらお開きにしようね、という話でまとまった。 　でもそういえば、一つ気になってた事がある。ここにある食べ物、全部アタシたちが食べられるように四つにわけてあって、お兄ちゃんの分がなかったんだ。 「実は咲希が帰ってくる前、先にちょっと食べたんだ。腹が減っては祭りはできないからな！　だから遠慮せずに食べてくれ！」とか言ってたけど、お兄ちゃんって結構食いしん坊だから、多分もうそろそろ…… 　思ってた矢先に、ぐう、と誰かのお腹が鳴る。 アタシたちはもういっぱい食べてたから、もちろん音の発生源は一人しかいない。音の鳴った方を見ると、案の定ちょっとバツの悪そうな顔をしたお兄ちゃんがいて。アタシと目があった瞬間、こらえきれなかった様に笑い始めるから、つられてアタシもお腹が痛くなるほど笑っちゃった。 　アタシの為にいっぱい頑張ってくれた、世界一大好きなお兄ちゃん。あの時のお祭り、本当に、本当に嬉しかったよ。 　あれから色々考えてたんだ。思うんだけど、多分アタシもお兄ちゃんも……　ううん、きっと誰だって、他のみんなには見えない、それぞれ違う重いものを持っている。そしてもしかしたらそれは、自分で持つしかないものなのかもしれない。それはそういうふうにできてるから、仕方ないんだ。でも、それ以外は、きっと分かち合えるんだって、アタシは信じたい。 　あのお祭りの日のアタシは、お兄ちゃんからもらった楽しかった気持ちを、幸せを、お兄ちゃんとも分け合いたいと思ってた。 　だからね、アタシのこの想いが、ほんのちょっとでも伝わるといいな、って思いながら、こう言ったんだ。 「ねえ、お兄ちゃんとも一緒に食べたい！　このチョコバナナ、はんぶんこしようよ！」 　きっと、伝わったよね。だって―― 　いっちゃん達と四人で写真を撮った後、お母さんがこっそり撮ってくれてた、きょうだい二人で一つのチョコバナナをはんぶんこしてる写真。お 兄ちゃんね、たまにこっそりお家のアルバム取り出して、ニコニコしながらあの写真見てるの、アタシ実は知ってるんだ。
December 21, 2024 at 12:23 AM
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(3/4)
「昨日はごめんね、お兄ちゃん。元気づけようとしてくれてたのに、アタシ、すごくひどいこと言っちゃった」 　咲希は本当に優しくて強いな、って思ったんだ。だって、悪いのはオレなのに。本当はこんな顔させたくなかった。 　オレは、咲希の為に何ができるのだろう。 　咲希の望んでる未来は、絶対あるんだって、諦めてはダメだって、伝えたいのに。薄っぺらな言葉なんかじゃ全然足りないんだ。 　脳裏に浮かんだのは、あの日のステージの上でキラキラ輝く、あこがれのショースター。歌と、踊りと、お芝居が、オレたちを別の世界に連れて行ってくれた。見た事もない物を、行ったことない場所を、確かにその時のオレたちは見ることができたんだ。その日の咲希の笑顔を、オレはきっと一生忘れない。 　ああそうだ、いつだってオレは、これを目指してたんじゃないか。 　だったら、オレがすべきことは―― ＊＊＊ 　 　祭囃子の音と、それをかき消すぐらいにぎやかな声。色とりどりの屋台の暖簾と、華やかな柄の浴衣。 　はふはふと湯気を逃がしながらたこ焼きを一つ頬張る。なんかたこがちょっと小さい気もするけど、美味しいな。うん、お祭りはやっぱこうでなきゃ！ 　今年もまた、Ｌｅｏ／ｎｅｅｄの皆と一緒に来れたんだ。 　休憩エリアのベンチに座って、ちょっとしみじみしながらお祭りを楽しむ人たちを眺めてると、隣に座ってるいっちゃんが照れくさそうに口を開いた。 「まさか、咲希が焼きそばをはさむためのパン持ってきてくれてるなんて思わなかったよ」 「うん、焼きそば作ってるおじさんもビックリしてたし。ちょっと恥ずかしかったんだけど」 「ふふ。でも、アツアツの焼きそばで作った焼きそばパン食べてる一歌ちゃん、本当に嬉しそうだったね」 「ふっふっふ。でしょー！　