静かな朝だった 起きてきたシャがリビングの机に書き置きを見つける 角張った丁寧な字で書かれた『シャアへ 今日は急きょ早く出ます。帰りはいつも通りです。行ってきます。アム口』 そのメッセージに目を細める 仕事でも端的な言葉を選ぶアムが、紙の上では敬語を話している それから、Dearに続いて書かれた自分の名前を指でなぞった 何度も見てきた文字の並びが、見慣れない字体で綴られており新鮮に感じる 耳に届いたときの甘さや緊張とはちがう、もっと堅くてくすぐったい心地だ シャは、ふうと息をつき肩の力を抜いた
静かな朝だった 起きてきたシャがリビングの机に書き置きを見つける 角張った丁寧な字で書かれた『シャアへ 今日は急きょ早く出ます。帰りはいつも通りです。行ってきます。アム口』 そのメッセージに目を細める 仕事でも端的な言葉を選ぶアムが、紙の上では敬語を話している それから、Dearに続いて書かれた自分の名前を指でなぞった 何度も見てきた文字の並びが、見慣れない字体で綴られており新鮮に感じる 耳に届いたときの甘さや緊張とはちがう、もっと堅くてくすぐったい心地だ シャは、ふうと息をつき肩の力を抜いた