もふもふな羽
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⚠ルクフロ
魅惑の葉　5/5　終

※下記ALTで、全て読めるようになっています。読みにくい方はALTでお読みください。
魅惑の葉 「ねえウミネコくん、なんでオレはアンタに狙われちゃったのかな」 　──────フロイドの恋人、ルーク・ハント。それはフロイドから恋人の彼に向けて発された言葉だった。 　狙った獲物は逃がさない、なんて彼はよく言ったものだ。では、何故多様な美しさに魅了され美を追求する彼が自分を好いたのか。何が彼を動かしたのか。恋人となって共に時を重ねたものの、理由は分からないままだ。 　自分のどこが好きかを問えば、詩やらなんやらで愛を語ってくる。でも、オレが知りたいことはそーいうことじゃなくて。 　今もオレはコイツが好きで、コイツもまたオレのことが好きで。まるで愛という想いで、離れないように首輪を付けられているような気分になる。実際にオレの首元には赤い跡が残っているが、彼を拒む考えは浮かばなかったし、今だって浮かばない。 　思考を戻して目の前にいるヤツに視線だけ向ければ、オレを映すグリーンの瞳と合う。 　金色の手入れされた髪に手を伸ばして一度梳く。そうしたオレの手を取って、ルークは流れるように手のひらに口付けを落としてきた。彼が薄く微笑むのを見て、オレは満足して笑った。 「そうだね──────強いて言うなら……キミを"狙っている"というよりも、キミに"狙わされてる"が正しいかな」 「あはっ、ほーんと意味わかんねーヤツ」 　ベッドの外に投げられていた脚が持ち上げられて雑に、けれど優しくベッドの上に乗せられる。オレの顔の近くに腕を立てて顔をよせ「キミに夢中ってことさ」とキザなことを耳元で言って、そのまま首元に顔を寄せてくる。そこにピリッとした痛みが走った。 　仕上げとばかりにそこに舌が伝う。鼻から抜けるような声を我慢して、首元から顔を上げたルークの耳に触れた。オレの真上に顔が来て、切り揃えられた髪がオレを囲むように形を成した。まるで自分だけの天幕のように感じるから、オレはこれが好きだ。どう思ってやってるのかは知らないが、たぶん、ルークも好きだと思う。「なあに〜？もう眠たいの？」 「……………」 　むにむにと耳で遊びながら笑うオレに、分かってるくせに、とでも言うようにむつけた顔をするルーク。自覚がないのが厄介だが、こういうあざといところが多い。ほんとに、なんでこうも可愛いのか。こういう表情が見たくて、ついつい煽るようなことを口走ってしまうのだ。 機嫌を損ね過ぎないように、ルークのふくれた両頬を片手で掴みうりうりと揉んでやる。 「怒んないでよぉ」 「……別に、怒ってるわけじゃないよ。ただ私は今、フロイドくんに意地悪されたね」 　耳に、首に、胸元に口付けが落とされる。優しいのに妙に熱っぽいソレに対して、ゾクゾクとした感覚がオレを襲う。ルークの吐息がオレの身体に吹かかって、なんだかいつもよりも熱いような気がした。 「──────ルークったら、えっちなんだぁ」 「っ…。キミが言えたことではないよ」 　頬を染めたルークは、フイっとマジカルペンを振る。部屋の明かりが消えて、代わりにベッドサイドにある小さな明かりが付いた。 　そのまま自分の服のボタンを片手で器用に外しながら、ベッドヘッドにマジカルペンを置こうと身を乗り出すルーク。その行動を良いことに、彼の視界外で片膝を立てる。「えいっ」と好奇心を働かせて、股の間に位置する局部をグッと刺激してやった。 　気付いていなかったのか、あるいはいつもより興奮していたのか、面白いほどに身体を跳ねさせるルークが面白くて、くつくつと笑ってしまう。 「……はーー…………フロイドくん」 　しかしそんな風に笑っていられたのは、名前を呼ばれるまでだった。すぅっと目からハイライトが消えてしまったように見える彼から見つめられる。オレしか眼中にしかない、薄く細められた狩人の目。いつの間にか思った以上に楽しくなってしまって、どうやらやりすぎたらしい。ルークのその表情に、流石のオレでも口が引き攣る。 　頑張れ、未来のオレ。頑張れ、数秒後のオレ。そうやって他人事のように自分を応援して、自身の服のボタンを一個ずつ、急がずに外していく。 　最後のボタンを外し終えて、じいっと大人しくオレを上から見つめていたルークと目線を合わせた。 「……ルークはオレのこと、どうしてぇの？」 　そう問うと、ルークは口に手を当てる。それから、随分と可哀想なモノを見る目で笑いを零した。 「はははっ…！そんなの決まっているだろう？──────私でぐちゃぐちゃになるまで、快楽で狂わせてやりたい」 　ほら、私はキミに狙わされてる。ルークはそう思った。 最後までお読みいただき、ありがとうございました🙇‍♀️✨
February 20, 2024 at 1:04 PM