やっぱり持つべきものは気配りの出来る友人ですなぁ」 「それ、自分で言う？」 　ツッコミを入れるしほちゃんの手にはずっと飴細工のウサギさんが握られている。しほちゃん、可愛すぎて食べられないんだろうなぁ。ほなちゃんは棒に刺さった揚げドーナッツに色んなトッピングが付いてるやつを買ってたはずなんだけど、もう無くなっちゃってる？　アップルパイ味、美味しそうだったもんね。 　いつも通りの会話だけど、お祭りだとちょっと特別感があってすっごく楽しい！　今年も皆とお祭りこれて、うれしいなぁ。そんなことを考えてたら、みんなも嬉しそうにこっちを見ているのに気づいた。アタシの考えてる事、みんなにはお見通しだったみたいだ。 「咲希はこれで夏祭りは二回目、だっけ？　去年皆で行ったのが初めてだったよね」 「んー……　ううん、三回目だよ！」 「えっ、そうだったっけ？」 　不思議そうにするいっちゃん。そう、実は小学生の頃、一度だけお祭りに行った事があるのです！　その時、みんなも一緒だったんだよ。 「ほら、覚えてない？　小学生の頃」 「……ああ！　あったね、お祭り。咲希の家で」 「うん！　あれもすっご～～く楽しかったなぁ」 「司さん、ああいう所は本当に凄いよね。声うるさいけど」 「志歩ちゃん……」 ＊＊＊ 　それは、小学生の頃、みんなと一緒に行くはずのお祭りにいけなくなっちゃった日からちょうど一週間後。ようやくお家に帰ることができたアタシが、お母さんと玄関のドアを開けると、そこで待っていたのは、お兄ちゃんと、なぜか浴衣を着たいっちゃん、しほちゃん、ほなちゃん。手を引かれるままリビングへと足を運んだアタシが見たのは―― 　リビング全体にずらりと配置されている、段ボールと画用紙で作った色とりどりの屋台。 　切り貼りした色紙に、絵の具とクレヨンで大きく文字が書いてあって、その看板の下のお店には食べ物が実際に並んでる！ 　やきそば、チョコバナナ、フルーツあめ。 　やさい、と書かれたのれんの下には小さめにカットされたキュウリの一本漬けと焼とうもろこし。 　衣装ケースに水を入れて浮かべたスーパーボールすくいにヨーヨー釣り、それに他にも色々ゲームがある。　 　お外でやるお祭りよりちょっとスケールは小さいけど、そんな事は全然気にならなかった。ずっと行ってみたかったものが目の前にあるんだもん！　しかも、いっちゃん達まで来てくれてる。そして、これを全部作って、計画してくれたのは。 「ほら咲希、早く着替えてきて！　母さん手伝ってくれるって！」 　目をまんまるにしてるアタシに、あの日着るはずだった浴衣を手渡す笑顔のお兄ちゃん。 　そういえばあの浴衣、お兄ちゃんが一緒に選んでくれたんだよね。今年はもう着れないと思ってた浴衣が着れただけでもすっごく嬉しかったのに、着替え終わって部屋から出てきたアタシを見たお兄ちゃんが、あんまりにも幸せそうにニコニコしてるから、こっちまでもっともっと嬉しくなっちゃったんだ。 　その後はいっちゃん達と一緒にひとつひとつ、お兄ちゃんお手製の屋台を回っていった。置いてある食べ物自体はあらかじめお母さんとお父さんが作るのを手伝ってくれたみたいだったけど、それを売ってる店員さんはみんなお兄ちゃん。行っ
December 21, 2024 at 12:23 AM
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(2/4)
まにはワガママ言ってもいいんだよ。もっとアタシの事頼ってもいいんだよ。弱音だって吐いていいんだよ。なのに、どうしてもこの一歳差は埋まらなくて、わたしはお兄ちゃんに何も返せないまま。 　ねえ、お兄ちゃん。辛い事もはんぶんこしたいんだ、アタシ。 ＊＊＊ 　欲しい物も、やりたいことも、昔からなんだって手の届く範囲にあった。 　放課後、学校の友達と公園に行って遊ぶ事ができる。図書館に行けば、好きなマンガや絵本を借りられる。家に帰ればテレビで気になる番組だって見れるし、あれ食べたいな、って思ったら母さんにお願いできる。 　でも何より一番欲しかったのは、妹の笑顔だった。オレの「楽しい」を咲希にもわけてあげたかった。同時に、咲希が感じてる辛さも、本当はちょっとでも一緒に持ってやりたかったんだ。なのに、それだけはオレにはどうすることもできないのが、凄く悔しくて。 「ごめんね、お兄ちゃん。お兄ちゃんだってきっと寂しいのに」 　咲希は優しいから、母さんたちが咲希と一緒にいる時間が増える時、いつも気にしてそう言ってくれる。けど、オレは、好きな時に外に行けるし、スポーツも出来る。プールにも遠足にもいけるんだ。 　日曜日の夜、もう週末が終わってしまうのか、明日は学校か、ってちょっと残念に思ってしまう 事だってたまにある。思ってしまうことができるんだ、オレは。 　一歳しか違わないのに、何でオレは健康で、咲希は病気なんだろう。自分だけ学校にいけて、友達と遊べて。咲希は病院で一人寂しい気持ちと戦ってるのが、どうしても不公平に感じた。オレだけ全部持って行ってしまったみたいで、すごく嫌だった。 　だってそんなの、ずるいじゃないか。咲希だけ動けないままなんて、オレは嫌なんだ。これを聞いたら咲希は絶対「そんなのダメだよ」って怒るのだろうけど、オレだけ一人でどんどん先へ進んでいってしまうぐらいなら、今はまだ、オレはここに留まったままでいいんだ。咲希の病室の、ベッドの隣にある椅子に座って、一緒にいてやりたい。なるべく咲希の近くにいたいし、ショーを見せてやりたいし、それができない時は、次に合う時にどうやって咲希を笑顔にできるか考えていたい。少しの間だけでも、辛い事を考えなくていいようにしてやりたいんだ。 　はんぶんこしたいんだ、楽しい事も辛い事も全部。病気だって、肩代わりしてやれるならと何度思った事か。なのに、それだけはできない。そして苦しんでる咲希を見て来たから、わかるんだ。同じ立場に立ったこともない人が、そんな事、気軽に言っちゃいけない。 　ならば、せめてオレの手の届く範囲の幸せは全部渡してあげたい。アイスの味一つで少しでも痛みから気がそらせるなら、いくらだって好きな味を選んで欲しい。好きな味のアイスを一口頬張って、おいしいね、って笑う顔を見たいんだ。咲希 が笑っていてくれるのが、一番嬉しいんだ。 　 　そして、これは内緒の、絶対誰にも言えないこと。 　みんなに置いていかれる事を怖がってる咲希。一人で病気と戦わなきゃいけない咲希の方が、ずっと寂しくて辛い思いをしてるのはもちろんだ。でも、置いて行きたくなんてないのに、大切な人を置いて進まなきゃいけないのも、寂しくて、怖いんだ。 　いつも考えないようにしてるし、こんな事絶対に考えてはダメなのに、たまに、気を抜くと、頭の中の怖い声に耳を傾けてしまう事がある。 　もしオレが、あまり長いこと咲希から目を離してしまったら、一人で先に進み過ぎたら、置いていかれたって思わせてしまったら―― 　咲希に……　置いていかれてしまったら、どうしよう、って。 　そんな事が頭をよぎってしまって、凄く怖い。 　いつだって良い兄であろうとしてるけど、実際は歳も一歳しか違わない、ただの子供で。本当はそんなに強くないんだ、お兄ちゃん。見栄張ってるだけなんだ。ごめん。 　だから咲希の為にやってる事は、実は自分の為でもあるんだ。口にはだせない、自分勝手な願いで、怖い声をかき消すためのおまじないなんだ。 　どうか、諦めないで欲しい。手が届かないほど遠くへ行かないで欲しい。できれば、笑っていて欲しい。 　だからオレは今日も、ハッピーエンドで終わるショーを作り続ける。 　思い出すのは小学生の頃、楽しみにしてたお祭りに行けなくなって落ち込んでいる咲希のお見舞いに行った日のこと。 「絶対、絶対咲希は良くなるし、また機会はあるからな。大丈夫だぞ！」 　励ますつもりでそう言った瞬間の咲希の顔を見て、あ、自分はなんて無神経なことを言ってしまったんだろう、と強く思ったのを覚えている。だって咲希は、今まで何回もこの言葉を聞いてきて、何回も裏切られてきたんだ。よりによって兄である自分が、その時に言うべき言葉ではなかった。 　みるみるうちに咲希の目に涙がたまり、ボロボロとこぼれだす。ああ、泣かせてしまった。 　ごめん、咲希。ごめんな。 「そんなのないかもしれないじゃん！　今までもずっとそうだったもん！」 　言わせてしまった。 　頑張って、ずっとずっと我慢してきて、なのに裏切られて。それをもう数えきれないほど繰り返してきて。 「ずるいよ、お兄ちゃんだけ学校行けて、お友達と遊べて、プールも遠足もお祭りも行けて！！」 　それでも咲希は頑張ってたんだ。オレたちを心配させないために。未来を諦めないでいるために。 　その必死の頑張りの一部分を、オレは今ふいにしてしまった。未来が繋がらない可能性を、口に出させてしまった。咲希が悲しむのも、怒るのも、当然だ。だから次の日、本当に申し訳なさそうな顔で咲希が謝ってくれた時。
December 21, 2024 at 12:23 AM
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(1/4) ﾃﾝﾏ兄妹小説
楽しい事も辛い事もはんぶんこしたい兄妹のお話。
🎹ちゃんの病気が治る前なので全体的に暗い！！ でもハッピーエンドです。

兄弟姉妹オンリー『きみと過ごした十数年』で展示したものです
　それは、見たいテレビ番組だったり、行きたい場所だったり、アイスのフレーバーだったり。昔からお兄ちゃんは、「咲希はどっちがいい？」と何かとアタシに選択を譲ってくれる。 　小さい頃は嬉々として我先にと自分の好きなものを選んだのだけど、大きくなった今はそれがどうも気になってしまう。だって、なんかフェアじゃない気がする。 　アタシがどうしても譲らないと、お兄ちゃんはそこでようやく、「では、はんぶんこにしようではないか！」と提案してくれる。結局アタシは、なんだかんだ自分の欲しかった方が手に入るし、お兄ちゃんは自分を優先してくれない。 　お兄ちゃんにそれを伝えても、「オレは自分の好きな物を食べるより咲希が好きな物を食べている所を見る方が嬉しいんだ」みたいなことしか言ってくれなくて、そういう所も大好きなんだけど、やっぱりちょっと納得いかないんだ。 　お兄ちゃんとアタシは一歳差。それも厳密に言えば一年も離れてない。五月九日から五月十七日までの一週間とちょっと、アタシはお兄ちゃんと同い年で、実は毎年その時期を少しだけ楽しみにしてるんだ。その数日の間だけ、お兄ちゃんとアタシの間の埋められない隙間が、ほんのちょっとだけ狭まる気がするから。だって、本当は一歳なんて、そんなに変わらないもん。 　アタシが生まれた時のお兄ちゃんは一歳になる直前だったから、お兄ちゃんもまだ全然赤ちゃんって言ってもいい年だったし、お兄ちゃんにはアタシがいない時の記憶はない。赤ちゃん二人もいて、お母さん大変だっただろうなぁ。 　だから思うんだけど、双子とまではいかなくても、アタシとお兄ちゃんって、そんなに変わらないはず。なのに。 　お兄ちゃんは、「お兄ちゃん」だから。いつも頼りになる、世界一大好きな自慢のお兄ちゃん。その傍からは見えない頑張りも、アタシを元気づける為の強がりも、嫌だなんて思った事は一度もない。本当だよ。でも、お兄ちゃんはアタシを頼ってはくれないから、それはちょっと寂しいんだ。そして、そんなお兄ちゃんのやさしさに結局甘えちゃう自分も、ちょっと嫌だった。 　まだ小学生の頃、入院中で苦しくて苦しくてたまらなかった時、アタシは一度、お兄ちゃんに八つ当たりしてしまったことがある。 　体の調子も段々よくなってきていて、もしかしたら本当にこのまま治るのかも、と思った矢先に症状が悪化して、また一人で入院する事になった日。ちょうどその日は、いっちゃん達と一緒にお祭りにいこうね、って約束していた日だった。 　だから、わくわくしながら選んだ浴衣も、回るのを楽しみにしてた屋台も、一緒に取るはずだった写真も、全部全部「また来年」になっちゃって。そしてまたいつもみたいに、みんな残念そうに、でもアタシに気を遣わせないように笑って言うんだ。 「大丈夫だよ、きっとまたチャンスはあるよ」って。 　そんなの、わかんないのに。 　みんなのやさしさから来るこの言葉を、アタシはもう何回も何回も聞き過ぎて、もう嫌いになっちゃいそうで、そしてそんなこと思っちゃう自分 も嫌で仕方なくて。 　アタシはこの先、何回「また今度」を経験していかなくてはならないんだろう。何回自分の体に裏切られちゃうんだろう。そう思ったら、もう色々ぐちゃぐちゃになっちゃってたんだ。なんでアタシだけ、って。 　だからその日お見舞いに来てくれたお兄ちゃんが言った「絶対、絶対咲希は良くなるし、また機会はあるからな。大丈夫だぞ！」が、その日は駄目だったんだ。 「そんなのないかもしれないじゃん！　今までもずっとそうだったもん！」 　言ってしまった。 「ずるいよ、お兄ちゃんだけ学校行けて、お友達と遊べて、プールも遠足もお祭りも行けて！！」 　感情のままにそんなことを叫んで、顔を上げた時。 　お兄ちゃんが見たことも無いような悲しい顔をしてこっちを見ていて、「ああ、なんて事を言ってしまったんだろう」と思ったのを覚えてる。 　そしてお兄ちゃんは俯いて、いつもからは考えられない程小さな声で「ごめん」って言ったんだ。 「ごめんな、咲希。」って。 　お兄ちゃんは何も悪くないのに。でも傷つけたのはアタシの言葉で、だからその時はもう何も言えなかった。 　次の日、またお見舞いに来てくれた時に謝ったけど、お兄ちゃんは「ありがとう。でも、咲希は悪くないぞ」と笑って言った。本当に、心からそう思ってるんだって、顔を見ればわかった。 　一人で遠くにいるのは、凄く寂しい。皆に置い てかれたまま、アタシだけ動けないまま時間が進んで行くのは本当に苦しくて、辛くて。 　でも、お兄ちゃんも辛かったの、アタシ知ってるよ。 　お父さんもお母さんもアタシに付きっ切りだったせいで、我慢しなきゃいけなかった事もきっといっぱいあったはず。 　誰にも言わなかったけど、昔、お兄ちゃんの部屋のゴミ箱のなかでクシャクシャになってたチラシを見ちゃった事あるんだ。児童劇団の案内だった。きっとどこかでこれを貰って、お母さんとお父さんに見せようと思ってたんだ。そしてそれをせずに捨てちゃったのは、多分、アタシがこんなだったから。 　ショーが大好きなお兄ちゃん。一緒に初めてショーを見たあの日から、いつもいつもアタシの為に作ったショーを見せてくれたね。凄く、凄く楽しかったし、嬉しかったよ。お兄ちゃんのショーのお陰で、辛い検査も、寂しい夜も頑張れた。 　でもね、たまに思っちゃうんだ。お兄ちゃんももっと色んな人とショーをやってみたかったのかな、とか。アタシが引き止めちゃったのかな、とか。そんな事言ったら、お兄ちゃんは絶対「そんなことない」って怒るだろうけど。 　アタシと殆ど変わらない歳だったのに、辛いそぶりを何一つ見せようとしてくれないお兄ちゃん。いつだって一足先にいるお兄ちゃん。ちょっとだけ生まれるのが早かったから、アタシより先に大人にならざるを得なかった。 　ずるいな、と思うのに。お兄ちゃんだって、た
December 21, 2024 at 12:23 AM
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半額10連敗北したけど2連続ドヤドヤてんまでちょっと嬉しかった
同じムービー2回再生されたから最初バグったかと思ったよ
December 1, 2024 at 7:22 AM
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プロット整理してたらクソみたいなメモ見つけた
メモ帳アプリのスクリーンショット 内容は以下 エッチなことをしないと出られない部屋 🌟 えっちな事ってなんだ？？ 🎈 具体性が無いねぇ あたりを見渡すと壁の上の方にディスプレイが エッチ度分析採点機能付き 🌟 カラオケか
November 20, 2024 at 1:28 AM